あらすじ
主人公の五月が友人の結婚式で出会った栗原健太は、「女は結婚したら、家庭に入るべきや」などというド古臭い考えの男で、お互いに友人代表のスピーチの時から言い合いになる。しかし、喧嘩のできる仲というのはなかなか面白い――。そんな素直な気持ちになってきたとき、ある悲しい出来事が起きる。自分にとって大切なものをふり返ることの出来る恋愛小説。
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Posted by ブクログ
田辺さんの作品読んでると文学も芸術やなぁって染み染み感じます。トキメクような自然の風景が頭に浮かんで、急展開な出来事に一行毎に胸騒ぎを覚えて、今回も田辺さんの世界にどっぷりヤラレました。ストーリーも登場人物の年齢も全然違う(ファンタジー要素もない)んやけど「君の名は」を観終わった感覚にちょっと似てた。現代的な都会と古風な田舎がコントラストになっていて、田舎から都会に移り行く発展都市も合わさって、時代背景や登場人物が個性的に動いてる。リアルにいる、こんな人たち。個人的には主人公が選んだ道に説得力があったかな。女性の生き方、結婚について、30年前の作品とは思えない!こんな考え方もあるよ、あなたはどう?って田辺さんが寄り添ってくれてます。
Posted by ブクログ
やっぱ田辺聖子大好きです。
五月はわたしと同じくらいの年齢。
この小説が書かれたのはわたしが生まれる前。
なのに、なのに、ナンデこんなにわたしのこと書いてんのよっっ!!!!と思うほど共感。
もちろん、わたしが住んでいるのは大阪でもなく、村に住んでいる気になる人もいないのだけど、
でも考え方とかさ、ぜんぶそのまま小説に垂れ流されてる。
書き方もとても上手い。ほんとうに。
「こういうときの、女の好奇心に水をぶっかけても消えるものではないのだ。」
「女は心情的近眼なのである。」
「親は生きてるうちはいつも敵じゃ。死に際が近づくとか、死んだあとは親になるでの」
「初老期文句症という症状であろう。」
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最近活字がどうも読めなくなっていたのだが
久々の田辺聖子はスグ読めた。
やっぱり田辺聖子はすごいなあと思いながらの読書だった。
個人的に結構「田辺節」はわかっていると思っており
いつもの田辺さんとこの女の子やなあと思いながら佳境、
ラストの展開(山の顛末)をもってきたのは意外性が強すぎて
その衝撃?の反動から勢いの★5つ。
この展開、なくても田辺なら最後までいけると思うのだけど
まったく蛇足でないようにスっとスパイス(それも結構辛口)のを差し込んできたのはすごい。
Posted by ブクログ
田辺さんの作品が大好きで、ちょっとずつ読破していこうとしている最中です。最初は、いつも通りの関西弁のリズミカルな文章。田辺さんの独特の雰囲気が一気にひろがって、ほっこりします。この本は復刊という形で今年の二月に出版されました。その意味は、読んだ人にならわかります。いつもの恋愛だけでなくて、胸に小さな灯りをともしてくれる一冊です。
Posted by ブクログ
ちょと昔の、まじめ系な小説かな、と思いながら読んでみたら、
なにがなにが、共感の嵐。
しかも今現在の作家さんが書くより、田辺聖子が書いたと思うとますます深くうなずいてしまう不思議。
田辺聖子、好きです!
このお話は、ものすごく面白いというわけではなかったけれど、まさしく今読むにふさわしい一冊でした。
田辺さんは当時何を思ってこんな展開を用意したんだろう。
わたしが最も深くうなずいた文言。
「女は遠くの景色なんか見えないのだ。子供より先に、恋愛結婚があるのだ。女は心情的近眼なのである。」
これを相手の男とかナレーションが言うのではなく、主人公自身が言っちゃうところが好き。
Posted by ブクログ
田辺聖子さんの小説を初めて読む。
古さをまったく感じない。
今も昔も考えていることが一緒って事か。
いわゆる女の子っぽい展開があまり私の性格には合わず
恋愛小説は避けることが多いけれど
この小説に出てくる女の子たちはサバサバとしていて
弱くもあり強くもある、そして25歳という微妙な年齢の
気持ちをすごくうまく表している。
25歳の自分自身の心模様を思い出してしまった。
Posted by ブクログ
柴崎友香の解説ありで益々読む気がでた本書。ほんまに今の時代に復刊されて、何年も前の作品なのに色あせない古くさくない、田辺聖子はやっぱすごいなぁ。と思い知らされました。生きているウチに、共感できる年齢で田辺聖子作品と出会えて良かったと本当に思います。
Posted by ブクログ
読み進めて5ページ目、以前読んだ事に気付いたにも関わらず、やっぱり楽しい!この大阪弁のリズムよし、会話のテンポよし、そうしてストーリー終盤は、311を経験した今、二度読みしても価値のある余韻が残ります。オススメです。
Posted by ブクログ
25歳という年代の女性の心の動きを中心に恋愛と町おこしという2つのテーマの物語が進行。
少し昔に書かれた物語なので時代背景が古い感じですがこれがまた良い。
おじさんが青春時代だった頃のスピード感で物語が進行することが心地良かった。
Posted by ブクログ
たまたま手にとった本。
読み進めていって、この内容…と思って、復刻されたものだと知った。
主人公が私と同じ25歳。周りの子が結婚しだして、なんとなくそわそわした感じとか、今も昔も変わらないんやなーと思いながら読んだ。