田辺聖子のレビュー一覧
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中巻は源氏の栄華もMAXですね。彼が冒険しないところに物足りなさを覚えてしまいます。美女に次から次へと手を出していく源氏の方が面白かったなぁ。
中巻終盤はまるで玉鬘が主人公じゃないだろうかというくらい玉鬘が出続けます。あたしから見てそれほど魅力的な女人には見えないのでちょっとつまらなかったなーという気持ちがします。この頃になると紫の上も明石の上も落ち着いてしまって、そのあたりも物足りない。
国家の柱石になってどっしりした源氏より、「おっと、やっちまったなー」みたいな軽い源氏のが見てて面白いですね。上り詰めたらもうその先は転落が現状維持しか残ってないですもんね。 -
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現代語訳というよりも田辺聖子版源氏物語という感じですね。谷崎潤一郎訳の源氏物語に挫折した身としてはとても読みやすいです。ただ久しぶりに読んだけど、こんなに長かったかなーという印象が一番にきちゃいました。
上巻は源氏がチャラチャラしてる時期ですね。須磨に流れたのも自業自得な気がしてならないのですが。塞翁が馬ですよ。
いろんな女に次から次へと手を出していく源氏はむしろ清々しくさえもあります。ちなみに花散里の君が好きです。紫の君も好きですが、明石の君も好きです。源氏じゃないけどみんなそれぞれに素晴らしいところがあり、源氏は本当に幸せな奴だと思います。 -
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田辺聖子さんが40代半ばに女性誌などに書かれた文章を
まとめたらしい本。聖子さんはどのエッセイにも「女性と
いうのは、ただ女性であるというだけで特別」と仰っていて
それに共感できるので興味深く読む。
この本を読んで、ためになる言葉が多かった。
女でいてたのしい、しあわせと感じて生きるのは「愛」あってこそ。
お金の前に愛かもしれない。
この本の冒頭で、聖子さんが「私は人生を楽しむために生きる、
その楽しむこととは、人を愛すること、人に愛されること」と
書かれていて、今、当時の聖子さんと同じ年代となったわたしも
同じように思う。どんな時代になっても、女性に愛は切り離せない
ように思う。 -
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光の君の従者、伴男(ヒゲの中年男、大阪弁)の視点から語られる源氏物語抜粋。雅でない、生活感丸出しの光源氏を楽しむ本。
源氏物語は「あさきゆめみし」で親しんだ。もちろん学校の授業でも読んだ。
この本で出てきたお姫様たちはみななんとなく覚えている。有名な段(?)が選ばれているのかな。
あさきゆめみしを読んだときも、花散里が好きだなーと思ったものだが、今回もやっぱり花散里が好きだなーと思った。
同じ田辺聖子さんの「新源氏物語」のほうは、雅バージョンらしい。読んでみたいけど、長いそうなので、二の足を踏む。
ちょっと自己分析してみると、私は数多ある現代語訳源氏物語に対して、「我が国の誇る古典文学だ -
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『枕草子』を長編小説化したものだそう。
『枕草子』自体を読んでいないので、
どこまでが田辺聖子さんの解釈・創作なのかわからないけど、
清少納言の考えていることは共感できたしとても面白かった。
『枕草子』自体でも、清少納言がこのような考え方を
述べているんだったら、こんなに時代を経ているのにすごいなって思う。
小説の書き出しや、途中途中にわざわざおどけて口語で表現してみた、
というような筆致が、好みではなかったけれども、
それが気にならないほどに内容は充分読み応えがあった。
清少納言は、自分の考えや好みなどに精神的な繋がりを、
他人との間に見いだせた時、とても嬉しそうに輝いている。 -
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ずっと積ん読になっていた本。
今一番心に残ったのは、恋愛は、はじまりではなく終わりが一番大事だということ。何も失恋する、とかそういう話ではなくて、歳をとり、どういう風に終わりに近づいていくんやろうなぁ、、と考えるのは、心がよく整理されるように思う。また、恋愛も含めて、人生というのは人との付き合い方を学んでいるんやなと思う。
私はまだまだ若造なわけで、何か穴を見つけるとすぐに埋めたがるところがあるけど、時間をかけながらあっちを直しこっちを繕うっていうのも「アリ」なやなぁと、気付かされる訳です。
人でも物事でも、そんなすぐに100%いい状態になれる訳がないやなと。そこを、ちょっとずつ自分を改