田辺聖子のレビュー一覧

  • 新源氏物語(中)

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    中巻は源氏の栄華もMAXですね。彼が冒険しないところに物足りなさを覚えてしまいます。美女に次から次へと手を出していく源氏の方が面白かったなぁ。
    中巻終盤はまるで玉鬘が主人公じゃないだろうかというくらい玉鬘が出続けます。あたしから見てそれほど魅力的な女人には見えないのでちょっとつまらなかったなーという気持ちがします。この頃になると紫の上も明石の上も落ち着いてしまって、そのあたりも物足りない。
    国家の柱石になってどっしりした源氏より、「おっと、やっちまったなー」みたいな軽い源氏のが見てて面白いですね。上り詰めたらもうその先は転落が現状維持しか残ってないですもんね。

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    2013年12月22日
  • 新源氏物語(上)

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    現代語訳というよりも田辺聖子版源氏物語という感じですね。谷崎潤一郎訳の源氏物語に挫折した身としてはとても読みやすいです。ただ久しぶりに読んだけど、こんなに長かったかなーという印象が一番にきちゃいました。
    上巻は源氏がチャラチャラしてる時期ですね。須磨に流れたのも自業自得な気がしてならないのですが。塞翁が馬ですよ。
    いろんな女に次から次へと手を出していく源氏はむしろ清々しくさえもあります。ちなみに花散里の君が好きです。紫の君も好きですが、明石の君も好きです。源氏じゃないけどみんなそれぞれに素晴らしいところがあり、源氏は本当に幸せな奴だと思います。

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    2013年12月15日
  • 日毎の美女

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    美女か否かの視点で観察したマメちゃんの職場の
    人間模様を書いた小説。わかりやすく設定された
    女性職員のキャラが読みすすめていくにつれて、
    なじんでくる。親近感を覚える。
    終いには「美女かどうか」なんてどっちでもよくなる。
    このへんが聖子さんの小説の面白さ。
    ただ、ラストでいきなりマメちゃんに春がやってきて
    強引な感じが…。まぁいっか。マメちゃんがシアワセに
    なって終わったのなら。

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    2013年11月17日
  • 愛の幻滅(下)

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    下巻は切ない!!
    どんな事柄、ものにも、必ずや終わりが来るのはわかっていることなので、常に終わりを意識して生きていくという心に共感した。とにかく楽しむということ。

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    2013年10月29日
  • 愛の幻滅(上)

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    最初にセイコタナベから受けた衝撃に比べると、私が慣れてしまったせいか少なくなってしまった。

    が、やっぱりシチュエーションの中での女子の心理を非常に上手に描写していていい。
    長編が読みごたえがあって好き。

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    2013年10月26日
  • 猫も杓子も

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    いままで読んできた田辺聖子作品の中では、ちょっと違う感じがします。
    ヒロインは、大阪で人生を謳歌する女性。複数の人と関係をもちつつ、それぞれ分けて恋愛を楽しんでいます。最後のところで、「田辺作品にもこんなもっていき方があるんだ」と驚きました。それは読んでからのお楽しみですが、ただ強く楽しく生きるだけじゃない。ドラマがあるからこそ、人生は重く深みを増すのだなと思いました。

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    2013年09月26日
  • まごつき一家

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    田辺聖子さんの小説はかなり読んできたけれど、
    こんな本があったなんて知らなかった。
    女子高生が主人公というめずらしいお話。
    (モチロン、今風のではない。)
    昔の少女小説風というか、それでも乙女チックと
    いうのではない、ハイミスものに近い感じ。
    とっても面白くて。文章が細かいところですごく効いてる。
    この本の存在を知らない聖子さんファンは多いのではないか
    と思われる。ぜひおすすめ!

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    2013年09月14日
  • 朝ごはんぬき?

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    本を読んでるのに、そうとは思えないくらい笑えるユーモア小説。グングン読めます。田辺聖子さんが書く女性はおもしろいひとが多いと思います。

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    2013年09月10日
  • 女が愛に生きるとき

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    田辺聖子さんが40代半ばに女性誌などに書かれた文章を
    まとめたらしい本。聖子さんはどのエッセイにも「女性と
    いうのは、ただ女性であるというだけで特別」と仰っていて
    それに共感できるので興味深く読む。
    この本を読んで、ためになる言葉が多かった。
    女でいてたのしい、しあわせと感じて生きるのは「愛」あってこそ。
    お金の前に愛かもしれない。
    この本の冒頭で、聖子さんが「私は人生を楽しむために生きる、
    その楽しむこととは、人を愛すること、人に愛されること」と
    書かれていて、今、当時の聖子さんと同じ年代となったわたしも
    同じように思う。どんな時代になっても、女性に愛は切り離せない
    ように思う。

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    2013年08月30日
  • 薔薇の雨

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    平成22年に発行された短編集で、これまでに読んだことの
    ある作品もあった。新調されたカバー装画がいい。
    聖子さんの小説はいずれも逸脱だといつも思うのだけど、
    本書の中では「良妻の害について」が傑作!
    日頃うっぷんの溜まった主婦の方にぜひおススメ。
    読んだだけでもスカッとしますよ。それにとてもオモシロイし。
    です、ます調の文体が効いてる。さすが!!

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    2013年08月10日
  • 私本・源氏物語

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    光の君の従者、伴男(ヒゲの中年男、大阪弁)の視点から語られる源氏物語抜粋。雅でない、生活感丸出しの光源氏を楽しむ本。

    源氏物語は「あさきゆめみし」で親しんだ。もちろん学校の授業でも読んだ。
    この本で出てきたお姫様たちはみななんとなく覚えている。有名な段(?)が選ばれているのかな。
    あさきゆめみしを読んだときも、花散里が好きだなーと思ったものだが、今回もやっぱり花散里が好きだなーと思った。

    同じ田辺聖子さんの「新源氏物語」のほうは、雅バージョンらしい。読んでみたいけど、長いそうなので、二の足を踏む。

    ちょっと自己分析してみると、私は数多ある現代語訳源氏物語に対して、「我が国の誇る古典文学だ

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    2013年07月23日
  • 花はらはら人ちりぢり 私の古典摘み草

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    田辺聖子さんと言えば、『文車日記』。
    古典文学に興味を持つきっかけになった。
    それから四十年近く経って出た古典案内の本が本書。
    とはいえ、吉屋信子など、明治以降のものも取り上げられている。
    『源氏』や『枕草子』など、王朝文学も取り上げられているけれど、近世文学の比率が高くなっている。
    また古典文学の間口を少し広げてもらえたような気がする。

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    2013年07月18日
  • 薄荷草の恋

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    まず、この本の題名がいい。漢字に横文字のフリガナ。
    どの短編の女性もそれぞれに魅力的。
    いつも思うけど、田辺聖子さんの書く女性(主人公として)は
    知性がある。素直で知的。だから加減を知っている。
    男性を書くときは悲哀をコミカルにしてあってとても面白い。
    聖子さんは人を魅力的に書くことに長けているといつもいつも思う。

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    2013年06月30日
  • どんぐりのリボン

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    このタイミングで、この本を読んでしまった。色んな事が、思い巡った。
    恋愛が主流だか、夫婦について考えさせられた。

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    2013年06月07日
  • ほどらいの恋 お聖さんの短篇

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    短編集。田辺聖子さんの描く人物は男女共にさっぱりしてて、それこそ「ほどらい」を大切にしていて魅力的。
    「ほどらいの恋」と「舌ざわり」が特に良かった。
    「舌ざわり」、えろいけどほどらいのエロさ。

    こうして田辺聖子さんの作品ばかり読んで実際の関西の男の人とかかわっていないから私の中に「関西男子」というファンタジーが育っていく・・・。

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    2013年06月03日
  • むかし・あけぼの 上 小説枕草子

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    『枕草子』を長編小説化したものだそう。
    『枕草子』自体を読んでいないので、
    どこまでが田辺聖子さんの解釈・創作なのかわからないけど、
    清少納言の考えていることは共感できたしとても面白かった。
    『枕草子』自体でも、清少納言がこのような考え方を
    述べているんだったら、こんなに時代を経ているのにすごいなって思う。

    小説の書き出しや、途中途中にわざわざおどけて口語で表現してみた、
    というような筆致が、好みではなかったけれども、
    それが気にならないほどに内容は充分読み応えがあった。

    清少納言は、自分の考えや好みなどに精神的な繋がりを、
    他人との間に見いだせた時、とても嬉しそうに輝いている。

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    2013年06月01日
  • 人生は、だまし だまし

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    ずっと積ん読になっていた本。

    今一番心に残ったのは、恋愛は、はじまりではなく終わりが一番大事だということ。何も失恋する、とかそういう話ではなくて、歳をとり、どういう風に終わりに近づいていくんやろうなぁ、、と考えるのは、心がよく整理されるように思う。また、恋愛も含めて、人生というのは人との付き合い方を学んでいるんやなと思う。

    私はまだまだ若造なわけで、何か穴を見つけるとすぐに埋めたがるところがあるけど、時間をかけながらあっちを直しこっちを繕うっていうのも「アリ」なやなぁと、気付かされる訳です。

    人でも物事でも、そんなすぐに100%いい状態になれる訳がないやなと。そこを、ちょっとずつ自分を改

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    2013年05月23日
  • 薔薇の雨

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    お聖さんの作品にはものすごくドラマティックな展開はない。ありふれた男女のありふれた関係。なのにこんなに妙味があって面白い。

    作品中の男女の会話ににまぁっとする。コブつき再婚も、16も年下の男との別れる別れないのやりとりも、献身的な主婦の反乱も、そこに悲壮感はなくて適度な緩さと年季の入った掛け合いがある。

    デコラージュ風の装丁も可愛いし、古い作品と食わず嫌いせず、うら若き乙女の皆さま(自称 可)にもぜひ読んでみてほしい一冊。

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    2013年08月16日
  • 『源氏物語』の男たち ミスター・ゲンジの生活と意見

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    ネタバレ

    田辺先生による愛をもって解説される「源氏物語」に登場する男君たちの一冊です。

    個人的に柏木の話は人間味があり強くもあり弱くもある彼に古代人から変わらず続く人の性が見える気がして好きです。

    そして宇治十帖は大好きですが、主人公の一人薫は大大大嫌いなのでこうやって解説されても「やっぱお前嫌いやわーwww」となりましたw

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    2013年03月10日
  • 不倫は家庭の常備薬 新装版

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    女にとって不倫はあこがれ?!男にとって不倫は浮気と似て非なるものであり、結婚した男にとってはあくまで妻が第一であることに変わりない。男と女はこんなにも違うモノなんだと、実感したり、驚いたり。

    「不倫」と聞くと、どろどろした感じを思い浮かべるけれど、この中に出てくる男女はなんとなく憎めない。くすっと笑えて、時々むかっとして、こんな妻にはならないようにしたいなと思ったり。気楽に読んで、我が身を振り返る一冊。

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    2013年02月25日