あらすじ
真面目が取り柄のオトーサンが、十年間も浮気をしていたなんて――。気がむいた時に付き合う気楽な恋人がいる私に縁談が持ちあがり――。中年女のなで肩を水蜜桃のようだと愛しむ老人は――。移りゆく季節の中で、ほどらい(ちょうどよい加減)の恋を育む男と女。彼らの身上にふりつもる小さな喜び、悲しみをユーモラスにしっとりと描き切った、珠玉小説集。
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Posted by ブクログ
短編集。
田辺聖子さんの話は明るいのがいいです。
不倫の恋だって、明るい。
それと、たぶん美形じゃない人たちゆえの愛嬌が
話にぴったりなのです。
「ほどらいの恋」も、煮え切らない男なので、
見方によっては不幸な恋ですが、
このデートがまた、楽しそう。
田辺聖子さんは、
後の作品のほうが、恋愛の楽しさが出てて好きです。
Posted by ブクログ
短編集。田辺聖子さんの描く人物は男女共にさっぱりしてて、それこそ「ほどらい」を大切にしていて魅力的。
「ほどらいの恋」と「舌ざわり」が特に良かった。
「舌ざわり」、えろいけどほどらいのエロさ。
こうして田辺聖子さんの作品ばかり読んで実際の関西の男の人とかかわっていないから私の中に「関西男子」というファンタジーが育っていく・・・。
Posted by ブクログ
物語は人間関係なのだと最近気付きましたが、恋愛は人間関係の極み。
二人の価値観だけでなく、運やタイミング、現在や過去が係わってきます。
そして究極は二人の距離感。
好きなのに思いを伝えられなかったり、正直になれなくて誤解されてしまったり、タイミング悪く他の女性が好きだと言われてしまったり、相手の本心が分からなくてやきもきしたり……。
そういう緊張感なんだな、恋愛小説って。
そのドキドキを楽しむのだ。
最後の三作が好き。
お見合い第一号にまつわる『ラストオーダー』、
不思議な出会いを描いた『篝火草(シクラメン)の窓』、
素直になれない女の子の『週末の鬱金香(チューリップ)』。