田辺聖子のレビュー一覧
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主人公眉子と東野のやりとりが好き。この恋愛にどっぷりはまってる、少なくとも今ふたりで一緒にいるこの瞬間に幸せを感じてるのがすごく伝わってくる。でもね、やっぱりそれは長く続かないんだ。後半、眉子が東野との恋に覚め、「何々してあげる」ようになる、っていうのすごく分かる!ふたりの間に流れれる空気の心地よさは以前と変わらず、だから別れるまでもなく、彼と今までどおり接する。これからも、彼の癒し、心の支えになりたい、というか、なってあげようかと。う〜ん、すごく共感するんだけど、結局は都合のいい女なのか?これで、幸せなのか?でもね、そんな風に眉子をかわいそうな女って思わせないほど、眉子の気持ちには淡々とした
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家の近くのこじんまりした本屋さんで、お薦めとして平台に置いてあって手にとってみました。帯には、<私の好きな田辺さんの恋愛小説のベスト3>という山田詠美さんのコメントがあります。あの山田さんが!と思い、帯裏に引用されてた本文を拾い読みしてみて、俄然読んでみたくなって買いました。そんなことでもなかったら、なんだか仰々しいタイトルだし、恥ずかしながら田辺さんがどんな作家さんなのかも知らないし、きっと興味も持たなかったと思います。
が。
べらぼうにおもしろかったです。
簡単に言うと不倫のお話です。でもすごく達観していて、不倫をいいとも悪いとも評価はしないけど、ただ<こういうものである>という感じな -
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平穏が続くかと思われた源氏と紫の上の間に波風が起こる――女三宮の登場により紫の上の「源氏の妻」としてのプライドが揺れそして次第に弱り果てていき、源氏は過去、藤壺と犯した過ちを柏木と女三宮に突きつけられる。華やかな時代は去り、先細っていく二人の物語は今、終わりを告げる……ってこんな具合でよろしいでしょうか。私は若菜からの源氏が好きだ。紫の上は悩む、源氏も自らの罪に対する罰を目の当たりにする、そして人生の儚さを知っていく……ちょっとかっこ良い言い方するなら近代小説っぽいからね。夕霧の落葉の宮とのエピソードも面白い。落葉の宮が実際かわいそうなんだけど。夕霧め……夕霧が帖の名前になってるからって、お前
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きました・・・いよいよ最終章。
源氏は若き日に重大な過ちを犯す。
父親である桐壺帝の後妻(源氏の義母)藤壺を慕うあまり父に隠れて密通をし、藤壺は源氏の子を身篭ってしまうんです。
帝はその事を知ってか知らずか、冷泉帝に皇位を継がせる。
臣下に落ちた源氏の子供を・・・。
この下巻では、源氏が若い頃犯した過ちが、因果応報の報いとなって源氏自身に降りかかってきます。
どんなふうにかと説明したいんですが、これ以上書くと、浜村ジュンになってしまいそうなので詳しい内容は書籍でそうぞ♪
読み出すとやめられない・とまらない。ハラハラドキドキ新源氏物語の世界に酔いしれて下さい。