あらすじ
貴族のお姫さまではあっても、意地悪い継母のせいで、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている――。千年も昔、日本で書かれた王朝版「シンデレラ物語」。姫君と貴公子のラブ・ストーリーを田辺聖子の現代語訳で!(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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姫君が報われてよかった。頭に想像しやすい文章で読むのが楽しかった。現代とは違ったハプニングが面白かった。阿漕の姫君を思う気持ちが素敵。帯刀が右近の少将の手紙を落とした時はハラハラした。あと最後の方で、北の方が姫君を閉じ込めてそこに放り込んだおじさん(名前忘れた、典のすけ?)がなんかいいくらいに気持ちが悪くてゾワっとした。最後の方で右近の少将がとことん北の方にやり返しをしてくれて飲み終わりスッキリ!✨
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日本版シンデレラと言われる、平安時代の継子いじめのお話。古文の先生に読んでおくと落窪物語がわかりやすくなる、とお勧めされて読んでみました。
ストーリーがわかりやすく、古典常識なども読みながらわかりやすく書かれていたので良かったです。読んでいると北の方にはむかつくしイライラするし、おちくぼは優しすぎて、なんでもっと言わないんだ!と感情移入してしまいます。笑
でも、散々いじめてきた北の方を許せる優しさを持っているおちくぼを見習いたいとも思いました。
シンデレラのお話も、シンデレラは義理の母に復讐することなく、今までのことを許していました。書かれた時代も国も違うけれど似た性格の主人公の登場する継子いじめの物語。世界には他にもたくさんこういった物語があるらしいです。
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日本のシンデレラ物語こと「落窪物語」の現代訳。
田辺聖子の訳に反映された乙女心が眩しい✨ロマンチックでスカッとするお話でした。
人間の恋愛って時代を超えてあまり変わらないのかも。
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可哀想なヒロインのために、彼女を取り巻く人たちが一致団結して意地悪継母をやっつける痛快・平安版シンデレラストーリー。登場人物全員のキャラが立っているので、他の平安文学のように「この人、誰だったっけ?」と前を読み返してみたり混同することもなく、非常に分かりやすい。これが読みやすいポイントだと思う。
ヘマをやらかしたり突如邪魔者が現れたりトラブル続きなのだけど、最後は綺麗に収まるのは見事。
ここのところ平安〜鎌倉期の悲恋の物語を立て続けに読んだので、「おちくぼ姫」はハッピーエンドで読後感が良かった。通い婚で一夫多妻制の平安時代では、姫を一途に思い続ける道頼みたいな男性を夢見て、当時の読者は夢中で落窪物語を読んだんだろうな。
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今から千年も昔、平安朝時代の日本にあった『落窪物語』というお話を現代語に訳された、田辺流シンデレラ物語です。
みすぼらしい部屋で、つぎはぎだらけの着物を着て、せっせと縫い物をしている若い美しい娘。
その娘は、床が一段落ちくぼんでいるところに住んでいるので、「おちくぼの君」と呼ばれていました。
物語の中で、この時代の結婚形式をわかりやすく説明してくれているので、古典初心者にも安心して読めます。
意地悪な継母の目を盗んで、姫君と少将との恋を応援するお付きの人たちの活躍ぶりが、はらはらどきどきで時にはドタバタで、登場人物たちがみな生き生きと魅力的で、平安時代の恋物語が、想像以上にロマンティックで、ほんとうに面白かったです。
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古典や歴史小説的なのは殆んど読まないのだけれど田辺聖子さんの本だしきっと面白いだろうと思い読んでみた。
分かりやすく訳してくれているし、馴染みの無い漢字には何度もルビ振ってくれてるから凄く読みやすく、そして面白かった。
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2023年発掘部門「超発掘本!」
平安朝時代のシンデレラストーリー「落窪物語」
田辺聖子さん解釈で読みやすく楽しく読めた。
登場人物が魅力的に描かれてい、好感が持てることも、入り込みやすく本書が好きになる理由に感じた。
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学生時代の古文の授業でおおまかなストーリーは知っていたけれども初めてしっかり読みました。田辺聖子さんが、とても読みやすく分かりやすい現代語訳でストーリーを紡いでくれているので、久しぶりに時間が経つのを忘れて一気読みしました!これを機に、源氏物語など他の古典文学にも触れたくなりました☺️
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超発掘本!という帯と表紙カバーのいかにも和物っぽい色柄に惹かれて購入したのですが、私の好きな平安朝時代が舞台の「落窪物語」という古典が原作の本でした。古典は難しい印象ですが、これは田辺聖子先生が所々に解説を入れながら文章をかみ砕いて書かれていてとても読みやすく分かりやすかったです。おちくぼの姫のどん底からのシンデレラストーリーと姫をとことん虐め尽くす継母の成り行きがコントラストがはっきりと軽妙に描かれていて、読みすすめるほどにその場の情景や、継母や姫の為に孤軍奮闘する人たちの心情や表情が目に浮かぶようでとてもおもしろかったです。最後の継母の顔を思い浮かべて思わずふふん!となったのはいうまでもありません。
お聖さん、なつかしや
宝塚好きのお聖さんの古典ですが、40年も経って電子書籍で読めるとは、いま読んでも読みやすく、ハッピーなお話です。1000年前の時代を読みやすくしてくれてありがとう。「姥ざかり」も読み返そうと思います。
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再読。
レポートで落窪物語を書かないといけないので、ざっとした流れを掴みたくて本棚から取り出しました
道頼も阿漕も好きすぎて…… 姫、ずっとかわいいし 帯刀も阿漕の尻に敷かれててかわいい
姫、自分のことにはネガティブだけど、人の悪口言わないし北の方のことも許してあげるし、優しい
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『おちくぼ姫』ってどんなお姫様だろうと
タイトルに惹かれて読んでみた。
購入したあとに気付いたのだけど『落窪物語』
という千年も昔の小説で『枕草子』や『源氏物語』と同じ平安文学。
平安文学というと難しくてちょっと敷居が高い感じがするのだけど、本書はそんな事全然ないんです。むしろ読みやすくて面白味のある物語です。
それもそのはず、著者が親しみやすいように現代風に訳し一番美味しくてジューシーなところを凝縮しているからテンポも文体もとっても良い。
簡単に言うと意地悪な継母のいじめから、
おちくぼ姫が幸せを勝ち取るという日本版シンデレラストーリー仕立て。
この継母「北の方」のおちくぼ姫に対する仕打ちがとにかく酷い。最初から最後まで腹が立って、腹が立ってしょうがない。
日増しに酷くなるいじめに姫と少将の仲を引き裂かれやしないかとハラハラしたり、二人の手紙のやり取りや恋の行方にドキドキワクワクしたりと、どんどん引き込まれてしまう。
おちくぼ姫の侍女阿漕の活躍も素晴らしい。
常に姫君のことを考えあの手この手で窮地を乗り越え姫君と少将の恋の手助けをしていく。
現代のキャリアウーマンみたいで格好良い。。
当時の人達の凄いなと思ったのが、手紙に歌を書く事。
その歌次第で、その女性の心を掴めるどうかかかっているのに即興で直ぐ歌が浮かんで書けるのが素晴らしい。語彙力や感性に乏しい自分だったら何日かかることやら。
そんな当時の生活の様子や習慣、行事などもさりげなく解説付きで描かれているのでわかりやすい。
千年も前から読み継がれていた日本のシンデレラ姫。古典の入門書にはピッタリではないでしょうか。
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田辺聖子さんの作品を読むのはめちゃくちゃ久しぶり。
高校生の時、古典対策(飽くまで試験用)に源氏物語の現代語訳を読んで以来。
そして今回のこの作品、初出は1979年だそう。でも古さを感じさせない!というか舞台が古いしね。
なお田辺聖子さんは2019年に91歳で逝去されました。
・・・
本作、一言で言うと、裏表紙側の帯にある通り、『和製シンデレラ・ストーリー』。
天皇の血筋なのに、母親に早くに死なれ、父親の連れ子として継母にきつく当たられる「おちくぼ姫」。唯一の味方は乳きょうだい(乳母の子ども)で、その子も身分は高くないため継母のおちくぼ姫への攻撃をかばいきれない。
その中で、ふとしたことから今を(政治的に)ときめくイケメン貴族に見初められ、あわやのところで駆け落ち(人さらい?)を成功させ、夫婦ともに超ハッピーな感じに。最終的には継母にも復讐をした後に仲直りをするというもの。
めでたし、めでたし、と。
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やはり出色なのは、その優しい筆致。
所謂現代語訳ではなく、訳しつつ、慣習の説明や状況説明も自然に挿入されており非常に読みやすい。
原典タイトルは『落窪物語』だそうですが、原典からの乖離を考慮してか本作タイトルは『おちくぼ姫』。
原典に忠実ではないことで、逆に風合いはソフトでマイルド、うま味マシマシになっているのだろうと思います。
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あと、ストーリー展開とツイストの要素にも注目です。
一夫多妻が普通であった当時にあって、モノガミー思考のイケメンにゲットされる。そういう、現実ではあり難いことが起こる。だからこそ、美しい物語として際立ちます。
また、本当にいやーな継母が最終的に懲らしめられる。しかも、主人公のおちくぼ姫はそれを望んでおらず、むしろ周囲の気が済まずにそれが行われる。そのおしとやかな性格・やさしさも、やはり有り難いことではないでしょうか?
そうした『あったらいいなあ』が夢見られる素敵なお話だったと思います。
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ということで田辺さんの古典作品でした。
古典、いいですね。教科書で学ぶのとこうして文庫で手に取るのとでは全く違います。ここに現代の作家の技を見た気がします。
今後はこうした古典の現代訳を読み返したくなりました。源氏物語とか、枕草子とか。原典に当たる勇気はありませんが笑 やっぱり日本人ですしね、知っておきたいですよね。本当に読むか分からんけどいつか読みたいです。
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小学生の頃に繰り返し読んでドキドキしていた思い出。平安時代の特有の言葉や生活習慣に馴染むことができたので、古文のテストで困ることは無かった。田辺聖子の文章は読みやすい。
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平安時代に書かれた「落窪物語」を田辺聖子が現代風にアレンジして訳したもの。
そんな昔ににシンデレラのような物語があったなんて。。。
ある程度の脚色はあるにせよ、ステレオタイプの継母とおもしろキャラクターがいて、エンタメ性抜群でした。
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本のうらすじにも表現されている通り、王朝版(日本版とも言えそうです)シンデレラのような物語です。
原作となっている落窪物語を分かりやすく要約されています。昔の物語だと表現などが現代と違い、分かりにくいものが多いです。しかしこの本ではロマンティック・コネ・ルートといった現在使われている言葉で表現されています。また、登場人物の会話も今と大きな差異はなく、古典は苦手だけど物語を読んでみたいと思う方には読みやすいと思います。
内容としては、「おちくぼの君」と呼ばれ両親や姉妹に虐められていた姫と高い身分である右近の少将の恋物語です。
読んでいると阿漕と呼ばれる侍女の活躍が目立ちます。姫の事を思って行動を起こしていく阿漕が力強く思えました。誰かを思って行動に移せる姿が美しいとも思います。
読み終わってから、原作の落窪物語にも興味が持てると思います。古典に触れるきっかけを持ちたい際には、読んでみるのもありだと思います。
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漫画で読んだ事があって再読したくて読みました。
どん底にいながらも健気な主人公が幸せになるお話は、今も昔も変わらず人気のテーマなのかな?
勉強にもなるし、とても面白かったです。
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ざっくり言うと日本版シンデレラですね。
召使いが、凄く活躍する話で、掛け合いが面白いです。
原文の【落窪物語】のいい所、抜粋。作者がアレンジした話らしいので、この話が気に入った方は読んでみるなのもアリだなって思いました。
しかし、まあ……姫様も長時間労働させられて(縫い物)許してあげるとは、心広すぎるわぁ…
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角川文庫の装丁に惹かれて読んでみました。
古典では源氏物語が数多くの作家さんがアレンジしていますが、この落窪姫は一冊完結で読みやすかったです。田辺聖子さんが冒頭に書かれているように平安時代のシンデレラストーリーでした。
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正に和製『シンデレラ』
千年前にトレンディードラマがあったら、こんな感じなのかな(笑)
悪役も良い役も脇役も、現代のドラマや小説の見本になるようなキャラばかり。
古典も読みやすくなるとこんなに面白いんだ!
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田辺聖子さんの最初の語りに惹かれて購入。
古典文学の類のものを自ら手に取ったのは初めてだったけれど、「若い読者のために現代語訳」されているので、とても読みやすかった。テンポ感やコミカルな流れに引き込まれ、と同時に昔の人々の今とは違う習慣も垣間見れて凄く面白い作品だった。次は原典も読んでみたいと思った。
「人間のよろこびやかなしみ、恋やにくしみなどは、時代がかわっても、おんなじなんだよ」
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貴族のお姫さまなのに意地悪い継母に育てられ、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられている、おちくぼ姫と青年貴公子のラブ・ストーリー。千年も昔の日本で書かれた、王朝版シンデレラ物語。
実は読んだことがなかったのですが、田辺聖子さんの訳は結構アレンジが効いているのですね。読みやすかったし取っ掛かりとしてはとても良いと思う。原著で読むのはさすがに心折れそうなので。昔から、一般庶民(むしろ虐げられている不幸な身)が玉の輿でハッピーエンドというのは憧れの的だったんだなあ。今と違ってそうそう恋愛結婚もなかっただろうし。でも現代女性にこの形が理想と捉えられるかはまた微妙なところかもしれない、とも思う。
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最近平安モノの書籍を読むことが多いので、息抜きにこんな本を手に取ってみました、久々の再読です。。
グリムとかアンデルセン童話だって、当時のグロテスクな結末を子供向けに修正したり、さらにそれをディズニーではハッピーな結末に大幅に変更したりしていると思えば、落窪物語だってこれくらいの修正をしてもいいよね、と思います。
楽しい作品。
田辺さんバンザイ!
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2023年「発掘部門」という事で手に取りました。
日本の古典が苦手なので「◯◯の君」や「大将」「少将」などの文字、登場人物や名前がこんがらがって最初はなかなか進みませんでしたが、あまり細い事は気にせずテンポを大事に読み進めていったら、この先どうなるのだろう…!?と楽しく読めるようになりました。最後はさすが日本らしい結末だなぁと。これがヨーロッパだったら…と日本の素晴しい文化も感じました。
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本当にシンデレラが日本の物語にもあったんだと驚き。田辺聖子さんのおかげで暫く平安物にハマっていたことを思い出した。「なんて素敵にジャパネスク」も好きだったなぁ。
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かわいい表紙に惹かれて購入しました。
薄くてあっという間に読めます。
日本版シンデレラストーリーの現代版とのことでしたが、魔法使いは出てこず、平安時代の物語なのにあやかし類も登場せず、お付きの物たちが大活躍するお話しでした。
キューピッド役の夫婦も好きだし、美女と野獣的なもう一つのカップルもとってもいい。悪役も憎めないところがあったりして永く愛される物語ってこれだよね!ってなりました。