あらすじ
貴族のお姫さまではあっても、意地悪い継母のせいで、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている――。千年も昔、日本で書かれた王朝版「シンデレラ物語」。姫君と貴公子のラブ・ストーリーを田辺聖子の現代語訳で!(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
とても分かりやすく面白いお話でした。
阿漕が本当に素敵な女性で作中1番好きになった人物です。
帯刀の「お姫さまがおまえをきらわれたら、そのぶん、おれがかわいがってやるから、いいじゃないか」(p.70より抜粋)を読んだ時は「思い上がるなよ!!」と声が出てしまうほどには阿漕にメロメロでございます。お姫さまの代わりが帯刀に務まるわけないだろ〜!!
おちくぼ姫はタイトルと話の内容をふんわり程度にしか知らなかったので、こうしてしっかり読めたことが嬉しいです。やっぱり時代を問わず人はシンデレラストーリーに惹かれてしまうものなんですね。
Posted by ブクログ
日本版のシンデレラ。おちくぼ姫の性格があまりに善良というか他人を責めないのでちょっとイライラが(笑)もっと怒ってって(笑)ちょっと会話が軽い感じがしてしまう部分もありましたが読みやすかったですね(笑)ハッピーエンドは意外な形でこれはこれで良かったですね(笑)
Posted by ブクログ
田辺聖子さんの作品を読むのはめちゃくちゃ久しぶり。
高校生の時、古典対策(飽くまで試験用)に源氏物語の現代語訳を読んで以来。
そして今回のこの作品、初出は1979年だそう。でも古さを感じさせない!というか舞台が古いしね。
なお田辺聖子さんは2019年に91歳で逝去されました。
・・・
本作、一言で言うと、裏表紙側の帯にある通り、『和製シンデレラ・ストーリー』。
天皇の血筋なのに、母親に早くに死なれ、父親の連れ子として継母にきつく当たられる「おちくぼ姫」。唯一の味方は乳きょうだい(乳母の子ども)で、その子も身分は高くないため継母のおちくぼ姫への攻撃をかばいきれない。
その中で、ふとしたことから今を(政治的に)ときめくイケメン貴族に見初められ、あわやのところで駆け落ち(人さらい?)を成功させ、夫婦ともに超ハッピーな感じに。最終的には継母にも復讐をした後に仲直りをするというもの。
めでたし、めでたし、と。
・・・
やはり出色なのは、その優しい筆致。
所謂現代語訳ではなく、訳しつつ、慣習の説明や状況説明も自然に挿入されており非常に読みやすい。
原典タイトルは『落窪物語』だそうですが、原典からの乖離を考慮してか本作タイトルは『おちくぼ姫』。
原典に忠実ではないことで、逆に風合いはソフトでマイルド、うま味マシマシになっているのだろうと思います。
・・・
あと、ストーリー展開とツイストの要素にも注目です。
一夫多妻が普通であった当時にあって、モノガミー思考のイケメンにゲットされる。そういう、現実ではあり難いことが起こる。だからこそ、美しい物語として際立ちます。
また、本当にいやーな継母が最終的に懲らしめられる。しかも、主人公のおちくぼ姫はそれを望んでおらず、むしろ周囲の気が済まずにそれが行われる。そのおしとやかな性格・やさしさも、やはり有り難いことではないでしょうか?
そうした『あったらいいなあ』が夢見られる素敵なお話だったと思います。
・・・
ということで田辺さんの古典作品でした。
古典、いいですね。教科書で学ぶのとこうして文庫で手に取るのとでは全く違います。ここに現代の作家の技を見た気がします。
今後はこうした古典の現代訳を読み返したくなりました。源氏物語とか、枕草子とか。原典に当たる勇気はありませんが笑 やっぱり日本人ですしね、知っておきたいですよね。本当に読むか分からんけどいつか読みたいです。
Posted by ブクログ
千年以上も前の物語にも関わらず、そこに描かれている人々の人間的な感情は今の私にも覚えがあるものばかりでした。少将のおちくぼ姫に対する想いの強さに心打たれ、阿漕の姫様想いで頑張り屋な姿にエールを送りたくなります。自分とは遠い昔に生きていた人々のはずなのに、一緒に過ごしている姿が想像出来るような生き生きとした物語でした。