あらすじ
蜜子は31歳。作家浅野稀と共棲みして5年。つつましいアパートから始まった暮らしは、稀が売れっ子になるにつれて豊かになっていく。甘え上手で子どものように寄りかかってくる男との生活。だが最近、彼は独身を装い、蜜子の存在を世間に隠すようになった。心に少しずつ澱を感じ始めた蜜子の前に、味わい深い中年男と少年らしさを残した青年が現れて……。華やかな都会を舞台に描くほろ苦い恋物語。
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Posted by ブクログ
この方の描く男女が好きです。
男はわがままで、浮気っぽくて、女もそれなりにわがままで、浮気っぽくて。
そのカップルにしかわからない秘密の暗号があったり、そのカップルにしかわからない
いちゃつき方があったり、そのカップルにしかわからない会話の応酬があったり。。。
あ〜これなんだな〜と思う。
現実、そうだもんなぁ。
私たちにしかわからない互いのよさや、やさしさや、秘密の言葉。。。
そこに至るまでの手順や、思いやりや、むつみあい。。。
田辺さんの本を読んでいると、自分と重なって共感してあこがれて。
あ〜〜〜┌┤´д`├┐脱力 そして、いい!!
最後の章”NEW YORK”で、稀と蜜子の終わりが近づいてくる
その時でさえも、甘美さを漂わせていて、震えちゃいました。
Posted by ブクログ
江國香織さんの解説がステキ。
相手の男、「稀」という名前がステキだが本当に虚栄心の強いしょーもない男でイライラした。笑
稀じゃない男からされるキスシーンがどちらもステキでした。
Posted by ブクログ
読む本が無くなると繰り返し読む田辺聖子さんの中の1冊。
1990年初版だけど全然古くなく、読むたびに二人の展開にドキドキする。
売れっ子作家になるにつれ、共棲みする秘書兼妻のような蜜子を世間から隠そうとして必死の形相(と感じさせる)男・稀。
少しずつ傷つけられるプライドが痛々しい。
私ならもっとコテンパンに言いたい事を言うのに、と憤るのは年のせいかな。
でも人と衝突する能力がないと自分で言う蜜子はため息が出るほど美しいクリスマスのニューヨークから戻れば何もかもを置いて出て行く覚悟を決める。
そこで物語は終わりだけど、蜜子が出て行った後、稀はどうするのか気になる。
半狂乱で探して、事あるごとに蜜子の不在を嘆くのか(私はこうであってほしい)、蜜子の痕跡をことごとく消し去って新しい女を連れてくるのか。