【感想・ネタバレ】九時まで待ってのレビュー

あらすじ

蜜子は31歳。作家浅野稀と共棲みして5年。つつましいアパートから始まった暮らしは、稀が売れっ子になるにつれて豊かになっていく。甘え上手で子どものように寄りかかってくる男との生活。だが最近、彼は独身を装い、蜜子の存在を世間に隠すようになった。心に少しずつ澱を感じ始めた蜜子の前に、味わい深い中年男と少年らしさを残した青年が現れて……。華やかな都会を舞台に描くほろ苦い恋物語。

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Posted by ブクログ

この方の描く男女が好きです。
男はわがままで、浮気っぽくて、女もそれなりにわがままで、浮気っぽくて。
そのカップルにしかわからない秘密の暗号があったり、そのカップルにしかわからない
いちゃつき方があったり、そのカップルにしかわからない会話の応酬があったり。。。

あ〜これなんだな〜と思う。
現実、そうだもんなぁ。
私たちにしかわからない互いのよさや、やさしさや、秘密の言葉。。。
そこに至るまでの手順や、思いやりや、むつみあい。。。
田辺さんの本を読んでいると、自分と重なって共感してあこがれて。
あ〜〜〜┌┤´д`├┐脱力  そして、いい!!

最後の章”NEW YORK”で、稀と蜜子の終わりが近づいてくる
その時でさえも、甘美さを漂わせていて、震えちゃいました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

徐々に徐々に稀から心が離れていく感じが面白かった。
誰かの人生を体験できるようなこういう小説が好き。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

江國香織さんの解説がステキ。
相手の男、「稀」という名前がステキだが本当に虚栄心の強いしょーもない男でイライラした。笑
稀じゃない男からされるキスシーンがどちらもステキでした。

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2022年09月13日

Posted by ブクログ

読む本が無くなると繰り返し読む田辺聖子さんの中の1冊。
1990年初版だけど全然古くなく、読むたびに二人の展開にドキドキする。
売れっ子作家になるにつれ、共棲みする秘書兼妻のような蜜子を世間から隠そうとして必死の形相(と感じさせる)男・稀。
少しずつ傷つけられるプライドが痛々しい。
私ならもっとコテンパンに言いたい事を言うのに、と憤るのは年のせいかな。
でも人と衝突する能力がないと自分で言う蜜子はため息が出るほど美しいクリスマスのニューヨークから戻れば何もかもを置いて出て行く覚悟を決める。
そこで物語は終わりだけど、蜜子が出て行った後、稀はどうするのか気になる。
半狂乱で探して、事あるごとに蜜子の不在を嘆くのか(私はこうであってほしい)、蜜子の痕跡をことごとく消し去って新しい女を連れてくるのか。

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2014年03月31日

Posted by ブクログ

『ボタンを掛け違えるように』と言うけれど、みるみるすれ違っていく様って本当に人の心は移ろうものなのね~、じっくり堪能させて頂きました!

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2011年03月09日

Posted by ブクログ

田辺さんの長編を初めて読みました。
わたしは短編の方が好みかなあと思いました。
だけど、やっぱりこういう小説は他では読んだことがなかったし、いいなあって思いました。

結婚って形がない恋愛は、どこが終着なのかわからない。
恋人って肩書きがあって、その形があるから安心できるのが若い恋愛で、
その形だけではおさまらないことをわかっているのが歳を重ねた恋愛なのかなあって。

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2009年10月04日

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