田辺聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
匂宮三帖から始まり、個人的にも好きな宇治十帖の幕開けです。大君は薫を拒み切って亡くなった印象が強かったので(そこが好きです)、亡くなる間際に想いが通じた…みたいな展開に「エエーッ!」と思いました。大君は「愛してます」なんて言わないと思います。ちょっと違う気がしました。著者のラブストーリー補正がかかってる気がするのですが…。源氏物語ってそんな甘い話じゃないと思うのですが。浮舟も好きなのですが、まだチラッとしか出てきてません。下巻が楽しみなようなドキドキするような。窯変好きすぎるせいか、私はどうやら田辺源氏にはモヤッとするみたいでした。本当すみません。
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Posted by ブクログ
5作からなる短編集。
すべて恋愛がテーマですが
後味が悪いものもいくつかあります。
それは主人公が想いを寄せる相手であり
主人公自身であり。
田辺さんの描く女性って
いい意味でも、卑屈だったりクセが強くて
男性どころか同じ女性でも
なかなか共感できなかったりするんじゃないのかな。
ひとことで言うなら
すごく面倒な人が多い(笑)
そういう女性を書かせたら、田辺さんはすごい。
ほろりとくるものもあれば
イライラするものもあるので
とにかく多彩な1冊。
ただ、やっぱり時代背景や
クセがありすぎる登場人物が多いので
星3つにしましたが
気持ち的には星3. -
Posted by ブクログ
蓬生から真木柱まで。おもしろかったです。六条院での源氏の絢爛たる生活も始まりました。一章ごとが短いので読みやすいかと思います。中年源氏が好き放題やってます。しかし前巻もでしたが「おばあちゃま」という日本語がどうにも気持ち悪く感じます…すみません。「おばあさま」でいいのでは?狂言まわし的な近江の君が田辺源氏では関西弁!彼女のキャラ付けは各訳者さんの遊び心の見せ所だと密かに思っております。玉鬘、私はどうしてもあんまり好きじゃないんですよね…髭黒いい人じゃん!と思うのです。花散里→紫の上→六条の御息所が私の中での女君ベスト3です。大君も好きだなあ。