村上春樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同じ小説なのですが、清水さん訳とは全然違った印象で読ませていただきました。どちらかといえば、しっかりとした筋で、読みやすい印象でした。読後の感想としても、どこで何が起こったのかがよく分かりました。ただそれ故に、この作品の独特の分からなさ、不気味さが減ってしまっている印象があり残念でした。もちろん残っていますし、その中で十分面白かったのですが。
主人公が、面識の無い弁護士からの電話で急に事件に巻き込まれていきます。そこからその背景を知りたいという主人公の悪い性格が出てきて、事件が進んでいく。それだけでは陳腐な物語ですが、そうさせない、それぞれの場面があり、それを楽しむのがチャンドラーを楽しむとい -
Posted by ブクログ
安西氏の描く素朴な絵と、村上春樹の「ランゲルハンス島の午後」というエッセイを読んで、またあのまったりとした日常を読みたくて購入。
内容はフィクションやジョークを多く用いておりあからさまに現実ではありえない話をぶっ混んできたり、如何にもそれが調べたら本当に出てくる情報のように語り、最後のオチでは「嘘です」(と自白してるのだからマシだが、他作品では多々これを平然とやってのける)。あえて内容の薄いお話をあらゆる文字組みを試して展開させているのだろう。読みやすさは愚問である。これは、頭を空っぽにしてちょっとコーヒーを淹れて飲むとするか。そんなノリである。 -
Posted by ブクログ
以前単行本で読んだものの文庫版。
読み返すのいつぶりだろう?その後もたくさん彼のエッセイを読んできたので新しさは感じなかったのですが、その分彼自身と彼の作品がもつ一貫した強固なものが再確認できました。
だれになにを言われようが、という信念。書きたくて書いている。小説家というのはほんとうにそういう職業だと思う。頼まれて書いてるわけじゃないのだ。自分の中にふつふつと湧いたものを、わざわざペンをにぎりしめ物語にしてやろうだなんてちょっと途方もない。
物語をつくるというのは「たとえば」をえんえんと繰り返す作業だ。限りのないパラフレーズの連鎖。
そういうことを好き好んでできる人たちだけが生き残っている世 -
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同じかもしれないし、違うところもある、二人の話。
村上春樹のエッセイが好きだ。ジャズが好きなのは知っていたけれど、クラシックにも詳しいとは。レコードを聴き比べたことがないし、それほどオーケストラに思い入れもないけれど、二人の対談は色々と感心することが多かった。指揮者の話、小澤さんの考え方だけでなく、バーンスタインやカラヤンほかの指揮者、またソリストのことや、弦楽四重奏の魅力など、今まで注目していなかった世界を知ることができた喜び。
「良き音楽」とは。楽譜を演奏するとは。指揮とは。考えたら、楽譜を書いた作曲者の意図は、もしかしたら指揮者や演奏者が思っているのと、全然違うかもしれない。それは、 -
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# 最後の瞬間のすごく大きな変化
面白いか。面白いとはいえない。
最初の方は読みにくかったが、だんだんペースに慣れてきて、最後の方はテンポよく読めた。
しかし終わってみるとほとんどのディテールは思い出せない。部分的に思い出せることもあるからそれでいいのか。
筋を追って順に語れるということはない。そもそも筋というものがあるのか。
でもいろいろな状況や考え方や観念が書き込まれているのは確か。
きちんと理解することは簡単ではないだろう。
移民、黒人、ユダヤ人、未婚の母、娼婦など、差別される人々が中心に登場する。
それぞれに苦労を抱えているが、みんな何となくあっけらかんと生きている。
“男たるも -
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清水俊二訳を読んで以来の再読。何年振りか。
私立探偵フィリップ・マーロウは資産家の老女に呼び出された。行方をくらませた義理の娘リンダを探してほしいとの依頼だ。極めて貴重な金貨をリンダが持ち逃げしたと老女は固く信じているのだが…。老女の息子や秘書の振る舞いからは、なにやら裏がありそうな気配が窺える。マーロウは調査を始めるが、その行く手に待ち受けていたのは、脅迫と嘘、そして死体―二度の映画化を果たしたシリーズ中期の傑作。待望の新訳。
とは言え、映画は二作とも観ることが困難なようです。素人から見ても「これは」という場面もありました(あとがきで指摘あり)が、全体的にはまずまずでした。