斎藤環のレビュー一覧
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『妖琦庵夜話 魔女の鳥籠』にて参考文献に挙げられていた本。父母、息子娘の関係の中でなぜ母娘関係のみが特殊なのかを実際の事件、漫画、小説などを紐解きながら考察している。
引用されていたよしながふみ氏と三浦しをん氏の対談が印象に残った。
「男の人の抑圧ポイントは「一人前になって女の人を養って家族を養っていけるちゃんとした立派な人になりなさい」という1つのみ。だから男の人たちってみんなで固まって共闘できるんです。男は一つになれるんだけど、女の人が一つになれないっていうのは、一人ひとりがつらい部分っていうのがバラバラで違うんでお互い共感できないところがあると思います。生物学的な差では絶対にない。これ -
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まだ幼い2人の子供を育てていて、急に「子どもがいつかひきこもりになったらどうしよう」という不安が湧いてきて衝動的に読んだ。
ひきこもり事例に多く対処してきた精神科医である著者が、ひきこもりが発生する構造的な問題について「ひきこもりシステム」というモデルを使って説明している本書。現実のひきこもりに対してどのような期間をかけて何をすべきかについても極めて具体的に書いてあり、とても良かった。
面白かったポイント
- ひきこもりの原因は本人だけにあるのではなく本人、家族、社会からなるシステムにある
- いきなり本人と社会を接続しにいくのではなく、家族と社会、本人と家族、本人と社会、の順番で接点を増や -
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「欲望や意欲というものは自分の中から自然に発生しているように見えて実は他者が起源で他者から供給し続けてもらわないと維持できない」
引きこもりの人が1割くらいいても今の資本主義ならやっていける。引きこもりに寛容になることは、引きこもっていない人にも生きやすい社会になる。
弱者男性と優生論。生まれつきとか努力しても無駄という思想に繋がり、入り口で諦めることにつながる。脳科学という、科学的に仮説レベルの話が横行。優生論と親和性が高い。
酸っぱい葡萄の新解釈。本当に葡萄は酸っぱいのか。自分には必要じゃないものだったと諦めても良いのでは(葡萄を手に入れた人同士、今度はまた出世競争)。
ソフトヤンキー優勢 -
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(2025/01/24 2h)
『スマホ時代の哲学』にて紹介されていたので読んでみた。
同著者の『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』も面白く読んだ。
わたしは引きこもり当事者として、「自傷的自己愛」をもつ傾向があると自覚している。
ただ、より傾向が強かったのは不登校だったときで、いまは気分の浮き沈みに関しても徐々に乗りこなせるようになってきた。
そのため、本書の助言も抵抗感なく受け入れられた。
著者は引きこもり介入のパイオニアみたいなひとなので、不登校や引きこもり当事者がいちばん共感して読めると思う。
ただ、SNSで「自分なんて…」と自己卑下するような投稿をした覚えのあるひ -
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最初に想い出したのは「ガリア戦記」というタイトルだった。大和の歴史では「壬申の乱」という史実の名が記憶にある。人間の歴史で「争い事」はその初めからあるようだ。軍事の歴史で武装集団をそれまでと違った形にした人物として織田信長があげらろよう。彼は女性につきまとってる兵を自ら処分した話が残っている。
それにしても人々が忌み嫌っている戦争がないという時代はほとんどないのは何故だろう?
物理のパイオニアであるアインシュタイン博士が人間を学としたフロイト博士に問題提起をし、その解決を試みたのが本書であろう。
そして新たな創造の為に破壊が必要とは言え戦争という攻撃性はやり過ぎだとこの本から私は思う。
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「ケアの倫理」「オープンダイアローグ」「当事者研究」
最近のわたしのキーワードが満載された本ですごく面白かったけれども、自分のなかではまだ体系化できてないなと思ったら「体系を構築すると権力志向が生まれてくる」という中井久夫の思想が紹介されていて(p.125)、じゃあもうしばらくこのままあれこれ読んでいくか……となった。
興味を広げてくれるハブのような本で、これのおかげで2年前に録画したままになっていた「100分de名著」の中井久夫特集を一気見したし(「S親和者」がわからなかったので見たけど、中井自身のものと思われるエピソードがめちゃくちゃおもしろかった。本の背表紙を見ていると読んだ内容がすべ -
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アインシュタインは国際連盟からの「今の文明(1932年時点)でもっとも大切な問い」について、好きな相手を選び手紙を書く、という依頼に対して、ヒトはなぜ戦争をするのか。を主題にフロイトに手紙を出し、フロイトからの返事を書いた本書。
アインシュタインは、「すべての国家が一致協力して、一つの機関をつくりあげ、この機関に解決を委ねる」そのためには「各国が主権の一部を完全に放棄し、自らの活動に一定の枠をはめる」という解決策を提案している。ほかの方法では、国際的な平和は望めないのでは?と添えて。
そして、人を戦争に駆り立てる要因として、「人間には本能的な欲求が潜んでいる。憎悪に駆られ、相手を絶滅させよう -
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911
264P
半分読んだ
斎藤環
1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。爽風会佐々木病院・診療部長を経て、筑波大学社会精神保険学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙。漫画・映画・サブカルチャー全般に通じ、新書から本格的な文芸・美術評論まで幅広く執筆。著書に『社会的ひきこもり』『母は娘の人生を支配する』『承認をめぐる病』『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『オープンダイアローグとは何か』『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。
アメリカ精神医学会(APA)の編纂した診断基準である「DSM‐5」によれ -
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面白かった!
健全な自己愛を育むことの何と困難なことか。
自分自身が本作で言う所の自傷的自己愛で長年悩み、根深い自己否定、嫌悪を抱えながら生きてきた。
だからこそ刺さる部分が多くあり、これからの人生では、少しずつでも健全な自己愛を育てていくことが出来るかもしれないという希望が持てた。
''自己愛とは、自分が好きという感情ではなく、
自分が嫌い、自分がわからないという感情も含まれる。自分自身でありたいという欲望の事である。
成熟した自己愛を構成する要素には、自己肯定感のみならず、自己批判、自己嫌悪、プライド、自己処罰といった様々な否定的な要素までもが含まれる。&qu -