斎藤環のレビュー一覧

  • いじめ加害者にどう対応するか 処罰と被害者優先のケア

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    ブックレットで60ページ余りなのでアッという間に読めるが、内容は濃い。エビデンスに基づいた発言を行う教育学者と「ひきこもり」専門の精神科医。最後に対談があるが、いじめに対しては被害者の救済と尊厳の回復をまず行い、加害者のルールに基づいた処罰が必要。政治的中立製を理由に閉じてしまっている学校を、外に開くことがいじめや暴力を防ぐことにつながる。真っ当な意見である。

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    2025年10月19日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    頭のいい人達だから、私には想像もできないような素晴らしい解決策が提示されてたら素敵だなぁと思って読んだけど、ますます考えさせられる、悩まされる?感慨深く興味深い内容だった。これが第二次世界大戦前のもの、というのがまた…ね。
    解説も本編並みのボリューム(笑)
    私とは考えが異なる内容もあって、勉強になった!
    また一つ賢くなった!(多分)

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    2025年08月31日
  • 母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか

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    『妖琦庵夜話 魔女の鳥籠』にて参考文献に挙げられていた本。父母、息子娘の関係の中でなぜ母娘関係のみが特殊なのかを実際の事件、漫画、小説などを紐解きながら考察している。

    引用されていたよしながふみ氏と三浦しをん氏の対談が印象に残った。
    「男の人の抑圧ポイントは「一人前になって女の人を養って家族を養っていけるちゃんとした立派な人になりなさい」という1つのみ。だから男の人たちってみんなで固まって共闘できるんです。男は一つになれるんだけど、女の人が一つになれないっていうのは、一人ひとりがつらい部分っていうのがバラバラで違うんでお互い共感できないところがあると思います。生物学的な差では絶対にない。これ

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    2025年08月02日
  • 改訂版 社会的ひきこもり

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    まだ幼い2人の子供を育てていて、急に「子どもがいつかひきこもりになったらどうしよう」という不安が湧いてきて衝動的に読んだ。
    ひきこもり事例に多く対処してきた精神科医である著者が、ひきこもりが発生する構造的な問題について「ひきこもりシステム」というモデルを使って説明している本書。現実のひきこもりに対してどのような期間をかけて何をすべきかについても極めて具体的に書いてあり、とても良かった。

    面白かったポイント
    - ひきこもりの原因は本人だけにあるのではなく本人、家族、社会からなるシステムにある
    - いきなり本人と社会を接続しにいくのではなく、家族と社会、本人と家族、本人と社会、の順番で接点を増や

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    2025年07月27日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    「欲望や意欲というものは自分の中から自然に発生しているように見えて実は他者が起源で他者から供給し続けてもらわないと維持できない」
    引きこもりの人が1割くらいいても今の資本主義ならやっていける。引きこもりに寛容になることは、引きこもっていない人にも生きやすい社会になる。
    弱者男性と優生論。生まれつきとか努力しても無駄という思想に繋がり、入り口で諦めることにつながる。脳科学という、科学的に仮説レベルの話が横行。優生論と親和性が高い。
    酸っぱい葡萄の新解釈。本当に葡萄は酸っぱいのか。自分には必要じゃないものだったと諦めても良いのでは(葡萄を手に入れた人同士、今度はまた出世競争)。
    ソフトヤンキー優勢

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    2025年05月24日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    1932年、国際連盟はアインシュタインに依頼した。「今の文明において最も大切と思う問いについて、誰でも好きな方を選び、公開で意見交換して下さい」彼が選んだ相手は精神分析の創始者・フロイト。「人類を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?人間と人間の争いが最も露骨な形であらわれる国家間の戦争を避けるにはどうすればよいのかを見出すため、フロイトの最新の知見を知りたい」アインシュタインからの問いに、フロイトが答えた。人間の破壊欲動を「他者との争い」という形で表に出さないようにするには?フロイトの提案に希望が少し見える。

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    2025年04月13日
  • 「自傷的自己愛」の精神分析

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    (2025/01/24 2h)

    『スマホ時代の哲学』にて紹介されていたので読んでみた。
    同著者の『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』も面白く読んだ。

    わたしは引きこもり当事者として、「自傷的自己愛」をもつ傾向があると自覚している。

    ただ、より傾向が強かったのは不登校だったときで、いまは気分の浮き沈みに関しても徐々に乗りこなせるようになってきた。
    そのため、本書の助言も抵抗感なく受け入れられた。

    著者は引きこもり介入のパイオニアみたいなひとなので、不登校や引きこもり当事者がいちばん共感して読めると思う。
    ただ、SNSで「自分なんて…」と自己卑下するような投稿をした覚えのあるひ

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    2025年01月24日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    最初に想い出したのは「ガリア戦記」というタイトルだった。大和の歴史では「壬申の乱」という史実の名が記憶にある。人間の歴史で「争い事」はその初めからあるようだ。軍事の歴史で武装集団をそれまでと違った形にした人物として織田信長があげらろよう。彼は女性につきまとってる兵を自ら処分した話が残っている。
     それにしても人々が忌み嫌っている戦争がないという時代はほとんどないのは何故だろう?
     物理のパイオニアであるアインシュタイン博士が人間を学としたフロイト博士に問題提起をし、その解決を試みたのが本書であろう。
     そして新たな創造の為に破壊が必要とは言え戦争という攻撃性はやり過ぎだとこの本から私は思う。

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    2025年01月04日
  • 猫社会学、はじめます ――どうして猫は私たちにとって特別な存在となったのか?

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    猫を飼っていますが、猫の存在や猫と人間との関係について、普段の実感をよくも的確に表現してくれたものだ、と感心しました。また、新しく気付かされることもありました。学問としてのさらなる発展•深化を楽しみにしたいです。

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    2024年10月11日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    「ケアの倫理」「オープンダイアローグ」「当事者研究」
    最近のわたしのキーワードが満載された本ですごく面白かったけれども、自分のなかではまだ体系化できてないなと思ったら「体系を構築すると権力志向が生まれてくる」という中井久夫の思想が紹介されていて(p.125)、じゃあもうしばらくこのままあれこれ読んでいくか……となった。

    興味を広げてくれるハブのような本で、これのおかげで2年前に録画したままになっていた「100分de名著」の中井久夫特集を一気見したし(「S親和者」がわからなかったので見たけど、中井自身のものと思われるエピソードがめちゃくちゃおもしろかった。本の背表紙を見ていると読んだ内容がすべ

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    2024年09月28日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    アインシュタインは国際連盟からの「今の文明(1932年時点)でもっとも大切な問い」について、好きな相手を選び手紙を書く、という依頼に対して、ヒトはなぜ戦争をするのか。を主題にフロイトに手紙を出し、フロイトからの返事を書いた本書。

    アインシュタインは、「すべての国家が一致協力して、一つの機関をつくりあげ、この機関に解決を委ねる」そのためには「各国が主権の一部を完全に放棄し、自らの活動に一定の枠をはめる」という解決策を提案している。ほかの方法では、国際的な平和は望めないのでは?と添えて。
    そして、人を戦争に駆り立てる要因として、「人間には本能的な欲求が潜んでいる。憎悪に駆られ、相手を絶滅させよう

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    2024年09月23日
  • 母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか

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    読み応えが…!

    タイトルよりももっと深く、女性性と男性性の違いなどのジェンダー論や、なぜ父娘でも母と息子でもなく母娘の関係が特殊なのかといった内容が、かなり惹きつける論調で書かれている

    特筆すべきは、論を組み立てるに当たって、少女漫画を多数引き合いに出していること。漫画だけでなく他にも小説や映画も引用されており、普段文学作品ばかり読んでいる人にもとっつきやすいと思う

    表紙のイラストはなんと、よしながふみで、本文中にもよしながふみ作品について幾度となく触れられている

    これは期待以上の良書でした!!!

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    2024年09月13日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    アインシュタインとフロイトという、二人の天才の、人類は戦争をやめられるのか?に対する答えを読んでみたかった。
    結果、同意できるところが多く、読んでよかった。
    この問題は、解決が難しいが、現代の天才も参加して解決していってほしい。
    私のような一般庶民もよくよく考え、まずは自分の周りから揉め事を起こさないようにしなければならない。

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    2024年09月10日
  • 「自傷的自己愛」の精神分析

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    911

    264P

    半分読んだ

    斎藤環
    1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。爽風会佐々木病院・診療部長を経て、筑波大学社会精神保険学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙。漫画・映画・サブカルチャー全般に通じ、新書から本格的な文芸・美術評論まで幅広く執筆。著書に『社会的ひきこもり』『母は娘の人生を支配する』『承認をめぐる病』『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『オープンダイアローグとは何か』『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。

    アメリカ精神医学会(APA)の編纂した診断基準である「DSM‐5」によれ

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    2024年06月18日
  • 「ひきこもり」の30年を振り返る

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    はじめに
    石川良子
    第1章「引きこもり」の三〇年を振り返る
    1「ひきこもり」史を振り返る
    2「ひきこもり」の問題設定を捉えなおす
    3精神医療からみた「ひきこもり」史
    第2章「ひきこもり」の捉えなおしと未来
    1「ひきこもり」とはだれか
    2なんのための支援か
    3語ることと聴くこと
    4親子の葛藤
    5「ひきこもり」と地域
    6「ひきこもり」という看板の悩ましさ
    あとがき
    「共に在る」未来へ
    ひきこもることが問題視されない社会へ
    不登校・「ひきこもり」の年表

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    2024年05月18日
  • 「自傷的自己愛」の精神分析

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    あなたが他者をむやみに否定しない倫理的理由があるのなら、全く同じ理由で自分自身も否定しないでほしい。

    あなたに自分を否定させているのは、あなた自身の価値観というよりかは、世間的な価値観や同調圧力といった要素。

    自分自身でありたい気持ちこそが自己愛。

    本来1人の人間には無数の長所も短所も含まれていてそれを一気にイメージすることはできない。

    あなたの尊厳はあなた自身が守るべきだ。

    成長や成熟は、自分自身でありたい気持ち、自己愛を大切にすることからこそもたらされる。

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    2024年05月02日
  • みんなの宗教2世問題

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    エホバの証人の2世の方で、臨床心理士の資格を取り、スクールカウンセラーをされている方の言葉が、とても強く切実に響きました。
    ぜひ多くの人に読んでもらいたい本です。

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    2024年03月30日
  • 「自傷的自己愛」の精神分析

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    面白かった!

    健全な自己愛を育むことの何と困難なことか。
    自分自身が本作で言う所の自傷的自己愛で長年悩み、根深い自己否定、嫌悪を抱えながら生きてきた。

    だからこそ刺さる部分が多くあり、これからの人生では、少しずつでも健全な自己愛を育てていくことが出来るかもしれないという希望が持てた。 


    ''自己愛とは、自分が好きという感情ではなく、
    自分が嫌い、自分がわからないという感情も含まれる。自分自身でありたいという欲望の事である。
    成熟した自己愛を構成する要素には、自己肯定感のみならず、自己批判、自己嫌悪、プライド、自己処罰といった様々な否定的な要素までもが含まれる。&qu

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    2024年03月24日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    横道氏の書をはさみ、斎藤環氏とケア倫理を絡めた小川公代氏の対談を中心に当事者研究とオープンダイアログ、そしてケア倫理の関係を対談なので、わかりやすく、縦横無尽に語り尽くす。最後に頭木弘樹氏、村上靖彦氏の対談でしめるなんとも贅沢な対話集であった。印象に残った言葉を二、三。倫理的であることが治療的である。人間の尊厳、自由や権利を尊重していくことで結果的に回復が起こる。知は権力で、権力が生まれると上下関係が生まれる。ケアラーが弱さを共有していないとケアはせいりあしない。中井久夫氏とケアの倫理の親和性についての論考も面白かった。

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    2024年03月17日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    昔会社のお偉い方におすすめされて読んで以降、度々読み返しています。
    アインシュタインとフロイトによる手紙のやり取りが掲載されているだけなので本編は短いです。
    ですがとても考えさせられますし、人間の本能についてすごく納得できた一冊です。
    この本のおかげで私は良い意味で「人間に期待をしない」ことを学びました。
    大変おすすめです。

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    2024年03月05日