斎藤環のレビュー一覧

  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    「発達障害バブル」の今、この本を読んで、頭の中を整理できてよかったです。他者と違うのは当たり前。違うことを認め合い、共存するために、対話を。同意はできなくても、共感はできる。全ての人が、同じ地平で、同じく尊重される社会になるように、まずは私の心を耕せました。文学の力も信じます。

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    2023年01月27日
  • 「自傷的自己愛」の精神分析

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    深掘りTVで少しお話を聞いて面白かったので早速拝読。
    大事だと思われるところ

    問題に気付き、相対化する
    そのためには筆者の主張である、
    すべての母は毒母であり、すべての母娘関係は支配関係である
    ということが、問題の存在そのものを気づくための促しとなる。
    母親の権威を相対化すること、
    母親からできることは、母となる前の自分、自分が自分であった時の話をすること(娘がそれを聞いてみること)

    めちゃくちゃ大事なこと。
    孝を最高原理とする儒教倫理的な抑圧が、親による虐待、体罰、ネグレクトといった行為を隠蔽してきたという事実。
    自分の価値観はもちろんだが社会の価値観のアップデート、変化、古い道徳観念からのの解放。(日本の公教育では逆行してるのではないか。子どもの教育はリベラルな校風教育目線をもつ私立でなければ、、ここで格差との絡みも出てしまうのではと、読んでいて感じた)

    186ページ、坂口恭平氏がご友人だとか。坂口氏は双極性障害に罹患しているが、うつの時に大量の文章を書かれるそうだ。また書くことは自己治療となるそうだ。

    ヤマギシ会について。カルトと規定。確かに激烈なカルト、財産没収だけでも当然カルト認定。

    自己肯定感を高めたいという欲求。悪あがきと言っても良いか?それと優生思想との関係。自己肯定感がえられず、自傷的自己愛に陥ると自分が無価値だから死にたいという考えにいたる、それは、著者によると優生思想の萌芽といえ流。優生思想とほぼ同一。なぜなら良い悪いなど、生についての価値判断は不可能だから、だそうだ。生はあらゆる価値の上位概念だから価値判断の埒外とのこと。日本社会では、生に対しそのように崇高には捉えられていない、残念ながら。
    生の平等性は担保されておらず。明らかに憲法違反だけど、自民党や、一部のお間抜け野党政党は、生の分別を平然とやらかしてるしな、、などとぶつぶつ言いたくなる。

    198ページに坂口恭平氏再登場。
    スリランカ上座仏教スマナサーラ氏の無常を知る人、つまり我執を捨てた人
    我執のない人の特徴が坂口氏に合致。

    本当に自傷的自己愛に陥り苦しんでいる当事者であれば著者がおすすめしている坂口恭平氏の著書やスマナサーラ氏の著書の方が本書より読みやすいかもしれないと思ったし、すごい人とは感じていたが改めて坂口恭平氏の稀有な存在に脱帽

    自分が世界の中心という認識(そうおもうこともできる、、というふうに理解したが。そう思えるような子ども時代が大切ということか)そして自分は世界の一部に過ぎないという認識。これが社会性、相手への共感やコミュニケーションの必要性につながる。

    著書がいう自己愛とは、自分大好きの言い換えではなく、自分自身でありたい欲望。
    ここには、事象的自己意識に陥りがちな承認への欲求や不満とは関係なく、自分そのものがある。
    自分が好き自分が嫌い自分が判らない、が全て、自分自身でありたいという欲望の中に含まれているという。これは、発見。
    著書は、この強い欲望はしばしば好奇心の形をとるという。これは本当にわかる、納得。

    健全な自己愛を育むための方法。さまざまな提案。具体的でわかりやすい、無理なくできるところから提案されているところもよい。個人の尊厳を守る、自分の尊厳は自分で守る。そのための環境調整、必要ならされたこと、経験したことを記録する、我慢しない!
    日本的な耐えて我慢して成長するみたいな気持ち悪い言い分は間違い、そこに自分を置かない我慢しない。大事だな。
    対人関係の拡張少なくても今ある関係を失わないこと!!利他的になりがちならあえて損得勘定で自分を利するような考えをすること。問題発生時には健全な被害者意識を持つこと、自分のせいにしない。
    少しでも好きなことをする。身体をケアし運動したり体調や見た目を整える。
    オープンダイアログ。対話というアプローチ。医療の現場で有効。
    家庭や学校職場でも有効。対等な対話忖度なし。
    リフレクティングという手法による本人への緩いアドバイス効果。

    最後の方は大変実用的に、自傷的自己愛に悩む人へのストレートな呼び方になっていて、さまざまな、社会や家庭で人と関わる=つまり誰でも誰もがこの本に目を通したら良いと思う。

    今の世の中、自分だったら、、という想像力が自然と欠如してしまいその裏返しとして、強い承認欲求やそれが得られないことからくる自己否定、自己肯定感の低下などになっているのかな。他者にも自分にもなんらかの共感やなんらかの違和感を正常に当たり前に持つことが入り口でもあり出口でも入り、平静であろうと思った。

    坂口恭平氏の作品しっかり読もうと思った

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    2023年01月20日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    ネタバレ

     アインシュタインとフロイトが戦争をテーマに議論を交わした手紙について。
     冊子の薄さと、文章の平易さから読むことを決めた。しかし、テーマと内容は決して浅くない。もちろん紙面上の限界はあるため深く掘り下げきれないところもあるが、国際機関の存在や文化による啓蒙など戦争を起こさないようにさせるための人間の試行錯誤について述べることを通して戦争論にアプローチしている。
     権利や権力(暴力)の取得とその変遷、少人数による支配と多数による支配が表裏一体であること、などの分析が興味深かった。

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    2023年01月05日
  • ひとはなぜ戦争をするのか

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    1.著者;①アインシュタイン;理論物理学者。特殊相対性理論や一般相対性理論が有名。光量子仮説に基づく光電効果の解明で、ノーベル物理学賞受賞。②フロイト;精神科医。精神分析学の創始者。<解説者>③養老孟司;解剖学者。「バカの壁」は450万部を記録。戦後のベストセラー5位。第一位は「窓際のトットちゃん」④斉藤環;精神科医。「世界が土曜の夜の夢なら」で角川財団学芸賞受賞。他にも共著で小林秀雄賞受賞。
    2.本書;国際連盟がアインシュタインに「今の文明で最も大切と思える事柄を、好きな人を選び、書簡を交わす」事を依頼。彼は、フロイトに戦争(人間を戦争というくびきから解き放つ事は出来るのか)について、手紙を書いた。フロイトの回答は、「文化・知性が戦争を抑止出来る」と言う。解説の養老・斉藤両氏の論考も高水準で読みごたえがある。ロシアのウクライナ侵攻の最中、浅見氏(訳者)あとがき「二人の戦争論を読み、二十世紀の英知を手に、新たな歩みを始めなければならない」が心に響く。
    3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
    (1)『フロイトへの手紙(アインシュタインから)』より、「人間の心を特定の方に導き、憎悪と破壊という心の病に冒されない様にすることはできるのか?・・・“知識人”こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです。何故でしょうか?彼らは現実を、生の現実を、自分の目と自分の耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです」
    ●感想⇒知識人は机上の空論に陥る事が間々あると聞きます。学者が現実に捕らわれないず、純粋な理論を構築する事は、科学進歩に貢献します。しかし、現実の世界は頭で考えるように単純ではありません。例です。製造業では、若い頃に現場経験を積ませて、選抜後に幹部登用する会社が多いそうです。「生の現実を、自分の目と、自分の耳で捉え」ないで、世間に認められる良質なモノづくりが出来るはずがありません。過日、映画「Fukusima 50(原発事故と戦った50人)」を見ました。その中で、東電役員が事故状況を問われた際に、「私は東大経済学部出身ですから(技術はよくわかりません)」と答えた場面がありました。頭でっかちだけでは、経営のかじ取りは無理でしょう。
    (2)『アインシュタインへの手紙(フロイトから)』より、「戦争への拒絶、それは平和主義者の体と心の奥底にあるものが激しい形で外に現れたものです。私はこう考えます。このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。・・・文化の発展が生み出した心のあり方と、将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安、この二つのものが近い将来、戦争を無くす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか。・・・文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことが出来る」
    ●感想⇒フロイトは、「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことが出来る」と結論付けています。書簡が交わされたのは1932年で、90年経ちました。文化は、それなりに発展しました。しかし、世界各地で紛争が絶えません。ウクライナ侵攻、クルド×トルコ紛争・・・、それに内戦と争いは続くばかりです。アインシュタインは言います。「人間には本能的な欲求が潜んでいる。憎悪に駆られ、相手を絶滅させようとする欲求が」と。フロイトは言います。「知性を強める事、攻撃本能を内に向ける事」と。私達は、戦争に加担する様な事にならない様に、広い視野でものを考え、行動したいものです。“巧言令色すくなし仁”たる指導者の言動に惑わされない為に。
    (3)『解説Ⅱ(斉藤環)私達の“文化”が戦争を抑止する』より、「私達は世界史レベルで見ても最高度に文化的な平和憲法を戴いているからです。そこにはフロイトすら思いもよらなかった戦争解決の手段、すなわち“戦争放棄”の文言が燦然と輝いています。この美しい憲法において先取りされた文化レベルにゆっくりと追いついていく事が、これからも私達の課題であり続けるでしょう」
    ●感想⇒日本の憲法は平和主義を提唱し、第九条で「①戦争放棄 ②戦力不保持 ③交戦権否認」を謳っています。今、我国の安全保障に関心が高まっています。“反撃能力の保有”に関し、ある調査では、「保有賛成=55%、反対=29%」だったそうです。反撃能力保有は、専守防衛から逸脱し、先制攻撃の可能性をはらんでいます。戦後77年を経て、75歳以上の人口は約15%となり、戦争体験者が少数になりました。斎藤氏が言う「フロイトすら思いもよらなかった戦争解決の手段、すなわち“戦争放棄”の文言が燦然と輝いています」を、今こそ国民一人一人が真剣に熟慮しなければならない時と考えます。
    4.まとめ;私は戦後生まれで、戦争体験がありません。戦争の悲惨さについて、祖父母からよく聞かされました。「B29(アメリカの爆撃機)の来襲、空襲警報がけたたましく鳴り響く中、防空壕へ一目散に逃げた。衣食住に困窮し、食べるものもなく、着の身着のままの生活。いつ死ぬかわからない日々だった」と。私はこの話と、野坂氏の「火垂るの墓(浮浪児兄妹の悲惨な生活)」や井伏氏の「黒い雨(被爆者の辛い生活)」を再読する度に心が痛み、平和主義を貫く事の大切さを痛感します。戦争を決してしてはいけません。どんな理由があろうとも。本書は「2020年8月第13刷版」です。ウクライナ侵攻が続く中で、この本が売れ続け、戦争について多くの人が考察している事が救いです。子々孫々に明るい未来を。(以上)

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    2022年12月14日
  • 改訂版 社会的ひきこもり

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    「ひきこもり」問題は、確実に深刻化しつつあります。しかし最前線で対処すべき立場である我々精神科医が、この未曾有の事態を前にしてなすすべもなく立ちすくんでいるのが現状です。
    自分の臨床体験を整理しました。

    愛とはそもそも自己愛。人は自分を愛する以上に他人を愛することはできない。

    スチューデントアパシーの特徴は多くの社会的ひきこもりの特徴とかなり一致する。

    男性に多い
    無関心無気力無感動、生きがい目標進路の喪失の自覚、アイデンティティの不確かさを訴える。
    自ら進んで治療を求めない。
    自分の置かれている状態に対する深刻な葛藤がなく、その状態から抜け出そうという努力を全くしない。
    自分が異常であるという自覚がないわけではなく、対人関係に敏感で叱られたり壊されたりするとひどく傷つく。
    そのため自分が確実に受け入れられる場面以外は避ける傾向がある。
    苦痛な体験は無気力退却などの行動として表す。暴力や自殺企図などの激しい行動化は少ない。
    優劣や勝ち負けの過敏さがあり、敗北や屈辱が予想される場面を避ける傾向がある。


    ひこもりたちの葛藤は現状への不満や劣等感から引き起こされることが多い。
    大学生活は様々な点でプレッシャーの少ない安全な生活圏である。

    回避性人格障害
    批判非難否定に対する恐怖のために、重要な対人接触の多い職業的活動を避ける。
    人と関係を持ちたいと思わない。
    恥をかかされること馬鹿にされることを恐れるために親密な関係の中でも遠慮を示す。
    社会的な状況では批判されること、拒絶することに心がとらわれている。
    不適切感のために新しい対人関係状況で制止が起こる。
    自分は社会的に不適切である人間として長所がない他の人より劣ってると思っている。
    恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険を冒すこと、何か新しい活動に取り掛かることに異常なほど引っ込み思案である。

    「学習された無気力」心理的な原因から生じた無気力状態。
    「やっても無駄だから動かない」のではなく、むしろ「動いた方がよいに決まっている」からこそ身動きが取れないのです。
    強い葛藤を抱えていて、様々な精神症状につながり、一層社会参加への壁が厚くなる。
    しかも、社会参加ないし治療によってでなければ改善しない。
    次第に悪化しながら、いっそう深く引きこもらざるを得ないこともある。

    治療には、家族の指導と自助グループへの参加という組み合わせが最も一般的なコースです。つまり家族や他人との関わりです。

    引きこもり生活には他者との出会いもないが、精神的な成長も、受ける外傷も、回復も一切ない。
    他者のイメージは、単に外傷をもたらすだけの迫害的なイメージのみ。

    立ち直りには短くても半年、平均して2~3年以上の時間が必要となります。

    わずかな変化だけではなく、長期的展望を持つこと。

    引きこもりは簡単には治らないないので、粘り強く絶え間なく努力し対応を続けて改善していく。

    愛情を強要せずに
    ヴォネガットの言葉に「愛は負けても親切は勝つ」というのがあります。

    青年たちにとって異性関係こそが最大のハードル。異性関係ばかりは治療によっても与えることができません。

    「愛」を禁欲してでも、ひたすら「親切」を心がけるべきです。「親切」は共感なくして成立しません。まさにこの「共感」こそは引きこもりの求めるものなのです。
    深く共感しつつ親切に接してあげること。それこそが「治療的態度」です。むしろ情緒的な強い愛は、そのぶん反動を呼びやすい。
    知的理解と情緒的共感に立った親切な態度こそが、求められる家族の態度です。
    厳しく接して本人を追い詰めるのではなく「本人に恥をかかせないこと」

    将来の不安を感じ、自分の状態を情けなく思い、しかしどうしていいかわからないのです。決して気楽な気分でのんびり気ままに過ごしているわけではなく、不本意な思いを強く抱きながらも、社会に出ていけないのです。その辛さをまず家族は共感的に理解しておくべきです。

    精神分析において「ペニス」は、「万能であること」の象徴とされます。しかし成長と共に他人との関わりを通じて、「自分が万能ではないこと」を受け入れなければなりません。 この
    「万能であることを諦めること」を、精神分析家は「去勢」と呼ぶのです。
    人間は自分が万能ではないことを知ることによって、初めて他人と関わる必要が生まれてきます。
    成長や成熟は断念と喪失の積み重ねにほかなりません。成長の痛みは去勢の痛みですが、難しいのは去勢がまさに他人から強制されなければならないということです。まず自ら望んで去勢されることはできないのです。

    私たちに今からでもできることは、「社会的ひきこもり」が多数存在するという現実を事実として受け入れることに他なりません。
    まず正確に認識し理解すること。それが新たな事例の増加を予防すると私は信じています。

    本書が「ひきこもり」に悩むすべての人たちに少しでも多くの希望と意思をもたらすことを願ってやみません。
    一九九八年十月二〇日 斎藤環

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    2022年12月06日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    とても現代を生きていく上で、有意義ないろいろな「ヒント」の内容があったように思えました。

    対面には暴力性があり、オンラインはそれを軽減/消去する。
    「対面で会うことが必然的にはらんでしまう暴力性」
    オンラインでの対面を可能にするインフラが整備され、「対面せずに会う」という仕事、勉強、診察等の経験が一気に広がった。同時に「なぜ人は対面を必要とするのか」という、かってない問をもたらしてくれた。

    第1章「鬼滅の刃」ブームにみる現代日本人の闇
    「四重の格差」1.国家間格差2.国内での地域間格差3.経済などの階級格差4.ジェンダー格差
    自殺者が目に見えて低い町、徳島県の旧海部町(現海陽町の一部)は自殺の「希少地域」
    生きるヒント①
    ●家族・友人との関係を大切にする
    ●家庭内にも心のソーシャル・ディスタンスを
    ●他人のトラウマに寄り添い過ぎない。自分が壊れてしまう。
    ●追い込まれないために、悩みや苦痛は口外すべし。ぜひ役所などにも頼ろう。
    ●精神科と心療内科の違いを理解し、適切な治療を受けよう。医師は選ぶべし。
    ●ペットや趣味など「内向きの不要不急」を大切に。

    第2章人はなぜ、人と合うのか
    人に会えなくて「楽になった人」と「萎れてしまった人」
    「嫌な人」「相性が合わない人」と付き合う必要はない。「必要な人とだけ会う」
    「対面」によって活性化され、エンパワーもされていた。「表面的にはそれほど社交性は高くないものの、ある程度の対面は必要」

    会うことは「暴力」
    人と会うことの暴力性
    外交の世界も「暴力をどう効率的に行使するか」

    理想は対面とリモートのハイブリッド

    生きるヒント②
    ●①人に積極的に会いたい人、②一人でいたい人、③その中間くらい。自分はどれか、あの人はどれか考えてみる。
    ●人に会うのに苦痛を感じるのは、そこに「暴力性」があるからだと理解する。しかしその暴力には意味がある。
    ●人は、人に会うことで欲望を維持できる。多くの人は、一人ぼっちで欲望は維持できない。欲望の減退は元気を失わせる原因にもなることを知っておく。
    ●人と会うことで不確実性が高まる。「偶然の事故」から新しい発見があったり、新たな展開が生み出されたりする。だから対面にはリモートにはない意義がある。

    第3章危険な優生思想に蝕まれないために
    「努力は遺伝に勝てない」「『悪い生』に生まれたら、そこから抜け出せない」という優生主義の発想は、人々が様々なことを諦める理由にもなっている。

    弱者男性の怨嗟の向かう先は、支配層ではなく、自分のちょっと上の中流ぐらいの層。自分たちよりも弱者に対しては、もっと容赦なかったりする。結果的に、弱者切り捨てに賛成してしまう。

    生きるヒント③
    ●人間には心があることを再認識する。
    ●「AI時代」を生き抜く鍵は「読解力」
    ●物事の真贋を見分けるためには、常に「その話にはエビデンスがあるのか」という発想を持つことが重要
    ●人間の生の多様性は、これからの時代を生き抜く自分のため。
    ●合理主義のいき過ぎで、優生思想が万円。自分の首まで占めかねない危険な優生思想に加担するな。
    ●優生思想の危険性をよく知っておく

    第4章「同調圧力」と日本人
    生きるヒント④
    ●スペイン風邪は同時代に記憶されなかった。パンデミックは適切に記憶する努力が必要。
    ●生活保護は利用抑制から方針転換。追い詰められる前の選択肢として考えよう。
    ●テレビなどのメディア報道の裏にあるものを考え、流されない訓練を。
    ●苦しい体験は、「物語」を作ることで逃げなくてはならない場合もある。
    ●コロナ禍をめぐるマスコミの「炎上商法」を冷やかに見ること。

    第5章息苦しい「組織」「学校」から開放されるために…………
    「逃げられないことの息苦しさ」

    ひふみ投信などの藤野英人氏や原田曜平氏の意見
    日本の希望は「地方」、そしてヤンキー。地方は東京と別の生態系になる。

    心の中に「逃げる自由」を確保しよう
    男性が自殺しやすいのは、誰にも相談できない、苦痛を訴えることもできない、と自ら逃げ場を閉じてしまうから。
    もっと「逃げる自由」を肯定的に捉えていくべき。

    生きるヒント⑤
    ●自分の居場所をつくっておくと、心はだいぶ楽になる。
    ●子供も大人もリアルは出席とリモート出席のハイブリッドが理想。
    ●ひきこもりの人たちみたいに、外に出られなくて苦しんでいる人がいることを理解し、寛容になる。
    ●人生の目標は人それぞれ。「すっぱい葡萄」と思うならそれでいい。みんなが同じ「葡萄」を目指す必要はない。
    ●知らず知らず「成果主義」で身動きが取れなくなってはいないか。自らをチェックしよう。
    ●実は地方には可能性がある。パンデミックを記に本気で移住を検討するというのは、十分にあり。
    ●「逃げるときには逃げる」というのは、生き延びるための立派な知恵。ココロの中に、その自由を確保しておこう。
    ●ポストコロナには、人と会い、会話して、意図的にメンタルの修復に努めよう。

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    2022年12月03日
  • いじめ加害者にどう対応するか 処罰と被害者優先のケア

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    当たり前のように、いじめられた子どもが学校に行けなくなる、というのはおかしい。

    いじめる側が精神的な疾患を持ったおかしな奴なんだ、ということに改めて気付かせてくれる。

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    2022年12月02日
  • 新版 ひきこもりのライフプラン 「親亡き後」をどうするか

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    ひきこもり家庭の経済的な視点からのライフプランを紹介されています。
    特に、「親亡き後」をどうするかのライフプランに関して、これから日本中で、とても現実的に必要に迫られることになる家庭が多くなることは確実ですので。

    地域や医療でひきこもり家庭を支援する人たちが、ひきこもり家庭当事者の方たちに教えてくださるといいと思いました。

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    2022年12月01日
  • 中高年ひきこもり

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    斎藤さんは、ひきこもり問題で検索するとよく出てこられる方で、YouTubeの動画もみていましたので、本書も読んでみたくなり読みました。

    ひきこもりの問題は表には出てこないが、秋田県、山梨県、佐賀県での調査から、政府調査の115万人どころか、全体では200万人と考えるのが妥当。
    確かに「ひきこもり」の定義によっては、家事手伝いの女性や、中高年・高齢者等を含めますと、相当数の様々な境遇・状況下の「ひきこもり」達が存在していそうです。

    アメリカ・イギリスなどでは、日本でひきこもりになるような人たちはホームレスになることが多いことから、社会参加できないひきこもり達を無理矢理外へ出せば、大量のホームレスたちが発生する。
    なので、社会参加が容易になるような支援をしていくべき。

    抜け出すには(自力ではなく)家族以外の支援が欠かせない
    まったくその通りで、当事者や家族達は視野が狭くなる悪循環に陥ってしまっているので、色々な意味で、Webでも電話でも相談するのでも、抜け出していくために何がしかの「ヒント」的なものを第三者から得ることは、必ず必要なことです。

    悪徳業者は問題外・論外
    長田百合子・杉浦昌子等の思い上がった手法で、実際に死亡事件まで起きた。
    長田隆宏も評判が悪い。

    第四章家族のための対応のヒント
    この章でのお話の内容は、すべてのひきこもりのご家族の方々にぜひとも読んでほしいお話です。
    ・安心してひきこもり、社会参加の意欲が生まれるように、何がしかに取り組んでいくためにも無制限ではなく小遣いなどのお金を与え、対話は欠かせないし、議論・説得ではなくて、親切に、どうでもいいような会話をしていくべき。

    まずは、公的支援機関のひきこもり支援窓口に相談することが第一

    医療以外の支援、親亡き後のライフプラン=「お金」の問題を考えることは、必要不可欠。
    「急にこの生活が終わる」と強い不安に感じてしまうことが起こりえる。
    「あなたを扶養できるのは後××年が限界だ」と宣言する。
    あと何年は経済的に心配しなくてもいい、と安心して働けるようになること等がある。
    年金・生活保護等、将来必要になる手続きを申請する権利があることを早い段階で認識してもらうこと。

    第六章ひきこもり問題の歴史・現状・未来
    「すでにひきこもりから抜け出しつつあるような人たち」にとっては、就労によって元気になるケアとしての就労移行支援事業は高い可能性がある。
    しかし、抜け出しつつある状態までの段階ではない当事者の場合には、就労支援は「苦痛」でしかない。

    第七章成熟化した社会と未成熟な大人たち
    当事者は社会に出ても、どんどん社会で「成熟していく上位グループ」としてではなく、社会性のない、「非社会的な」ひきこもり的な現状を宿命的に受け入れ、「現状は変えようがない」と絶望し、「下位グループ」の地位でありつつづけることを宿命のように自ら進んで受け入れてしまう点。
    しかしそれでは、社会で人々間の断絶化を深めていき、当事者たちは非社会性の一途をたどるほかない。

    とても読んで良かった本でした。

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    2022年11月17日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    確かに会って話すと話が早い。誤解が解けやすい、互いの真意が伝わりやすい、正確な情報を共有しやすい、だから話が早い、効率的だと思っていた。
    実は会うことは暴力だったんだ、という面は思い起こせば確かにある。上記の件も暴力的に誤解を解かし、暴力的に真意を伝えた、という面は無かったか?と言われれば、正直自信はない。少なくとも当方が折れた例では、あった、と言わざるを得ない。
    人に合わないコロナ禍で得た新たな気づきと言える。

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    2022年05月06日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    私にとって多くを学べる本でした。
    対談形式ということもあってか、色んな話を知ることが出来て、勉強になりました。
    「(外交などは)交渉の途中で物理的に遮断できてしまうリモートでは成立しない」(P81)と書いてあり、今の世界情勢を見ても考えることが多くありました。
    また、リモートと対面の違いについて斉藤先生は「オーラ」を挙げてらっしゃいましたが、私は「空気(読む方ではなく、存在する方)」の有無もあるのではないかと思いました。例えば怒りながら「この書類は全然ダメじゃないか」と言われ、書類を机にバーンと打ち付けるように置かれたとき、そこから流れ出る、発生する空気の流れはその場にいないと感じない、というようなものです。肌で感じる空気の存在も暴力的だなと思いました。
    あとは、引きこもりの年間使用額やオキシトシン、脳には男性脳も女性脳もないなどの話は興味深かったです。

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    2022年03月13日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    帯だけ見ると「人に会わなくちゃいけないのか」と、人に会うことに疲れた人にはしんどく感じるかもしれないけれど、実際の内容は、人に会うと余計に暴力的なものを感じてしまう人もいて、そういった多様性を認めたほうが良いという内容だったので、人と会うのがしんどい人にこそ読んでほしいと思った。章末のまとめは若干雑だと感じたのと、ワクチンに関する意見に関しては賛同しかねたけれど、様々な経験を積んだお二人の対談がとても面白くて、あっという間に読んでしまった。

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    2022年03月13日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

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    「題名」が良い。キャッチ―に引き付ける。コロナ禍は、それが起こる前からあった問題を可視化した。良い意味でも悪い意味でも。この二人の対談というのは異色ではあるが、それぞれの個性が、対話によって、良い意味で咀嚼され、外側に開いている。著者の一人である斎藤氏の著作は以前から多少は読んでいるが、オープンダイアログ前と後でかなり異なる。多様な人たちに満遍なく目が届き、それを外の世界と結び付ける。「ひきこもり」についてはもとより、脳科学と優生思想の親和性は興味深い論考であったし、ミーハー的に面白かったのは「鬼滅の刃」の解釈であった。最後に著者たちも述べているが、今の状況を忘れずにハイブリッドにしていくことが、コロナ禍後に生きていくのであろう。

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    2022年03月12日
  • いのっちの手紙

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    いのっちの電話という活動を通して自分と向き合い自愛に満ちた創作活動をしている坂口恭平さんと精神病理学とその啓蒙活動をされている斎藤環さんの往復書簡。

    往復書簡のスタンスもそれぞれで、それこそが個々を認めている形でとても心地よい。
    躁鬱という気持ちの浮き沈みと共存しながら激しく上がりすぎずにコントロールする坂口さん。
    自分を良く俯瞰して見ていらっしゃる。

    わかった風で上からでもない、風のような返答ができるあたりとても見習うものがたくさんある。
    自分の中に自分がいてそう答えさせているかのような感覚か、人を嫌な気持ちにさせたりせずかと言って過保護にもならず、なかなか出来ない切り返しが出来るのは自分を通して見極めができているからではないか。

    巻末には第二弾も…と書いてあるので楽しみにしたい。

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    2022年03月06日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    ネタバレ

    マルクスの読み方とか、すごくすとんと落ちた。波長があってしまったというか。ちょっと危ないので間をおいて読んでから感想書きます。

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    2022年03月02日
  • 新版 ひきこもりのライフプラン 「親亡き後」をどうするか

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    とても良い本でした!
    引きこもりの人が、なんとか生きていくための方法というスタンスで、綺麗事や理想論ではない、リアルな話が書かれています。
    この視点は教育にも凄く関わりが深いです。
    この値段でこの内容は素晴らしいと思いました。

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    2022年02月19日
  • 母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか

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    親を嫌ってもいい 親子はいがみ合うことがあっても、仲良くあるべき。は、人それぞれで違ってもいいんだなとつくづく思える本

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    2025年12月02日
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント

    購入済み

    暴力の効能と不可避性

    元々好きな二人の対談だったので楽しみに読み勧めていましたが、思った以上に面白かったです。
    特に印象に残ったのはこの部分。

    ーーーーーーー
    佐藤 もし暴力が完全になくなってしまうと、世界は際限なくエントロピー(不確定)化して、我々自身も消えてしまう。裏を返せば、拡散を防ぐためには、ちょっと無理して耐エントロピー構造を作っていかねばならず、その機能を果たすのが暴力に他ならない―。そんな理解でよろしいでしょうか。
    斎藤 おっしゃる通り、社会の根源に暴力があると思うのです。…
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    エントロピーという普遍的な概念を使って、暴力の効能・必要性・不可避性がこんな形で表現出来るとは、目からウロコでした。

    逆に言えば、エントロピーを低減させることは暴力に比することと言えるのかも知れません。
    例えば、部屋の掃除、整理整頓。身だしなみを整える、久しぶりに顔を合わせた人に挨拶するなど。
    放って置くと乱れてしまったり消えてしまったりするものを維持する時に必要となるのが、一種の「暴力」的なエネルギー。
    引きこもりになってしまうような人たちは、そのような暴力的エネルギーの消費を可能な限り回避し続けようとしているということなのかも知れません。

    しかし、生きている限り必ずエントロピーは増大し、エネルギーは消費されてしまうのです。
    どんな「暴力」的エネルギーを振るうことを選んで生きていくのか。それをどこかで選ばなければいけない、そんな勇気が必要なんだと言うことなのかもしれないと思いました。

    大分佐藤さんに慣れ親しんでいる感じの、巻頭の斎藤環さんの前書きが微笑ましかったです。
    どうかもう一度でも、この二人の対談が実現しますように。

    #アガる #癒やされる #深い

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    2022年01月11日
  • 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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    タイトルにある通り「うつ病患者の処方箋」ではなく「うつ病社会の処方箋」。人間価値を語る上でキーワードは「統合性」と語られる本書と、人間は個々が微妙に異なる出来上がりをしていても所詮部分の集合でしか見られていない上に、ほぼ全ての部分とその統合の仕方も外部的な要因(遺伝・環境・進化心理学)だけで決まっているという残酷な現実があるので、どこの部分分解を理解しているとこの残酷な現実を「ハック」出来るのか考えようという橘玲氏のヒット作シリーズとはかなり対照的な内容に感じた(どちらの思考も必要だとは思う)。書籍全体を通してあまりにも広い範囲に話題が及んでいるので特に興味深かった2点だけを引用。

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    "斎藤:発達障害の人は「コミュ力が低い」と言われがちですが、この概念もきちんと考え直すべきだと思います。いま、子どもたちの世界でコミュ力と言うと「空気を読んで、人をいじって、笑いを取れる」ことを意味しています。つまり、お笑い芸人がロールモデルになっている。注意しなくてはいけないのは、コミュ力が高いことは、必ずしも共感力が高いことを意味しないんです。スクールカーストを研究している鈴木翔さん(社会学者)は「カースト上位者は共感力が低い」と論文に書いていますね。

    與那覇:本当ですか?米国のスクールカースト映画の最高峰である『ミーン・ガールズ』(二〇〇四年)は、たしかにそういう話でしたが……。

    斎藤:質問票からデータを取って解析しているので信頼性は高いと思いますし、私はすんなり腑に落ちました。なぜなら共感力が高い人は弱者にも共感するので、「いじって笑い者にする」ことはできなくなるんです。そういう躊躇がない人が、徹底的に他人をいじり続けて笑いをとり、カースト最上位に君臨するのはわかりやすい。つまり彼らはコミュ力は高いけど、共感力は低い。"

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    "與那覇:実はデイケアでSST(模擬形式の社会技能訓練)をやっていたときに、忘れられないエピソードがあるんです。患者さんが「働いているときに苦しかった状況」をロールプレイで再現するのですが、どう考えても「病気」なのは患者を追いつめた人の方でしょ、という話がいっぱい出てくる。パワハラ上司とか、モンスタークレーマーとかですね。彼らに攻撃されてうつになるのは「普通の人」であって、ほんとうに治療が必要なのは相手の側なわけです(苦笑)。これって変じゃないですかと尋ねたところ、臨床心理士の答えが振るっていて、「たしかに上司やクレーマーがクリニックに来たら、病気と診断される可能性が高い。ただ彼らはたまたま、いまのところ地位や立場に守られていて〈本人が困難を感じていない〉から、来院せず、病気だと言われていないだけですよ」と。つまり誰が心の病気と呼ばれるのかは、しばしば当人の気質や症状以上に、社会で置かれている環境で決まるわけですね。"

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    2021年12月20日
  • 世界一やさしい精神科の本

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    精神疾患の当事者になった今、読んでよかったと思う本だった。
    広く浅く、やさしく、なにより先入観の"弱い"書き方をされているから、視野が狭くなっている人にとても良い本だと思います。

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    2021年12月18日