心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

小説・文芸
1,980円 (税込)

9pt

友達はいないといけないのか。家族はそんなに大事なのか。働かないと負け組なのか。話し下手はダメなのか。「ひきこもり」を専門とする精神科医と、「重度のうつ」をくぐり抜けた歴史学者が、心が楽になる人間関係とコミュニケーションのあり方を提案する。

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心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「発達障害バブル」の今、この本を読んで、頭の中を整理できてよかったです。他者と違うのは当たり前。違うことを認め合い、共存するために、対話を。同意はできなくても、共感はできる。全ての人が、同じ地平で、同じく尊重される社会になるように、まずは私の心を耕せました。文学の力も信じます。

    0
    2023年01月27日

    Posted by ブクログ

    タイトルにある通り「うつ病患者の処方箋」ではなく「うつ病社会の処方箋」。人間価値を語る上でキーワードは「統合性」と語られる本書と、人間は個々が微妙に異なる出来上がりをしていても所詮部分の集合でしか見られていない上に、ほぼ全ての部分とその統合の仕方も外部的な要因(遺伝・環境・進化心理学)だけで決まっているという残酷な現実があるので、どこの部分分解を理解しているとこの残酷な現実を「ハック」出来るのか考えようという橘玲氏のヒット作シリーズとはかなり対照的な内容に感じた(どちらの思考も必要だとは思う)。書籍全体を通してあまりにも広い範囲に話題が及んでいるので特に興味深かった2点だけを引用。

    ────────────────────

    "斎藤:発達障害の人は「コミュ力が低い」と言われがちですが、この概念もきちんと考え直すべきだと思います。いま、子どもたちの世界でコミュ力と言うと「空気を読んで、人をいじって、笑いを取れる」ことを意味しています。つまり、お笑い芸人がロールモデルになっている。注意しなくてはいけないのは、コミュ力が高いことは、必ずしも共感力が高いことを意味しないんです。スクールカーストを研究している鈴木翔さん(社会学者)は「カースト上位者は共感力が低い」と論文に書いていますね。

    與那覇:本当ですか?米国のスクールカースト映画の最高峰である『ミーン・ガールズ』(二〇〇四年)は、たしかにそういう話でしたが……。

    斎藤:質問票からデータを取って解析しているので信頼性は高いと思いますし、私はすんなり腑に落ちました。なぜなら共感力が高い人は弱者にも共感するので、「いじって笑い者にする」ことはできなくなるんです。そういう躊躇がない人が、徹底的に他人をいじり続けて笑いをとり、カースト最上位に君臨するのはわかりやすい。つまり彼らはコミュ力は高いけど、共感力は低い。"

    ────────────────────

    "與那覇:実はデイケアでSST(模擬形式の社会技能訓練)をやっていたときに、忘れられないエピソードがあるんです。患者さんが「働いているときに苦しかった状況」をロールプレイで再現するのですが、どう考えても「病気」なのは患者を追いつめた人の方でしょ、という話がいっぱい出てくる。パワハラ上司とか、モンスタークレーマーとかですね。彼らに攻撃されてうつになるのは「普通の人」であって、ほんとうに治療が必要なのは相手の側なわけです(苦笑)。これって変じゃないですかと尋ねたところ、臨床心理士の答えが振るっていて、「たしかに上司やクレーマーがクリニックに来たら、病気と診断される可能性が高い。ただ彼らはたまたま、いまのところ地位や立場に守られていて〈本人が困難を感じていない〉から、来院せず、病気だと言われていないだけですよ」と。つまり誰が心の病気と呼ばれるのかは、しばしば当人の気質や症状以上に、社会で置かれている環境で決まるわけですね。"

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    2021年12月20日

    Posted by ブクログ

    うつ病社会の処方箋、とあるが現代日本の問題点について精神科医とうつを経験した学者の視点から論理的な対談。マイルドヤンキーへの違和感、日本人の同調圧力など、日常感じる違和感を言葉で表現されていて、そう、そう、そういうことなんです!と共感する箇所が多かった。ぜひオススメです。

    0
    2021年12月16日

    Posted by ブクログ

    自分が適応障害なのでタイトルに惹かれて読んでみました、、が処方箋的な内容ではなかったです。

    むしろ色んなシーンで起こる心の問題が、なんで起こってしまうのか社会構造や歴史、人間の特性など色んな角度から語られて説明されている、解説書という感じでした。

    1年かけた対談をまとめたものらしいのですが、お二人の知識の幅がすごくて圧倒されました。引用が多いのですが、用語解説が丁寧なので理解しながら読むことができました。巻末の参考文献をお二人がそれぞれあげて解説されている部分も良かったです。さらに知見を深められそうです。

    この本で印象に残ったのは、
    日本は無宗教と言われているけれど実は、日本教とでも言うべき不文律が強くある。空気を読む、他人に迷惑かけない、など「ちゃんと機能する人間」だと証明し続けることが強いられている。
    というところです。一冊前に読んだ「健康で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」で書かれていたことだなぁと思い出しました。

    処方箋的な結論としては、同意ではなく共感・対話、が大事ということかなと理解しました。

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    2021年09月03日

    Posted by ブクログ

    「うつ病社会の処方箋」とあるように、病気との関わり方というよりは、現代日本における、精神疾患、障害などの位置づけについて考えさせられる一冊。大変良い本です。

    0
    2021年04月12日

    Posted by ブクログ

    ひきこもりからポストモダン、ラカンを語り、現在はオープンダイアログを実践されている斎藤環氏と歴史学者の與那覇潤氏の対談本。與那覇氏は双極性障害で入院し、その体験を書籍にもしている人。何かの雑誌で対談を続けた物を編集したものかと思ったが、いわゆる語りおろしを加筆修正したもの。両者とも指向性が似ているのか、話が尽きない。これまでの両者の指向性が最終章のオープンダイアログの話に集約するが、ここにコミュニズムを絡めて語るところが味噌であった。ポストモダンやラカンなど難解な思想を絡めて語り合うので、ついていくのに骨が折れた。用語の脚注は豊富であるが、おそらく基礎知識がないと、この脚注だけでは不十分だろう。

    0
    2020年08月02日

    Posted by ブクログ

    まずは共感。共感から違いを受け入れていき他者を尊重する。その中で、他者は主体性を取り戻し回復していく。今まで原因を突き止めてそこを治療するのとは真逆のやり方。計画もアドバイスもなく、何もないただの対話が患者を治療していく。この対話はこれからの新たなスタンダードになっていくと思う。今行われている、議論、原因究明、説得、では偶然性や共感は生まれず根本解決とはならない。根本解決をしようとしないから根本解決できるのかもしれない。

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    2026年08月14日

    Posted by ブクログ

    やっぱり斎藤環の視点は結構腑に落ちる。
    さらに対談形式!!

    與那覇さんの視点も盛り込めて対談は色々と興味深いと思う。
    與那覇さんの本も今後読みたいと思った。

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    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    精神科医と当事者の対談。

    さまざまなテーマのもと、両者が語る話はとても興味深かったです。
    生きづらさを解きほどすヒントをもらいました。

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    2024年09月29日

    Posted by ブクログ

    躁鬱病の当事者の與那覇潤先生(元県立大准教授)と精神科医の対談


    ■第8章 辞めたら人生終わりなの? p215

    斎藤
    ・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)による改善率は80%と高いが、寛解率は40%しかない
    ・成人の患者にとってのSSRIは、良くも悪くも一貫して「軽い薬」症状を緩和してはくれるが、それだけで治し切れるものではない。

    ・英米型のうつ病治療は、患者の人間性にはさほど注目せず、純粋に症状だけで分類して病名を特定する。DSMは極めて操作主義的(手順を重視)【人格に注目しメランコリ親和型など分類した、従来のドイツ型と異なるアプローチ

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    2022年10月30日

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