スティーヴン・キングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スティーブン・キングのデビュー50周年記念作品となれば読まずにはいられない。
標的が悪人でなければ請け負わない凄腕の殺し屋ビリー・サマーズ。引退を決意して最後の仕事を受けた。報酬は200万ドル。標的は児童ポルノを作り収監されている男。狙撃する場所に事前に潜伏し、ビリーは作家を名乗って街に溶け込む。そして自分の半生をネタに本当に小説を書き始める。だが、この仕事何かがおかしい。ビリーは安全策として別の身分も用意して3重生活を送る。そして実行当日、標的を仕留めるが依頼人に裏切られたことに気づく。一旦身を隠して連絡を待つが、雨の夜に暴力を受けて車から投げ捨てられた女の子を助けて手当てをしてあげるが…。
いつもスティーブン・キングの長編は人物描写で語られる細かなエピソードが緩慢なのだが、助けた女の子が!というところで、いきなりスピード感を持って上巻は終わる。おそらく下巻がかなり面白いはずなのだが、ちょっと間を置くのが私の癖だ。ここは大事にいかないといけない。しかし、超常的なこととかホラー的な要素は出てこない。正真正銘のクライムノヴェルなのだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ全4巻のうち、2巻まで読み終えました。ようやく、半分。折り返し地点。まだまだ、先は長い、、、
さてこの2巻で、成長して大人になった「はみだしクラブ」のメンバーがデリーの町に戻ってきて、役者は揃った、って感じですよね。再び僕たち、わたしたちが「IT」を、今度こそ完全に滅ぼすぞ!という決起集会をす。というね。
メンバーの一人、スタンリー・ユリスが。上巻でいきなり、自殺して死んでしまってビックリしすぎましたが、この2巻で、何故に、大人になったスタンリーは、マイク・ハンロンからの電話を受けた後に、呆然自失となって自殺を遂げたのか。なんとなく、分かった気がしました。スタンリーの、幼少の時のエピソードで。
「恐怖よりももっと恐ろしいものがある。恐怖につきあっていきていくことはできると思うが、『感覚に狂いが生じたら』、それはもう生きていけない」
というあのスタンリーの心の葛藤。それはなんというか、個人的には、凄く腑に落ちました。ああ、大人になったスタンリーは、マイクからの電話を受けて、まさに「感覚に狂いが生じて」しまったんだな、と。だから彼は、生きていけなかったんだな、と。なんというか。うん。凄く腑に落ちました。これは、スタンリー・ユリスというキャラクターの造形としては、スティーブンキング、凄く上手いなあ!と思った次第。
でも、この先、話はどう転がっていくのか全然わかりませんが、個人的には。スタンリーには、生きていて欲しかったです。大人になって、彼も「はみだしクラブ」のみんなと、再会して欲しかったです。そこはただただ、シンプルに、残念です。
スタンリー、このまま、物語の舞台からは退場したままなのかなあ?なんか、もったいないなあ。なんかしらで、この先の大人になっているメンバーと「IT」との戦いのなかで、でてきてくれないかしら、、、死んじゃってるから、無理なのかなあ、、、?
あと、「はみだしクラブ」のメンバーはみな、大人になって、はみだし者では、無くなった。みんな、地位も名誉もお金もある程度は手に入れていて、パッと見は、いわゆる「成功した者たち」というイメージではあるんですが、、、やっぱみんな、なんというか、どことなく、、、不幸なんですよね。
ヴェバリーは旦那が超DV野郎だし(そしてそれを必死に隠そうとしてるし)、ビルはハゲてるし(これは別に不幸でもないか)、エディは母親が超心配症だったけど今の妻もやっぱ超心配症だしどっちも超おでぶさんっぽいし、マイクだけは昔と変わらず寂しそうでお金ももってなさそうだし。なんというか、、、トラウマ?幼少の?それって絶対晴れないものなの?という悲しさがあってキングってなんか、怖いなあ、性格悪いの?とか思ってしまった。
あと、「はみだしクラブ」のメンバー全員が「子供を作ることができない」?というこの設定?のようなものは、今後、どんな意味があるんだろう?幼少の時の「IT」との対決の結果、なんらかの因果で「子宝に恵まれない」という呪い?をかけられた、ということなんでしょうが、、、それに何の意味があるのか?全然分かりません。
今後、3巻4巻と読み進めていったら、その設定の意味が分かる?のでしょう、おそらく多分きっと。
とりあえず、読み進めます! -
Posted by ブクログ
※具体的な内容には触れていないのでネタバレにはなっていないと思います※
これまでのキングにしては異色だらけ。
探偵ミステリーというジャンル、しかも三部作。
人生の終わりに差し掛かってるとはとても思えない。紛うことなきバケモノ作家(褒めてます)。
三部作の最終作ということもあり、これまでの数々の仕掛けが意表を突く形で繋がってくる。
キングお得意のステルスフラグ立てから縦横無尽に張り巡らされる伏線、回収までが実に巧妙で楽しませてくれる。
ただ序盤はいわゆる「これまでのお話」の必要性に迫られるため、ややスマートさに欠ける。かなり苦労したんじゃないかと思われる箇所が複数。
三作目のみを読む人には意味深なだけでわかりにくい部分も多いだろうと推察される。
前二作既読組にとっても、細々したエピソードや人物を思い出す手助けにはなるけど、どうしてもエンジンのギアが上がりきらない。
それら一通りの準備段階を過ぎる中盤以降はグングンスピードが上がりあっという間にトップギアに。そこからはもう読者を掴んで離さないキングの面目躍如。
流れるように下巻に連れて行ってくれる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレわたくし、今、46歳です。どオッサンです。初老と自称してよい気もする。アラフィフだし。人生の残りタイマーも着々とチャクチャクと減ってきております。
そんな人生の夕暮れ時、黄昏時、誰そ彼?な時刻に足を踏み入れようとしている俺だ。生きてるうちに、あと、どれほどの、名作と評されるものと、巡り合う事が出来るだろうか?という疑問が湧きました。
なので、スティーヴン・キングの小説を読もう!と思いました。なにが、というわけで、なんだろう?分からぬ。分からぬよ俺には。
でもとりあえずスティーヴン・キング。そらもうなにしろスティーヴン・キング。その名も高きスティーヴン・キング。名声は四海および斯界に轟く存在です。なんせもうスティーヴン・キングですからね。ホラーの帝王、或いはモダンホラーの帝王。現代アメリカ文学界を代表する、まさに屹立する巨人。
というかアレですね。俺、超、小説大好き男なのに、46歳になるまでスティーヴン・キング、手を付けてなかったんかい!という自己ツッコミができるものであります。実は全然知らないんですよスティーヴン・キング。ほとんど知らないんですよスティーヴン・キング。
その作品、一冊も読んでいない、わけではない。のですけどね。何冊かは読んだことあります。あと、スティーヴン・キング的小ネタ?みたいなものとして。
わたし、宮部みゆき、ウルトラ好きなんですよ。日本の小説家で多分一番好き。宮部さんの数々の作品を心から愛しております。その宮部さんが、スティーヴン・キング氏の作品を心から愛している、ということは、知っているのです。でも何故か、、、心から宮部作品を愛するわたくし、「宮部さんが大好きなスティーヴン・キング氏の作品をガッツリ読んでみるぜ!」とは、今まで、全くねえ、、、ならなかったんだよねえ、、、人生って不思議だよねえ、、、
わたくし、高見広春さんの小説「バトル・ロワイアル」、ウルトラ好きなんですよ。あれはもうねえ、大学時代に読んで、それはもう途轍もない「ガッツーン!!!」の衝撃を受けましたねえ。未だに僕の心の中の衝撃度ランキングでは、超トップクラスの存在です。で、そのバトロワ作者の高見さんが、これまたスティーヴン・キング氏が大好きだという事も知っている。作中の城岩中学が「キャッスル(城)ロック(岩)」のもじり、ということも知っている。
かように、ここまで色々若干のイロイロのニアミスがありながら!46歳になるまで、スティーヴン・キングの作品にガッツリと手を出すことのなかったこれまでのマイライフ!それはいったい、なんだったのか?ということを自省する事も有り。わたくし、数日前から、スティーヴン・キングの作品に、がっぷり四つで組みあおうと決心したわけですね!
そして、泣く子も黙るであろう、スティーヴン・キング、問答無用の代表作!「IT(イット)」を読み始めたのですな!ちょいと、お知り合いのキング好きのかたから、お借りしました。
この「IT」は、勝手にまあまあ最近の作品だとばっかり思っておりましたが、スティーヴン・キングの作品史で言いますと、かーなり古いんですね。なんと発表、1986年だそうでして。ええ!?2024年現在からすると、38年前!?ビックリですよ。俺、8歳の時かいな。ビビっちゃう。
「IT(イット)」とは。「それ」ってこと、ですよね。「ソレはソレ」?「コレはコレ」?ソレって、いったい、なんなんだ?読み進めていったら、分かるのでしょう。きっと。
で、まずは1巻、読み終えました。感想としては。
物語の本題以外の部分と思われる個所が、どえらく長い。いやもうめちゃんこ細かいですね。キング、人物造形というか物語の世界の造形にこれほどまでにこだわるのか。スゲエな。という驚き。
これは、このエピソードは、枝葉末節ではないのか?とか思っちゃったりもするんですが、、、きっとキングにとっては、決して外すことのできない部分なんだろう。そうなんだろう。と思いながら読んでおりました。もし、キングが映画監督だったら、撮る作品撮る作品、全てが3時間越えは当然なのでは?編集とか、ちゃんとできるのか?とか思ってしまった。全てを書き込みたい全てを語り尽くしたいタイプの人なんだろうなあ、とか思った次第。
で、「IT」はホラー小説らしいぞ、ということは、ホワッとしってるんですよ。前知識で。なんとなく。でもこの第1巻、全然ホラー小説っぽくないぞ。どっちかゆうたら青春小説って感じだぞ。映画「スタンド・バイ・ミー」とほぼ一緒じゃん。とか思いました。ちなみに小説のスタンドバイミーも読んだはずなのですが、ほぼ全く覚えていない、、、罰当たりですみません、、、
IT ビル・デンブロウ(弟のジョージ・デンブロウが死んでしまって家族崩壊)
スタンドバイミー ゴードン・ラチャンス(兄のデニー・ラチャンスが死んでしまって家族崩壊)
この二人はほぼ一緒だぞ、作品越えてキングの精神的根っこだぞ、ってことですよね?
学校の超人気者ではない的な面々が友達グループになる超エエ感じの友情の雰囲気とか、バンバンに不良グループにケチョンケチョンにされたりするところとか、まんまスタンドバイミーやんか。とか思いながら読んでおりました、この「IT」第1巻。全然ホラーちゃうぞ?という。
ピエロみたいな悪「IT(それ)」が、きっと魔物であり怪物であり悪魔であり最大の敵であるんでしょうが、アレも、、、なんつーか。いわゆるリアルな実体をもった「怪物。モンスター」人知を超えたリアルな生き物の存在ではなくて、「人間の精神的な意識の象徴としての実態をもたない悪」という印象です。
神や悪魔って、単体として存在するものではなくて、「人間」の意識が集まってその存在ができあがる、と僕は理解しましたね。
で、デリーという町そのものに悪(悪魔的なもの)が憑りついている。という考え方はめちゃメカラウロコでした。町そのものの意識(その町に住む人々全員の意識と歴史)が、悪魔的な存在を、生んだのだ、と理解しました。
27年という周期に何の意味があるのかは分かりませんが。そのピエロ的悪意の飢餓の周期が27年なんだろうなあ。「悪意の餌場」がデリーという町そのものなんだろうなあ。と。それはもう、どうしようもなく「人間」が存在する以上、避けられることができないものなんだろうなあ、と。
あと、ピエロって、なんというか。「悪」の象徴。「怪物」の象徴。そんなイメージがつきやすいのも、なんというか、人間全体の深層心理に関係しているのでしょうかね?
「バットマン」の「ジョーカー」もピエロだし。TVゲーム「ウィザードリィ」に「フラック」という超手ごわいモンスターが登場するんですが、そのフラックも「道化師」のイラストで描かれているし。ここら辺、なんか、人間としての意識として「ピエロ = 悪、悪魔の象徴」というなんらかの深層心理、あるんじゃねえの?とか考えたりもした。
とりあえず、2巻以降も、ジワジワと読み進めていきます。楽しみです! -
Posted by ブクログ
原著2014年発表。
「キングひさびさの正統派ホラー」との売り出し文句だが、最後の部分以外はあまりホラーっぽくなかった。ホラーらしさは無いものの話はやはり面白く、ストーリーテリングは抜群である。
ただし、いつものキングの文体にある「地口丸出し」感はあまりなく、割とすっきりとした語り口。
書き手として設定されている「ぼく」がひと桁の年齢から50代、60代へと至る長大な時間遍歴の物語なのだが、50代になって実家に戻り兄弟や旧友と再会する場面はなにかじーんと来るものがあった。私にはそのような「再会して感動する」兄弟などないので、羨ましいような気もした。
ホラーらしさがあまりないというのは、もと牧師の操る電気による「治療術」の患者らの後遺症の出現確率が低いからだ。そんな低確率なら治療の著しい成功例の比率に対して問題にならない、というもと牧師の主張に対抗し得ない。なぜキングはこんな風に書いたのだろう? もっと切羽詰まった危機が明らかであれば、物語は緊張感あふれるものになったろうに・・・。
がそのぶん、物語は老いてゆく語り手の、幼い-若い頃の思い出を生き生きと愛おしく描いてゆく叙述が輝いてゆくのかもしれない。このノスタルジーのあたたかさは、ある時期以降のキングに顕著な情感だ。
気晴らしにと読んでみたスティーヴン・キングは、やはり語り口が上手く、情感の喚起力が素晴らしくて、印象に残るものがある。