スティーヴン・キングのレビュー一覧

  • 11/22/63(中)

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    ネタバレ

    上巻では、死を目前にした友人から頼まれた勢いで過去に戻り、歴史の転換点であるケネディ暗殺を阻止して、世界に平和を取り戻すための行動をとることにしたジェイク改めジョージの心情にどっぷりはまってしまった。
    しかし、間をおいて中間を読むと、「マジですか?」って気持ちがふつふつと…。

    だって離婚は不本意だったとして、やりがいのある仕事があり、多分友人だってアル以外にもいただろうし、あるの見世以外にも行きつけの店はあっただろうし…。
    そういう現在の生活のすべてを捨てて、見知らぬ世界で人殺しをする?
    それが世界のためだと言われても。

    至る所たばこの煙が立ち上っているような世界で、人種差別は甚だしいし、夫が妻に暴力をふるうことは当たり前すぎて誰も疑問に感じない。
    しかし、欠点はあるものの、いつしか過去の生活になじみ、恋をして、ジェイクはオズワルドを殺した後もこちらの世界で生きていこうとまで思う。

    しかし、過去は変えられることを好まない。
    過去の世界の入り口で、何度戻っても同じことを繰り返していた「イエロー・カードマン」が、「オレンジ・カードマン」になったあたりから不穏ではあったのだけど、同じことを繰り返すはずのカードマンが殺されてしまったところから、実は私たちの知っている過去は変わっているのではないかと思えてしまう。

    それ以外にも、「ジムラ」という言葉の意味すること、亡くなった友人と同じ苗字のテンプルトン一家、セイディーの本名とハリーの母の名前の近似性。
    未来を思い起こさせる小さな違和が、徐々にジェイクを包囲して、そしてセイディーの危機とオズワルドの始動が重なった時…!

    この巻はここまで。
    やれやれ、息つく暇がないったら。

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    2019年11月19日
  • 11/22/63(上)

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    ネタバレ

    アメリカ人はリンカーン暗殺とケネディ暗殺について語るのが好きだなあと思う。
    まあ、日本人が本能寺について語るようなものか。

    ケネディが生きていたら世界は今とは違っていたはずだ。
    そう信じている友人アルに、死期が迫っている自分の代わりに過去へ行って、ケネディ暗殺を阻止してほしいと頼まれるジェイク。
    ワンアイデアでこれほどの超大作。
    けれど、全然無駄な部分がない。

    その「穴」は、どういう理屈で過去と繋がっているのかはわからない。
    ただ、毎回同じ場所同じ時間に戻されるので、過去に対応すること離れてくると比較的簡単だ。
    ただし、一度現代に戻ってから過去に来ると、全てが振出しに戻っていることになるが。

    ケネディの暗殺を阻止する前に、本当に過去を変えることができるのかを検証する必要がある。
    しかし、過去は変化を望まない。
    過去を変えようとする人間に襲いかかる過去の抵抗。
    過去には意思があるのだろうか?

    毎回必ず同じ場所同じ時間に戻るとアルは言ったが、ジェイクが過去に戻った時、ほんの些細な違いが表れ始める。
    それはどういうことなのか?

    頭の中は高速で物語世界を理解しようと回転し、ページを繰る手は止まらず、スティーヴン・キングの手のひらで転がされているような気がしてくる。

    けれど、キングだよ。
    必ずしも勧善懲悪とは限らない。
    理不尽に不幸な目に遭っている一家はもっと不幸になるのかもしれないし、そもそもケネディの暗殺は実行されているのだから、ジェイクの苦労は水の泡の可能性の方が高い。
    誰一人救うことができずに徒労に終わるのだとしたら、どうやってカタルシスを得たらいいのだ、私は!

    だから、キングだよ。
    登場人物たちが不幸になるのか幸運をつかむのかはわからないけれど、この本が面白いのは間違いないだろう。
    まだ上巻を読み終わっただけだけど、それはもう、はっきりしている。

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    2019年11月05日
  • 死んだら飛べる

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    これたぶん「トワイライトゾーン」で見たよね、と思われるマシスン『高度二万フィートの悪夢』は、やっぱり秀逸だなあ。

    筒井康隆『五郎八航空』も入れていただきたいところ。

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    2019年11月05日
  • IT(1)

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    ホラー小説だけど、描かれている少年少女たちの魅力のほうが印象に残る。キング作品は「11/22/63」しか読んだことなかったけど、あれもキャラクターや数十年前のアメリカのダイナーの食事とか、背景描写がとっても魅力的だったな。

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    2019年10月19日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家の絵から、17人の作家たちがそれぞれの物語を紡いでいく、いっぷう変わった趣向の短編集。

    文章に合わせた絵ではなく、一場面を切り取った絵から背景にある物語を想像するというのは、なかなか興味深い。皆それぞれ個性的で、そこまで想像の世界を広げていくのかと驚く。
    知っているのはキングとキャロルオーツくらいだったが、大御所キングの作品は絵そのままという感じでいちばん凡庸だった。
    自分ならこの絵からどんな物語を作るだろうと、読む前に考えるのも楽しかった。

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    2019年10月02日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    ネタバレ

    エドワード・ホッパーの絵画を基に、17人の作家が想像を膨らませたアンソロジー。編者はローレンス・ブロック。海外小説通の方ならご存知なのかもしれないが、ぼくはスティーヴン・キングとローレンス・ブロックしか知らなかった。好きな作品も、どうだろうと思う作品もあったが、嫌いな作品はなかった。アンソロジーでは稀有なことだと思う。そして一緒に収録された絵画も素晴らしかったが、これを観て1本の小説を書き上げてしまう作家たちの才能に、ただただ敬服した。

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    2019年08月11日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイエスと同じくらい好きなので、ミュージアム・ショップでカレンダーを買って部屋の壁にかけている。

    深夜のダイナーでカウンターに座るまばらな客を描いた「ナイトホークス」に限らず、ホッパーの画には、その背後に何らかの物語を感じさせられるものが多い。作家のローレンス・ブロックもそう考えた一人だ。彼は、これはと思う何人かの作家に自分のアイデアを持ちかけた。それに呼応した作家の顔ぶれがすごい。好き嫌いは別として、御大スティーヴン・キングをはじめとする総勢十七人。その中にはジョイス・キャロル・オーツまでいる豪華さ。

    ブロックも序文で書いているように「テーマ型アンソロジーというのはどうしても似通った物語の集合体になる。だから、一気に読まずに一編ずつ時間を空けて読むことが勧められる」ものだが、驚いたことに、ここには様々なジャンルの物語が収められている。だから、一篇終わるたびに、また別の本を手にしているような新鮮な感動が待っているのだ。もっとも、すぐ読み終わってしまうのが惜しくて、結局は時間をおいて読んだのだが。

    ひとつの物語につき一枚のホッパーの画が最初のページを飾る趣向。以外に女性のヌードを描いた画が多いのに驚いた。いわゆる名画のヌードとはちがって、ホッパーの画の中の女性は、神話的な存在でもニンフでもない。都会の孤独を一身に背負ったリアルな女性像である。そこから、物語を紡ごうと考えた作家が多いのも理解できる。しかし、個人的な好みからいうと、少し違和感がある。それで、何篇かを紹介しようと思うが、作品の選択が個人的な好みに偏ることをお断りしておく。

    「海辺の部屋」の冒頭を飾るのは、紺碧というよりは幾分暗さを帯びた海の見える掃き出し窓が開き、正面の壁に斜めに陽が指している無人の部屋を描いた絵だ。作家はニコラス・クリストファー。アメリカに移住してきたバスク人の血を引くカルメンは、母の死で祖母の屋敷を相続した。そこには、ソロモン・ファビウスという料理人が、母の代から邸の専属シェフとして住み込みで雇われていた。

    祖母が書いた『海辺の部屋』のバスク語版と英語版の二冊を抱えてやってきたカルメンは、そこで不思議な経験をする。なんと、その家では部屋が増えていくのだ。初めは一年に一度の頻度で増えていたものが、次第にそれがひと月に一度、週に一度の割合になる。戸惑うカルメンとちがい、ファビウスは、家の奥にある自分の部屋に迷うことなくたどり着けるのも謎だ。バスク人はアトランティス文明の末裔であるという伝説を隠し味に利かした、アンソロジーの中では異色の海洋幻想譚に舌鼓を打った。

    「夜鷹」(ナイトホークス)は、刑事ハリー・ボッシュ・シリーズで有名なマイクル・コナリーが選んだ。画から物語を作るのではなく、ハリー・ボッシュを探偵役とするミステリの中にホッパー描く「ナイトホークス」が登場する。シカゴの冬は寒い。監視対象者がその画の前で熱心にノートに何かを書いている。突然「あなたはだれ」と話しかけられる。観察眼の鋭い娘は作家志望だった。話を聞くうちにボッシュは考えを改める。短い中にもシリーズ物の探偵の人間性をきっちり生かしたストーリー展開はさすがだ。

    正面入り口に低い角度で陽が指している、海岸段丘の上に建つ素朴な教会をわずかに見上げるような角度で描いた画は<South Truro Church>。「アダムズ牧師とクジラ」を書いたのはクレイグ・ファーガソン。八十歳をこえた長老派教会員牧師のジェファーソン・アダムズは末期癌だった。妻を亡くしてから頻繁に顔を出すようになった友人のビリーが仕入れてきた、ジャマイカ風にシガレット・ペーパーで巻いた細いマリファナ煙草をやるようになってしばらくたつ。もはやハイになることはないがそれは二人だけの儀式になっていた。

    渚に打ち上げられて次第に腐敗してゆくタイセイヨウセミクジラの死骸を前に、実子ではなく養父母を喜ばせるために牧師職を継いだ、実は無神論者だというジェファーソンの死後を憂うビリー。彼はミイラのように痩せこけたジェファーソンを乗せ船をこぎ出す。そんな二人の前に巨大なクジラが現れる。クジラの眼に見つめられた二人は共にある決意を抱く。本当にアメリカ人は、プレスリーの双子の兄弟の話が好きなんだな、と実感される一篇。

    開いた窓から見えるのは、肘掛椅子に腰を下ろし新聞を読む男と壁際に置かれたピアノを戯れに弾く女。その間には天井まで届く暑いドアがある。スティーヴン・キングは、これだけの材料からいかにもモダン・ホラーの巨匠らしい、淡々として怖いホラーを仕上げてみせる。ドアの向こうから「どすん」という音が聞こえてくる。それを嫌がる妻に対し、夫の方は新聞のマンガの話で気をそらせる。ディック・トレイシーだ。そのうち泣き声が混じる。夫は妻にピアノを弾くよう勧める。「音楽室」には何があるのだろう。

    粒よりの佳作が目白押しのアンソロジー。人によって好みはちがうだろうが、誰でもお気に入りの作品が必ず入っている。エドワード・ホッパーを知らない読者は、きっとこれを機会にファンになるはずだ。「コッド岬の朝」という一枚の画には物語がついていない。高名な作家が書けなくて返してきたらしい。物語は「読者に書いてもらいましょう」と担当者は言う。あなたなら、どんな物語を書くだろう?

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    2019年08月07日
  • ミスター・メルセデス 上

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    (上下巻あわせた感想です)

    2009年4月、とある市民センターで催された就職フェアにて、職探しをするために並んでいた大勢の人たちの列にメルセデス・ベンツSL500が突っ込み、多数の死傷者を出す事件が起こります。
    犯人は逃亡し、未解決のまま事件から1年が経過したある日、当時捜査に携わり、今は退職して「元」刑事となったホッジズの元に、犯人である「メルセデス・キラー」ことブレイディから、自身が犯人であること、そしてホッジズを挑発する内容の文章が書かれた手紙が届きます。
    妻と別れて生きる意味を見出せなくなっていたホッジズですが、この手紙を見て刑事時代の猟犬魂が蘇り、犯人を独力で捕まえるべく、警察を頼らずに捜査を開始し・・・という展開で物語は始まります。

    登場人物はみな饒舌で面白く、会話も地の文もとても楽しく読めます。特にホッジズとブレイディのチャットのやり取りは大いに笑えました。さすがキングというか、相変わらず飽きさせずに一気読みさせるだけの力のある作品だなあという印象です。
    しかしミステリの権威であるエドガー賞の受賞作としてふさわしいかと問われると??で、一つにブレイディの犯行動機が弱いこと、二つにブレイディがホッジズにあそこまで執着する理由がよく分からないこと、三つに毒餌の扱いがやや中途半端に思えること、そして最大の問題は、登場人物や警察の行動に不自然で理に適っているとは言い難いところがある点で、例えばコンサート当日、ホッジズが警察を頼るのを諦めるシーンなんかはいくら何でもあり得ないと思いました。
    犯人がコンピュータを駆使して犯行に及ぶ割には、行き当たりばったりな行動をとることが多い点も違和感があります。
    そしてジャネルについて、うーむ、ああするしかなかったのでしょうか。まあこれは個人の好みの問題なのかもしれませんが、あの終わらせ方はちょっと残念です。

    というわけで、全体としては十分に楽しめはしたのですが、そこまで大絶賛するほどではないかなあ、というのが正直な感想でした。話の筋は分かりやすいので映像化には向いていると思います。

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    2019年04月30日
  • シャイニング(上)

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    スティーブンキング原作の映画「it」「スタンディングバイミー」の2作を見て、スティーブンキングの小説に興味を持ち、読みはじめた。
    なんとなく「it」に近いような、人間的な怖さをじわじわと感じるような作品だった。
    ジャック達が感じる恐れの描写があまりにも長くて、少し冗長に感じてしまった。 下巻が楽しみ。

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    2019年02月07日
  • ミスター・メルセデス 下

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    やっぱキングはすごいわー。
    猛毒で死にかけてる描写の直後に、ものすごい具合が悪くなったのは、本にひきずられたかと思った…

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    2018年12月27日
  • ミスター・メルセデス 上

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    霧雨の降る夜明け前、求職者の行列に車が突っ込む。残ったのは多数の死傷者。退職した元刑事は犯人からと思われる手紙を読むと、消えかけていた刑事魂が燻り…燃え始める。
    犯人と刑事の生活や心情が並行して表れる。対立する両者の内面を感じながら読み進むのは面白い。
    犯人が次に起こす行動は??

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    2018年12月18日
  • IT(4)

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    ネタバレ

    とうとう読み終えてしまったという感じです。

    デリーの崩壊は凄まじかったですね。
    亡くなった人々はデリーに生まれてしまったが故の、どうしようもない運命だったのかも?

    itを倒せた代償は、2人の犠牲者とデリーでの記憶という事が、すっごく切ないですね。
    見ているこっちが寂しかったです。
    それでも、全てが終わった後に、前向きなスタートを踏み出せて本当によかったと思います。

    これではみだしクラブとはお別れになっちゃうのが本当に寂しい…!(笑)

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    2018年09月04日
  • ジョイランド

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    「ジョイランド」
    これは青春小説。


    スティーブン・キングと言えばホラーと思っていましたが、本書はホラーだけではなくミステリーと青春の要素が合わさった作品である。ジョイランドに幽霊が出る、その幽霊は過去に殺された少女であり、まだ殺人犯がウロウロしている等、ホラーやミステリーのテイストもあるのだけれど、一番焦点が当てられるのは、主人公デヴィンの青春期の様に思える。


    作家志望で幸せな家庭(それも恋人ウェンディとの!)を夢見る大学生デヴィン・ジョーンズは、彼女との距離を縮められないない(そう。アレに辿り着かない)鬱屈を抱えながら、夏休みに遊園地「ジョイランド」でアルバイトを始める。ジョイランドの従業員や下宿先の主人、アルバイト仲間のトムとエリンと交流を深めながら、ウェンディと上手くいかないことを段々悩まなくなる。


    しかし、デヴィンは遂にウェンディに振られてしまう。そんなデヴィンを励ます仲間たちと新たな女性との出会いを通じて、デヴィンは立ち直っていく。ウェンディとの幸せな将来を考えていたのに、新たな彼氏と自分を比べて落ち込み、終いには自虐ポエムを呟いてしまう哀しくなる姿から立ち直っていく過程がとてもリアルなのです。甘酸っぱさや男特有のいじっぱりもうまく描写されています。


    ジョイランドの少女の幽霊をキッカケに連続殺人事件をアルバイト仲間と追うことになり、最後には対決するデヴィンであるが、このミステリー要素よりも、デヴィンの思春期らしいうじうじ感からの脱皮と父との関係が微笑ましく印象に残ります。ホラー2:ミステリー2:青春6くらいの配分だろうか。

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    2018年09月04日
  • IT(3)

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    ネタバレ

    グロテスクな描写がかなり増えたように感じました。
    じわじわとくる恐怖ではなく、完全に目を背けたくなるような恐怖でしたね…。

    でも、これまでの巻に比べ、はみだしクラブの回想でワクワク感とドキドキ感が多かったと思います。
    Itとの対決ももちろんですが、ヘンリーたちとの石合戦やマイクとの出会い、エディの骨折など見どころはたくさんでした。

    今更ですが、はみだしクラブの面々は、かなり精神年齢が高いと思いました。
    それが『はみだし』である事と、Itとの対決という役目に何か関係があるのかな?
    ちょっと謎ですが(笑)

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    2018年07月29日
  • IT(2)

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    ネタバレ

    やっとはみだしクラブが揃って嬉しく思いました。

    それでも、幼少期の頃にあった事が明らかになっていくに連れ、スタンリーが死んでしまったという事実が1番悲しいですね。
    やっぱり全員で再会してほしかったです…。

    Itが何なのかわからない、幼少期に何があったのかも満足に思い出せない。
    そんな不安が多い中、回想ではみだしクラブの絆がいろいろな描写で書かれているのが、すごくほっこりしました。

    これ以上犠牲者が増えない事を祈るばかりです。

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    2018年07月01日
  • シャイニング(下)

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    映画とは結末が全然違う!

    映画では男の子の特殊な能力が全く活躍していないし、核心である家族の物語を省いている。代わりに鮮烈な映像の数々を見ることができるが。

    結末に近づくにつれて、緊張感がどんどん増して途中で止められなかった。

    悪意、殺意のどす黒い心の動きや混乱した意識を描ききっているところが作者の真髄と思った。
    汚い言葉=悪という位置づけか。

    『IT』なども読みたい。

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    2018年05月08日
  • ペット・セマタリー(下)

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。ほぼ消化。

    上巻でほのめかされたとおり、2歳の息子が家の前の道路でトラックに撥ねられて亡くなってしまったルイス。頭にあるのは、猫のチャーチが謎の復活をしたペット霊園の奥のミクマク族の隠された丘の上…。

    結構意外に思えるのが、下巻の大半は葛藤を描くことで費やされるのだ。もっと早く埋めて、家族の破滅でも来るのかと思いきや、驚くほどに焦らされる。それが良い意味で意外であった。

    だいたい下巻(と言うか全編)を読んだ人の8割方は、悪魔と化したゲージとの死闘を記憶するのであろう。しかし、この本の面白さはそこではないと思うのだ。

    自分でコントロールできる生き死に。しかし、思うようにならない蘇った生き物(人間に限らず)という、「フランケンシュタイン」のようなストーリーで、ゾンビ物とは大きく異る。

    そこに邪魔をしようとするのは、直感と予知夢というやや無理のある話なのだが、邪魔が入るからこその葛藤であり、読みゆく者にとっての救いにもなっている。それだけ、「ペット霊園」が人を引き寄せる何かを、うまく表現できている。

    自分でコントロールできてしまうゆえの恐怖と、しっかりと練られている思考実験の数々。「ダメだったら、すべてを無にできる。ヤッホー、やったろうじゃん」という志向は、なかなか斬新であった。その思考実験が比喩に終止するあたりは、多くの読者にとっては、やや駄長に感じるかもしれない。でも結構すんなり読めるんだよなあ。これは訳が良いのか。

    物語の一つの山である最後の部分は、確かに怖いし、その部分をもってホラーの名作とする人も多いのであろうが、悪魔と化したゲージを含め、無くても名作ではなかったかと思う。ショートショートみたいに軽く落ちてしまって、やや蛇足気味とも言えた。

    0
    2017年10月17日
  • IT(4)

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    ネタバレ

    読み終わった・・・。すべてが終ってしまった・・・。


    全4巻という大長編に正直尻込みしていたのだが、手に取った瞬間から物語の世界に引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。

    かといって、いわゆる「さくさく読める」と言うのとはちょっと違う。やはり、キングの手によるグロテスクでおぞましいモンスターや惨劇の圧倒的な描写は、それでも一言一句読み飛ばすわけに行かない。どんなに目をそむけたくても、見届けなければいけないのだ。

    少年時代のひと夏の冒険譚という意味では、解説でも指摘されているとおり「スタンド・バイ・ミー」だがそれだけではないのはご承知のとおり。デリーの町を恐怖で支配する――住民たちはそれとは気が付かずに――ITの驚くべき正体はとんでもないスケール感だし、子供たちが見るモンスターは吸血鬼や狼男、フランケンシュタインといった西洋お化け屋敷の常連揃い。そこに日本製のラドンのイメージまで呼び出されるからさながら古今東西の怪物見本市。

    とにかく、キングワールドご堪能あれ!な一大叙事詩。キングファンなら、なるほど「読んでおくべき一本」と言えるでしょう。

    あ、映画は「子供時代編」だけなのかしら?続編が作られるということは・・・?

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    2017年09月20日
  • ジョイランド

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    海辺、夏、遊園地、殺人、幽霊、超能力、失恋、友情、そして淡い恋。甘くてほろ苦い青春小説と、ミステリとホラーの融合。キングの幅広さにはいつも驚かされる。そして相変わらずのハズレなさ。

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    2017年09月14日
  • ペット・セマタリー(上)

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    複数巻の長編を平行に読破しよう月間。継続中。

    キングの代表作でもある作品。引越したら、家の裏に謎の「ペットの墓」があった。代々子どもたちによって管理されている墓の隠された秘密とは。

    スティーブン・キングらしい、ホラー要素もあるけど、本題は別なんだよねという作品なので、まるっきり純文学のようである。ホラー(と言うか怪談)的要素は、事故で死んだ大学生、パスコーが瀕死で語りはじめる部分くらいで、あとは「死とは何かを納得させる」というのがテーマ。

    上巻だけでも結構長く、一瞬出てくる「ペットの墓のほんとうの解釈」という話で切っても、それなりに良い作品だったのではないかと思う。そこからまたグイグイと引っ張っていき、純文学風なのに、登場人物に無駄がないというのも名作たるゆえんであろう。

    ちなみに、「ペット・セマタリー」は、原題の「Pet Sematary」からであって、相変わらず日本の映画会社は「ペット・セメタリー (Cemetery, 墓)」といらん解釈を足しているようだ。

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    2017年07月05日