【感想・ネタバレ】1922のレビュー

あらすじ

恐怖の帝王キングの最新作品集!

かつて妻を殺害した男を徐々に追いつめる狂気。友人の不幸を悪魔に願った男が得たものとは。巨匠が描く、真っ黒な恐怖の物語を2編。

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○1992
これを読む前にNetflixの実写を観た(約3年前)
何となく内容は分かっていたけどそれでも楽しめた
というか記憶が曖昧なのもあってなのか割と内容が違うかったような…
ともあれ、原作はただ恐怖ってだけじゃなくてそこに息子の恋愛云々を入れることでより報われなさが増してよかったな
そして何より終わり方がよかったな

○公正な取引
これは所謂、世にも奇妙な物語的な作品
短編でありながらかなり満足度の高い作品
何でもかんでも代償は付きものでそれが今回は自分の周りの人に降り注ぐって設定がいいよな
ミステリーっぽいSFっぽい雰囲気、よかった

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

久しぶりのキング。
原題「FULL DARK,NO STARS」の通り、全く救いようの無い話が2編。でも読むのを止められない。救いようの無い状況を作り出しているのは人間の何なのだろう。愛するが故、逃れたい故、恐怖故・・・少し歯車が狂ってしまうと全ての歯車ががたがたと外れていく恐怖を描く中編集。

近のキングまた面白くなってきた。

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2013年09月01日

Posted by ブクログ

 「1922」と「公平な取引」の2編。

 「1922」は、妻を殺した男の独白なんだけど…。
 「ドロレス・クレイボーン」を思わせるシュチエーションでありながら、全く同情の余地も哀れもない。とにかく醜悪なのだ。男も、殺される妻も、その近隣の人間も、普通に醜悪なのだ。そう、特別な悪意ではなく、特殊な憎悪でもなく、多分普通の範囲を出ないものなのだろう。が、結局、そういうものが自己の営利という方向のみに向かうとここまで醜悪になれるということなのだろう。
 いわばまきこまれる形になる息子には、ちょっとだけ同情する。が、彼も若さゆえの、愛ゆえの暴走、というには自己的なのだ。
 もっとも、あの男と妻との子供なのだから仕方ないのか。

 とことん滅入る物語だった。

 「公平な取引」
 ある日、ある男に取引をもちかけられた運の悪い男。
 最後に大どんでん返しがあるかと思ったら…。が、だからこそ苦い。
 取引によって逆転することになり、どんどん堕ちて行く相手を最後まで傍観している、その冷静さが怖い。良心の呵責とかそういう葛藤が全くないことが、怖い。
 
 とても残酷な物語だった。

 ここんとこなんか救済がある展開になってて、キングも年をとって丸くなったか、って思ってたけど、そうじゃないんだなって。
 キングは、どこまでいってもキングなんですね。

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2013年04月19日

Posted by ブクログ

ちょっ……!酷くないか、「公正な取引」のラスト。いやいやいや。こんなあっさり終わるなんて酷いぜ。いや、この後まだ何かしら大逆転が起きるのかもしれない。いやはや、もう。他人の不幸の上に成り立つ幸せって……普通か。結局、ずっと幸福な人もいれば、絶えず不幸な人もいるもんなぁ、実際。「1922」の主人公は自業自得なんだろう。土地を守るため妻を殺害したものの……。因果応報話だけど、転落していく男の人生をリアルに描写していて怖い。「1922」と「公正な取引」はある意味、好対象です。

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2013年02月22日

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ネタバレ

『1922』かなり些細なことで妻殺しして、息子は隣の家の女の子を妊娠させ、さらに連れ出し、逃亡の末自殺。なかなかひどい結末だった。今まで読んだキングの作品でもトップクラスの後味の悪さかもしれない。―『公正な取引』こちらは悪魔と契約する話で、生贄にされたグッドヒューの不幸が笑ってしまうほどひどかった。2000年代の時事ネタが都度都度挟まれていて楽しませる。クリス・ブラウンの「自分の最高の添い寝用うさちゃん」はリアーナの事だろうか。しかし下品な比喩だ(笑)

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2021年03月13日

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ネタバレ

キングです。ホラーです。
ホラーっていっても、怖いんだけど、上品なんですよ。
だから余計怖いって話なんですが。

読んでしばらくたってるので、うろ覚えの部分もあるんですが
1922年ごろのアメリカの中西部?中南部の田舎のお話しです。

隣家まで数キロとか、何エーカーもの農地やら牧場を持ってるけど
して暮らし向きはラクではなく、家族だけでカツカツの農業を営んでる。

こんな暮らしに妻は不満タラタラで、農地を売って都会に転居したい。
夫は、農夫ライフにプライドを持っていて、浮ついた妻が許せない。
そして、夫の方に従順な息子。

農地を売る売らない、で対立したあげく、妻を殺害してしまい、
息子と協力して枯れ井戸に埋めてしまうんですが。

ここから、主人公の転落が始まります。

何もかも悪い方に悪い方に、転がっていくんですな。
妻の呪いか、と主人公は思うのですが、なんのことはない、
自分の罪悪感から自滅してるだけなんです。

勢いで殺しをやると、ロクな結果になりません。
あと、ネズミは怖いです。アレックスでもネズミ、大活躍でしたし。

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2021年02月16日

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息子とともに妻を殺して井戸に埋めた男が蝕まれる恐怖を描く中編と、親友の不幸をブラックユーモアで塗りつぶすジョーキーな短編を収録。“恐怖の帝王”キングの久々良作でしたん。

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2014年08月10日

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原書刊行時に読み、翻訳を再度読んだ。
「1922」が好きだ。
あとがきにもあるけど、大恐慌で農業従事者が行き場を失い追い込まれていった悲劇を、目をそむけたくなるような「醜悪な妻殺し」というキングらしい禍々しいストーリーで魅せる。どんなに取り繕っても、軌道修正しようとしても、妻殺しという呪いから逃れられず、全て失っていく年老いた男の姿がとても怖くて悲しい。

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2013年07月08日

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ネタバレ

恐怖の帝王キングが手加減なしで描く光なく真っ暗な物語。
恐怖の物語に帰還した巨匠の最新作。

「1922」
1930年、8年前に息子と共謀し妻を殺害した男の告白文という形で物語は進行する。
1929年といえば大恐慌の年であるため、それより少し前のアメリカ中西部を舞台としている。
農地を大企業に売ろうとする揺るぎ無い決意の妻の殺害を、土地に深い思い入れのある男は企てる。
妻を殺害後古井戸に遺体を棄て、企業の弁護士や警察の追及からなんとか逃れたものの、
その罪悪感は二人の人生を追い詰めていく……。

「因果応報」とはこのことだが、展開がまったく読めない。

「公正な取引」
所謂「悪魔との取引」をテーマにした短編。
主人公の男は癌で死期を間近に控えている。
彼は道路脇の露店の看板に奇妙な文言を見つける。「公正な延長(Fair Extention)」。
エルビッド(ELVID)と名乗る小太りのその男は、客が望む様々な《延長》を提供すると語る。主人公は気乗りもせず自分の寿命の《延長》を持ちかけるのだが、エルビッドは金のほかに取り除いた"負の部分"を請け負う相手を挙げろという。
高校時代からの「親友」であるトムの名を挙げる主人公だったが……。

こちらも展開通りとはいかない。わたしたち人間の深層心理に罪深く暗いものが根付いていることを思い出させる。

ミステリ :☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆☆☆

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2013年06月29日

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スティーヴン・キングは『ペット・セメタリー』のあとでちょっと方向転換をしてしまい、ハッピーエンド志向とか、ゾロアスター教ふうの「善悪二元論」が前面に出されたりとか、あるいはそろそろ創作上のアイディアのパワーが弱まってきたようにも思える。かつてほどの「ベストセラーメーカー」ぶりはもう影が薄く、人々にも飽きられてきたかもしれない。
しかし彼の小説に出てくる「いかにもアメリカ人的な」モノローグの粘りが私は好きで、それはドストエフスキーや太宰治にも比較すべきものだと考えている。彼のスプラッタ趣味には共感というものは感じないが、物語をとおして「内面」のうねりを形成してゆく手腕は、文学的価値をも持っていると思う。

さてこの本には2つの作品が収められているが、最初の「1922」は文庫本1冊として出しても良いくらいに長く、面白い。
この小説では、冒頭、農夫が息子と共に、性悪な妻を殺害し、井戸に死体を隠す。動機としては、妻の人格的問題もあるが、「土地」を売るか売らないかという問題が、いちおうきっかけになっている。それにしても、14歳の息子に彼の母親の殺害を手伝わせるというシチュエーションは、一体そういうこともあるのかなという気がした。
だが作品のリアリティは、モノローグの巧緻さによってぐっと重くなる。
私はなぜか若い頃から、自分が(殺人か何かは知らないが)取り返しのつかない何かを既にやってしまっており、誰かにそれを暴かれ、糺弾されることに怯えながら逃げまどう・・・という夢を頻繁に見る。この小説はその気分をぴったりと表出していて、とても親近感を感じた。
このメランコリー親和型ふうの感情は、ラスコーリニコフ的なものでもあるが、この小説は堂々と描ききっている。
結局は罪悪感を象徴する「ネズミ」が親子をほろぼすのだが、近年のキング作品がそうであるように、若干ラストは弱いかもしれない。意外さを求める向きにとっては。

もう一方の短い「公正な取引」は、後半のサクセス・ストーリーをアイロニーとして読まないと妙なことになってしまう。

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2013年05月05日

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ネタバレ

キングの新作!恐怖の四季、真夜中4分過ぎに続く第3中編集。読むのがもったいなくて、下巻が出るまで積ん読してました。

1922。結構長い作品。ひたすらじわじわと、妻を殺した男が狂って行く様を、彼の視点で語る作品。いやー滅入るわー( ;´Д`)。全く状況が改善される見込みがなく、どこまでもずぶずぶ落ちていく状況がわかっているのに、やめられない止まらない。読後感よくないのがわかってるのに、惹かれて読まされちゃうのは、何でなんだろう。キングの魔法。ネズミ怖いっ。

公正な取引。古典的素材である「悪魔との取引」を、キング流にアレンジした短編。どんなどんでん返しが?と思ったら、意外にあっさり終わったなあ。でもストリーターに感情移入し、トムの凋落にカタルシスを感じてしまうのは、私が悪魔に魂を売る側の人間だからだ…!と思わせるキングの仕掛けなんだきっと(T_T)。ううう。

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2013年04月20日

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表題の「1922」と短めの「公正な取引」の2作収録。
「1922」は妻を殺した父子の転落を、「公正な取引」は余命僅かだった男の呪詛を描く。
「1922」はあっと驚く展開はないが徹底した因果の応報と悲劇にキングらしいホラーが詰まってる。
個人的には「公正な取引」が好き。非常に歪んだ幸福の物語で救いがないが、取引材料が有限なことを思うとその後の展開の予想はつく。二重に毒を持つ作品だった。

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2013年03月23日

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1922は救いのない話だった。
公平な取引も救いはないんだけど面白く読んでしまえたのはなぜだろうか?他人の不幸は蜜の味的な?

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2017年11月03日

Posted by ブクログ

なかなか読み進められなかった1冊ではあったし、またしてもキングにだまされた、というか。映画『ミスト』でも後味悪く、もうキングやだー!と思いつつも、またキングワールドに足を踏み入れてしまう。
この中毒のような感覚、何なんだろう?つい、引き寄せられてしまう、というか。
年に1回で十分ではあるけど、このもやもやを欲してしまう。。

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2016年07月15日

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ジャック・ケッチャムが油多め、麺硬めなら、スティーブン・キングは、何もかも普通で頼んで出てくる王道のストーリーテラー。例えが下手くそ?いや、ジャック・ケッチャムに嵌ると、何故かスティーブン・キングに戻りたくなる。旨いのは分かりながら、身体に悪い気がして…。

本作は農園における、ある一家を巡っての人間ドラマ。勿論、ホラー風味である。ちょっと怖さが足りないかなー、という感じ。幽霊が何でも知っているという設定は、罪悪感に脅える人間の心理的な理由によるものだろうか。その推測が成り立つとしても、その幽霊を見た人すら知らぬ事を、幽霊が知っていたとしたら、どう説明できるだろう。何か、我々は幽霊を神の如く時に錯覚するが、私はそれが人間の精神以上に影響を与えた例を知らない。一番怖いのは人間である。なので、ケッチャムもキングも、恐怖を齎す存在を人間とした小説の方が面白いと思うのだ。

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2016年03月13日

Posted by ブクログ

「悪事は引き合わない」を地で行く、ことごとく破綻するキツさ(いっそ早めに死ねればまだ救われたろうに……)の表題作。一方『公正な取引』は典型的「悪魔の取引」テーマかと思えば、あれ?……いいの!? というヒドい話で人が悪い。その構造上、最後まで感情移入できなくて、キング作品では珍しい。

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2015年07月04日

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ネタバレ

中編2本
妻を殺した男が、その死体にまとわりついていたネズミに取り憑かれる話
悪魔の契約の話。末期がんを助けてもらう代わりに親友を不幸にする男。シャーデンフロイデがテーマか。他人の不幸に際限ない喜びを感じるさまが妙にリアル

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2015年05月24日

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『希望は一つもなくて、全部絶望』
いい名前だなぁ。なぜ、殺人がだめなのか。突きつめよう。希望は一つもなくて、全部絶望。この計算を求めよ。

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2015年02月26日

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キングっぽいかな?キングっぽいか…。だけど、ちょっと"嫌ミス”のような。ちょっとやりすぎの感じが怖かった。

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2013年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全盛期のキングには程遠いながらも、それでも普通に読ませるのはさすがと言うべきなのか。とはいえ、たくさんあるキングの傑作小説の中にあれば埋没必死の凡作になるだろうなぁ。

救いのない闇小説2編
表題作は読んでみればすぐ分かる救いのなさ。息子と2人で結託して嫁さん殺して幸せになるわけがないわな。もっとも振り回された親友(元?)はたまったもんやないやろけど。

もう1作の方はちょっとひねってある。作品自体じゃなく読んだ人の心のダークさを試す展開。人を呪わば穴2つと言うが、1つの穴を金で塞いで幸せになれるのかどうか

読後感はよろしくないが(キングにそれを求めるのはグリーンマイルと刑務所のリタ・ヘイワースぐらいなもんで…)キングらしい暗くて痛いヤな感じは味わえる。

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2013年09月20日

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テーブルタッピング、いわゆるこっくりさんは自分に暗示をかけて強迫観念に陥ってしまうものらしい。十円玉から指を離してしまう、紙の処理を忘れるなど、ルールを破ることでこっくりさんは帰らず、自分に憑いたままだと思い込む。悪いことがあれば、こっくりさんのせいだと思い込む。ずっとこっくりさんが自分を見ていると思い込む。そういう思い込みは少しずつ、精神を衰弱させる。

『1922』はこっくりさんのような話だったと思う。ひたすら血を拭って、苦しみながら死ぬ人間を見ていたウィルフレッド、ヘンリーは思い込みの力に負けたように見えた。

要約すると、罪の意識ってやつ。

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2013年05月02日

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中編2編を収録。どうにも後味の悪すぎる「1922」は、キングの持てるそういう面を前面に出した作品。「公正な取引」は超自然的な存在と思われる何かと取引をした男の話。だけどこれ公正か?と思わずにはいられないほど、取引後の展開が容赦ない。最後にもう一度どんでん返しがあるかと思ったのに。

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2013年04月07日

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「1922」はスーパーナチュラルなはなしではなかった。それぞれ自業自得。牛がかわいそうだった。「公正な取引」はひどい話だった。(出来じゃなくておこる出来事が。)さすがキング。

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2013年03月13日

Posted by ブクログ

特に恐怖は感じなかった。正直、こんなもんか、ぐらいにしか思えなかった。悪意が足りない。訳者の問題か?

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2013年02月20日

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「Full Dark, No Stars」という4作入りの作品集からの、中編と短編2編。中編(普通で言ったら長編)の「1922」は因果応報の寓話。キングのお話は、ばらまいたものはすべて刈り取る。刈り取って、丸く収める。しあわせに収まるときもあるし、不幸に収まるときもある。いずれにせよ収まるから、安心して読める。大衆小説はそうじゃないとね。

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2013年02月13日

Posted by ブクログ

キングは新作を書いてくれる、出してくれるだけで満足ですがなにか? すげー傑作とかではないが、マエストロの味は堪能。

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2013年02月02日

Posted by ブクログ

2作品あったが、どちらもみごとに不快な結末。特に2編目の「公正な取引」が良い。だれでもこれくらいは残酷になれそうと思った。

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2013年01月20日

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