スティーヴン・キングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレザ・スティーブンキングだった。ほんとにいつもの、青春と死。今回はその死の部分が弱かったけど、青春の描写はいつもどおりに最高だった。とくに、主人公がハウイーの毛皮を着て、遊園地の託児所でホーキー・ポーキーを踊る場面。人生でいちばん煌めく時間をこんなに嫌みなく、切ないほど鮮明に描くのがたまらない。キングが描くのは、スタイリッシュさとは程遠い、毒がなく田舎っぽいダサい青春だけど、格別にノスタルジーを換気させる。
その素晴らしく美しい青春からまっ逆さまに恐怖のどん底に落とされるのがまたいいんだけど、今回は恐怖の要素が薄目だった。そのため後半はタルい。でもまあ、前半だけでも読んで損はなかった。 -
Posted by ブクログ
ジャック・ケッチャムが油多め、麺硬めなら、スティーブン・キングは、何もかも普通で頼んで出てくる王道のストーリーテラー。例えが下手くそ?いや、ジャック・ケッチャムに嵌ると、何故かスティーブン・キングに戻りたくなる。旨いのは分かりながら、身体に悪い気がして…。
本作は農園における、ある一家を巡っての人間ドラマ。勿論、ホラー風味である。ちょっと怖さが足りないかなー、という感じ。幽霊が何でも知っているという設定は、罪悪感に脅える人間の心理的な理由によるものだろうか。その推測が成り立つとしても、その幽霊を見た人すら知らぬ事を、幽霊が知っていたとしたら、どう説明できるだろう。何か、我々は幽霊を神の如く時 -
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Posted by ブクログ
まァ、面白かったのだけれど、短編集にしては読み辛くもあったな。なんでだろう。一番気に入ったのは救いのある話の「アヤーナ」。「どんづまりの窮地」は、いままでもフェスやら観光地やらに行って仮設トイレを使う際に感じていた不安感というか嫌悪感を具体的な形にしてくれちゃったワケで、これからその手のトイレを使う際には必ず反芻してしまうこと請け合い。マイッタな。TOTOやINAX等日本のトイレメーカーの皆さん、日本のトイレは世界一キレイみたいなので、仮設トイレも「どんづまりの窮地」が笑い話になってしまう位、どうかひとつよろしくお願いしますよ。じゃないと、トイレに行けなひ。です。