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息つくひま一瞬もなし! 巨匠の最新作品集 突然の凶行に襲われた女性作家の凄絶な復讐――表題作と、長年連れ添った夫が殺人鬼だと知った女性の恐怖を描く中編を収録。
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Posted by ブクログ
抜き差しならない状況に追い込まれた恐怖を描くことで人間の本性をあぶりだすのがキングという作家。キングの描く「抜き差しならない状況」というのは死に直面することだ。自分の命が危うい恐怖からさらにエスカレートして、相手の命を奪わなければならない状況に陥ったら・・・汗。 勧善懲悪の時代劇でもなく現代は法治...続きを読む国家であるなかで、この本に納められている2編では最終手段をとってしまう。相手はそうされても当然なのですが、なにか引っかかる描き方。どんな理由であれ、相手の命を奪った者が味わうことになる恐怖は「FullDark,No Stars」前半を収めた「1922」に描かれています。これで、無間地獄のようにもとに戻ってしまうという巧妙な構成にもなっており、もうキング凄すぎ! 「悪の行い」を法で裁こうとすることにより、さらに犠牲になってしまう人々をどうしたら良いのか?まったく恐ろしいシチュエーション。
前に読んだ『1922』の分冊。「ビッグ・ドライバー」と「素晴らしき結婚生活」の2編収録。 「ビッグ・ドライバー」は講演の帰りに大男に拉致され暴行を受けた作家が復讐を決意するという話。「素晴らしき結婚生活」は30年近く連れ添った夫が連続殺人鬼であると知った妻の行動の描く話。 どちらも普通の生活を送って...続きを読むいた女性が突如異様で狂気に満ちた状況に身を落とすという点で共通している。そしてどちらの女性も自分ひとりで決断し、きっちり行動に移す。 超常現象はないしホラー要素にしてもさほど強いわけでもない。その分、異様な状況におかれた人間の姿が濃密に描かれていて圧倒される。良い具合にキレのあるキングだった。
「怪物」を書き続けるキングが、怪物と人の間を揺れ動く、普通の人たちを描く。 穏やかな日常がある日理不尽に打ち崩される、そこまでは普段のキングですが、ささやかな幸せを維持しようと足掻くその前に、彼女達が嫌でも見据えねばならない正義とは、倫理とは。 この二篇は、今までのキングとはまた違う味わいを見せてく...続きを読むれる逸品です。 本編とは関係ありませんが、作者の後書きにある言葉に感銘を受けました。
久しぶりに,一日で読み終えなかった本。キングは昔から好きだが、これはキングが精神がかなり上にいったのでは?と思うくらい。私の歳くらいだとバンバン出てくる映画やらなにやらは、すっと出てくるが、あまり見ない人は比較が?になりそう。でも多分誰でも知っている範囲とは思うが… 一編一日ずつ読んだ。なかなかえぐ...続きを読むさもあるのだが、多分現実からはそう遠くない感情だろう。映画やドラマじゃきれいごとになりそうな。しかし、ヒントを得たところがそれぞれあるとはいえ、これはフィクションだし。私が特に感心するのは、キングが男なのにここまで女性心理を書けること。わかったつもりで書く作家は多いがその域を出ない人がほとんどの中、キングらしい力量だ。 本当に彼の感性は素晴らしい。 相変わらずスピード感ある小説で、一気に読ませてくれる。 また私の中の神経が鋭くなり、ネガティブにもポジティブにもプラスになったそのことは良いのか悪いのかは答えを出さずにおいておこう。
「高潔さは事を上首尾に終わらせることにあるのではなく正しい行いをすることにある」。分冊2冊4編中、3編は「いい」けど、最後の1編『素晴らしき結婚生活』は「すごい」。久々に興奮したー!
「ビッグドライバー」と「素晴らしき結婚生活」の2編からなる一冊。 中編でしたが、どちらも読みごたえたっぷり。 読む人をあんなに葛藤の渦に巻き込みながらも救いのある結末。 倫理的、人道的にはいかがなものかと。 感情移入しながらページをめくる手が止まらず一気読み。
中編2編を収めたスティーブン・キングの作品集。表題作の「ビッグ・ドライバー」はレイプされた作家の復讐の話だが、復讐の描写はキングにしてはあっさりしている。その後のエピソードがこの話のメインだろう。こういう力点の置き方、キングの過去の作品にはなかったのではないか。それが興味深い。 「素晴らしき結婚生活...続きを読む」は結婚27年目の夫がシリアルキラーと知った妻の話。これも詳細な描写で読ませる。普通の作家ならこうは書けないだろう。展開の意外性がないのが少し弱いところで、「ビッグ・ドライバー」の方が出来は上だと思う。
当然好、斯蒂芬王先生。 高橋恭美子先生的翻訳是也太棒了!!不过,被捕她们吧。The drug of Tylenol(タイレノール) is for reducing pain and fever. It is advertised Johnson & Johnson. so, Mr, King...続きを読む receive something for their.
「1922」と同じ原著の後半で、同様に2つの長い中編小説が入っている。 気になったのは、どちらも主人公が情報収集する際、パソコンでインターネット検索をするところ。グーグルとか、グーグルアースとか、Firefoxとか、なじみ深い名前がそのまんま出てくる。キングはもともと、アメリカ人の日常生活を極めて具...続きを読む体的に描くから、野球選手や歌手、車の名前なども頻繁に出てきた。それと同じ流儀で、今度はいよいよパソコン活用の日常が、流れ込んできたのである。 もうひとつ、キングが描出する危機的状況は、まず「孤独」の輪郭が強調されるという点。まるで他者たちと隔てる四方の壁に囲まれて、そこに当然帰還するとでもいうように、主人公らは「孤独」に戻ってくる。そして、つぶやく。このへんが、現代人の状況を適切に描写していると思った。 この本の2編とも、他者との隔絶がまずあって、主人公は「孤独」のなかに舞い戻る。個室でインターネット検索をすることが、とりあえず彼女らの「やるべきこと」である。壁の向こうの他者は恐怖の対象である。だから個室が必要であり、個室に戻らなければならない。 その意味で、はじめから典型的現代人は「地下生活者」なのである。「地下生活者」の無力感、救済不能性を、この2つの小説は暗示している。
中編集「Full Dark,No Stars」の後半2作を収録。 どちらも女性がトラブルに巻き込まれ、自分の手で決着を付ける話。簡単と言えば簡単なストーリーを、主人公の立場や性格やライフスタイルからじわっとと編み上げていく、キングが長編を書くときの手法が使われていながら、コンパクトにまとめられていて...続きを読む読みやすい。 陰惨といえば陰惨だが「1922」収録の2編に比べると、ひじょうに救いがあるカンジ。漆黒の闇にも、ちらりと小さな星が輝く。 マニアとしては「素晴らしき結婚生活」に、久々に登場するキャッスルロックにニヤリ。
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