白石朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去を変えることができたら――。個人的なことであれ、社会的なことであれ、たぶん、多くのひとが一度は考えたことがあるのではないかと思います。だからこそフィクションは数多くの時を超える物語を生んできたのではないか、とも。ケネディ暗殺を阻止しろ、と死期の迫った友人から想いを託された主人公が過去に戻って奔走する本作も、過去を変えようとする物語。
様々なジャンルの要素を内包する長大な(文庫本にして1400ページを越える)物語は、中盤以降は恋愛小説としての大きな魅力を持って進んでいき、あぁ最後までこの物語に付き合って良かった、と心から思えるような結末を迎えます。時を超える壮大な冒険と恋の物語、ぜひおすすめです。 -
購入済み
温かさと悲しみの入り雑じったラストがとても切なかったです。
年齢を重ねるにつれ、作風も変化しているのでしょうか。キングってこんなに優しさに溢れた人だったんだと感じる事、しばしば。
作品としてはリーシーやジョイランドに似た傾向があり、ホラーが読みたい時に読むと期待通りとはいかないかもしれません。
ただ、不思議さは盛り沢山です。
私には「カードマン」の存在が一番強烈な印象で、その言動にゾクッときました。
こういうのはキングしか描けない。
フィクションかノンフィクションかわからないエピソードをさりげなくちりばめてくる技量が圧巻で、だからキングを読むのは止められないと読むたび毎回思います。 -
Posted by ブクログ
(上下合わせた全編の感想です)
▼好みでした。分量あるのに、読み終わりたくないような。スティーブン・キング76歳、凄いです。エンタメ力が凄いのに、そこに皮肉と人間ドラマが濃厚。
▼ビリー・サマーズという名の、40代くらいの職業的殺し屋がいます。主にいわゆる犯罪組織の親玉などに雇われています。凄腕の射撃手であるらしい。そして、ぼちぼち引退を考えている。このビリーが巨額報酬の狙撃を依頼されるところから始まります。これを最後に引退したい。ラスト・ジョブ・ストーリー。冒頭からダレ場無し。
▼今回の仕事は、標的は犯罪者。逮捕され裁判を迎える犯罪者。だがとある大物にとって、法廷で言われたら困ることがある。なので、出廷時に狙撃して欲しい。ただ、それは1か月後か、3か月後か、分からない。
▼その法廷の出入り口が、ばっちり見える高層ビル。いわゆるオフィスビル。その中の、「最高の位置」の部屋をビリーは借りることになる。借りる名義は偽名で、「小説家デビューしようとしている作家が、出版エージェントに言われて、缶詰になって仕事するために数か月ここを借りた」という設定になる。
▼もともとビリーは、文学好きなのだ。ただ、裏社会では「文学好き」なことは隠している。ひょんなことから「小説家」の設定に身をやつした。ついつい、パソコンに、自伝的小説を書き始める・・・。
▼ビリーは貧しい家庭の出身。残酷な義父。孤児院行き。海兵隊志願。中東で狙撃兵・・・というキャリア。その精神的風景が描かれる。
▼そして、とうとう狙撃の日が来る。ビリーは、狙撃後に準備された「逃走ルート」に疑念を持っている。だが、仕事は仕事。狙撃・・・そして逃走・・・。
と、ここまでで、前半が終わってないくらい。
ここから後半、とある少女との出会い、触れ合いと交流が、急旋回主題になって来るんですが、決して無理に紡いだわけではなく。全体に「なるほど」と思わせる構成になっています。
▼特に、ビリーが少女に自作の小説を読まれる、読ませるくだり。そのどきどき感。高揚感。
▼読んでいくうちに、職業的暗殺者のビリーにどんどんどんどん、とめどなく感情移入してしまいます。この力業ったら、すごいですね。脱帽です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻ではあらすじ以上の事は起こらないのに面白い。
ビリーのなりすまし生活が図らずも、尊いものになってしまい、この仕事を受けたことすら後悔し出すのが可笑しくも愛おしい。
ビリーの人となりは悪人以外殺さない信条とか、一般人に向ける優しい目からも分かる通り善の人だし、後半で隣人家族の娘から貰った愛溢れる絵を捨てずにお守りみたいに大切にする所も微笑ましい。
そんなビリーがどうして暗殺稼業をしているのかを小説にして書いていき、間に作中作として読みながらビリーの過去を知れるという作りになってる。上巻では子供時代までだから核心に迫るような話まではいかないし、暗殺の方も成功するけど一筋縄ではいかないしとまだまだ楽しくなりそう。評判通りの面白さ。
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Posted by ブクログ
一気読み…
残念ながら、我らのバァァビィーは活躍できなかったけど(囚われてるので)、相変わらず檻の中でも生存のために手段を選ばないところがかっこよかった。ベタ褒め。
街のマトモな人たちが少しずつ少しずつ、集まりはじめて、対ビッグジム勢力になりつつある。嬉しい反面、やっぱりいつか誰かが死ぬことになるのかと怯えながら読む。秘密の集会と、バービーたちの救出。うまくいくのか? 痛手を負わずに?ハラハラ。ドキドキ。
私も異常事態になった時、できればまともな方に入っていたい…自分を恥じることがないように。
それにしてもラスティ!
のこのこと…たった1人でビッグジムのとこ行くなんて、お前はバカか!と言いたい笑笑 ここで殺されてしまうのかと、もう読んでいられなくて一回本を閉じちゃった笑
え、今思ったけど、ドラマで死んでしまった人たちは死亡確定なのだろうか…?
ジュニアは哀れすぎて見ていられない。脳腫瘍が悪化して死を待つのみ。行動が読めず恐ろしい。
バービィが留置所で銃を突きつけられて冷や汗かく場面がよかった(Sっ気)。
leather heads、この正体は明らかになるのか?
シェフがサマンサをきちんと迎えに行って埋葬するのも良かった。
パイパー牧師が意外と内に熱を秘めた女性だった。
ラスト1冊だ!
ドラマ版での「繭の中で仮想現実を見て現実とごっちゃごちゃになる編」があったんだけどあれはオリジナルかな…?
終幕がたのしみ!
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Posted by ブクログ
読書備忘録820号(下巻)。
★★★★★。
稀代のストーリーテラー!さすがキング!という感じでした。今回はネタバレ感強めです。
冒頭、翻訳物によくある巻頭。
「全米では毎年80万人の子供たちが行方不明になり、大半は戻ってくるが数千人単位の児童は行方不明のままである」と挨拶文が。ということは怪しい誘拐ものか!とゾクゾク感半端ない!
そして、物語は始まる。
フロリダからニューヨークへ向かう飛行機に乗るおっさんの話。ん? 誘拐は?笑
おっさんの名前はティム・ジェイミースン。
飛行機は満席。どうしても乗りたいお偉いさんがいて、席を譲ってくれたら相応の謝礼をすると。
ティムは2000ドルで席を譲った。
そして、ヒッチハイクで北を目指す・・・。
ニューヨークの影も形も見えてこないサウスキャロライナ州の小さな町。デュプレイ。
どうやらティムはフロリダで警官だった。で、職を失った。そして、デュプレイで警官として採用にこぎ着けそうだった・・・。
なるほど。キングのストーリーでは後半にすさまじい戦いになるが、この町が主戦場になるのでしょう!と想像して読み進む!
次の章。時はちょっと遡り舞台はミネソタ州ミネアポリス。
12歳の天才少年ルーク・エリスがいた。地域の特待生だけが通う学校の生徒だったが、その学校の教育プログラムでもルークの能力に対応できない。
そうなったら飛び級で大学だ!MITの選抜試験をパスし、さあいよいよ12歳の一人暮らしとなる予定だったエリス家を不幸が襲う。夜中に何者かが侵入し、両親を射殺。ルークを拉致して連れ去る!やっぱり誘拐だ!
連れ去られた先は<研究所>なる施設。
どうやらメイン州の森の中にある模様。
そこは超能力の片鱗を持つ子供たちを拉致して、ある行為を秘密裏に実行している組織の施設だった。
超能力はテレキネシス(TK)とテレパシー(TP)。ルークにはTKの素養があった。
その施設ではフロントハーフというエリアで、子供たちの能力を更に増強するための薬物投与や身体的な虐待を繰り返していた。
そして能力が増強された子供たちはバックハーフと呼ばれるエリアに閉じ込まれ、二度と戻ってこなかった・・・。
ルークはフロントハーフで、カリーシャという16歳の黒人少女に一目ぼれ。ニックという18歳の兄貴分に憧れ。とんでもないTP能力を持つ10歳のエイヴァリーを可愛がる。
そして、ずば抜けた知性を持つルークは、この施設からの逃亡とこの施設ひいては影の組織の破壊を目論む!
手始めに、ルークは個人的な問題を抱えていた施設の掃除婦モーリーンを助け信頼関係を築く。モーリーンから施設外の逃走ルートを教わる。そして脱出そのものはエイヴァリー達とTPを使ったコミュニケーションで計画を進める。
そして逃亡!GPSを埋め込まれた耳たぶを自ら千切り、野山を駆け抜け、川をボートで下り、フロリダ行きの貨物列車に潜り込む。そして、ほうほうの体でたどり着いたデュプレイ!ここまでが上巻!
施設での非人道的な薬物投与と身体への虐待の数々。施設の残虐非道なくそクズな大人達。その苦痛の中で心を通わせていく子供たちの物語。
上巻から引き込まれました!
しかし、やはりキング作品は後半が命!下巻!
ルークとティムが出会う!
組織の追手がすでにデュプレイに!一気に盛り上がります!
物語は、ルーク&ティムの視点、施設くそクズ連中の視点、まだ施設のダークハーフエリアに捉えられていて命が風前の灯となっているルークの盟友エスパー少年少女たちの視点でシーンチェンジしながら目まぐるしく展開していく。目が離せなくなる!
ここから先、空前絶後のクライマックスに向けて備忘録不要だと勝手に判断!
ルーク&ティムが勝利するに決まっていますからね!でも犠牲が半端ない。これは悲しい!
そして最終章。
この悪の施設と組織が担ってきたミッションは世界平和の維持。その為に子供たちを犠牲にしてきた。
その施設と活動が失われた先の世界の在り様。作者キングの気持ちが深く練り込まれた最終章でした。
キングの思い「大きな出来事でも、動きの軸になるのは小さな蝶番だ」ということですね。
シャイニング、ファイアスターター、デッド・ゾーン的超能力ストーリーと、少年少女が一致団結して巨悪を倒すIT(イット)的ストーリーのミックス!
堪能しました!
そして、忘れずに上下巻の並びを調整しました。一枚の絵になるように。 -
Posted by ブクログ
買っちゃった…ドラマシーズン3まで見終わってから読むつもり!
しかし1-3(文庫)、すごいボリュームで恐れ慄いてる
読んだ…めちゃめちゃ面白い!
ドラマ見た後だからまぁ筋はそこそこ同じなんだけど、登場人物の細かい事情が若干異なり、さらに一人一人の描写が多いせいか性格もドラマよりもクリアで濃い。
そうなると途端にスティーブンキングだ!
ドラマだとそんなに不穏さは感じなくて…というかドラマはサクサクテンポ良く進んでいくせいもある、言動や表情から読み取り想像しながらだからかなぁ?ホラーというよりサスペンスだったが…こちらは不安がいっぱい。人間の怖さよ…ねちっこい感じの。
それで気づいたんだけどそうか、これは閉鎖された空間での人間模様なのか…一番怖いやつじゃん!
出てくる人たち普通だったはずなのにどこかしら腐って見えてきて(もちろん見るからに腐ってる人も多いが)。
ビッグジムはドラマの方がライト。話は理解してくれてたし、なんなら「敵なのに味方を庇ってくれる」系の魅力も感じてたのに、本だとそのまんま「邪悪なキャラ」。スティーブンキングの濃いぃキャラ。怖い。
バービーは相変わらずかっこいい。ていうか魅力がマシマシ。強い。理性的。判断力抜群。優しいのだけど生存するために何が最優先かジャッジできる人。そもそも勲章もらうような大佐だったらしい。ドラマでは殺人のことがあったから謙虚に目立たないようにしていたけど、こっちではビッグジムに睨まれてて、ってことらしい。軍とも早々に連絡を取れていて板挟みになる。先が思いやられる。
ドラマでのネタが本の中に大体ある。てんかん発作で何かを口走る子供、プロパンの件、たぶんドームの電源、などなど。1巻はドームに地中貫通するミサイルが発射されるらしい…てところまで。