白石朗のレビュー一覧

  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

    Posted by ブクログ

    恥ずかしながら私自身は本書を読むまで作品と名前が一致していなかったのだけれど、米国では誰もが知る巨匠エドワード・ホッパー。
    様々な作家の作品からなる『短編回廊』とは違って、一冊丸ごとエドワード・ホッパーの絵画から紡がれた物語はどこか懐かしく、登場人物とはこれまでもドラマや映画、小説などで出会っていたような不思議な既視感と絵そのものから漂う危うい気配にゾクゾクした。おもしろかった!

    0
    2023年05月10日
  • チップス先生、さようなら

    Posted by ブクログ

    津村のやりなおし世界文学の1冊である。あまりにも有名な本であるが、名前ばかりであまり読まれていないのかもしれない。新しいことばかりが求められる学校教育であるが、そうでないことも必要である、という教育の本質を教える教員養成大学生に必須の本であろう。

    0
    2023年05月08日
  • ドクター・スリープ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    満足度高いです。読んでよかった。先に映画を観ているのでそこで感じたもやもやは結構晴れました。
    …どうしてこの方向で映画化しなかったんだろう、という新たなもやもやは生まれたけれど。
    ダンとアブラの絆が、〈かがやき〉持ちだけでなく、実は血縁関係があってふたりともジャック・トランスと同じ癇癪持ちなのはかなり重要でした。アブラにとってはダンは導きの人だけれど、ダンにとってのアブラは救いだなぁ。きっと。
    キューブリック版シャイニングしか観ていない知人との会話で「オーバールックホテルは焼失している」が食い違ってたのですが、そうかこれ小説版だけの展開だったのかと思いました。この作品では跡地をキャンプ地として

    0
    2023年05月07日
  • 007/カジノ・ロワイヤル【白石朗訳】

    Posted by ブクログ

    有名な007シリーズ原作
    この作品でかの有名なジェームズ・ボンドが世に出たのである。
    映画や音楽は見聞きしたことがあっても、原作を読んだことは無い人は多いのではないだろうか。
    読みやすく、映画とはまた違った味わいがある。
    是非読んでほしい

    0
    2023年03月13日
  • 眠れる美女たち 下

    Posted by ブクログ

    上巻ではオーロラ病が蔓延し女性が次々と眠ってしまい、女性警察署長ライラまでもが眠ってしまうところで終わります。男はパニックに陥り右往左往するのみです。ここで読者の緊張が頂点になります。

    後半は一転してヴァイオレンスの連続で、ジェットコースターが落下するような展開が続きます。クリントンの籠城するドゥーリング女子刑務所にフランク率いる民兵隊が攻撃を仕掛け、それとは別にアームレスリングチャンピオンのヴァネッサのグライナー兄弟追跡劇もあります。ものすごい迫力です、街中の火器が集まっているのでそりゃあそうなるよねという感じです。男たちは他人には理解しがたい流儀をそれぞれもって争いに参加しているようです

    0
    2023年01月25日
  • 眠れる美女たち 上

    Posted by ブクログ

    上巻を読んでの感想。

    すぐに死亡すると思ったのに最後まで生き残ったのが2人います。1人は受刑者のセクハラ行為を繰り返す刑務官ドン・ピーターズ、もう1人は緑のベンツで猫を轢き殺す薬物中毒の形成外科医ガース・フリッキンジャー。クズ2人の今後の活躍が楽しみでもありおそろしくもあります。ちなみにP474のガースが小さな黒いバックと往診バックを手にして現れるところは良いシーンだと思いました、クズのくせにカッコつけてるところがです。

    ドゥーリング女子刑務所に女性が立て籠もり、男が包囲するような感じになると予想するのですが、想像を超える展開になると思うと楽しみです。



    0
    2023年01月19日
  • 任務の終わり 下

    Posted by ブクログ

    初キング作品良かった!!!

    1部はちょっと物語の動き悪くて読むの辛くて時間かかったけど、2部は夢中になって読んじゃったし、この3部の伏線回収と締めくくりが良かった。

    また数年後に読み直したい。

    0
    2023年01月01日
  • ブラック・フォン

    Posted by ブクログ

    文句なしに大満足の一冊。ジョー・ヒル「お試し」としては十分すぎる内容。こんなにも気持ち悪くて、こんなにも美しい物語を、様々なスタイルで読めるなんて。
    私のお気に入りは「ポップ・アート」。近年読んだ中で最も美しい物語。イタロ・カルヴィーノの「木登り男爵」のラストを思わせるクライマックスには泣けました。「自発的入院」は本書のなかで唯一中篇と言ってもよい作品で、そのアイデアと恐ろしさは唯一無二。とにかく、ジョー・ヒル、すごい才能としかいいようがない。お父上がいなくなっても(そんな世界は考えたくないが、いずれ訪れるであろう)、これで安心、と思ったホラーファンは私だけではないはず。

    0
    2022年08月31日
  • リーシーの物語(下)

    購入済み

    「チャネリング」と、リーシー自身も自ら言葉ではっきり言っていたので、実際そうなんだなと思いましたが、改めてチャネリングなるものの壮大さに驚きました。
    キング夫妻の体験も描かれているのでしょうか。

    アマンダもすごくよかった。緊張病や、精神疾患患者が内面で何を見ているのか、少しだけわかった気がします。
    読む前の想像とは全く違った作品で、なんだか勉強になった作品でした。
    ただただ脱帽です。

    #泣ける #深い #シュール

    0
    2022年09月30日
  • 任務の終わり 上

    Posted by ブクログ

     「ミスターメルセデス」の完結編。

     まぁ、何をどう書いてもネタバレになりそうなので、難しいのだけど。

     美しい物語だったと言えるのだろう。
     確かに、残酷だったり醜悪だったり、目をふさぎたくなるようなシーンは多々あった。
     けれど、だからこそ命は輝く。炎の中からフェニックスが再生するように、たとえその器が変わっていたとしても、命はきらめく。

     大事なのは、そのことを信じられるか、ということなのだろう。

     それが、主人公サイドと犯人サイドの違いなのだろう。

     にしても、こんなに早く続きが読みたいと、読まなきゃって思うのと同時に、残りページが少なくなるのが切なかったことはないよ。

     

    0
    2022年03月28日
  • 任務の終わり 下

    Posted by ブクログ

     「ミスターメルセデス」の完結編。

     まぁ、何をどう書いてもネタバレになりそうなので、難しいのだけど。

     美しい物語だったと言えるのだろう。
     確かに、残酷だったり醜悪だったり、目をふさぎたくなるようなシーンは多々あった。
     けれど、だからこそ命は輝く。炎の中からフェニックスが再生するように、たとえその器が変わっていたとしても、命はきらめく。

     大事なのは、そのことを信じられるか、ということなのだろう。

     それが、主人公サイドと犯人サイドの違いなのだろう。

     にしても、こんなに早く続きが読みたいと、読まなきゃって思うのと同時に、残りページが少なくなるのが切なかったことはないよ。

     

    0
    2022年03月28日
  • 任務の終わり 下

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    ラストも納得できる終わり方。
    自殺という社会問題もテーマに扱われていて、
    考えさせられた。
    個人的には、ホリーの成長とホッジズとの関係性がとてもいいなと思った。
    終わってしまうのは寂しいけど、
    読んでよかったです。

    0
    2022年03月16日
  • 11/22/63(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ついに完結。長い話だが尻上がりに面白くなった。
    キングおなじみの、フィジカルな苦痛の生々しい描写あり、それでも頑張るガッツあり。
    終盤の、JFKが助かった世界はあっさり書かれていたがなかなかに悲惨。アメリカ現代史はロクでもない結果を引き起こしたけど、さらにもっと悪くなる可能性もあったんですよ、ということか。
    100%のハッピーエンドではないが、それでも少しの笑顔が生まれる、そんな結末。

    ドラマも一気見。だいぶ端折ってありダレる暇なく最後まで突っ走る。衣裳や車へのこだわりが凄い。お金かけている。

    0
    2022年03月03日
  • ファインダーズ・キーパーズ 下

    Posted by ブクログ

    「ミスター・メルセデス」の続編です。
    上巻はのんびり読んでいたのですが、下巻に入ったら案の定止まらず…!一気でした。
    ああ〜面白い‼︎
    今回、なんといっても、設定が面白かったなあ。モリスというのは、最低最悪のワルなんだけど、こと、好きな文学に対しての思い入れが異様に強い。それは、ある意味やっぱり「愛」ではあるんだけど、その歪み方というか…。ともかく酷いヤツなんだけどね。30年も経ってから少年ピートが
    それを発見して・・・という流れとその後の展開が、ホントに読んでて映像が浮かびました。だ〜か〜ら、キングは映像化されるんだろうなあ。
    そして、我らがホッジスたちの活躍につながっていきます。
    しかもま

    0
    2022年02月01日
  • 任務の終わり 下

    Posted by ブクログ

    「ミスター・メルセデス」
    「ファインダーズ・キーパーズ」
    に続く三部作、3作目です。
    ああ〜〜〜‼︎ ラストはもう、泣けて泣けて…(これに関してはネタバレなし)

    続けて読んでよかった。ものすごく面白かった‼︎
    これのドラマのほうを先に観てはいたけど、実はシーズン途中で観られなくなって止まっていたんです。(我が家のTV事情で)でも、役者のイメージがハッキリあるので、もう読んでいて画像が浮かぶ浮かぶ…そういう面では、特にホリーの心身ともに強くなってきた変化と、ホッジスとの信頼関係が、感情移入たっぷりで、嬉しい気持ちで読んでいました。

    それにしても、やっぱりキングの発想って凄いと思う。実は解説に

    0
    2022年01月16日
  • 11/22/63(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文庫本で3巻構成の超大作であるが,特に後半は加速がついてほぼ一気読み.

    ケネディ暗殺を阻止するべく過去に向かった主人公.だがそこは一癖も二癖もあるキングのことなので,単純なタイムトラベルではない.過去に向かう際の到着時間は,必ずケネディ暗殺の約5年前に当たる同一時刻,同一場所なのである.そのため,ケネディ暗殺を阻止するためには,それまでの5年間,その時代を一般市民として暮らさなければならない.主人公は現地で高校教師として日々を過ごしながら恋をして.かつ,オズワルドの狙撃を阻止するための準備を進める.
    一方,過去を改変しようという試みに対しては,超越的な力(キング的!!)が色々な方法で邪魔をは

    0
    2021年12月23日
  • 任務の終わり 下

    Posted by ブクログ

    物語のラスト。ハラハラしながら読み進めましたが、そうかぁ、そう繋がったかぁ。
    キングの邪悪なものに対峙するこちら側の友情が大好きです。何度読んでも感動するし、たまらないし、また読みたくなりますね。
    #任務の終わり #スティーブンキング

    0
    2021年11月23日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

    Posted by ブクログ

    1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短編集だ。
    アイデアを思いつき、物語をつくることに参加を呼びかけたのは、ローレンス・ブロックである。ローレンス・ブロックは私の最も好きな作家の一人なので、読んでみることにしたのだが、ローレンス・ブロックが書いた短編だけではなく、面白い短編が多かった。ローレンス・ブロック以外にも、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー

    0
    2021年09月24日
  • ミスター・メルセデス 下

    Posted by ブクログ

    あぁ‼︎ 夜も止まらず読んで、寝不足になりました。

    『キング初のミステリー』なんで言われている作品ですが、え⁉︎ という感じです。モダン・ホラーの帝王と言われてはいますが、私にとって、キング作品は常にミステリーのイメージです。

    キング作品というのは、読み始めにエネルギーがいります。決して読みにくいわけではなく…。以前も書いたけれど、それぞれの人が、瞬間瞬間にふっと頭の中をよぎること、目の前の食べ物や景色、人の表情を見たときなどに、短い時間だけど、人はたくさんのことを考えていて…それを全て洩れなく書いている…という感じ。しか~し、これがくせになるというか…(≧∀≦)
    要は、私はキング作品が大

    0
    2021年09月15日
  • 任務の終わり 下

    購入済み

    下巻、時間の許す限り一気読みしました。ブレイディがホッジスに入り込み、周囲を巻き込んでゆく最悪のシナリオも想定しました。

    何か、昔見た「ツインピークス」の映像と重なるイメージもあり、キングお得意の心理ホラーではありましたが、摩訶不思議な、私には忘れられない強烈な作品でした。

    三部作ともなると、登場人物にも親しみと愛着が湧いてきます。
    控えめな表現ながらも、ホッジス、ホリーの深い情緒に感動しました。
    ブレイディを通しても、人間存在の計り知れない深部を垣間見せてくれたと思います。ブレイディがどこに行ったのか、本当に謎。

    できればもっともっとホッジスとホリーのコンビを楽しみたい

    #シュール #泣ける #深い

    0
    2022年09月30日