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Posted by ブクログ
読書備忘録820号(下巻)。
★★★★★。
稀代のストーリーテラー!さすがキング!という感じでした。今回はネタバレ感強めです。
冒頭、翻訳物によくある巻頭。
「全米では毎年80万人の子供たちが行方不明になり、大半は戻ってくるが数千人単位の児童は行方不明のままである」と挨拶文が。ということは怪しい誘拐ものか!とゾクゾク感半端ない!
そして、物語は始まる。
フロリダからニューヨークへ向かう飛行機に乗るおっさんの話。ん? 誘拐は?笑
おっさんの名前はティム・ジェイミースン。
飛行機は満席。どうしても乗りたいお偉いさんがいて、席を譲ってくれたら相応の謝礼をすると。
ティムは2000ドルで席を譲った。
そして、ヒッチハイクで北を目指す・・・。
ニューヨークの影も形も見えてこないサウスキャロライナ州の小さな町。デュプレイ。
どうやらティムはフロリダで警官だった。で、職を失った。そして、デュプレイで警官として採用にこぎ着けそうだった・・・。
なるほど。キングのストーリーでは後半にすさまじい戦いになるが、この町が主戦場になるのでしょう!と想像して読み進む!
次の章。時はちょっと遡り舞台はミネソタ州ミネアポリス。
12歳の天才少年ルーク・エリスがいた。地域の特待生だけが通う学校の生徒だったが、その学校の教育プログラムでもルークの能力に対応できない。
そうなったら飛び級で大学だ!MITの選抜試験をパスし、さあいよいよ12歳の一人暮らしとなる予定だったエリス家を不幸が襲う。夜中に何者かが侵入し、両親を射殺。ルークを拉致して連れ去る!やっぱり誘拐だ!
連れ去られた先は<研究所>なる施設。
どうやらメイン州の森の中にある模様。
そこは超能力の片鱗を持つ子供たちを拉致して、ある行為を秘密裏に実行している組織の施設だった。
超能力はテレキネシス(TK)とテレパシー(TP)。ルークにはTKの素養があった。
その施設ではフロントハーフというエリアで、子供たちの能力を更に増強するための薬物投与や身体的な虐待を繰り返していた。
そして能力が増強された子供たちはバックハーフと呼ばれるエリアに閉じ込まれ、二度と戻ってこなかった・・・。
ルークはフロントハーフで、カリーシャという16歳の黒人少女に一目ぼれ。ニックという18歳の兄貴分に憧れ。とんでもないTP能力を持つ10歳のエイヴァリーを可愛がる。
そして、ずば抜けた知性を持つルークは、この施設からの逃亡とこの施設ひいては影の組織の破壊を目論む!
手始めに、ルークは個人的な問題を抱えていた施設の掃除婦モーリーンを助け信頼関係を築く。モーリーンから施設外の逃走ルートを教わる。そして脱出そのものはエイヴァリー達とTPを使ったコミュニケーションで計画を進める。
そして逃亡!GPSを埋め込まれた耳たぶを自ら千切り、野山を駆け抜け、川をボートで下り、フロリダ行きの貨物列車に潜り込む。そして、ほうほうの体でたどり着いたデュプレイ!ここまでが上巻!
施設での非人道的な薬物投与と身体への虐待の数々。施設の残虐非道なくそクズな大人達。その苦痛の中で心を通わせていく子供たちの物語。
上巻から引き込まれました!
しかし、やはりキング作品は後半が命!下巻!
ルークとティムが出会う!
組織の追手がすでにデュプレイに!一気に盛り上がります!
物語は、ルーク&ティムの視点、施設くそクズ連中の視点、まだ施設のダークハーフエリアに捉えられていて命が風前の灯となっているルークの盟友エスパー少年少女たちの視点でシーンチェンジしながら目まぐるしく展開していく。目が離せなくなる!
ここから先、空前絶後のクライマックスに向けて備忘録不要だと勝手に判断!
ルーク&ティムが勝利するに決まっていますからね!でも犠牲が半端ない。これは悲しい!
そして最終章。
この悪の施設と組織が担ってきたミッションは世界平和の維持。その為に子供たちを犠牲にしてきた。
その施設と活動が失われた先の世界の在り様。作者キングの気持ちが深く練り込まれた最終章でした。
キングの思い「大きな出来事でも、動きの軸になるのは小さな蝶番だ」ということですね。
シャイニング、ファイアスターター、デッド・ゾーン的超能力ストーリーと、少年少女が一致団結して巨悪を倒すIT(イット)的ストーリーのミックス!
堪能しました!
そして、忘れずに上下巻の並びを調整しました。一枚の絵になるように。
Posted by ブクログ
ずっとルークとともにいたので、再会した時は町の人とか忘れてました。
後半はド派手アクションといつもの爆発と思いきや…は?え?浮いた!?とかなり驚きました。
例え彼が言うことがある程度真実だったとしても、それは大人がそれぞれの判断で食い止めるべきことで、子供を犠牲にしていいわけじゃないんだよね
Posted by ブクログ
久しぶりにS.キングの作品を読みましたが、上巻の伏線回収、下巻の展開の加速感が最高でした!迷うことなく☆5
キングの終わり方は、作品によってまちまちなので最後までどんな締めくくりなのか、というところも予想しながら読み進めていくのがワクワクしました。
Posted by ブクログ
面白かった!
続きが気になって夜な夜な読み進めたけど、読み終わってからも続きが気になる。
ルーク、カリーシャ、ニック…
みんなのその後を読んでみたい。
どうしてキングが書く少年少女は魅力的なんだろう。
魅力的なのにどこかに居そうと信じさせてくれるところが好き。
Posted by ブクログ
研究所の部屋係のモーリーン・アルヴォースンはバスルームのシャワーヘッドを使って首を吊っていた。そして、彼女が壁に書き残したメッセージ「地獄が待っている。あとからおまえが来るのを待っているぞ。」があった。そしてそのとおり、ミセス・シグスビー達に地獄が迫っていた。下巻はハラハラドキドキだ。ルーク・エリス達の進行とミセス・シグスビー達の進行が交互に綴られ、それに進行時間にも追われてひやひやしたものだ。とても面白かった。
Posted by ブクログ
上巻で研究所を脱出したルークがやっとティムと交わった。追う方と追われる方が交互に書かれて、緊迫感が半端なく、祈る思いで読んだ。
キングは悪人がとんでもなく悪い奴として描いてるので善悪の対比も面白い。超能力者の表現も違和感なく作品にのめり込めた。
Posted by ブクログ
面白かった。夢中で読んだ。
ルークが逃げてティムと合流するの熱すぎる。追っ手にはすぐバレちゃうけど、そうじゃないと銃撃戦起こせないしな。
南部の恐ろしさ面白い。なるほどね。
人があっさり死ぬのはルークの両親からきつかったけど、警察署のみんなも亡くなったの悲しい。でも面白い。
そして、舌っ足らずの男と予知能力。ここらへんはマイノリティリポートのような。まあ未来予知につきものだけど、暗殺の対象がどのように選定されていたのか面白い。というか、ルークの天才さよりノーマルレベルの超能力のほうを欲するというのが破綻してると思うんだよな。いくら天才さより希少な可能性とはいえ。
キングがあとがきで書いてた友人とのエピソード面白かった。亡くなったの残念。
異能機関自体は作中で出てこない名称なので、別の名前が良かったのではと思うけど、難しいな。
連続ドラマでみたい。もっとみんなの背景が見たい。
Posted by ブクログ
素晴らしいほどキングだった!
超能力を持つ子供達を集める謎の研究所。12歳のルークは脱出できるか!?
圧倒的な文章量、でも止まらない。
力を合わせる子供たち、助ける南部の面々。
息もつかせぬ後半の展開。
いつも思う。
キングの作品には必ず愛がある。
読めて幸せだ!
Posted by ブクログ
上下2段の、2巻で長編でしたが
読み出すと止まらなくなります。
SFを読むことが多いのですが
スティーブンキング、久しぶりに
読みたくなって手に取りました。
上下巻の感想として
最後までハラハラします
感情移入、
急げーー!にげてーー!やめてーー!
ってなる。
下巻、悲しかった。
やるせない気持ちが残りました。
なんで???
っていう悲しみを引きずってしまった。
君たちは、決して悪くない!
って言いたい。
未来予知で人を救うのは
確率的に低い
誰もが自分たちで
ある瞬間に立ち会った時、正しい選択をする
そんな人間が増えることを祈るしかない
こうしたら絶対世界中が
平和になるっていう方法があればいいのに。
Posted by ブクログ
後半から面白さが加速して、さくさく読み進めることができました。最悪な展開のバッドエンドを迎えることがなくてひとまず安心。現実にもありそうな設定に流石だなと思います。
Posted by ブクログ
面白かった!!下巻、訳文章にも慣れてきて加速したわ。
ティムがチェスのピースナイトとして配置されてた、ちゅうのもシャイニングなんかもしれんが、そこのところもそっとなんか欲しかったかも。まあ、さらになんかあったらあと2巻ぐらい増えそうではあるが(笑)。結局”インスティテューション”がなんなんか、どこが元締めなんかぬるっとしてはいて、ラストがモヤっとはするが、そうそう、これよね、このラストよね、とも思った。久々の普通のSFというか伝奇もの。
ルークにはアベンジャーになってほしい(笑)
設定の中で、”異能”の子供を探すのに、BDNF、脳由来神経栄養因子の数値を使うというような話がでてくるんだが、まさに、うちのファミリーでBDNFの研究しているのが居るのでちょっとウケた。タイムリーやったわ。
というわけで、
酒粕や酒麹でシャイニング、
異能/超能力は育成できるのか?!?!
(できません)
しかし、あま酒を
飲んでみようと思います
(だから只健康になるだけですって)
超能力に憧れるわ
(厨二か!)
Posted by ブクログ
わかってるんだよ。全てがまるくは収まらないし、全てハッピーエンドって訳にもいかない、それがキングの作品だって。とはいえやっぱり哀しみは深いし喪失感は拭えない。モヤモヤも残る。ひと夏の冒険にしては壮絶すぎる生死をかけた戦いなのに、スタンドバイミーを彷彿とさせるキラキラ感を纏っていたり、あるいは夏の思い出で終わらせてしまいそうですらあるエンディング。それが僅かな希望なのか、絶望なのか、それすらわからなくなるようで、わたしは一体正義の大人でありえるのか?と問われているようで怖くもある。たとえ、散ろうとも戦う道を選んだ子供たちの純粋さと強さに敬意と精一杯の愛を。
Posted by ブクログ
二段組の上下巻を読むのは久し振り。ボリューム感。でも、さすがキング 。ありありと情景の浮かぶ細かい描写が全然煩くない。テンポが良くて、先も気になるからどんどん読める。
何のために子どもたちが連れ去られているのか。子どもたちに何が起こっているのか。子どもたちは救われるのか。
気になって気になって、なかなか本を置くことができなかったので、連休でほんと良かった。
こうなってくると、またボリュームのあるものを読みたくなってくる…。
Posted by ブクログ
原題は「the institute」
研究所というタイトル通り、巨大な組織の末端に過ぎない、メイン州の山奥の研究所が舞台の、少年少女の冒険劇。
下巻は、襲撃し襲撃される大人たちの戦いもあり、いやこれ、ラストどこまで書くんだろうと不安になるほど壮大な背景世界もあったりして、飽きさせない。
結末は予想外の落ち着いた閉じ方。
初めてキングの小説を読んだけど、やっぱり映像化と相性のいいんだろうな、と思った。
簡潔かつスピーディな描写力と、ファンタジックな展開、魅力的なキャラクター造形は、一級エンタメ作家たるゆえん。
別の作品も読んでみたい。もちっと安価なものであればなおいい。
Posted by ブクログ
下巻読んで思ったのは上巻は起承転結で言うと起と承の半ばくらいで、下巻はそれ以降がドドドとジェットコースターのように展開するのでページ捲るのが止められなかったという事です。
逃避行の末の二人の主人公の邂逅、〈研究所〉からの追手の襲撃、その裏で起こる〈研究所〉での子供達による反乱といった数々の出来事がキングの筆致で描かれるし、さらに過去作品のキーワードもチラチラと差し入れたりしてファンとしてニヤニヤも止まりませんでした。
ほぼ同じ時間での逃げる側と追う側の話を交互に並べる事、一つの出来事を複数の視点で描写する手法を何度も使って緊迫感や臨場感を煽るの本当に上手いなと思ったり、〈研究所〉の大人が子供を人間として見ない様の悍ましさや、後半の子供同志の友情から生まれる祈りの気持ちの結末がなんとも切なかったり(エイヴァスター!)と、読んでいて感情が様々な方向に揺さぶられました。
自分は今作をキング復帰作として久々に読ませてもらいました。
ファンには勿論ですが、登場人物も少ない方ですし、ストーリーもなかなか起伏に富んでキング入門作としても良いかなと思います。
名前は聞いた事あるけど、という方はこの機会に是非。
Posted by ブクログ
いやあ、下巻に入っても失速するどころかどんどん加速していくので、途中で止めることができなかった。
さすがにストーリーに触れることはできないが、本書で描かれているのは“超能力”だ。キングには『キャリー』や『ファイアスターター』など超能力者が主人公の作品も多く正に原点回帰だが、スケール感がまったく異なる。
彼らの目的が手段を正当化するとは思わないが、そう来たかと唸った。こんな大義名分があればなんでもできちゃうよね。
Posted by ブクログ
「異能機関(下)」(スティーヴン・キング : 白石 朗 訳)を読んだ。
覚醒してスプラッターにもなったし、頭脳戦でチェックメイトもした。
『全米ライフル協会』が喜びそうな部分もあり、『AKIRA』とか『童夢』を彷彿させる部分もあり、まあいろいろだね。
『いろいろって?』
『いろいろはいろいろさ』
読後感はまず満足できるものでありました。
Posted by ブクログ
エグいテンポにはもうキングとしか言いようがない。この疾走感。序盤のゆっくりな展開から、流れるようなテンポ。最後は少し冗長かなと思ったけど、あれもひとつのメッセージとして含んでいるのがよかった。もっとこんな作品を書いてほしいー
Posted by ブクログ
後半になって一気にスピードアップ。
ルークと研究所の仲間たちの場面が交互に描かれ、なかなかスリリング。
ただ犠牲者が多すぎるのがちょっと残念。
全体的には面白かった。