白石朗のレビュー一覧

  • もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ

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    4.0 久々に読んだキング。中篇2篇だが、ほぼ長編作品。シリーズになっているみたいでわからないところがいくつかあっが楽しめた。身近なところから恐怖を題材にできる天才的作家。作家の苦悩を描いたラットは読ませる。

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    2026年08月11日
  • 任務の終わり 下

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    ネタバレ

    バビノーの身体に乗り移ったブレイディが起こすゲームマシンを使った自殺煽動。物語は完全にホラーへと転調し、クライマックスの絶体絶命の状況と一発逆転のカタルシスはまさにキングのお家芸である。ホッジズの脾臓癌はより深刻なレベルに達しており、その痛みは作中を貫いて行動に制限をかけているが、その痛みに堪えて進むあたりが第一作のハードボイルド路線の名残を感じさせる。メルセデスキラーで多数の人間を轢殺した男が、最後雪上車で胴体を踏み潰されるというのも皮肉的なオチであり、手堅く纏めた印象こそあるものの、とにかくキング濃度が高い作品だった。

    それと同時に本作は探偵ホリー・ギブニーのオリジンを締め括る話であり、

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    2026年08月06日
  • もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ

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    表題作の長編「もし血が流れれば」と中編「ラット」の二編を収めた分厚い一冊。もちろん、読み応えたっぷり。
    まずは、中編の「ラット」から。短編小説では評価されたが、作家としては鳴かず飛ばずの大学教授ドリュー。ある日降ってわいた長編小説を書きあげるべく、父の遺した山奥の別荘へ自らカンヅメになりに行く。キングお馴染み、作家の夢断てぬ教員、山奥の別荘、不吉な大嵐、不運な体調不良のフルコンボ。タイトルのラット(ネズミ)が現れるのは後半、しかも意外な展開。「キングあるある」の予想を覆す(というか、我々読者が先を読めるわけがないのだが)筋書と結末に「参りました~」とひれ伏すしかないのでした。
    表題作の「もし血

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    2026年07月22日
  • 11/22/63(下)

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    ネタバレ

    JFKに夢中になった世代ですし、タイムスリップとかパラドックスとか大好きなので、ケネディ暗殺を阻止するの?したらどうなるの?とワクワク読み始めたのですが、なかなか暗殺のシーンまで辿り着かない!!!

    でも2回目に過去に戻ると、前回変えた部分が元に戻っちゃう設定が面白い。あっさり過去に生きる事を決めちゃう(現代と行き来して試行錯誤しない)主人公も私にはない感覚。想像していたケネディ暗殺やタイムスリップのお話というより、恋愛や教育や人生のお話として楽しみました。

    グレンミラーのインザムードをBGMに、子供の頃にあこがれていた映画の中の古き良きアメリカに没頭できる作品だった

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    2026年07月19日
  • アウトサイダー 下

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    上巻は証拠と証言が積み重なっていく緻密なミステリーとして引き込まれましたが、下巻では一転してホラー色が強まり、その大胆な転調には驚かされました。好みが分かれそうな展開ではあるものの、私はこの切り替えを違和感なく楽しむことができました。

    そして何より印象的だったのが「ホリー」。後半は完全に彼女が物語をさらっていったように感じました。冷静な観察力と独特の雰囲気がとても魅力的で、「もっとこのキャラクターの物語を読みたい」と思わせる存在でした。ビル・ホッジズ三部作は未読なのですが、本作を読んでぜひ手に取ってみたくなりました。

    下巻は終始ハラハラする展開が続き、不気味な描写も相まって、読後もしばらく

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    2026年07月15日
  • 異能機関 下

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    上巻と違い展開が早く面白く読めた。
    ルークの逃走はかなりドキドキするし、ティムに助けられて本当によかった。
    最後、ルークがベルヌーイ分布を用いて、予知と予知のあいだの時間が長くなればなるほど予知が現実のことになる確率は低下し始める。ことを説明するところで
    実はルークは天才少年だったんだと思い出した。
    最後きれにまとまってよかった。

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    2026年07月07日
  • 任務の終わり 上

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    ネタバレ

    今までのハードボイルド・ミステリだったのが一転、超常ホラーへと移り変わる本作だが、その移行が非常にスムーズかつ違和感がまるでないことに驚いてしまった。やはり書き手がキングであるせいかホラーの大家らしい本領発揮といった感じの筆の乗り具合であり、まともに見えた世の中でも一皮捲れば常識では説明のできない薄ら寒さや運命としか呼ぶことのできないものがある。

    入院した連続殺人鬼ブレイディが目覚めて、念動力と相手の中に入って精神を操る術を獲得するくだりはこうして書いてみると荒唐無稽ではあるのだが、いざ読むと当たり前のこととして受け入れて読んでしまうのは自分でも笑ってしまった。相手を操るくだりはゲームボーイ

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    2026年07月06日
  • もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ

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    恐怖との距離が近い… 背中にゾワゾワ感が押し寄せてくるスティーヴン・キングのモダンホラー最新作

    ●もし血が流れれば
    ■あらすじ
    学校で爆弾事件が発生、被害者がでた痛ましい事件をレポーターが報道している。そのニュースを見ていた探偵ホリー・ギブニーはある疑念をもつ。このレポーターが犯人ではないか? ホリーは調査を進めるも、監視カメラに写っていた怪しい人物とレポーターは全く容姿が違っていた…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    本作のイチオシは、なんと言っても主人公のホリーですよね。不器用ながらも一生懸命に前を向いて頑張っている姿が、とにかく健気でキュートなんです!

    親との関係があまり良くないせいで

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    2026年07月04日
  • ファインダーズ・キーパーズ 下

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    ネタバレ

    前作と比較すると話のスケール感自体はこじんまりとしているものの、流れている時間軸自体はゆうに30年を超えており、そこで物語の厚みを生むと同時に脱獄犯モリスの未発表原稿に対する執念がひしひしと伝わってくる。

    前作主人公が完全に脇役というのは好みが分かれるものの、高校生に過ぎない少年が殺人も厭わない脱獄犯と対峙するというのは緊迫感があり、中盤から後半にかけてのドライブ感は凄まじく、一気に読み終えてしまった。超常現象は起こらないものの、スマホ社会になっても「すれ違い」の作り方が非常に上手く、ピート、モリス、ホッジズの三人称多元視点を活かした追うものと追われるものの構図の作り方には息を飲んでしまった

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    2026年06月29日
  • もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ

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    ネタバレ

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    クリスマス間近、ある中学校に届けられた小包み。姉妹校からのクリスマスプレゼントかと思われたそれは爆弾だった。多数の子どもたちが死傷したという臨時ニュースを、私立探偵のホリー・ギブ二ーは事務所のテレビで目にする。どの局よりも早く爆発現場からレポートするTVキャスター。ホリーはこのTVキャスターに違和感をおぼえる…。

    「あの怪物に、はたしてひとりで立ちむかえるだろうか-?」

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    声を大にして言いたいのは前作の「アウトサイダー」を読んでからがいいよ! ほんのり(ほんのりかな?けっこうガッツリ?)前作のネタバレがあります。

    そして小声でこっそり言っち

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    2026年06月25日
  • ビリー・サマーズ 下

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    ネタバレ

    上巻から一転して下巻の進みの早いこと早いこと。
    波に飲まれるように一気に読み終えてしまった。
    最後は涙なしでは読めなかった。

    解説で、物語を書くこと、誰が何を書くことの意味を感動的なドラマとして描くとに挑んだと書かれていたが、本当にそうだった。

    すごいいい話を、読ませてもらった。

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    2026年06月21日
  • 任務の終わり 下

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    ミスターメルセデス3部作のいよいよラスト。
    自分的には2作目が1番面白かった。
    今回の3作目はホラーテイストに振ったお話。
    とはいえ怖くて仕方ないようなものではありません。
    ブレイディとホッジスのラストの対決も確かに
    気になりますが、事件が一件落着した後の後日譚の
    方が気になりました。ジェロームと共にホリーも
    これから活躍してほしいですね。

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    2026年06月19日
  • ファインダーズ・キーパーズ 上

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    ネタバレ

    ホッジス三部作の二作目。前作の犯人であるメルセデス・キラーの余波や影響を感じつつも、不景気の底が抜けたアメリカを舞台に、作家を殺して大金と未発表原稿のノートを奪って隠した犯人と、数十年後に離婚寸前の家族に悩む少年が隠されたそれらのお宝を見つける物語が交互に描かれていく。

    上巻では前作主人公はほぼ脇役かつ、派手な展開はほとんどないものの、それでも読ませるぐらいにこの二つの物語が面白く、稀代のストーリーテラーらしいキングの筆の乗りっぷりが凄い。少年ピートも犯人モリスの両者を通してキングの文学に対する敬意と可能性を感じる部分もあり、他責思考でアル中のクズであるモリスが、刑務所内で手紙の代筆屋として

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    2026年06月18日
  • もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ

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    表題作は、ファインダーズものとは思わずに読み始めたけど面白かった。ホリーどんな人だったっけ?とうろ覚えすぎたけど。良くも悪くも初期の短編とかの人間外の不気味さ全面と、映画的ハッピーエンドでサクッと楽しめた。ラットは作家の苦悩と欲望が垣間見えるのも良き。大体教師とか講師しつつ、作家してるよね。こういうところやエージェントがいるのが日本作家と違うところでそういった点が知れるのも楽しい。

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    2026年06月17日
  • ミスター・メルセデス 下

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    ネタバレ

    大富豪の未亡人とのアバンチュールと危険な調査は悲劇的な結末を迎えてしまう。かなり衝撃的である反面、ヒロインの死によって本作のハードボイルド・ミステリとしての強度が一層高まったように思ってしまう。本作の犯人であるブレンディは車での無差別轢殺犯と見せかけて、その実コンピューターに精通した爆弾魔という造形が面白く、母親との異常な性的な関係といい、犯人像として妙に生々しくて良かった。他にも調査に協力するホリーは俗にいう精神疾患を抱えた「子供部屋おばさん」なわけだが、こういう人物像のキャラクターが主役級の活躍をするのがキング作品の面白いところだと思う。

    ただ、クライマックスで主人公が心臓発作を起こして

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    2026年06月09日
  • フェアリー・テイル 下

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    なるほど,ハッピーエンド,フェアリーテイル,冒険譚.
    コロナ禍に,幸せにする本を,と書かれたものらしい.
    ちょっと子供心,ナルニア国物語を読んだ時の雰囲気を思い出した.

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    2026年06月08日
  • ビリー・サマーズ 下

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    大好きなキング作品でしかも今回は厨二心をくすぐる設定だ!と思ったのですがちょっと主人公にとって都合が良すぎたかな、と思いました。
    いつも通り面白かったですが、「特別」ではなかったです。

    殺し屋が小説を書く。
    これで引退(漢の最後の仕事)という設定。
    技術と経験で敵を出し抜いていく。
    本当はそうではないのに周りには頭が悪い、と思わせている。
    助けてしまった少女から好意を向けられる。

    男の子やおじさんが好む設定(もちろん僕も)ですが実はそれよりも期待していた、それらを吹き飛ばす位の出来事や追い詰められたり絶望を感じる描写がなかったのが物足りなかったです。
    キング作品の主人公なのに。暗黒面に堕ち

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    2026年05月28日
  • フェアリー・テイル 上

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    最初,どこがフォアリーテール?と思ったら.途中からがっつりフォアリーテールだった.
    しかし,どんなフォアリーテール?と聞かれたら答えに窮するような,「スティーブン・キングらしいフォアリーテール」と答えるような.
    とりあえず皆んないいキャラしている.

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    2026年05月15日
  • ミスター・メルセデス 上

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    ネタバレ

    事前情報を一切知らずに読み始めております。

    物語の中で、メルセデス・ベンツで求職者の人々の列に突っ込んで無差別大量殺人を犯したブレイディ・ハートフィールドは「メルセデス・キラー」のニックネームを名乗っておりますが(マスコミに付けられた、といいますか)、何故にこの本のタイトルは「ミスター・メルセデス」なんだろう?そこの違いには、なにか意味があるのか?下巻まで読んだら、分かるかもしれませんね。とりあえず下巻が楽しみです!

    この作品、原作は、アメリカで2014年に刊行されているそうです。2026年現在からすると、まあまあ最近な気もします。

    で、上巻を読んだ時点で、なんとなく一番近しい雰囲気を感

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    2026年05月13日
  • 悪夢工場

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    この悪夢感のある装丁、アングラ的でいいですねえ。トマス・リゴッティはブラムストーカー賞を4度も受賞している作家で、期待して私も初めて読みました。

    9つの短編からなる短編集です。最初の短編「戯れ」。刑務所の精神科医になったドクターが連続殺人鬼の囚人と面会する。彼は殺人だけでなく脱獄の前科もあり、おかしなことを言う。ドクターは囚人の精神科治療の改善を訴えて赴任してきたが、この囚人と話すうちに途轍もない不安に取り憑かれ、帰宅して幼い娘を寝かしつけたあと妻に仕事を辞めることついて話すが…。気が狂いそうになる結末。読んでいて小さな不安が頭の中に生まれ、杞憂だったかとほっと胸を撫で下ろしたところで急に床

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    2026年05月08日