白石朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ今までのハードボイルド・ミステリだったのが一転、超常ホラーへと移り変わる本作だが、その移行が非常にスムーズかつ違和感がまるでないことに驚いてしまった。やはり書き手がキングであるせいかホラーの大家らしい本領発揮といった感じの筆の乗り具合であり、まともに見えた世の中でも一皮捲れば常識では説明のできない薄ら寒さや運命としか呼ぶことのできないものがある。
入院した連続殺人鬼ブレイディが目覚めて、念動力と相手の中に入って精神を操る術を獲得するくだりはこうして書いてみると荒唐無稽ではあるのだが、いざ読むと当たり前のこととして受け入れて読んでしまうのは自分でも笑ってしまった。相手を操るくだりはゲームボーイ -
Posted by ブクログ
恐怖との距離が近い… 背中にゾワゾワ感が押し寄せてくるスティーヴン・キングのモダンホラー最新作
●もし血が流れれば
■あらすじ
学校で爆弾事件が発生、被害者がでた痛ましい事件をレポーターが報道している。そのニュースを見ていた探偵ホリー・ギブニーはある疑念をもつ。このレポーターが犯人ではないか? ホリーは調査を進めるも、監視カメラに写っていた怪しい人物とレポーターは全く容姿が違っていた…
■きっと読みたくなるレビュー
本作のイチオシは、なんと言っても主人公のホリーですよね。不器用ながらも一生懸命に前を向いて頑張っている姿が、とにかく健気でキュートなんです!
親との関係があまり良くないせいで -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作と比較すると話のスケール感自体はこじんまりとしているものの、流れている時間軸自体はゆうに30年を超えており、そこで物語の厚みを生むと同時に脱獄犯モリスの未発表原稿に対する執念がひしひしと伝わってくる。
前作主人公が完全に脇役というのは好みが分かれるものの、高校生に過ぎない少年が殺人も厭わない脱獄犯と対峙するというのは緊迫感があり、中盤から後半にかけてのドライブ感は凄まじく、一気に読み終えてしまった。超常現象は起こらないものの、スマホ社会になっても「すれ違い」の作り方が非常に上手く、ピート、モリス、ホッジズの三人称多元視点を活かした追うものと追われるものの構図の作り方には息を飲んでしまった -
Posted by ブクログ
ネタバレ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
クリスマス間近、ある中学校に届けられた小包み。姉妹校からのクリスマスプレゼントかと思われたそれは爆弾だった。多数の子どもたちが死傷したという臨時ニュースを、私立探偵のホリー・ギブ二ーは事務所のテレビで目にする。どの局よりも早く爆発現場からレポートするTVキャスター。ホリーはこのTVキャスターに違和感をおぼえる…。
「あの怪物に、はたしてひとりで立ちむかえるだろうか-?」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
声を大にして言いたいのは前作の「アウトサイダー」を読んでからがいいよ! ほんのり(ほんのりかな?けっこうガッツリ?)前作のネタバレがあります。
そして小声でこっそり言っち -
-
Posted by ブクログ
ネタバレホッジス三部作の二作目。前作の犯人であるメルセデス・キラーの余波や影響を感じつつも、不景気の底が抜けたアメリカを舞台に、作家を殺して大金と未発表原稿のノートを奪って隠した犯人と、数十年後に離婚寸前の家族に悩む少年が隠されたそれらのお宝を見つける物語が交互に描かれていく。
上巻では前作主人公はほぼ脇役かつ、派手な展開はほとんどないものの、それでも読ませるぐらいにこの二つの物語が面白く、稀代のストーリーテラーらしいキングの筆の乗りっぷりが凄い。少年ピートも犯人モリスの両者を通してキングの文学に対する敬意と可能性を感じる部分もあり、他責思考でアル中のクズであるモリスが、刑務所内で手紙の代筆屋として -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ大富豪の未亡人とのアバンチュールと危険な調査は悲劇的な結末を迎えてしまう。かなり衝撃的である反面、ヒロインの死によって本作のハードボイルド・ミステリとしての強度が一層高まったように思ってしまう。本作の犯人であるブレンディは車での無差別轢殺犯と見せかけて、その実コンピューターに精通した爆弾魔という造形が面白く、母親との異常な性的な関係といい、犯人像として妙に生々しくて良かった。他にも調査に協力するホリーは俗にいう精神疾患を抱えた「子供部屋おばさん」なわけだが、こういう人物像のキャラクターが主役級の活躍をするのがキング作品の面白いところだと思う。
ただ、クライマックスで主人公が心臓発作を起こして -
-
Posted by ブクログ
大好きなキング作品でしかも今回は厨二心をくすぐる設定だ!と思ったのですがちょっと主人公にとって都合が良すぎたかな、と思いました。
いつも通り面白かったですが、「特別」ではなかったです。
殺し屋が小説を書く。
これで引退(漢の最後の仕事)という設定。
技術と経験で敵を出し抜いていく。
本当はそうではないのに周りには頭が悪い、と思わせている。
助けてしまった少女から好意を向けられる。
男の子やおじさんが好む設定(もちろん僕も)ですが実はそれよりも期待していた、それらを吹き飛ばす位の出来事や追い詰められたり絶望を感じる描写がなかったのが物足りなかったです。
キング作品の主人公なのに。暗黒面に堕ち -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ事前情報を一切知らずに読み始めております。
物語の中で、メルセデス・ベンツで求職者の人々の列に突っ込んで無差別大量殺人を犯したブレイディ・ハートフィールドは「メルセデス・キラー」のニックネームを名乗っておりますが(マスコミに付けられた、といいますか)、何故にこの本のタイトルは「ミスター・メルセデス」なんだろう?そこの違いには、なにか意味があるのか?下巻まで読んだら、分かるかもしれませんね。とりあえず下巻が楽しみです!
この作品、原作は、アメリカで2014年に刊行されているそうです。2026年現在からすると、まあまあ最近な気もします。
で、上巻を読んだ時点で、なんとなく一番近しい雰囲気を感 -
Posted by ブクログ
この悪夢感のある装丁、アングラ的でいいですねえ。トマス・リゴッティはブラムストーカー賞を4度も受賞している作家で、期待して私も初めて読みました。
9つの短編からなる短編集です。最初の短編「戯れ」。刑務所の精神科医になったドクターが連続殺人鬼の囚人と面会する。彼は殺人だけでなく脱獄の前科もあり、おかしなことを言う。ドクターは囚人の精神科治療の改善を訴えて赴任してきたが、この囚人と話すうちに途轍もない不安に取り憑かれ、帰宅して幼い娘を寝かしつけたあと妻に仕事を辞めることついて話すが…。気が狂いそうになる結末。読んでいて小さな不安が頭の中に生まれ、杞憂だったかとほっと胸を撫で下ろしたところで急に床 -
Posted by ブクログ
ネタバレエドガー賞を受賞した、太っちょの退職刑事がシリアルキラーを追い詰めるキング渾身の長編ミステリ。冒頭の求職者の群れにメルセデスベンツが突っ込む陰惨な幕開けは素晴らしく、キングの描写力は随一だと実感する。全編に渡っての空気はかなりのハードボイルドであり、翻訳文で読んでも普段のキングの軽口に混じって地の文は歯切れが良く、古き良きハードボイルド小説らしい読み味がある。犯人の被っていたマスクがITのペニーワイズと同じデザインというフィクションの形での過去作言及は珍しく、いつものキングユニバースとはまた違った世界観なのも面白い。
犯人像は早々に明かされ、そこから退職刑事と犯人という二人の行動が交互に描か -
-