白石朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最初の「戯れ」でセンセーショナルに見せつけられ、あとはじわじわドキドキ。
難解で哲学的で芸術的で、なかなか理解できず読み返すこともしばしば。はっきり理解したいけど、それができるようになってしまったら、もう引き返せない気がする。終始不気味で薄気味悪い。曖昧で退廃的。
もみくちゃで意味わかんなくて、この世の終わりって感じ。
感想を言おうとしたらぼんやりした言葉しか出てこない。読解力がないせいかも。
道化師の最後の祭り、魔力、ツァラルが印象深かった。
赤塔はまさにこの本の自己紹介って感じ。
あとがきで、リゴッティが評価され第二集第三集と続いてくれたらと書かれており、同じく私もそれを期待してます。 -
Posted by ブクログ
長かったー。2段組の小説なんて久しぶり。細かい描写が多すぎてもっと文字数減らしても話の筋は通るのでは…と上巻の最中は思ったけれども、下巻からはハイスピードで物語が進み始めて読む手が止まらなかった。あの上巻じれったくなるご近所さんとの平和な日常や子供たちとの時間は下巻への伏線だったと、今なら分かる。
物語の背景では、アメリカの所得階層と生活レベルがよく分かるし、銃とドラッグが合法的な文化ならではの不幸もよく読み取れる。トランプとメディアのことも。
スティーブン・キングの作品は初めて読んだ。心に残る作品だと思う。しばらくじっくりと余韻に浸りたい。隅々にまで本当らしさを感じる作家だと思う。悪人を -
Posted by ブクログ
赤の背景に黒文字という装丁の強いコントラストに惹かれ、手に取った。ホラー小説を好んで読むことはこれまでなかったが、本作では、良くないことが起こりそうな予兆や理屈の通らない現実、物語全体に漂う不穏で不明瞭な感覚を味わうことができた。
未知の世界に足を踏み入れるようで刺激的であり、不穏さそのものを楽しむこともできた。しかし、ラストに読んだ「赤塔」は苦しかった。読み進めながら、どこかで理解することを拒んでいた。嫌悪ではないけれど、これ以上は踏み込めないという感覚があった。それは恐怖だったのかもしれないし、世界そのものが歪んでいるという感覚に耐えきれなかったのかもしれない。
あとがきによれば、リ -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ長年一つの学校に勤め続け、もはや存在が学校の伝統そのものになってしまった、チップス先生。
教師としては平凡な存在であるように書かれているけれど、長く一つのことを続けることと、どんな状況においてもユーモアのセンスを忘れないことは、得難い長所であると思う。
特に、戦時下で敵の攻撃を受けながら授業を続ける中で、生徒を一笑いさせる場面に「この人本物だ、、」と思わせる強靭さを感じた。
悲観的な状況でこそ、外からくるものに飲み込まれず、ユーモアを手放さない力強さを自分も養っていきたい。
中編くらいのコンパクトな文量に、あまり好き嫌いの分かれなそうなテーマと親しみやすい文体、最低限チップス先生だけ把握でき -
Posted by ブクログ
イギリスの裕福な家庭の子供たちが通う歴史の古いパブリックスクールで、先生を務め終え退職後も母校の隣に住んでいたチップス先生の回想録。
最近文庫でもページ数の多いものに疲れてきたので、この100ページちょっとの本ならすぐに読めるかなと思って。
先生は、次々に卒業していく子供たちには、真面目で平凡な紳士と思われていたが、授業は後々まで語られるくらい冗談交じりの愉快なものだった。
独身者の寮に、退職まで長く住んでいたが、若い頃に一度結婚したことがあった。山で知り合った、キャサリン・ブリジスという女性で、この明るく聡明で、美しい人はすぐにみんなの人気者になった。
彼女の影響でチップス先生も注目さ -
Posted by ブクログ
下巻の要約は本書カバー見返しに書かれてあるとおり。追われる身となり潜伏中のアパートで、ビリーはある雨の夜、男たちから酷いことをされた女の子アリスを助けてしまう。
仕事の残りの支払いはされず、傷ついた女の子を追い出すわけにもいかず、ビリーは身動きを取りづらい状況に追い込まれるが、自分をはめた連中、そしてアリスを傷つけた男たちへの制裁に、ビリーは仕事の相棒バッキーの手を借り、動き出す。自伝の続きを執筆しながら。
さて、ここから少しネタバレモード。
ビリーが助けた女の子アリス。21歳になったばかりというが、見た目はティーンエイジャーにも見える美少女。アリスといえば、キングの作品では『セル -
-
Posted by ブクログ
読書備忘録966号(下)。
★★★★★。
やっと読み終わりました。
キング作品は時々菊版(A5よりちょいデカい)で出版される。
今作がこのサイズ。
このデカいサイズで更に上下段組。300pとはいえ、進まん!全然ページが進まん!
1日50pが限界!
そんなことはおいといて。
フェアリー・テイル。
すなわちおとぎ話です。ディズニーの世界です。
言ってみれば鏡の国のアリスです。
いやいやちゃいます。
表紙絵を見てください。
藤田新策さんの絵ですよ。
確かに向こうに王国を統べる王家が住んでそうな城がありますけど、不気味すぎて・・・。
そしてあたり一面罌粟の花・・・。
犬くらいのサイズのあるコオロ -
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2025年の40、41冊目は、スティーヴン・キングの「ビリー・サマーズ」です。キングの作品を読むのは、「アウトサイダー」以来でしょうか。この作品は、キングお得意の超能力もホラーも有りません。至って普通の小説です。上下巻、2段組みの構成で合計600ページ以上有りますが、流石にキングです。読ませます。作家人生の最終盤に向かいつつあるキングの最後の傑作と言って良いかも知れません。
主人公は、元軍人でイラク帰還兵の凄腕の殺し屋ビリー・サマーズです。ビリーは、ある人物の暗殺を依頼され、それを最後の仕事と決めて引き受けます。最後の仕事と云うベタな設定ながら、そこはキングです。最後は思いも寄らない所に着地し -
-
-
Posted by ブクログ
高校生のチャーリーはある日、近所の怪しい屋敷に住む老人を助け、生活の支援をすることになる。謎めいた老人、ミスター・ボウディッチとその飼い犬レイダーと親交を深めるうち、チャーリーは奇妙なことに気づき始めた。庭の小屋から聞こえる不審な物音、そしてミスター・ボウディッチが所有する大量の黄金。彼はいったい何者なのか。そして始まる異世界への冒険にわくわくさせられるファンタジーです。
偏屈に思えたミスター・ボウディッチですが、読むごとに魅力が増してきます。そしてなんといってもレイダーが可愛くて健気でたまりません。もちろん彼らとどんどん親しくなるチャーリー、彼が一番魅力的。幼少期に様々な苦難を乗り越えただけ -
Posted by ブクログ
異世界エンピスで、死に瀕したレイダーを救うことに成功したチャーリー。しかしある者の罠により、チャーリーは囚われの身となる。牢獄で行われる残虐な競技を生き抜き、チャーリーは世界に平和をもたらすことができるのか。異世界ファンタジー全開の下巻です。
ハッピーエンドの物語だということは最初から公言されているものの、それでもどきどきが止まらない展開です。牢獄の息詰まるような生活、その中で行われる「大一番」の恐ろしさ、そして囚人たちと団結しての、敵との闘い。どれもこれも読む手が止まりません。数々の「おとぎ話」をモチーフとした、いわばお約束のようなエッセンスが大量にありながら、しかし意外な展開も満載。強大と -
Posted by ブクログ
2025年に読んだ本の中で、最も「読んでよかった」と思った上下2巻であった。
スティーヴン・キングというとホラーの巨匠、話題の映画化小説を何冊も生み出した大作家の印象が強く手を出すのに気遅れしていたが、こちらはこのミス2025年版海外編にランクインしていたため手に取った。
とても面白く上下巻一気に通読(あえて言うなら、ミステリーというよりはサスペンスのような?)。主人公が殺し屋ということもあってアリスを迎えてからの後半は映画レオンを彷彿とさせる部分もあったが、ビリーとアリスの別れ際の情景の美しさが目に浮かび、個人的にはこちらの方こそ映画の大画面で見たいものだと思った。上巻を読んでいるときはま