白石朗のレビュー一覧

  • ドクター・スリープ 下

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    ネタバレ

    ダニーとアブラの出会いと、真結族との戦いが幕を開ける下巻。前作、シャイニングを『エイリアン』とするなら本作はさしずめアクション要素マシマシの『エイリアン2』といった塩梅であり、幽霊屋敷という閉鎖空間での恐怖が売りの前作と違い、本作は超能力バトルものでジャンルが全然違う。

    この手の異形のものたちとの戦いにしては珍しく、アブラの両親も巻き込まれる形になったのはかなり斬新で、何の繋がりもない少女と中年の男という取り合わせのまずさは日本ならともかくアメリカではかなり厳しいというのもあってか、そうした見られ方をする危険性は示唆しつつも、そのあたりのことで胃がキリキリするような展開にならなかったことには

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    2025年06月12日
  • 異能機関 上

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     夜回りの男。そして、天才でありながら本当にごく些細な超能力少年にスポットライトを当てた物語。ほとんどが少年視点の話であり、少年の身にふりかかる不幸とそれに立ち向かう勇気。超能力物を書かせると右に出るものはいないキング様の作品。下巻も楽しみです。

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    2025年06月11日
  • ドクター・スリープ 上

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    シャイニングの惨劇から40年後。予後は非常に悪く、父親の喪失だけでなくシャイニングこと「かがやき」の能力に苦しんで父親と同じアル中になっているダンがとても切ない。オーバールックホテルでの悲劇は人生のわずか一部分でありながらもその影響は甚大で、物語が始まる前の語られていない重みを感じるのはさすが。上巻はどん底からの出会いとそこから10年かけての禁酒と再起。ダンと同じく強力なかがやきを持つ異能の少女アブラの成長劇という二本立てで物語は進んでいく。

    背後で暗躍するかがやきを吸い取るジプシーの一族「真結族」が非常に不気味でありながら、頭目であるシルクハットの女性ローズ・ザ・ハットのキャラクターが素晴

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    2025年06月11日
  • 11/22/63(上)

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    ネタバレ

    タイムトンネルを潜って60年代のアメリカに行き、ケネディ暗殺の真犯人を突き止めて暗殺を阻止する物語。上巻の時点ではまだそこまではいかず、父親に家族を皆殺しにされた校務員のハリーの過去を変える話と、前任者のアルが変えた誤射で半身不随となったキャロリンの過去を変える話が中心である。中盤にはあの忌まわしき町である「デリー」が出てきて、年代がピタリと付合するのでまさかと思ったら『IT』のルーザーズクラブのリッチーとベティが出てきたことには驚いてしまった。ピエロの恐怖が去った後であるとはいえ、相変わらずデリーの描写とそこに住まう悪徳の影響を受けた人間のおぞましさは読んでいてゾワゾワしてしまう。

    まずタ

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    2025年05月26日
  • ビリー・サマーズ 下

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    スナイパーの話なのに物悲しさを帯びた切ないストーリー。
    ボブザネイラーとエライ違いだ。
    話の方向性が全く違うけど「極大射程」に匹敵するほど面白かった。続編はあり得ないけど前日談も面白いのでは。

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    2025年05月08日
  • 異能機関 下

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    GW中、積読の中から一番長編を読もうと思い、手に取った作品です。12歳のルークという天才少年が、【研究所】と呼ばれる施設から脱走するという物語です。上巻の中盤まで、割とスローペースで話しが進みますが、ルークが【研究所】で苦痛をともなう検査を受ける辺りから、先の展開が気になり、スルスルと読み進められました。
    【研究所】から脱走したあと、ルークの逃走劇にハラハラし、【研究所】に残された子どもたちがどうなるのか、またハラハラさせられ、下巻は一気読みでした。結末はバッドエンドではないものの、切なさが残る読後感でした。
    スティーヴン・キングが描く、子どもたちの群像劇がとても良い。個人の小さな力でも、それ

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    2025年05月06日
  • ビリー・サマーズ 下

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    読書備忘録915号(下)。
    ★★★★★

    【再掲】キングですから。★の数は。
    本作はスーパーナチュラルな要素のない普通のクライムサスペンス小説。

    改めて、主人公は凄腕のスナイパーで殺し屋のビリー・サマーズ。
    殺し屋家業を引退することに。
    最後の仕事のターゲットは殺人事件で収監されている殺し屋ジョエル・アレン。

    狙撃でターゲットを仕留めるビリーとして、いつどこで狙うか?
    依頼者のニックから、裁判所に入る一瞬を狙ってくれと。

    ビリーは小説家デイヴィット・ロックリッジとして裁判所が見下ろせるビルに事務所を構える。同じビルに働く若手弁護士、会計事務所の社員ともめちゃくちゃいい関係に。ランチとか一

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    2025年05月06日
  • ビリー・サマーズ 上

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    読書備忘録915号(上)。
    ★★★★★

    まあね。キングですから。
    しゃあないですよ。★の数は。

    凄腕のスナイパー。殺し屋。
    もう引退したい。最後の仕事。
    ターゲットは、逮捕された殺し屋。
    収監されているから殺せない。
    唯一のタイミングは裁判所に入るため、車から降りる一瞬。

    だけど、この物語は殺しの物語ではない!
    上巻は単なるプロローグ!
    本番は下巻だ!

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    2025年05月03日
  • ビリー・サマーズ 下

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    とんでもない長編でした。
    上巻は割と低速に、主人公・ビリーの「殺し」の前の生活と、ビリーの描く自伝小説が描かれています。物語が大きく動くわけではないのに、描写からその時間の儚さや楽しさ、悲しさや辛さが伝わってくるため、どんどん読み進めてしまいました。下巻からは打って変わって怒涛の展開。
    思いがけないラストは涙なしでは読めませんでした。罪と罰、贖罪と復讐、そして物語を読むことと書くことへの愛が綴られた傑作でした。
    ビリー・サマーズが素敵過ぎ。

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    2025年02月23日
  • 異能機関 下

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    下巻はまさに一気読み。これぞ読書の醍醐味!と言った感じにワクワク楽しんで読めた。
    キングさすがだ。

    エンタメ全振りの作品でまさかウルッとくるとは思わなかった。
    上下巻共にかなり没入してたので終わってしまうのが少し寂しかったな。

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    2025年02月22日
  • 異能機関 上

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    これはひたすらに面白い。

    超能力を持っているであろう子供たちが
    訳も分からず、ある施設へと誘拐されて来る。
    様々な検査や人体実験のような事をされるのだが
    読んでいて苦しくなるシーンが多い。

    とにかく子供たちが無事に施設から抜け出して
    普通の生活へ戻れる事を願うばかり。

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    2025年02月22日
  • ビリー・サマーズ 下

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    翻訳が少しぎこちないが、原文の良さが出ているように感じ逆に良い。長編だが物語がよく作られていて読み飽きない。

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    2025年01月12日
  • 11/22/63(下)

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     過去を変えることができたら――。個人的なことであれ、社会的なことであれ、たぶん、多くのひとが一度は考えたことがあるのではないかと思います。だからこそフィクションは数多くの時を超える物語を生んできたのではないか、とも。ケネディ暗殺を阻止しろ、と死期の迫った友人から想いを託された主人公が過去に戻って奔走する本作も、過去を変えようとする物語。

     様々なジャンルの要素を内包する長大な(文庫本にして1400ページを越える)物語は、中盤以降は恋愛小説としての大きな魅力を持って進んでいき、あぁ最後までこの物語に付き合って良かった、と心から思えるような結末を迎えます。時を超える壮大な冒険と恋の物語、ぜひお

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    2024年12月08日
  • 11/22/63(下)

    購入済み

    温かさと悲しみの入り雑じったラストがとても切なかったです。
    年齢を重ねるにつれ、作風も変化しているのでしょうか。キングってこんなに優しさに溢れた人だったんだと感じる事、しばしば。

    作品としてはリーシーやジョイランドに似た傾向があり、ホラーが読みたい時に読むと期待通りとはいかないかもしれません。

    ただ、不思議さは盛り沢山です。
    私には「カードマン」の存在が一番強烈な印象で、その言動にゾクッときました。

    こういうのはキングしか描けない。
    フィクションかノンフィクションかわからないエピソードをさりげなくちりばめてくる技量が圧巻で、だからキングを読むのは止められないと読むたび毎回思います。

    #感動する #深い #シュール

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    2024年11月30日
  • ビリー・サマーズ 下

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    クライムノベル、ラブストーリー、文学論、作家論、小説のあらゆる要素を網羅した素晴らしい作品。読み進むにつれて思わず笑ってしまったり涙したり。登場人物全てが魅力的でこれほど読み終わりたくないと思った小説は初めて。キング恐るべし。

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    2024年11月25日
  • ビリー・サマーズ 上

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    さすがSキング!上巻は4時間程度で読破。状況がさまざま絡み合ってくるのだけれど、ビリーの考察もあり、また変化のスピード感がちょうどいいので、読み手の頭がこんがらがることはなく、状況転換に徐々に慣らされていく。(慣らされた、と気づくのは下巻を読み終えたあと)上巻の終わり方も素晴らしいと感じた。

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    2024年08月14日
  • 任務の終わり 下

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    キングさんの珍しきミステリー三部作のラスト、読み終えました。
    ホラーでも見られるキングさんの臨場感溢れるラストはそのままに、しっかりミステリーしていて楽しかった。ラストなんかもすっきり終わりながらも哀愁漂うitとかのような終わりでとても楽しかったです。サンキューだぜ、キング!

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    2024年08月11日
  • 異能機関 下

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    がんばれルーク!!
    って、ず〜〜と思いながら読んだ
    まあ、最後はチャンチャンで・・・
    いつもどおり、あっという間にさら〜〜と
    それにしても、よくもまあこんな話思いつくよね
    ありがとうございました

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    2024年08月01日
  • 異能機関 上

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    わお〜〜!!
    久しぶりにワクワクしながら読んでいる
    もう、めっちゃうれしい
    こんな作品、待ってましたよ
    まだ半分だけど、楽しみで楽しみで・・・
    は〜〜たまらない

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    2024年07月30日
  • ビリー・サマーズ 上

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    (上下合わせた全編の感想です)

    ▼好みでした。分量あるのに、読み終わりたくないような。スティーブン・キング76歳、凄いです。エンタメ力が凄いのに、そこに皮肉と人間ドラマが濃厚。

    ▼ビリー・サマーズという名の、40代くらいの職業的殺し屋がいます。主にいわゆる犯罪組織の親玉などに雇われています。凄腕の射撃手であるらしい。そして、ぼちぼち引退を考えている。このビリーが巨額報酬の狙撃を依頼されるところから始まります。これを最後に引退したい。ラスト・ジョブ・ストーリー。冒頭からダレ場無し。

    ▼今回の仕事は、標的は犯罪者。逮捕され裁判を迎える犯罪者。だがとある大物にとって、法廷で言われたら困ることが

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    2024年07月14日