白石朗のレビュー一覧

  • 任務の終わり 上

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    ホッジスとブレイディの闘い、ホッジスとブレイディの念力の闘いに、最初からいきなりグイグイ引き込まれました。

    「ミスターメルセデス」が強烈すぎ、「ファインダーズ キーパーズ」で、ホリーの変貌ぶりに驚き、「メルセデス」の壮大に輝く残照のようなストーリーにわくわくしましたが、「任務の終わり」のキング流の展開、すごいです。

    どうしたらブレイディのような存在を描けるのだろう。
    ホリーのような女性だって、絶対どこかにいるはず。
    ブレイディはホッジスを乗っ取る?
    こういう事ってあるの? そう、あるかもしれない。

    そう思いながら引き込まれ続け、時間の許す限りひたすら読み続けました。後半

    #深い #シュール #怖い

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    2022年09月30日
  • 007/カジノ・ロワイヤル【白石朗訳】

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    実は007の小説を読んだのは初めて。映画の「カジノ・ロワイヤル」(2006年)はお気に入りの作品であり、その原作を読んでみた。シリーズ最初の著作であり、ジェームズ・ボンドのキャラ付けが強烈である。そして、やはり007はカッコいい。今となっては女性差別と言われかねない女性の扱い、拷問に屈しない強靭な肉体と精神力、豪奢なホテルに高級車、当時の男の欲望を単純に満たすかのような内容はスカッとする。本作品では、ソ連のスパイであるシッフルが007のターゲットとなる。シッフルは大金を使い込み、それがばれる前にカジノで一儲けして穴埋めしようとするが、007は逆にシッフルをカジノで負けさせることで事を表沙汰にし

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    2021年05月31日
  • ファインダーズ・キーパーズ 下

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    モリスの出所で、少年ピートが犠牲になるのか、家族が犠牲になるのか、展開がわかりませんでしたが、ホリーが素晴らしい名脇役になっていました。前作の後半からでしたが、ホリー、光っています。
    下巻は筋のテンポが早く、集中しました。
    キングならではのどんでん返しあり、緊迫感続きました。
    モリスの最期! 圧倒されました。こんな事になるとは。
    そしてさらに、最後の「かたん」で、鳥肌立ちました。ブレイディ。
    脳組織の再配置をされたブレイディ。看護士の自殺。かたんと写真立ての落ちる音。

    「一見したところ死んだような、だがその下に人と思われないようなものが潜んでいる」
    キング流最高の終わりと、始

    #シュール #ダーク #深い

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    2022年09月30日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    20世紀を代表するアメリカ人画家の一人であるエドワード・ホッパーの作品は、写実的だが郷愁を感じさせるタッチ。現代的な孤独感。描かれる人物の物憂げな表情。ありふれた構図なのだが何故か惹かれるものがある。
    そんな魅力に惹かれる作家も多く、この本の編者であり著者の一人が、これまたアメリカ探偵小説の雄ローレンス・ブロック。ホッパーの作品から発想された短篇小説を創り出すというアンソロジーの企画に賛同したのは、彼と交友関係のある多彩なアメリカ人文筆家達。
    18枚のホッパーの作品に、ブロックを含め、17人の作家が描く17編の短編は、ミステリー、サスペンス、ハードボイルド、スパイモノ、ホラー、ヒューマンドラマ

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    2021年03月07日
  • マイル81 わるい夢たちのバザールI

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    いきなり表題作でガシッ、ズルズルズル…と引きずり込まれる、泥だらけでナンバープレートのない車ならぬ、キングの物語の中へ。『プレミアム・ハーモニー』の乾いたダーク。『バットマンとロビン、激論を交わす』思わず、パパ、カッコいいー、と快哉を。『砂丘』の幕切れの鮮やかさ。『悪ガキ』もキングらしいなあと思いながら読んだけれど、全く過不足ない。
    ピンクのキンドル、いいなあ。

    よく枯渇しないなあ、と発想にも驚くが、語り口に乗せられてどこまでもどこまでも行ってしまうよ。
    やー、面白かった。Ⅱも行くしかないね、これは。

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    2020年10月22日
  • 合本 11/22/63【文春e-Books】

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    泣けたよ。一気読み。こんなん…ズルい。もはや最高傑作。僕はキングいっぱい読んだけど、ホンマに面白くてドキドキして、泣けたよ。
    皆さん、長い人生で泣けるほどの本て中々無いから是非読んでください

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    2020年09月25日
  • ドクター・スリープ 上

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    シャイニングの続編。あのダニーがどういう大人になったのか気になって読んだけど、最終的にシャイニングの時の苦しみや思いが救われるエンディングとなっていて、怖いだけでなく清々しく、あたたかい気持ちで読み終われた。もちろん、ページを繰るのが止まらない、何が起こるのかわからない、怖いけど読んでしまう...というストーリーとしての面白さもあるのだけど、それより何より友人、家族、同じかがやきを持つ少女アブラとの交流、折折心あたたまる言葉や場面があり。怖いよー怖いよーどうなるのーという展開から、あー読んでよかったなあ、大団円だな、と読んだ後もしばらく余韻が残るような本でした。

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    2020年09月21日
  • ドクター・スリープ 下

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    ネタバレ

    2020.7.9

    やっと読めた〜!!
    映画と流れはほぼ同じだけど全くの別物、別作品だなと思った。
    映画ではアクションシーンやホテルに戻って闘うシーンが楽しかったけど、原作ではそもそもホテルがもうないからホテル跡地のキャンプ場で闘うんだけど、そこはやっぱちょっと物足りなかったな。

    頭の中のマッシー夫人は消滅してるし、解放させたホレスダーウェントも大した活躍を見せず。。
    唯一楽しかったのは、映画だと秒で死ぬアブラの父親とビリーと、一瞬しか出てこないジョンドルトン医師がめちゃくちゃ活躍すること。
    アブラの父親とジョンドルトン医師とダンの3人で真結族を殺しまくるシーンはめちゃくちゃ楽しかった。

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    2020年07月09日
  • ドクター・スリープ 上

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    ネタバレ

    2020.7.6
    めちゃ面白い。映画も面白かったけど、
    もっとずっとずっと引き込まれる。
    上巻は野球少年のグローブを探しに行こうとするところまで。
    下巻も楽しみ。

    クロウは原作の方がイケメンぽい感じがする。
    映画のローズは美人すぎて見てて悪役感ないって思ったけど、原作でも美人すぎる姿が想像できたから、やっぱりレベッカファーガソンはぴったりだと思う。

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    2020年07月06日
  • ドクター・スリープ 下

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    映画が墓場に持っていきたいくらい素晴らしく、とても大事な映画になったので『ダークタワー 』シリーズマラソンを一時中断して読んでいた。
    ダン・トランスがアルコール依存症から立ち直り、アブラやビリーと出逢って心から大事にしたいと思える人に出逢えて良かった。
    ずっと父親の陰と自分が犯した過ちに悩み続けていた彼が、ある戦いをきっかけに折り合いをつけるところが良かった。
    ダンがアブラを愛しい、大事にしたい、と読んでいて恥ずかしくなるくらい感情を表すモノローグが結構ある。
    ビリーに対してもそうなのだが、心の中でとはいえ、恋愛関係が生じていない、相手を「愛

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    2020年07月04日
  • ドクター・スリープ 下

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    ネタバレ

    映画を全て見て、原作へ。

    誰も死んでない、えっ誰も死んでないんだけど
    なんで映画殺したの???キューブリックへのリスペクト???そんなリスペクトはいらない!!!(でもあのダニートランスはホテルを燃やす誘導が出来なかったダニートランスだもんな)
    敵の弱さ、見通しの甘さは下巻になっても健在。それでも、物語を読み進めてしまう。実際、ローズにとって自分と同じ力、またはそれ以上の力を持つ者なんて何十年?生きてても出会わなかったわけだし、彼ら全体で言うならローズ以上に何百年も生きて続いてきた人々がいたわけで…今まで無かったのだからこれからも無いって慢心はあることは違和感ないわな…いやでも病気は…どうなん

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    2020年05月25日
  • ドクター・スリープ 上

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    ネタバレ

    映画を全て見たので原作にも手を出しました。

    ダニーがアル中になってたのショックだったけれど、ティーニータウンにたどり着き、ビリー・フリーマン、ケイシー・キングスリーの二人に出会えてすごくホッとした。ケイシー・キングスリーのオフィスでアルコールの瓶を抱えて「助けて」と救いを求めることができたダニーにほっとした。
    アブラの強さ、今回の敵の弱さがある意味物語の先に疑問を覚え、ダニーのアルコール依存症が物語にスリルを与えているきがする。

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    2020年05月25日
  • 見知らぬ乗客

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    ヒッチコックの代表作の原作。映画とは大きく異なるストーリーだがスリル満点の展開は原作も負けず劣らず。

    ヒッチコックの映画のイメージで前知識なく読み始める。良い意味で期待を裏切る展開。

    交換殺人、今で言うサイコパスとストーカー的な話。追い詰められていく主人公の心情。そして嫌悪しつつも引き寄せられていくアンビバレントの感情。

    おおむねの展開は予想がつくものの文章だけでこれだけの緊迫感、サスペンスはそうはないだろう。

    映画とは全く別に楽しく読めました。映画も久々に再視聴してみようかな。

    筆者のもう一つの代表作がフランス映画の原作「太陽がいっぱい」だとか。映画としては全く異なるジャンルに思え

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    2020年02月22日
  • 11/22/63(下)

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    ネタバレ

    見事にキングらしい小説でした。
    続きが気になってぐんぐん読み進められる、論理的に説明できないことはそのままスルー、大きな世界を書いているようで実は人の心が一番大きい。

    世界平和を実現するためにケネディ暗殺を阻止しようとするジェイク。
    しかし過去は改変されることに抵抗する。
    改変が大きくなればなるほど、抵抗も大きくなる。
    ケネディ暗殺を阻止することは、ジェイクの命がけのミッションとなる。

    さて、読者である私は、ケネディが暗殺された世界に生きている。
    だからキングが本格的なSF作家でも歴史小説家でもないのだから、多分ケネディは暗殺されると予想。
    そのうえで、多くの試練を乗り越えてきているジ

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    2019年12月31日
  • ドクター・スリープ 下

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    映画とは異なった結末だった。
    映画も原作もとても面白かった。

    特に〈真結族〉とダン、アブラの攻防はとてもワクワクした。
    前作『シャイニング』で登場したオーバールックの住人や、なによりジャックの登場に「あー、粋なことするなあ」と感じずにはいられなかった。

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    2019年12月18日
  • ドクター・スリープ 上

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    映画がとても面白かったので。
    映画の序盤が場面の切り替わりが激しく、なかなか話の筋をつかめなかったのですが、原作を読むことでより一層内容を理解できたと思います。

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    2019年12月17日
  • 11/22/63(上)

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    スティーブンキング、おもしろい。
    僕が今まで読んだことのある小説の中ではITが最高傑作ではないかと思っているが、この11/22/63はそれと同じか、それに次ぐ面白さだった。

    主人公、ジェイコブ・エピングは行きつけのハンバーガー屋の店主・アルから1963年の過去に行き、JFケネディ大統領暗殺を食い止めてほしいというぶっとんだことを頼まれる。そう、ザ・タイムワープ!主人公ジェイクは、その依頼を受けるべきか受けざるべきか、過去のアメリカに行くべきか行かざるべきか迷うが、行きます。もちろん。

    この小説が発表されたのは2011年。その時点から考えて50年前の過去に行き、そこに住み生活し、大統領暗殺を

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    2019年12月15日
  • ミスター・メルセデス 上

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    「ミスター・メルセデス」(上・下) スティーブン・キング。白石朗訳。文春文庫。アメリカでは2014年発表のようです。

    2019年1月に読みました。
    スティーブン・キングさんは凄い。らしい。とずっと思っていました。
    「スタンド・バイ・ミー」とか、いくつかの短編は読んだんです。
    それだけでも凄みは伝わります。
    ただ、個人的に「怖い話」が怖くて・・・敬って遠ざけていましたが、数年前に「11/22/63」を読んであまりの面白さにぶっ飛んでしまいました。脱帽。

    そして、今回「ミスター・メルセデス」。
    売り文句として「ホラーでは無い!SFでもない!とうとうキングが本格ミステリに降臨!」という感じでした

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    2019年12月05日
  • ミスター・メルセデス 上

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     キングが書いたミステリー。
     いきなり、エドガー賞、とってるよ。

     仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。

     とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。

     元刑事のホッジズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。
     人の善良性や人生の光を信じている感じがある。
     だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。

     また、事件によって

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    2019年08月17日
  • ミスター・メルセデス 下

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     キングが書いたミステリー。
     いきなり、エドガー賞、とってるよ。

     仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。

     とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。

     元刑事のホッジズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。
     人の善良性や人生の光を信じている感じがある。
     だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。

     また、事件によって

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    2019年08月17日