あらすじ
イギリスが誇る秘密情報部で、ある常識はずれの計画がもちあがった。ソ連の重要なスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルを打倒せよ。彼は党の資金を使いこんで窮地に追いこまれ、高額のギャンブルの儲けで一挙に挽回しようとしていた。それを阻止し嘲笑の的に仕立てて破滅させるために、秘密情報部からカジノ・ロワイヤルにジェームズ・ボンドが送りこまれる。冷酷な殺人をも厭わない、ダブル0の称号――007のコードをもつ男。巨額の賭け金が動く緊迫の勝負の裏で密かにめぐらされる陰謀。007初登場作を新訳でリニューアル。/解説=杉江松恋
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Posted by ブクログ
映画の007シリーズは全部観ているはずなので、本も読んでみようかなあと思って。
ボンドにはやっぱりショーン・コネリーの印象が強い。『カジノ・ロワイヤル』映画のボンドは六代目のダニエル・クレイグなので、シリーズの数冊目かと思っていたのだが、小説では一作目がこれなのですね。
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ジェームズ・ボンドは007のコードネームを持つ英国の諜報員。今回の彼の任務は、カジノでロシアのスパイであるル・シッフルから資産を取り上げること。ル・シッフルはフランスでの活動組合の会計係だが、組合の金を使い込んだ。それを補填するためにカジノでバカラの大勝負を計画していた。そこで英国諜報部は、ル・シッフルを破産させロシアのスパイ組織を壊すために、ギャンブルの名人に挑戦させて彼を破産させるという大胆な計画をたてたのだ。挑戦相手に選ばれたのがジェームズ・ボンド、持たされたギャンブル資金はイギリスの国家予算。(後にアメリカの国家予算も追加)
ジェームズ・ボンドの上司は「M(エム)」、今回の計画の協力者は、フランス国家安全保障局のルネ・マティス、英国諜報情報局の一員であるヴェスパー・リンド、そしてアメリカからCIAのフェリックス・ライター。
私はギャンブルも、そもそもゲームも相当苦手。一つ一つにドキドキしちゃって先の見通しも、楽しむことも、駆け引きもできません(-_-;)
本書ではギャンブルについて、凄腕ギャンブラーについて書かれるけれど、まず席につく時点で「この客はこんな勝負をしそう、この客は…」と人物を読む。バカラは「配った2枚、または3枚のカードの合計点数が9に近いほうが勝つ」というシンプルなものらしい。これに数千万の金が動くヽ(゚Д゚)ノ
これってただの運!?凄腕ギャンブラーって何?…かと思ったら、参加者の性格を読み取り、このカードが配られたらこの人物はどの行動をするかを読み取って勝ち上がるんですね。でも最後は結局は運。三枚目になんのカードが来るかなんてどんな凄腕でも何にもできないじゃん。これを「楽しい」と言えるギャンブル好きの胆力は怖いと言うかやっぱり私はやらなくていいや(-_-;)
しかしこの「運」に関して言えば、ル・シッフルはイカサマはしなかった、己の胆力だけで勝ち残ったってことは少なくとも卑怯者ではないのね。…まあそのあと卑怯で卑劣な振る舞いに及ぶわけだけど。
そう、作戦は成功したんだけど、この大勝負の朝から翌日の早朝までの間に、ジェームス・ボンドは三回命を狙われている。ジェームズ・ボンドも引退を考える。
映画では数作目なのでボンドベテランのつもりで観ていたんだが、小説では一本目で「引退」の言葉が出てくるのね。
007といえば映画ではおしゃれさやアクションを楽しみストーリーはツッコミながら(敵のアジトへの出入り簡単すぎる!とか・笑)観ていたのだが、小説は思っていたよりも精密で、ボンドも酷い目にも合う。人物の冷静な描写でギャンブル場面の緊迫、ボンドの味方の性格や立場に夜協力の度合い、そしてボンドの心意気は読んだほうが感じる。
ジェームズ・ボンド像にはどうしてもショーン・コネリーが思い浮かぶけれど、拷問とか引退を考えるとか女性への想いだとかの深刻さで考えると合うのはやっぱりダニエル・クレイグかなあ。
ヒロインのヴェスパー・リンドは、まあこの時代(第二次世界大戦後)「女性は男性の補助として働く、女性の魅力た大事」なので仕方ないけど、影のあるミステリアスな美女なのか、ボンドの足を引っ張るドジっこなのかが判断つけづらい(-_-;) (映画を観ているので知っていますけど)
そしてラストでジェームス・ボンドは英国諜報機関の仕事に新たに向き合う決意をします。この一冊かけて「凄腕諜報員ができるまで」という感じ。
ソ連の活動組織は「スパイに死を」を意味する「スメルシュ」。ボンドは、会議室での頭脳戦や他の国との取引は他の人達に任せて自分は泥臭い現場でスメルシュのような相手と戦い続けようと決意を新たにした。
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有名な007シリーズ原作
この作品でかの有名なジェームズ・ボンドが世に出たのである。
映画や音楽は見聞きしたことがあっても、原作を読んだことは無い人は多いのではないだろうか。
読みやすく、映画とはまた違った味わいがある。
是非読んでほしい
Posted by ブクログ
実は007の小説を読んだのは初めて。映画の「カジノ・ロワイヤル」(2006年)はお気に入りの作品であり、その原作を読んでみた。シリーズ最初の著作であり、ジェームズ・ボンドのキャラ付けが強烈である。そして、やはり007はカッコいい。今となっては女性差別と言われかねない女性の扱い、拷問に屈しない強靭な肉体と精神力、豪奢なホテルに高級車、当時の男の欲望を単純に満たすかのような内容はスカッとする。本作品では、ソ連のスパイであるシッフルが007のターゲットとなる。シッフルは大金を使い込み、それがばれる前にカジノで一儲けして穴埋めしようとするが、007は逆にシッフルをカジノで負けさせることで事を表沙汰にしてソ連のスパイ組織の弱体化を狙う。ボンドガールのヴェスパーの行動も怪しく、ボンドが結婚を決意したものの悲しい結果となる。想像通りのストーリー展開なのだが、それが作品の安心感となっている。
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サクッと解決するかとおもいきやのこの展開。びっくりはしたけど、これはこれで、心地がよい。フレミングに触れたことがこれまでなかった友人に紹介しようかな。
Posted by ブクログ
映画見たし、原作も読んでおくか、という軽いノリで読んでみた。
ハードボイルド系を想像していたけれど、少し毛色が違うようなイメージ。硬派な雰囲気の主人公ボンドを置きつつ、現実路線というよりも華やかな舞台とスリリングな展開は時に荒唐無稽なところもあり、娯楽小説感がより強いかも。
とはいえ、スパイ小説、ひいてはスパイ映画のステレオタイプ的な基礎を作った作品であることは間違いない。
あと、映画を観た時も思ったのだが、割とイアン・フレミングってサディストなんだろうか…?
Posted by ブクログ
タイトルを見ただけで、クリス・コーネル"You Know My Name"(映画『007カジノロワイヤル』の主題歌)が頭の中で再生される。筋立て自体は、原作の方が圧倒的にシンプルだけどね。
Posted by ブクログ
007って原作小説があったのだね。
そして、ダニエル版本作での「あの」拷問シーンは、原作どおりであったのでした。
訳は新しいけれど、さすがに古い時代の小説ということもあり、ヴェスパーさんがあまりにも古典的な「女」であり過ぎました。
全体としては、ダニエル版映画作品のほうがヴェスパーさんも魅力的で面白かったです。
でも、中編小説としては十分楽しめる内容でした。
Posted by ブクログ
007処女作。カジノでの緊張感溢れる、勝負シーンが読みどころだが、その後の展開は何とやら。次回作へ続ける感じを出したかったのか、ストーリー展開としては、ちょっとだれている感じもする。
Posted by ブクログ
初フレミング。一番問題の訳は新訳ということで悪くなかった。世界一有名なスパイ、ジェームズ・ボンド初登場作。まるで洋画を観てるように、いろんな場面(カジノでのバカラと“ある”出来事、カーチェイスに○○…等)が眼前に現れました。大変スリリングで面白く読めました(^^ 星三つ半。
Posted by ブクログ
すっきりしてるなー! あのころ、世界は単純だったのだな。男はマッチョで女はセクシー、敵はソ連で、ごちそうはシャンパンとキャビア。んで…なんとも魅力的だわ。