あらすじ
作家生活50周年を飾る巨匠の新たな代表作!
巨匠、作家生活50年。
名作の開幕の時がきた。
暗い時代に自分が書ける楽しい物語とは何か?
帝王キングが出した答えが本書だ。
世界最強の想像力が生んだ、異世界の冒険がはじまる!
ぼくの住む町には〈サイコハウス〉と呼ばれる不気味な屋敷がある。そこに住むのは偏屈な老人がひとり、閉ざされた門を越えると猛犬が襲ってくるという。ある日、悲しげに鳴く犬の声に気づいたぼくは、屋敷の主が梯子から転落して苦しんでいるのを発見した。 これがぼくとミスター・ボウディッチ(と、犬のレイダー)の出会いだった。
怪我をした老人の世話をするため家の立ち入りを許されたぼくは、ボウディッチ氏やレイダーと心を通わせはじめる。噂とは裏腹に老人も犬も恐ろしくはなかった。だが、徐々にぼくは奇妙なことに気づきはじめる。家の裏手から妙な音がときどき聴こえてくるのだ。ボウディッチ氏が奇妙に裕福なのも謎だった。そしてある日ぼくは、氏が大量の黄金の粒を金庫に入れていることを知った――これはいったい何か? どうやって老人はこれを手に入れたのだろう?
謎が謎を呼び、ぼくは徐々にボウディッチ氏の秘密に近づいてゆくが――
絶望に閉ざされたコロナ禍に、巨匠は自身にこんな問いを投げた――
What could you write that would make you happy?
自分が楽しくなる物語。あるいは暗く先の見えない時代にみんなを元気にする物語。
さあ、自分ならどんな物語を書く?
その答えが本書である。
だから最後に待つのはもちろんハッピーエンドなのだ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
上下巻で読みごたえ、十二分ありそう。
出だし、上巻半ばまでは、少々退屈。
主人公の少年チャーリー17歳のストーリーは動き出す。
アル中の父の世話の日々、ボランティアをしつつも、模範的学業とバイトを両立させ、スポーツにも汗を流す。
家の近所にある不気味な屋敷・・そこで犬の声を耳にし入り込む。
骨折していた世捨て人同様の老人と犬との交流が始まる。
やがてその老人が急死したとの知らせを受け。。。
スタンド・バイ・ミーを思わせる出だし~ゆっくりとした幕引きの文章スタイルは懐かしく、愛おしい。
堪能しながら下巻へ・・異次元の幕が開く。
Posted by ブクログ
高校生のチャーリーはある日、近所の怪しい屋敷に住む老人を助け、生活の支援をすることになる。謎めいた老人、ミスター・ボウディッチとその飼い犬レイダーと親交を深めるうち、チャーリーは奇妙なことに気づき始めた。庭の小屋から聞こえる不審な物音、そしてミスター・ボウディッチが所有する大量の黄金。彼はいったい何者なのか。そして始まる異世界への冒険にわくわくさせられるファンタジーです。
偏屈に思えたミスター・ボウディッチですが、読むごとに魅力が増してきます。そしてなんといってもレイダーが可愛くて健気でたまりません。もちろん彼らとどんどん親しくなるチャーリー、彼が一番魅力的。幼少期に様々な苦難を乗り越えただけあって、善良だし頼もしさが高校生とは思えません。そりゃあこんな少年、誰だって好きにならずにはいられないかも。
しかし楽しい生活がずっと続くことはなく、やがて迎えた転機。そこからの展開が何ともいえず奇想天外で、「おとぎ話」そのものでした。しかしその世界観はふわふわしたような感じではなく、不穏さも内包していてサスペンスが高まる一方。壮大で危険な冒険に挑むチャーリーの物語は、これからが本番です。
Posted by ブクログ
主人公チャーリーは幼い頃母を亡くし、それ以来アル中になってしまった父の世話をしながら育つ。いよいよ路頭に迷う時に神と契約する。父のアル中を治してくれるなら何でもします、と。それ以降のチャーリーはボランティアや勉学やスポーツに励み、模範的な高校生になる。ある時、サイコハウスと恐れられている屋敷で犬の鳴き声を聞く。タダならぬ気配に屋敷に入り骨折した老人を助けた事で世捨て人同様に暮らしていた彼とその犬と交流を深める事になる。彼の品行方正さや父親への想いや日々の生活が目に見えるように描かれる。そして8割位過ぎた所で転機が訪れる。いよいよ異界への旅立が始まる。
チャーリーと犬のレイダーが愛おしくて堪らない。下巻が楽しみ。
Posted by ブクログ
『サイコハウス』と呼ばれる不気味な屋敷。そこに住む偏屈な老人と獰猛な犬。しかし悲しげな犬の鳴き声に気づいたチャーリーは、屋敷の老人が梯子から落ちて苦しんでいるのを見つける。老人を助けたことがきっかけで友達となり、老人と犬の世話をするようになった。そのうちに屋敷裏の小屋から聞こえる奇妙な音、金庫に隠された大量の黄金、これは一体…?老人は死の前にとんでもない秘密をチャーリーに教える。そこから異世界への冒険が始まる。
人物描写、背景などが非常に細かい。それがリアルを生み出し、世界観が完結しているのだが、読んでる方は少し面倒だ。チャーリーの親父さんがアル中になり、そこから復活再生するストーリーは必要か?などと思いながら読み進める。クーンツみたいに羽目を外す展開にはならない。常に片足が現実から離れないリアルさがキングにはある。そこからは好みの問題だ。
さて、上巻は非常にオーソドックスなおとぎ話の入り方である。私が子供の頃に夢見たまんまのようなストーリー展開である。近所のお屋敷、謎の偏屈爺さんと遺産、犬との友情、異世界への入口…。チャーリーは躊躇いなく犬のレイダーと一緒に異世界へ飛び込んでいく。
肌が灰色になり顔のパーツが失われ歪んでいく灰色病が蔓延する世界、チャーリーを助けてくれる偏屈爺さんの友達や王家の人々、この世界を支配するフライドキラーや夜影兵。さあ、いよいよ下巻から話は本題に入っていく。楽しみです。少しクーンツばりに羽目を外して欲しいもんです。
Posted by ブクログ
ワクワク、キングの最新作!
どんな感じかなと楽しく読んでいたら思った以上にミスターボウディッチが退場して、えー!となった。いよいよ不思議な世界で何が起こるか‥と思った矢先にあっという間に上巻終了。下巻楽しみ!
Posted by ブクログ
タイトルの時点でテンションだいぶ高まってるのに、冒頭の文章読んで卒倒。煽りすぎですよキングさん!
上巻は主に主人公と、偏屈なボウディッチ老人と彼の飼い犬レイダーや父親との温かいやり取り、また幼い時事故死してしまった母親への思慕を主に描かれていますが、この温かさがキングの他人への眼差しのようで読み心地が良かったです。
その温かさがあるから異世界への旅立ちを決意する辺りが痛切に響きました。
感想下巻に続きます。
Posted by ブクログ
今までのスティーブン・キング氏の上下巻シリーズよりもかなり高額でびっくりして怯みそうになったが、キング50周年の集大成、そしてファンタジーとなると読まないわけにはいかないでしょと奮発しました。
本が大好きなので値段のことであまり悩みたくないが、それにしても上下巻の本でこの価格は高すぎると思ってしまった・・
上巻のほとんどは主人公の父親や周りを取り巻く環境について、そして老人と犬との出会い、信頼関係を築き上げていくまでの展開に費やされるが、ファンタジー要素がちらりとしてからは前のめりに、そちら側の世界に行ってからは立ち上がって読むくらいのテンションでもうわくわくとページをめぐる手が止まらない!
オズの魔法使いや不思議の国のアリス、ネバーエンディングストーリー要素ありでどっぷり夢中状態のまま下巻にいってきます!