白石朗のレビュー一覧

  • 怪奇日和
    あとがきで、作者が愛する中篇小説は「どこをとっても必要不可欠、いっさいの無駄がない。」と書かれてましたが、正に、これに納められている4つの中篇がそうだと思いました。全てがテイストの異なる、怪奇幻想の要素もあるのですが、人間ドラマとして、考えさせられつつ、楽しく読ませていただきました。   

    「スナ...続きを読む
  • 11/22/63(中)
    上巻では、死を目前にした友人から頼まれた勢いで過去に戻り、歴史の転換点であるケネディ暗殺を阻止して、世界に平和を取り戻すための行動をとることにしたジェイク改めジョージの心情にどっぷりはまってしまった。
    しかし、間をおいて中間を読むと、「マジですか?」って気持ちがふつふつと…。

    だって離婚は不本意...続きを読む
  • 11/22/63(上)
    アメリカ人はリンカーン暗殺とケネディ暗殺について語るのが好きだなあと思う。
    まあ、日本人が本能寺について語るようなものか。

    ケネディが生きていたら世界は今とは違っていたはずだ。
    そう信じている友人アルに、死期が迫っている自分の代わりに過去へ行って、ケネディ暗殺を阻止してほしいと頼まれるジェイク。
    ...続きを読む
  • 死んだら飛べる
    これたぶん「トワイライトゾーン」で見たよね、と思われるマシスン『高度二万フィートの悪夢』は、やっぱり秀逸だなあ。

    筒井康隆『五郎八航空』も入れていただきたいところ。
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語
    エドワード・ホッパーという画家の絵から、17人の作家たちがそれぞれの物語を紡いでいく、いっぷう変わった趣向の短編集。

    文章に合わせた絵ではなく、一場面を切り取った絵から背景にある物語を想像するというのは、なかなか興味深い。皆それぞれ個性的で、そこまで想像の世界を広げていくのかと驚く。
    知っているの...続きを読む
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語
    エドワード・ホッパーの絵画を基に、17人の作家が想像を膨らませたアンソロジー。編者はローレンス・ブロック。海外小説通の方ならご存知なのかもしれないが、ぼくはスティーヴン・キングとローレンス・ブロックしか知らなかった。好きな作品も、どうだろうと思う作品もあったが、嫌いな作品はなかった。アンソロジーでは...続きを読む
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語
    エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイ...続きを読む
  • ミスター・メルセデス 上
    (上下巻あわせた感想です)

    2009年4月、とある市民センターで催された就職フェアにて、職探しをするために並んでいた大勢の人たちの列にメルセデス・ベンツSL500が突っ込み、多数の死傷者を出す事件が起こります。
    犯人は逃亡し、未解決のまま事件から1年が経過したある日、当時捜査に携わり、今は退職して...続きを読む
  • チップス先生、さようなら
    駄洒落が好きで人気の主人公のチップス先生。その穏やかな性格の裏には考え方を曲げない骨太な面がある。敵国の戦死者を悼んだり、やり手の若き校長と喧喧諤諤やりあったり。臨時で校長を何年か勤めたが、やっぱり教師が好きな生き方。幸せな生き方の見本のようだ。2019.4.2
  • シャイニング(上)
    スティーブンキング原作の映画「it」「スタンディングバイミー」の2作を見て、スティーブンキングの小説に興味を持ち、読みはじめた。
    なんとなく「it」に近いような、人間的な怖さをじわじわと感じるような作品だった。
    ジャック達が感じる恐れの描写があまりにも長くて、少し冗長に感じてしまった。 下巻が楽し...続きを読む
  • ミスター・メルセデス 下
    やっぱキングはすごいわー。
    猛毒で死にかけてる描写の直後に、ものすごい具合が悪くなったのは、本にひきずられたかと思った…
  • ミスター・メルセデス 上
    霧雨の降る夜明け前、求職者の行列に車が突っ込む。残ったのは多数の死傷者。退職した元刑事は犯人からと思われる手紙を読むと、消えかけていた刑事魂が燻り…燃え始める。
    犯人と刑事の生活や心情が並行して表れる。対立する両者の内面を感じながら読み進むのは面白い。
    犯人が次に起こす行動は??
  • ファイアマン 下 THE FIREMAN
    読み始めて、余裕がなくてしばらく寝かせてあったけど、再読しはじめて上巻後半から久しぶりの一気読み。感染者たちが寄り添ってコミュニティを構築し、平安を手に入れたと思ったら、あっという間に崩壊していく様が、ほんとに恐ろしかった。正義に取り憑かれた人たちのなんと恐ろしいことか、終盤でも思い知らされるが、悲...続きを読む
  • チップス先生、さようなら
    あなたはこの学校、先生というもの。

    涙が浮かんだ。学校を体現する教師、あるひとつの理想の教師像。愛にあふれている。効率だけでは見えない、教育者の姿。時代が変わっても、変わらないものの価値。本当に学校で教えるもの、教師が目指す姿のひとつが、この物語に描かれていると思った。

    チップス先生は、見送る人...続きを読む
  • シャイニング(下)
    映画とは結末が全然違う!

    映画では男の子の特殊な能力が全く活躍していないし、核心である家族の物語を省いている。代わりに鮮烈な映像の数々を見ることができるが。

    結末に近づくにつれて、緊張感がどんどん増して途中で止められなかった。

    悪意、殺意のどす黒い心の動きや混乱した意識を描ききっているところが...続きを読む
  • 見知らぬ乗客
    同性愛的な空気、エディプスコンプレックス
    母親を女性の理想・幻想とする雰囲気もあるが、
    独善、偏執、執拗、鬼気、狂気
    勝手に過度な共感愛情愛着、歪み狂った感情を
    スマートに凶暴にあいてに流し込み、ぶつけ
    自身の破滅だけではなく、相手の破滅も
    愛ゆえに呼び込んでしまう、身勝手への不愉快さ。
    巻き込まれ...続きを読む
  • チップス先生、さようなら
    子供(中2)が学校で読むのに良い本が無いかと家内に相談され、ふと目に付いたのがこの本。やはり子供は興味ないみたいだけど、自分で読むことにした。
    老人を主人公にした物語として、今流行の”白い犬とワルツを”と2重写しになるとことも多い。あまり大きな盛り上がりも無く、同じように淡々と話が進み、最後は主人...続きを読む
  • 11/22/63(下)
    1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居心地がよかったりする...続きを読む
  • 11/22/63(上)
    1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居心地がよかったりする...続きを読む
  • 11/22/63(中)
    1963年11月22日のケネディ大統領暗殺を阻止するために、タイムトラベルする話。主人公の男性が1950年代末から1963年の目的の日までの数年間の人間関係や生活の様子がメインで描かれる。現代社会を知っている状態で1950年代で過ごすのはツライのではないかと思ったが、昔のほうが居心地がよかったりする...続きを読む