白石朗のレビュー一覧

  • 悪霊の島(下)

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    スティーヴン・キングの小説の魅力は視点となっている主要人物の独白体にある。従ってその魅惑は、通俗小説として批評家は取り上げようともしないものの、実際のところ太宰治やドストエフスキーなどに通じるものがあると言っていい。無意識的なリフレインの発作的反復を含んだその独白は、「意識の流れ」にも似ており、この独白体がもたらす読書体験は、物語内容世界と「意識」とが渾然一体となって、外部的事件と内因的心理推移との区別も消失した「夢」のような体験を実現する。
    本作は一人称小説であるため視点は一人物に限定されているが、豊富な内容と多彩な変化が織り込まれているのはさすがである。スティーヴン・キングは何よりディテー

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    2017年01月22日
  • 11/22/63(下)

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    3冊を読み終え正直、大作には違いないのですが長すぎました。途中中弛みがあり、3冊目に至ってようやく先が見え始め、加速度が付いて読み終えた感じです。この小説は最後まで読まないと意味がありません。読後感は良かったです。作者の構想は40年あったということですから、膨大な資料に基づき作り上げた歴史的事実に沿った内容であるようです。(勿論、ケネディ暗殺の犯人は未だ謎ですが…)その時代の様子もかなり詳しく描写されています。それこそ古き良きアメリカ合衆国と言うべきなのでしょう。
    タイムスリップする場所、兎の穴に立つイエローカードマンとグリーンカードマンの存在。バタフライ効果、過去を変えることが意味するものは

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    2017年01月07日
  • 11/22/63(下)

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    ここへ来て、過去の世界への介入がもたらした物が垣間見える。それも大いなる悲劇として。明るい未来だったらどんなに良かったことだろう。介入を無かったことになど出来るのだろうか。そしてまた違う世界になってしまったら?!

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    2016年11月26日
  • 11/22/63(中)

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    過去の世界で現在と同じ教師という職に就く。やっぱり今とは違うだろうに、彼は過去の世界の方が気に入ったみたい。そしてセイディー。半身を見つけてしまった彼は大統領の件をどうするのだろう

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    2016年11月26日
  • 11/22/63(上)

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    過去に行けるトンネル⁇!! 戻ってくるのは数分後。でも自分は年取ってるよね。行く先はいつも同じ?手を加えた世界のその後は?色々と感じる疑問はまぁそこに置いといて「ぼく」の歩く世界を感じてみようと思う。

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    2016年11月14日
  • 悪霊の島(下)

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    ネタバレ

    建設現場の大事故で片腕を失ったエドガーは、メキシコ湾の小さな島、デュマ・キーで静養を始めたが、絵の才能を開花させ第2の人生を歩み始める

    上巻は事故による挫折感やワイアマンとの出会いや、手に入れた能力に有頂天になっていく様子が気持ちよく、スティーブン・キングらしい緻密な描写で、まるで映画のシーンを見ているよう

    下巻の悪霊との対決になっていくとちょっとエンターテイメント色が強くなっていって、怖さよりアクション映画的なことになってしまってます(ワニは一体何だったのかとか)。エドガーの能力も万能すぎて何だか安心して読めるホラー。映画化するならワイアマンは魅力的な俳優さんにしてほしいなー。ジュード・

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    2016年08月16日
  • チップス先生、さようなら

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    授業を改善する、という話題でかならず出てくる名著の新訳です。
    自分が通った学校は、なんとなくいつまでも変わらずにあるものと思ってしまいます。でも、学校ってとても脆弱な組織でもあり、ひとときの空気に流され、世の中や親が求めるから、と目先の変化に飛びつかなければ生き残れないような状況に陥りがちです。

    取り立てて優秀でも、飛び抜けた取り柄もない一人の教師が、ひとつの学校の伝統を体現する様子が、とても印象的です。

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    2016年05月12日
  • 悪霊の島(下)

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    終盤では恐い場面のありましたが、全体を通してみると「美しい」作品でした。
    ホラー要素は下巻以降なので、上巻はやや読むのがしんどいかもしれません。ですが、読後には「読んでよかった」と思える作品だと思います。

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    2016年03月09日
  • リーシーの物語(上)

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    出張などの移動時間を中心に読んでいました。

    スティーヴン キングの作品は、大学生の時、授業の課題の1つとして、「シャイニング (文春文庫)」を読んだことがあるくらいなのですが、今回の「リーシーの物語」は何となく村上春樹さんが描く”異世界”とのつながりが出てくる作品(「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」や「海辺のカフカ」など)世界に近いように感じました。

    私の拙い言葉で説明すれば、ベストセラー作家であった最愛の夫を2年前に亡くした妻(主人公・リーシー)が、夫の遺品の整理に取り掛かる過程で、今まで辛くて酷い記憶ゆえに意識の底で”忘れよう”としていた、夫に関する記憶を思い出しながら、過

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    2015年05月28日
  • アンダー・ザ・ドーム(1)

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    小さな町を突然覆った透明で破壊不能のドーム。そこに隔離された住民たちに恐怖と狂気が充満していくという、スティーブン・キングお得意の“血と暴力”のゆがんだ寓話です。これは期待できそう♪

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    2014年06月22日
  • アンダー・ザ・ドーム(2)

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    謎のドームに閉じ込められた町の住人たちの恐怖と狂気を描くキングの長編。外部からのミサイル攻撃さえ無効なドーム内では、混乱に乗じた暴力による恐怖政治が始まろうとしていた。悪意が悪意を呼ぶ負の連鎖は「蠅の王」をちょっと思い出しますわ。

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    2014年06月22日
  • アンダー・ザ・ドーム(3)

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    のドームに閉じ込められた町の住人たちの恐怖と狂気を描くキングの長編。元軍人バービーをはじめ、恐怖政治に対抗しようとした者は次々と投獄・殺害。そんな中、天才少年ジョーと仲間たちは山中でドーム発生装置とおぼしき機械を発見し…。ノンストップの緊迫感いいすわ。

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    2014年06月22日
  • アンダー・ザ・ドーム(3)

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    『トミー・ノッカーズ』的な展開…。

    宇宙人か…。これだったら、太古からの何がしかとか、大いなる存在による事象だっていう展開の方が好き。

    自分で考える頭がないって悲しいことね。

    バービーだけでなく、ラスティも捕まってしまった。

    そして、ビッグ・ジムに対抗すべく、良き人々が団結し始めた。これからラストに向かって一気に読み進めたい。

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    2014年02月04日
  • アンダー・ザ・ドーム(4)

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    最後まで子供が主役でした。

    悲惨な出来事とそれを乗り越えようとする人々の努力
    映像化を意識したストーリーにも思える

    それにしても人を殺しすぎ。

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    2013年12月29日
  • アンダー・ザ・ドーム(3)

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    他から物理的干渉ができない閉鎖された空間にいると、人はこんなにもむちゃくちゃをしてしまうのでしょうか?

    町の支配者の狂気がエスカレートしてゆく
    少年・少女たちの探索は、町を救うことができるのか

    切迫感で押しつぶされそうな3巻目

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    2013年12月28日
  • アンダー・ザ・ドーム(2)

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    いろいろと事件が起きますね。
    ドームで孤立化した町は、町の権力者をも狂わせる。
    暴力と恐怖による町の支配が始まる。
    権力者に逆らう町の人々は?ドームの発生源は見つかるのか?
    ドームの中はますまる混迷化してゆく。

    まだまだ先が見えない。早く次巻を読みたい。

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    2013年11月02日
  • アンダー・ザ・ドーム(1)

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    アメリカ メイン州の小さな町が透明のドームによって外部から遮断される。
    その「遮断」という劇的な場面から始まるこの小説。
    スピルバーグのプロダクションでTVドラマ化されている(日本ではDlifeで放映されている)とのこと。未だ見たことはないが、読んでいるとそのTVドラマの画面が目に浮かぶ様。
    複数の出来事が平行して発生し、読者に先を読ませながら、隠されていた、または新たな出来事によって、読者を裏切る。息もつかせず、ドラマが進んでゆく。
    これからドームの中はどーなって行くのか?

    水と空気と光と電波しか通さないドーム。地中も深く遮断されたはずなので、通信ケーブル切断されたはずだが、インターネット

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    2013年10月27日
  • フェアリー・テイル 下

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    上巻からの予測できない展開は相変わらずだった。キングの異世界の設定はどこか暗くて陰鬱としているなかに何か希望が残っていることが多いなぁ。ハッピーエンドとわかっていても着地が読めずに楽しんだ。

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    2025年10月22日
  • ファインダーズ・キーパーズ 上

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    ビルホッジスシリーズの第二弾。とある強盗殺人犯が隠したまま別件て刑務所に入れられ、その時隠した現金と著名な小説家の未発表の新作をとある少年が発見し、出所後それらを取り返そうとする。
    上下巻だが物語が本当に動くのは下巻からで上巻は強盗犯や少年の家庭事情や隠した小説にどれだけ思い入れがあるかなどが
    延々と書かれており正直退屈だった。下巻でホッジスが異常に感づいてからは面白いがページ数が少なくあっというまに終わった

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    2025年10月03日
  • フェアリー・テイル 上

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    主人公ととっつきにくい老人との交流から摩訶不思議なファンタジーの流れになって。上巻だけですが面白いとは感じつつも、とにかく長いです。

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    2025年09月23日