白石朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
〈交換殺人〉の元祖といわれる作品。
列車内で偶然出会った、富豪の息子ブルーノと建築家のガイ。
「ぼくはあなたの奥さんを殺し、あなたはぼくの親父を殺す」とブルーノが提案するが…。
交換殺人で完全犯罪を目論む本格ミステリーだと思っていたら、物語はどんどん違う方向へ進んでいった。
解説によると、「自分がミステリ作家だと認識していなかったらしいハイスミスにとっては、それがトリックだという発想すらなかった可能性がある。」と書いてあって、本当そうだよね…と納得した。
せっかく交換殺人という面白いトリックを思いついたのに、そこには焦点を当てていない。
ここからはネタバレしてます。
ご注意ください。
完全犯罪を狙うなら2人は会ってはいけないのに、ブルーノはストーカーのように執拗にガイのことを追い回す。もうこれが粘着質ですごく気持ち悪い。
ガイはブルーノに付きまとわれて殺したいくらい憎んでいるのに、所々で理解できない行動をとる。
このガイの気持ちに全く共感できず。。。
( ゚д゚)ポカーン
はっきりとは書いてないけど、その行動や言動に私はガイとブルーノの愛憎入り混じる同性愛的なものを感じた。
犯罪小説というよりネジ曲がった恋愛小説を読んでいるような感じ。
ブルーノは列車で出会った自分と同じ匂いのするガイに惹かれて、完全犯罪のための交換殺人ではなく、殺人という共通の秘密や苦悩をガイと共有したかったのかな。
繊細で独特な感性がわかる人には刺さる作品なのではと思うけど、正直私はもっと交換殺人に焦点を当てたスリルを味わいたかった。
そしてハイスミスのもう一つの代表的『太陽がいっぱい』は、映画『リプリー』の原作だと知って驚いた!
20年くらい前に『リプリー』を観て、マッド・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネスパルトロウの3人の演技と怖いストーリーがとても印象に残っている好きな映画だったので、ハイスミス原作ということに驚いた。
そう言えば、『リプリー』のマッド・デイモンも粘着質で共通してたかも。
そして、なぜこの本を読んだかというと、『8つの完璧な殺人』を読むための準備でした。
これでやっと読める! -
Posted by ブクログ
スティーブン・キングのデビュー50周年記念作品となれば読まずにはいられない。
標的が悪人でなければ請け負わない凄腕の殺し屋ビリー・サマーズ。引退を決意して最後の仕事を受けた。報酬は200万ドル。標的は児童ポルノを作り収監されている男。狙撃する場所に事前に潜伏し、ビリーは作家を名乗って街に溶け込む。そして自分の半生をネタに本当に小説を書き始める。だが、この仕事何かがおかしい。ビリーは安全策として別の身分も用意して3重生活を送る。そして実行当日、標的を仕留めるが依頼人に裏切られたことに気づく。一旦身を隠して連絡を待つが、雨の夜に暴力を受けて車から投げ捨てられた女の子を助けて手当てをしてあげるが…。
いつもスティーブン・キングの長編は人物描写で語られる細かなエピソードが緩慢なのだが、助けた女の子が!というところで、いきなりスピード感を持って上巻は終わる。おそらく下巻がかなり面白いはずなのだが、ちょっと間を置くのが私の癖だ。ここは大事にいかないといけない。しかし、超常的なこととかホラー的な要素は出てこない。正真正銘のクライムノヴェルなのだ。
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Posted by ブクログ
※具体的な内容には触れていないのでネタバレにはなっていないと思います※
これまでのキングにしては異色だらけ。
探偵ミステリーというジャンル、しかも三部作。
人生の終わりに差し掛かってるとはとても思えない。紛うことなきバケモノ作家(褒めてます)。
三部作の最終作ということもあり、これまでの数々の仕掛けが意表を突く形で繋がってくる。
キングお得意のステルスフラグ立てから縦横無尽に張り巡らされる伏線、回収までが実に巧妙で楽しませてくれる。
ただ序盤はいわゆる「これまでのお話」の必要性に迫られるため、ややスマートさに欠ける。かなり苦労したんじゃないかと思われる箇所が複数。
三作目のみを読む人には意味深なだけでわかりにくい部分も多いだろうと推察される。
前二作既読組にとっても、細々したエピソードや人物を思い出す手助けにはなるけど、どうしてもエンジンのギアが上がりきらない。
それら一通りの準備段階を過ぎる中盤以降はグングンスピードが上がりあっという間にトップギアに。そこからはもう読者を掴んで離さないキングの面目躍如。
流れるように下巻に連れて行ってくれる。 -
Posted by ブクログ
初めてのハイスミスである。ハイスミスと言えばアラン・ドロンの映画「太陽がいっぱい」である。
テレビ放映された時に観て、ラストのシーンが秀逸過ぎて子供心に深く焼き付いた。
いつかは、手に取って読んでみたい小説だとは思っていた
今回、ピーター・スワンソンの「そしてミランダを殺す」を読んだ事で、この作品を手に取った。
勝手に小説の内容をミステリーと思って読み始めたが、これはサスペンス小説だったため、思っていた感じでは無かった。
他の方のレビューにも有るが、主人公二人の感情に着いて行けず、とても読みづらかった
そして、主人公たちの考え方などに、とてもイライラさせられた
善悪とは、生きるとはとか、まるで哲学書だ。
でも、完全に詰まらないとは言い切れず、不思議な余韻を残す作品だ
主人公の二人の結末は、呆気無く、ちょっと拍子抜けだったけどね
ハイスミスの「太陽がいっぱい」は続編も数冊出版されており、全て読んでみたい気がするが、取り合えず「太陽がいっぱい」だけ購入してみるかな
それに「見知らぬ乗客」も映画化されているので観てみたいし「太陽がいっぱい」も改めて観たいな