あらすじ
巨匠キングが自身のベストと呼ぶ感動大作
夫の死後、悲しみに暮れるリーシー。夫の過去に秘められたあまりに痛ましい出来事とは? 永遠の愛と悲しみからの再生を描く傑作。
感情タグBEST3
「チャネリング」と、リーシー自身も自ら言葉ではっきり言っていたので、実際そうなんだなと思いましたが、改めてチャネリングなるものの壮大さに驚きました。
キング夫妻の体験も描かれているのでしょうか。
アマンダもすごくよかった。緊張病や、精神疾患患者が内面で何を見ているのか、少しだけわかった気がします。
読む前の想像とは全く違った作品で、なんだか勉強になった作品でした。
ただただ脱帽です。
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作家だった夫が亡くなり、ようやく遺品整理を始めた妻リーシー。
遺品の中から、彼女は夫のメッセージを見つける。
夫の生い立ちや、リーシーの病んでる姉や、夫の遺作を狙ういかれたストーカーなど、物語を彩るものは多いけれど、常に毅然としてあるのはリーシーと夫スコットとの夫婦愛だ。
もう、ど直球のラブストーリーだと思えるぐらい。
キングらしい、異世界の様や、ストーカーの不気味さも、二人の愛情のスパイスでしかない。
面白いんだけどね。
異世界の描写は本当に素晴らしい。文字なのに映像が目に飛び込んでくる感じさえした。
つまりのところ、愛情というのは<信頼>なんだなと思う。
お互いがお互いを、それこそ死んでもなお信じ続けている、その強さが美しいのだと思う。
そう。
これは、美しい、この上もなく美しい物語なのだ。
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何年かぶりに再読。キングの小説でもっとも好きな一冊。物語中盤からのストーリーはいつまでも頭の奥に、やわらかな色の水彩画のようにイメージとして残る。愛に満ちたファンタジーホラー。
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上巻を読み終えた後、一気に下巻を読み終えました。
「リーシーの物語 下 (文春文庫)」では、リーシー自身が夫やその兄が行き来していた”異世界”にも行けるようになり、現実のストーカーと対峙し、ついに勝利します。
色々な”狂気”や”悪”が描かれていますが、一度は生きていなかったも同然の姉を救い、姉もまた妹の力になるところや、最後に夫が最愛の妻へ残した”リーシーの物語”が見つかる部分などが特に気に入っています。
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“血のブールだ”“悪のぬるぬるがやってくる”
“カスッタレ!”
意味不明ながらも不思議と感覚の伝わる表現
“妖精の森”“笑い魔”“黄色の斑のロングボーイ”
ホラーファンタジーにつきものの不思議な世界
リーシーは亡き夫スコットの持ち物の整理とともに過去の出来事をひとつひとつ引き出す。
人はこうやって過去と現在を整理して、明日を生きる。
奇跡のような不思議な物語の中に、人の営みの確かさを見つけることができる。
こんなところが読者を掴んで離さないS.キングの不思議さ
やっぱり前半部分の忍耐が最後で報われる、不覚にも少しウルウルさえ……
あぁ〜耐えて良かった〜ホント
「家に帰ってこいと、きみに大声で呼びかけよう」
Posted by ブクログ
キング氏の作品は基本
ドミノ倒しみたい。
前半はドミノのように
地道に伏線を並べて、
後半なにかの出来事を
きっかけに、
一気にパタパタパター
とドミノを倒すように
伏線を回収する感じ。
だから前半は面白みに
欠けて挫けそうになり
ますが、
その分後半に爽快感が
訪れる感じ。
現実世界と想像の世界
が入り乱れて、
悪のヌルヌルとかよく
わからない表現が出て
きて、
最初はとまどって本当
に挫けそうに。
でもやがて爽快なパタ
パタが始まります。
なにせ氏自身がベスト
と推す本作。
ラストの情景描写が◎
もうこれ以上はないと
いうくらい♡
星五つ捧げたいけれど、
前半のいばら道で挫け
そうになった身として
星四つに留めます。
Posted by ブクログ
キング本人一番のお気に入りというのはわかるような気がしますが、私としては少しお下品味が足りませんでした。
とは言うものの技巧の限りが尽くされており、古参ファンサービスも万全。
どう解釈して良いのか苦労してる方はアリアドネの赤い糸やオルフェウスの冥界などのギリシャ神話をイメージすると助けになると思います。
交通事故以降のキングは明らかに作風が変わっており、上質な小説を読みたい向きには良い本。
綺麗にまとまっていて読後感も素晴らしいです。
特筆すべきはこの本自体がキングが読者に贈る"ブール狩り"であること。
ご褒美は「素晴らしい読書体験」です。