小野田和子のレビュー一覧

  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

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    泣きたくなるくらい面白くて読み終わってしまうのが惜しかった。生物学の中でも進化の分野は、地球上で悠久の時を経て紡がれてきた種々にすら惹き込まれてやまないのに、異星生物やパンスペルミア説など宇宙規模になると心の底から湧き上がるような高揚感を感じる。たくさんの宇宙工学の専門知識とともに、一人称視点で主人公の考えごとが細かく描写されるため、場面や状況が想像しやすく脳内で映画を上映しながら読んでいるようだった。また、ロッキーの字体の異なる拙い話し方に愛着が湧いて仕方なかった。グレースとロッキーの異生物間の擦り合わせや知識の共有パートが興味深かった。特に思考速度の一致と重力との関係は虚をつかれるような考

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    2025年12月15日
  • 輝石の空

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    親子の絆と軋轢。
    それぞれの物語が最終局面に収斂していく。
    バックグラウンドにある悲痛さを抱え込み、それでも決断した結末には胸に熱い。

    正直SFファンタジー要素が強くて読み進みるには胆力がいる。でも、読後の解放感は唯一無二の作品です。

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    2025年04月27日
  • オベリスクの門

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    母と娘のそれぞれの物語。
    悲しみや孤独、絶望を胸に抱きながらそれでも前に進まねばならないという覚悟をひしひしとつたえる。

    決して読みやすくはない。でも異世界である本作品と現実の世の中の様相がリンクすることで、エンタメには収まりきらない充実感を与えてくれる。

    では、第三部へ。

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    2025年03月24日
  • 第五の季節

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    世界観に没入するまで少し時間がかかるが、後半に行くにつれて物語がダイナミックになり読みが止まらない。

    架空の世界ではあるが、身分社会や自然災害といったテーマは卑近な話題として捉えてることできる。あとがきにあるが著者がフェミニストといういうのを知ると、作品の見方が重奏される。

    ファンタジーな描写を妄想すると、その壮大な風景が脳裏で荒れ狂う。多分に開かれていくストーリーを今後どのように展開、収束させていくのか。第二部、第三部とわくわく読んでいこう。

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    2025年02月13日
  • 火星の人〔新版〕 下

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    下巻もめちゃめちゃ面白かった…!!

    アレス4への旅が始まったところからは、ページをめく手が止まらなくて、本当に一瞬だった。結末はわかっているのに、最後は感動して少し泣いた。

    この本はなんと言っても主人公のワトニーの人格が魅力的すぎる!苦しい時や愚痴を吐きたいときこそ、ユーモアを忘れず、読者をくすっと笑わせてくれる。すごくチャーミングで可愛らしい性格だと思う。

    私は大きいことでも小さいことでも、何か問題に直面すると、すぐにカッとなって周りが見えなくなり、解決策を探そうとする前に、不安な気持ちだけが大きくなって問題を先延ばしにする傾向にある。

    この本の主人公のワトニーは、大きな問題に直面し

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    2024年12月17日
  • 火星の人〔新版〕 下

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    ネタバレ

    プロジェクトヘイルメアリーから読んでしまったもんなんだけの、こっちはこっちでまあ面白い!
    主人公は似たもんでなんでもかいけつしちゃう!さらに一人語りもジョーク混じりでまあ面白い!
    火星パートと地球パートで全然違う面白さ。個人的には地球パートのほうが好きかも、理科できないのでワトニーがどんなことしてるか詳しくわかんなかった...まあそれでも楽しめるくらいの傑作です!

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    2024年12月14日
  • 火星の人〔新版〕 下

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    火星に1人取り残されたワトニー救出を全世界が注目する。
    最終章、彼を救うための宇宙空間での命懸けのプランの進行はハラハラドキドキ胸が苦しくなるような緊張感。
    文字を読んでこれほど緊張したのは初めてだ。

    まだ作家「志望」だった著者がウェブサイトで公開したのが始まりという現代ならではの驚きの作品デビュー。
    聞き慣れない言葉があまり説明も無しに飛び交う文章はつっかえつっかえ読み進む事になったがそれでも先を読みたい願望が途切れなかった。
    そして最終章、大団円というに相応しい事の成り行きは途中で投げ出さず読み終えた喜びを与えてくれました。

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    2024年12月05日
  • 火星の人〔新版〕 上

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    ネタバレ

    主人公ワトニーの日記形式で話が進み、ちょっと飽きてきたころにNASAが衛星画像でワトニーの生存を知り、公表されて世界中が大騒ぎになるところから一気に面白くなった。

    ヘイル・メアリー同様、トラブルに対応する知識、情報量が多く、組織のなかで個性的なメンバーがそれぞれの役割を果たしながら、大きな計画を動かして行く流れが上手いと思う。下っ端のミンディの呼び出しにヴェンカトが応じて話を聞くところと、計画途中のプロジェクトから部品を横取りしてロケットを急造して打ち上げる話が良かった。

    世界中が注目するなか、威信をかけてワトニー救出計画を進めるNASAの緊迫した様子と、脳天気なワトニーとの温度差が面白い

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    2025年04月08日
  • 火星の人〔新版〕 上

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    頭脳派ポジティブなワトニーのキャラクターが良い。登場人物みんな頭がよく、悪人が出てこないのも良い。
    お気に入りの表現は「ジャガたち」。原文ではどう書かれているのか気になる。

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    2024年06月24日
  • 火星の人〔新版〕 上

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     予期せぬ展開に対し、予期せぬ手法で問題解決する。主人公が持つ、臨機応変さがストーリーのポイントです。

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    2024年06月06日
  • 火星の人〔新版〕 上

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    ワトニーがとにかく前向きでポジティブなのが良い。かと言って能天気でもやけっぱちなわけでもなく、持てる知識を総動員して立ち向かうところがまた良い(とは言え火星の制限された環境では限界もあるので、“ヘイルメアリー”的なプレーもあるけど)
    しかしいいところで下巻に続きますねえ

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    2024年06月04日
  • アルテミス 上

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    序盤の設定がとにかく面白い。想像力を掻き立てられるし、嘘っぽさがとにかく少ない。月面に居住地ができるのであればまさにこんな感じだろうと思わされる。

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    2024年02月13日
  • 輝石の空

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    (オベリスクの門 のレヴューからの続き)

    読み終わっても当分余韻引きずるくらい好きだったので
    この作者が合うんだろうと(実際私自身が40歳くらいのおばさんですし・・・)
    同じ作者の他の作品も読もうかな~とか思わないでもないです。

    でもきっとこの3部作が一番好きだと思います。たぶん。

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    2023年12月18日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

    購入済み

    ただただ傑作

    本作上巻を読んだ人なら迷わず買うだろう。下巻のこのコメントを読んだ人は本作の購入を強く強くおすすめしたい!

    #笑える #癒やされる #泣ける

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    2023年11月22日
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

    匿名

    購入済み

    かなり面白い!!

    内容は全く触れないが、主人公はポジティブな性格なのでシリアスになりすぎることは無いです!最近本に手を出し始めましたが、初めに出会った本がこの本で本当に良かった!

    #笑える #癒やされる #感動する

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    2023年10月25日
  • 輝石の空

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    終わってしまうのがとても心苦しかった。
    作品のメッセージ性は言わずもがなだが、もはや作中世界を現実との類比の対象にしてしまうのは贅沢がすぎるのではないかと思える。
    特に1部2部までのオロジェンVSスティルとか、オロジェンVS守護者のような単純な対立構造しか見えていなかったところから、長い歴史の中に根を下ろした派閥間の複雑な関係が明らかになるところに超大陸の底知れなさを感じる。

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    2023年10月19日
  • アルテミス 下

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    下巻になって、話の展開がとてつもない大ごとになってきたあたりから、面白さが加速した感じがしました。また、主人公と父親との交流にも心打たれるものがあります。124ページあたりのシーンにはジーンときます。
    近い将来、人類は月でも生活するようになるのでしょう。その時の居住空間は本書のようなものになるのでしょうか?私が生きている間に実現するのでしょうか?
    そんなことも思いながら、楽しいひとときを過ごせました。
    これからも、新作が出るたびに著者の作品を追いかけていきます。

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    2023年10月12日
  • フォワード 未来を視る6つのSF

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    ネタバレ

    「夏の霜」ブレイク・クラウチ
    人工知能モノ。最初は世界観が飲み込めなかったが、ゲームだとわかり、そこからは新しい人工知能の誕生にワクワクした。主人公が女性でレズビアンなのがイマドキ。でも子育てや夫婦?仲がうまくいかないところは普遍的。
    主人公と一緒になってマックスに騙された。ブライアンを殺すところはゲームと一緒だったな。
    “喉の奥に金属の味がする。”の絶望感が良かった。
    AIに愛された人類はAIのようにされてしまうのか。

    「エマージェンシー・スキン」N・K・ジェミシン
    宇宙人モノ。はるか昔に分化した地球人類だが。
    温度差がシュールで笑ってしまう。一大隠密プロジェクトのはずが、地球の人には筒抜

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    2023年08月17日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

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    SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。

    どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
    究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。

    一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意

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    2023年06月30日
  • 鏖戦【おうせん】/凍月【いてづき】

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    ネタバレ

    いやー面白かった。読みやすさでいえば鏖戦<凍月なのだが、両作品ともなんとも違う魅力があって、うなってしまった。(三体を読んだ時のエッセンスも感じた)
    特大級のネタバレ以下

    鏖戦/酒井昭伸訳
    何がすごいってまずは、訳!絶対原典の方が簡単に書いてあるんでは?!と思いました(誉め言葉)。好みは分かれるかもしれませんが、私は結構好きでした。人vs異種族の戦いにおいて、異種族がいかに「読者含めた人」から離れた存在であるか、を示すべくの漢字も多用の訳…狙った効果の一つはそれかと考えているのですが、私は最初からやはり仏教感を感じてしまいまして、それは異端ではないので、なんだか最初から親しみが(?)ありまし

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    2023年06月25日