小野田和子のレビュー一覧
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中編「鏖戦」「凍月」の二作収録。
どちらも共通しているのは独特な世界観で造語が説明無く飛び交うところ。
「鏖戦」
はるか未来、人類が異星人と戦っているようだけど人類は人体改造してるし文化も戦争に特化した物になっているようでまるで異星人同士の戦争のよう。
でも異星人の方が更に訳分からない価値観だからまだ人類の方が感情移入できるな、という感じで。
その表現が古語というか当て字や文体などで行われている所が面白い。あと途中からある事情(だと思ったけど読み違い?)で文体が変わって行くのも面白かったです。
大変難解でしたが、その奥にある幻想的な風景が良かったです。
「凍月」
未来の月に住む科学者がある経緯で四百数十人分の冷凍頭部を手に入れる事から始まる物語。
こちらは月に入植した家族が世代を経るうちに大型化し、「家系」と呼ばれるまとまり同士で軽い政治闘争が起きている中、新興宗教を母体とした集団が権力を持ち始め、その集団が主人公たち所属「家系」にちょっかい出してきたけど何で?というのが軸になってます。
こちらはミステリー的な要素もあれば政治に関わる人の哲学と成長と変容をも描いていて、硬軟取り混ぜて描ける人なのだなと感服しました。
どちらもP.K.ディック作品の様な題材なのに人が違うとこういった味付けになるんや…みたいな感じです。そういう風味が好きな方にお勧めします。 -
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ネタバレSFを期待して読み始めたら、結構ファンタジー寄りでした。
作中世界独自の歴史や用語が多いので、補遺の解説が必須です。流れが削がれる感は否めませんが、作中世界の奥行き深さこそがこの作品の魅力だと思います。
第一部では、オベリスクやオロジェン、守護者などほぼ全てが謎のまま終わりますが、ダマヤ、サイアン、エッスンが人物としてリンクするところや語り手が明らかとなるところは、一人物の多様さが感じられます。
内容としては、まだテーマの提示にとどまっている感じで、風呂敷が広げられたばかりという印象です。これからどうなっていくのやら、、、そこは次回へ期待。 -
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3部作の最終巻。
発売後すぐに読み始めたものの、前の巻を思い返しながらなのと、視点が色々変わるので最初の方は読み進めるのに苦戦しました。が、半分から終わりぐらいは一気でした。
読んでいて、父なる地球というフレーズが面白いな、と思いました。母と違い、大地がものを生み出さず、厳しいからなのかな、と思いましたが、作中、男性の方が子供の面倒見ていたりするので違うのかも。父と子は出てきましたが、母はエッスンを代表とした人類だったんですかねぇ?
この作品はフィクションですが、ここ最近は思いもつかなかった天災や厄災が起こっているので備えることと、助け合いは大事だよなぁとも思いながら読みました。
発達した科学は魔法と変わらない、という論も面白かったです。今、自分が使っていてもどうしてそう動いているのかわからない機器に囲まれて生きているし、理屈がきちんとわかる人にはわかるんだろうけれども、わからなくても機能を使う事には問題がないという。その理屈部分がわからなくなっても機能が作動する分には使い続けていられるんだろうな、と。
最後に何故語り口調なのか、なぜずっと彼が語っていたのかがわかりその辺りは彼らが石食いになった過去も含めて「おぉ~」ってなりました。いやぁ、確かに手ごわかった。でも出会えてよかった作品だなって思いました。 -
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ネタバレ〈第五の季節〉…文明が滅びるレベルの天変地異が数百年ごとに繰り返される世界は過酷。過去の季節に名前が付いているけれど、その名前の天変地異が起こったのかな…悲惨。。
オロジェン。ロギア系みたいなやつか?と思っていたけれど、様々な天変地異そのものというより、地殻変動とかの地球の活動を増幅するみたいな感じかな。
3つのお話が同時進行かと思いきや、どうも違うっぽい…少なくともエッスンとサイアナイトは同時ではない、と思っていたら。エッスンパート以外は回想シーン、しかもダマヤとサイアナイトとエッスンは同一人物とは。それ以上にビノフとトンキー。やられました。
文章が第三者視点だな、と思っていたのにもちゃんと理由がありました。ホアは何なのだろう。
オベリスクや石喰いも謎だし、ナッスンも行方知れずのまま。続きが気になります。 -
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店頭に並んでいる時は気づかず、新刊案内を読んで第五の季節の続きだったか!と慌てて本屋に行きました。久々に早く読み終えたいけど、読み終えてしまうのが勿体ない…と言う贅沢な感覚を味わいました。続巻も楽しみ~
それにしても娘は母親に対するあたりが厳しいもんだなぁと思いました。父親に対しては…なんだろう、諦め?みたいなものがあるのかな。同じことをしても父親なら責めないのに母親がしたら一生恨む、みたいな強い感情を母娘には感じます。これは父息子でも同じなんだろうか?それでも作中でナッスンが「彼等を受け入れてくれる人を父親にして生んでくれたら良かった」と言うような心境を語るので、やはり母とのつながりの方が(良し悪しは置いておいて)強いんだなぁと思いました。
そして彼女の好きな人を喜ばせたいが高じた行動の恐ろしさと言ったら。昔、アフリカだか中東だかの本を読んだときに、少年兵が一番恐ろしい、何故なら彼等は無垢で一途で、敵とみなしたものに対する慈悲の心など持たない、みたいな事がかかれていたのですがそれを思い出しました。教育は洗脳とイコールだよな、と改めて思いました…
皮肉屋で人付き合いのヘタなアラバスターが好きだったので色々寂しいですが最終巻楽しみです。石食いの正体とかも分かるのかな~ -
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「火星」「転移」ってなんのことかと思ったら・・・!
主人公キャシーアが大学時代から副大統領(最後は大統領)として火星の危機を乗り越えるまでを懐古するかたちで物語られる作品。
キャシーアが、もともと火星の有力な名門家系の出身で自身も才能があるということはあるが、反国家主権主義者であるリーダーに憧れたり、天才物理学者の卵と恋に落ちたり、政治の世界へ足を踏み込み入れて初めて訪れた地球で失敗したり(正確には巻き込まれただけ)という体験をして、自分で道を選び、迷って、悩みながら成長していく姿が、なんというか女性の生き様としても共感できるし好感も持てる。