小野田和子のレビュー一覧
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AIが普及した近未来にAIと人間の関係を考えさせる16編。海外の作家でケンリュウ以外知らない作家だが、面白かった作品も多い。日本のロボットはお友達SFに比べてダークなものが多かった。
エンドレス サード・Z・フセイン 個別のAIにも経済的な浮き沈みがある設定が楽しい
アイドル ケン・リュウ 自分とそっくりのAIをつくるということを三井住友中島社長は実現してる?
もっと大事なこと サラ・ピンスカ― AIによる殺人? よくある設定だが実際におこると怖い
人形芝居 アレステア・レナルズ 乗組員ほぼ全員死亡した宇宙船でAIが右往左往
翻訳者 アナリー・ニューイッツ AIの言葉を人間にわかるように翻訳する職業?は不滅です
赤字の明暗法 スザンヌ・パーマー ロボットのために貧乏オーナーが活躍するいい話。 -
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アンディウィアーは火星の人に次ぐ2作目。
舞台はアルテミスという火星都市。頭が切れるが、トラブルメーカーな女性運び屋のジャズが周りの人間も派手に巻き込みながらミッションに挑むといった内容。
火星の人と同様、アルテミスという都市の設定が非常に細かく、本当に実在するのではないかと錯覚するレベル。そのため、月面都市の様子がありありと浮かんでくるので、SFでありながらもリアルな空気感が味わえる作品である。
ストーリー自体は、ある人の依頼からとんでもないミッションに巻き込まれて、黒幕も出てきてといった流れで良くも悪くもシンプル。
1番気になったのは前作同様、作者が研究者でバリバリのエンジニアであった背景からか専門用語も多く、ミッション中の描写も構造の話やら科学の話やら出てきてとにかく難しいということ。
そのため、なかなか頭の中でイメージ出来ずモヤモヤすることも多かった。
ただ、話の本筋は充分掴めるのと、そうした細かい設定や描写で圧倒的なリアリティが生まれているのも事実なので良し悪しというところか。
火星の人もアルテミスも映画化してる作品みたいなので、もしかすると映像から先に入った方が描写が浮かびやすくオススメかもしれません。
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人新世SFということで、当然、地球環境の危機的状況をテーマにした作が多い。けれども、ハード面よりもソフト面にスポットを当てた作がほとんどを占める。環境危機への対応策なんて分かりきってる、問題は社会がそれを実行しようとしないことなのだ、ということなのだろう。ただ、そのアイデアが案外とナイーブ。全体に理想化されたコミュニティの登場が目に付くのだが、その描写がまるでカウンターカルチャー全盛の頃のヒッピーコミューンなのだ。「菌の歌」なんかは、あの頃のSFそのまんまである。こんな感じの話、いっぱい読んだなあ。まあお話の中とは言え、この問題に簡単に答えなんかが出るわきゃないってことなんでしょう。
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昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみることに。
『鏖戦』は、「これぞハードSF」と言わんばかりの高難度なファンタジーSF。姿形や社会構造が大きく変容した人類が、異星種族<セネクシ>との果てない戦いを繰り広げる世界が舞台。<セネクシ>を抹殺することだけを目的に育てられた、妖精のような姿をした少女・プルーフラックス。<セネクシ>の研究者で、人類のことを知ろうとする阿頼厨(アライズ)。両者の視点を中心に描かれるSFファンタジー。
設定や用語がかなり特殊で、誰の視点・会話なのかを把握するのもなかなかに難しいため、整理しながら読み進めないと訳が分からなくなること請け合い。その難解なテキストに酔いしれることが出来れば、内容をしっかりと理解出来なくても楽しめることが出来ると思うが、そうでない人には苦痛で仕方がないかと。間違いなく人を選ぶ作品。
『凍月』は、『鏖戦』とは対称的で、比較的読み進め易い近未来SF。人類が地球から月や火星に植民した世界が舞台で、地球から冷凍保存された人間の頭部410個を月に持ち込み、その記憶を甦らせるプロジェクトを巡る物語。
絶対零度を実現するという研究内容や、ラストの展開をちゃんと説明しろと言われると難しいが、物語の展開と結末を大枠で理解することは、テキストを追っていれば十分可能な内容となっている。
"The Hard SF"な『鏖戦』も嫌いではないが、個人的には読み易さのバランスが取れた『凍月』の方が好みだったかな。 -
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この本の裏表紙に書かれていた「3部作が3年連続ヒューゴー賞受賞。世界の終わりの物語」という言葉に惹かれて手に取りました。正直、少々わかりづらい。けれど、世界の終わりをどう表現するのか、3年も連続して大きな賞を取るにはきっと理由があるはず、そう信じて諦めずに読み進めました。途中、繰り返し出てくる「錆び」「錆び地球」「地下火」というフレーズ‥会話の途中にも出てくるこのフレーズに疑問を持つが、きっと訳本でなく英語の原書で読めればその疑問は解決するのかもしれませんね。
読み終わって思うのは、なんとも形容のしがたいストーリー。意思や感情を持っている地球。その地球の地震事象を操ることができる特殊能力者オロジェンたち。これだけの能力を持ちながら、彼らには自由がない。怯えている。それはなぜ?世界の終焉て何?そして不可解な終わり方。二部へ続くための伏線か?
巻末の解説者が「最後まで読んだらまた読み返すといい」とあった。本当にそう思う。二部へ進むかどうかはそれからです。