小野田和子のレビュー一覧
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ヴィナ・ジエミン・プラサド / ピーター・ワッツ / サード・Z・フセイン / ダリル・グレゴリイ / トチ・オニェブチ / ケン・リュウ / サラ・ピンスカー / ピーター・F・ハミルトン / ジョン・チュー / アレステア・レナルズ / リッチ・ラーソン / アナリーニューイッツ / イアン・R・マクラウド / ソフィア・サマター / スザンヌ・パーマー / ブルック・ボーランダー / ジョナサン・ストラーン / 市田泉 / 小野田和子 / 佐田千織 / 嶋田洋一 / 中原尚哉 / 古沢嘉通 / 細美遙子3.7 (6)
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AIが普及した近未来にAIと人間の関係を考えさせる16編。海外の作家でケンリュウ以外知らない作家だが、面白かった作品も多い。日本のロボットはお友達SFに比べてダークなものが多かった。
エンドレス サード・Z・フセイン 個別のAIにも経済的な浮き沈みがある設定が楽しい
アイドル ケン・リュウ 自分とそっくりのAIをつくるということを三井住友中島社長は実現してる?
もっと大事なこと サラ・ピンスカ― AIによる殺人? よくある設定だが実際におこると怖い
人形芝居 アレステア・レナルズ 乗組員ほぼ全員死亡した宇宙船でAIが右往左往
翻訳者 アナリー・ニューイッツ AIの言葉を人間にわかるように翻訳 -
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ネタバレマークの食糧が不足することが明らかになったので、ヘルメスが地球でスイングバイして火星までマークを迎えに行き、ピックアップすることになった。ヘルメスの食糧も潤沢にあるわけではないので、地球でスイングバイする際に中国から打ち上げられた食糧をピックアップする。
マークの方はヘルメスにピックアップしてもらうためには火星周回軌道上まで飛び上がらなければならい。そこで次の火星探査予定地(アレス4)にあるMAV(火星から飛び立つ用のマシン)まではるばる移動しなければならない。当然スムーズにはいかず、移動手段を考案するのと移動している間にちゃんとトラブル(通信装置のダウン、砂嵐、坂道での転倒など)が発生し、ち -
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ネタバレ8年以上積読してようやく読んだ。
自分以外のクルーは火星から先に帰還して、一人だけ取りされた宇宙飛行士が火星で生き延びられるのか、地球には帰れるのかという話。(どうせ生き延びられるし、帰れるに決まっている)
マークだけがなぜ帰れなかったのか、帰還船の船長はなぜマークを残して帰還するという決断をしたのかといったあたりの細かい部分まで不自然な点がないようにシナリオが練り込まれているのはすごいと思った。科学的な考証も綿密になされているようである(たぶん)。
文章だけでは状況がイメージしきれない場面が結構あるのと、マークのセリフにジョークが多すぎるのがマイナス点。どちらもアルテミスやヘイル・メアリ -
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アンディウィアーは火星の人に次ぐ2作目。
舞台はアルテミスという火星都市。頭が切れるが、トラブルメーカーな女性運び屋のジャズが周りの人間も派手に巻き込みながらミッションに挑むといった内容。
火星の人と同様、アルテミスという都市の設定が非常に細かく、本当に実在するのではないかと錯覚するレベル。そのため、月面都市の様子がありありと浮かんでくるので、SFでありながらもリアルな空気感が味わえる作品である。
ストーリー自体は、ある人の依頼からとんでもないミッションに巻き込まれて、黒幕も出てきてといった流れで良くも悪くもシンプル。
1番気になったのは前作同様、作者が研究者でバリバリのエンジニアであった背景 -
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ネタバレ中国からロケットを提供され、火星に着陸させる機能が時間的につけられないから地表に激突しても食料が粉々にならない方法を考えるという計画にわくわくしたが、直後に出てきたヘルメスをフライバイして火星に戻らせる計画が採用され、作者の作風的に何だかんだありつつ救出成功してクルー全員で帰還する結末が予想できてしまい、予想どおりの結末にがっかりした。仲間達との感動ストーリーより、アレス4到着までのサバイバルが読みたかった。
酸素供給器や空気調整器に何かあるかと思えば何事もなく、ジャガイモとビタミン剤の食事でダメージを負うかと思えばケガも病気もせず、スキャパレリへの旅もヘルメスとの合流も上巻のハブ爆発やロケ -
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人新世SFということで、当然、地球環境の危機的状況をテーマにした作が多い。けれども、ハード面よりもソフト面にスポットを当てた作がほとんどを占める。環境危機への対応策なんて分かりきってる、問題は社会がそれを実行しようとしないことなのだ、ということなのだろう。ただ、そのアイデアが案外とナイーブ。全体に理想化されたコミュニティの登場が目に付くのだが、その描写がまるでカウンターカルチャー全盛の頃のヒッピーコミューンなのだ。「菌の歌」なんかは、あの頃のSFそのまんまである。こんな感じの話、いっぱい読んだなあ。まあお話の中とは言え、この問題に簡単に答えなんかが出るわきゃないってことなんでしょう。
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昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみることに。
『鏖戦』は、「これぞハードSF」と言わんばかりの高難度なファンタジーSF。姿形や社会構造が大きく変容した人類が、異星種族<セネクシ>との果てない戦いを繰り広げる世界が舞台。<セネクシ>を抹殺することだけを目的に育てられた、妖精のような姿をした少女・プルーフラックス。<セネクシ>の研究者で、人類のことを知ろう