【感想・ネタバレ】創られた心 AIロボットSF傑作選のレビュー

あらすじ

人工的な心や生命。ゴーレム、オートマトン、ロボット、アンドロイド、ボット、人工知能――人間ではないが人間によく似た機械、人間のために注文に応じてつくられた存在というアイディアは、はるか古代よりわたしたちを魅了しつづけてきた。そしていま、その長い歴史に連なる最新のアンソロジーがここに登場する。ケン・リュウ、ピーター・ワッツ、アレステア・レナルズ、ソフィア・サマターをはじめ、本書収録作がヒューゴー賞候補となったヴィナ・ジエミン・プラサドら期待の新鋭を含む、今日のSFにおける最高の作家陣による16の物語を収録。/【目次】われわれが必要とする「他者」をつくるということ=ジョナサン・ストラーン/働く種族のための手引き=ヴィナ・ジエミン・プラサド/生存本能=ピーター・ワッツ/エンドレス=サード・Z・フセイン/ブラザー・ライフル=ダリル・グレゴリイ/痛みのパターン=トチ・オニェブチ/アイドル=ケン・リュウ/もっと大事なこと=サラ・ピンスカー/ソニーの結合体=ピーター・F・ハミルトン/死と踊る=ジョン・チュー/人形芝居=アレステア・レナルズ/ゾウは決して忘れない=リッチ・ラーソン/翻訳者=アナリー・ニューイッツ/罪喰い=イアン・R・マクラウド/ロボットのためのおとぎ話=ソフィア・サマター/赤字の明暗法=スザンヌ・パーマー/過激化の用語集=ブルック・ボーランダー/謝辞/解説=渡邊利道

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

SFってやっぱ面白い、と思わせてくれる16編と盛りだくさんの短編集。文庫も物価高騰のあおりを受けてこんなに高くなったか・・・と思いつつ買ったが、元は取れたと思う。

どの作品も味わい深いのだが、意識を持ったAIは物理的につながりさえできれば、ハード(シャーシ)を乗り換えていけるって設定が興味深い。人間が求めてやまない不死不老をAIなら実現できるという夢。
究極は「罪喰い」の世界で、人間はみな仮想空間(天国)に旅立ち、荒廃した地上にはロボットだけが残る。遺していく記憶を選べるってとこが業だ。

一方で、製品が成長したり、メンターがいたり、ロボット同士のいじめがあったりって世界の作品もあって、自意識を持つようになって社会のなかで生きていこうとすると、AIも人間も変わらないのはそうだよなと思う。

生存権をはじめAIの権利が認められる日が来るのだろうか?

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

コミック『アトム・ザ・ビギニング』を読んでいたところで本作を偶然手に取ったのだが、ロボットの擬人化という単純な物語など遥かに超越した16篇の来るべきAI世界にまつわる思索小説としても大変興味深い短編が名編者J・ストラーンによって集められている。J・J・アダムズ編による銀河連邦、パワードスーツものなども読みたくなる。

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

2022-12-06
AIテーマ短編集。便宜上AIと言っているが、それを人類に対してどう位置づけるかは千差万別。他者、鏡像、比喩、拡張、反映、などなど。いずれもとても興味深く、示唆に富み、刺激的。
現実に近いという意味で、ケンリュウ「アイドル」、スラップスティックなコメディとして、アステアレナルズ「人形芝居」、その先の美しさとして、ジョンチュー「死と踊る」あたりが気に入ったかな。

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2022年12月07日

Posted by ブクログ

人間のようなA.Iが多いが実際はそうじゃないんだろうな。
印象的だったのは以下。
『エンドレス』
『アイドル』
『もっと大事なこと』
『ソニーの結合体』
『人形芝居』
『翻訳者』
『赤字の明暗法』

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2022年05月02日

Posted by ブクログ

ホントに人工知能的なものに意識や自我が誕生したら、それは人間のそれとは似ても似つかないものになるはず。理屈から真面目に考えてみれば、そうなるはずなのだが、そういう話は「翻訳者」くらいか。国産でこのテーマのアンソロジーを組んだら、そっちの方が主流になりそうな気がするんだが。まあ「人型」というものに対する彼我の意識の違いか。そんな堅いことを言わずにロボットテーマのアンソロジーだと思えば佳作揃いで楽しい。今更のアジモフ三原則をヌケヌケと持ち出す「もっと大事なこと」あたりがお気に入り。

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2022年02月17日

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