山田美明のレビュー一覧
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ジェンダー、人種、LGBTについて、私たちが直面している問題はより複雑になっている。行き過ぎた多様性のせいで、もはや大衆は狂っているとしか言いようがない。
男か女かは、現代医学では誕生とともにほぼ確実な診断がなされる。
それなのに、ジェンダーは自分の意思でいかようにでも変えられる、未成年者でも親の同意なしに性転換手術を受けられる、というのが現代の先進的な考え方と捉えられている。
狂っているとしか言いようがない。
アメリカで起きている黒人の逆差別問題ももはや狂気である。有色人種に対する発言はもはやタブーであり、どんな内容であろうと公に発言した人は社会的に抹殺される。「人種にとらわれない世界を」というのがこれまでの目標だったが、現代では逆に人種にとらわれすぎている。
今後欧米では、白人の男性というだけで、肩身の狭い思いをして生きていかなければならない。
多様性というなら、トランスジェンダー政策、移民政策に反対する意見も多様性と捉えて、幅広く色んな意見を取り入れるのが本物の多様性であると著者は説く。本当にその通りである。
また、政治的関心をもちつつも政治運動には一切参加するなというのが著者の意見である。確かにこれまでは様々な政治運動のおかけで、これほどまでに格差も差別もほぼない豊かな社会になることができた。しかし、今後の政治運動については目標が達成されることはほぼないと著者は言い切る。
そんなことに時間と労力を費やして、たった一回しかない自分の人生を無駄にするのはバカげている。人生にはもっと意味のある活動は山程ある。 -
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私は過去にインドを旅行したことがある。清潔不潔の認識が日本人とは全く異なるし、ゴミに関する価値観も異なる。ゴミを道端に捨てたら駄目だとか、街を汚しちゃいけないとか、綺麗にしようとか、そうゆう考えは彼らには全くない。だから、街のそこいら中にゴミが溢れているし、川なんかには日本人から見たらまさしくゴミ山なんてものは五万とあるわけだ。
この本に出てくるゴミ山は、私が見たものとは比べ物にならないレベルのものなのだろう。撤去なんて、人類が生存している間に出来るわけもない。そしてそんなゴミ山で生計を立てている人々が多くいることにも驚く。ゴミを売って暮らす、その日限りの生活。そしてそんな人々でも借金をしたり、病院に行ったり出来るものなのかとも驚く。お金を返してくれるとは思えないし、医療費が払えるとも思えないのに。(インドにも妊婦健診があるのか!?)
返せる見通しもないのにすぐに借金をするのも、解せない。結核だと診断され、薬を飲まなきゃいずれ死ぬと分かっていても、平然と薬を飲まなかったりもする。平和ボケをしている日本人には考えられないシチュエーションばかりだ。
そもそもカースト最下位として生まれ、親の職業はゴミ拾い。そんな生き方しか見てきていないのに、人生を変えれるわけがないし、他の生き方を知らないことも問題だ。せめて教育さえ正しく受けることができれば。
インドの現実を突き付けられたようなこの本。私がこの目で見たインドにも確かにこのような現実はあったように思う。 -
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エルグレコ トレドの風景(29.100.6)
ブオニンセーニャ 聖母子(2004.442; 額縁の下のところに灯明の焦げ跡)
ブリューゲル 穀物の収穫 (19.164; 絵の前から動けなくなる)
ラファエロ コロンナの祭壇画 (16.30ab)
ペルリンギエーリ 聖母子(60.173; 1230年ごろ MET最古の収蔵作品)
ベラスケス マリアテレサ王女(49.7.43;目だけは14歳より大人びて)
ティツィアーノ ヴィーナスとアドニス(49.7.16; アドニスの血が赤いアネモネの花に)
ティツィアーノ 男の肖像(14.40.640; 半透明の顔料を何層にも、屈折の仕方が絶えず変わる 絵自体が生きているように)
ダッディ キリストの磔刑 (1999.532;最も悲しみを誘う)
郭熙 樹色平遠図(1981.276; 数時間瞑想の後、わずか一振りで描くように)
モネ 夏のヴェトゥイエ(51.30.3; 波間に揺れて溶けるまだら模様の反射)
皇太后のペンダントマスク(1978.412.323; 王者の力や威厳を印象付ける)
村の呪術用彫像(ンキシ; 1978.409; 卑劣な取引でコレクションに)
ヘルメスの大理石像の頭部(59.11.24; 1979年盗難時に、元々あった左目の上に加え、右目の上にもハートマークが刻まれた)
盗難されたキプロスのブレスレットの複製(74.51.3552)
ネイトの小像(26.7.846; 1910年盗難、質屋から回収される、真鍮)
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地政学の本は最近たくさん出版されていますが、どれを読もうかと考えたとき、新書1冊ぐらいのボリュームではちょっと端折り過ぎ、海外の翻訳本で時々みられる訳の日本語が読みにくい等々の条件で候補を絞っていくと、本書にたどり着きました。
上下巻でそれぞれ300ページ、結構なボリュームでこれからの世界を各章ごとに設定されたテーマの切り口で分析しています。まず上巻では、1980~2020年ぐらいまでの時代を、歴史上稀有な時代として位置付けています。冷戦が終わって、世界規模でのサプライチェーンが構築されて、”より便利に、より早く、より大量に”が実現した時代といえるのですが、その要因としては、
1)アメリカが突出した国力によって、世界規模での自由な貿易が可能な状態を実現した
2)先進国が人口構成で高齢化のピークを迎えるまでの人口拡張期だった
この2点を裏付ける様々なデータ、事象や歴史上の推移が述べられています。
そして本書が主に取りあげる2020年代以降の世界はアメリカによってもたらされた上記の”秩序”が解消し、世界が分断されていく中でどのような事が起こるのか、各章ごとに分析が進められていきます。上巻では”輸送”と”金融”が採り上げられます。
基本的には、人口を基に分析を進めるので、
3)アメリカは先進国で唯一、人口構成の高齢化が進んでおらず、今後も人口拡張期が継続し、地理的に他国からの影響を受けにくい(大西洋、太平洋に面している)ので、今後も国力は衰退しないが、以前のようにそれを世界に展開する意思は持たなくなる(=内向的になる)
4)中国は今後猛烈な高齢化を迎えるから、このまま世界への影響力を保持し続けることは不可能になる
この2点が著者の主張と受け取れます。訳が読みやすく、具体的な国名を挙げて説明されており、読みやすい印象でした。下巻はエネルギーや工業、農業などが採り上げられていて、続きが楽しみです。 -
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なぜアメリカ人は、夢見がちで、陰謀論や儲け話に弱く、宗教熱心で、反知性主義的なのか。
そもそもの入植の時点で「そういう人たち」が入ってきたところから、議論が始まる。
上巻は、1970年代までのアメリカの文化・宗教史の解説ともいえる。
アメリカ人の個人主義と相対主義は、自分の想像よりもさらに激しいものらしい。
議論はまっとうで説得的だが、アメリカ人の半分くらいを怒らせそうではある。
「何を信じている人でも、10億もあるウェブサイトを探せば、同じものを信じている仲間が何千人と見つかる。事実と「事実」を組み合わせ、自分たちの信念を裏づけている人たちだ。インターネットが登場するまでは、おかしな考えの持ち主はたいてい孤立し、自分だけの現実を確信し続けるのにも苦労した。」(13頁)
「ユダヤ人がアメリカを動かしているのではないかという不安は、ユダヤ人の人口が2パーセントを超えるころから本格化した(1世紀前には、カトリックの人口が2パーセントを超えたころに反カトリックのヒステリー症状が始まっている)」(209頁)
…現代日本の外国人人口の割合を考えると、日本にも同じような現象が発生しても不思議ではない。
「アメリカでは1960年代以降、法律が一人ひとりを同一に扱うだけでなく、一人ひとりが信じていることはどれも一様に正しいというところまで、平等の意味が拡大された。絶対的な個人の自由を容認するのがわが国の文化の原則となり、国民の心理として内面化された。自分が信じていることは正しいと思っているのであれば、それは正しい。こうして個人主義は、自己中心主義となって蔓延した。」(314頁) -
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マイクロソフトの歴史の中で3人目のCEOサティア・ナデラの著書。
マイクロソフトが激しい外部環境の変化のなかで、世界を真に変える成長マインドセットを取り戻すまでのナデラのハードシングスと哲学。
その中でで、CEOのCは「Culture」、企業文化の管理人だと言う。頑張ろうと。
> 文化とは実際、社員の間に広まるものであり、何千、何万もの社員が毎日下す数え切れないほどの判断の総体である。CEOがそうした文化の管理人であるとは、社員がマイクロソフトと取り決めたそれぞれのミッションを達成するのを手助けするということだ。裏を返せば、マイクロソフトが社員を雇うのでなく、人々がマイクロソフトを「雇う」とも言える。 -
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効率的競争という幻想への盲従から生じた新自由主義の失敗・結果を痛烈に批判。
よりよい自由、民主主義の活力ある社会を築くためにどうすべきかをビッグピクチャーとして示す。
冒頭にある『オオカミにとっての自由は、往々にしてヒツジにとっての死を意味する』(オックスフォード大学 哲学者アイザイア・バーリン)は、フリードマンの少数の自由のための多数を犠牲にする新自由主義による不平等、利己主義や不正などの失敗を批判するツールであるとともに、結果としての現代の巨大企業による独占寡占や、分断や格差が生じている状況も批判。
あるべき自由としては、社会正義が成り立つ進歩的資本主義を推奨。資本主義と銘打ちつつも、『資本』の概念は広く物的、金融、人的、知的、組織、社会、自然なども含み、それをベースとして民間企業や政府の共同行動によりバランスをとり、政治的な自由も担保しうるという論調。
民主主義社会を維持するために、資本家の利益により社会・経済・政治システムが歪められないように、過剰な格差や政治、メディアにおける金銭の力を制限するとともに民主的価値観を育むほかない。
バランスの取れた見方ができるようになることが、公正な社会への第一歩。
内容は興味深いが割と長い。途中少し眠くなってしまった…