【感想・ネタバレ】大衆の狂気 ジェンダー・人種・アイデンティティのレビュー

あらすじ

世界では、ジェンダーや人種の多様性が過剰に主張され、その結果、「多様性」こそが正義であり、それ以外を一切認めないアイデンティティ・ポリティクスが横行するようになった。ヨーロッパで起こっている「多様性」の矛盾を突く!

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Posted by ブクログ

ゲイ、女性、人種、トランスジェンダーを巡って、今起きているウォークによるキャンセルなどについて。地雷原が多過ぎて気をつけないと、あっという間に社会的に殺されてしまうことがある。
間性の話とかは知らんかった。トランスジェンダーとLGBの違いとかまさにそうなんだろな。フェミニストとトランスジェンダーの闘いとかもなるほどという感じ。

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2024年07月10日

Posted by ブクログ

すごく良かった。人間の道徳感は今はグーグルが良いと判断したものを模倣しただけでしっかりと考えた訳ではないと気づけた。読書を続けて常識を疑い、自分で考える習慣をつけようと思った。

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2023年04月21日

Posted by ブクログ

メディアやIT企業が、極端で、非対称的な取り扱いを求める「マイノリティ」の主張を増幅させる背景には、今の自分達の「不当に恵まれた境遇」を、ノイジーな「マイノリティ」の攻撃、修正要望から、守り、彼らから看過してもらう通行手形を獲得するため、というところもあるのか、と気づいた。

結論としては、「仲間だけでなく、表面上の敵にも寛大さを示すことが、この狂気から抜け出すための最初の一歩になる。」と示されている。
極めて穏当だと思う。

また、ありとあらゆる討論と議論から、特定の属性に関する要素を取り除き、ますます高まる特定の属性へのこだわりを追い払い、特定の属性にとらわれない方向へ進むべき、ということもそのとおりだと思う。

いずれにせよ。
ある対象に向けた主張を、逆向きに適用したときに、違和感のある主張には気をつけるべき。
ということを、改めて感じた。
そして、そうした考えは、私一人の奇矯なものではない、と実感できたことは、収穫だった。

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2022年12月30日

Posted by ブクログ

第一章 ゲイ
第二章 女性
第三章 人種
第四章 トランスジェンダー

各章のタイトルを見ただけでもクラクラするほど。
世の中この問題が溢れている。
各章、それぞれに思うところはあるが、カナダ・ナショナルポストの書評がひとまとめにしてくれている。

「疑念の種を撒き散らす社会的公正運動の矛盾に切り込み、大衆の95%がそう思いながらも怖くて口に出せないでいたことを雄弁に語っている。」

まさにこの通りで、反骨精神はあっても良いと思うが、これとは違う何かであるように思えて仕方がなかった。でも、この本を読んで合点が入った。

英国のフェミニズム作家が、「男はクズ」と言っていたのに、男である貴方の父親はどうなのかと聞かれたら逆ギレしたというエピソードは笑えた。

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2022年11月30日

Posted by ブクログ

ゲイ、女性、人種、トランスジェンダー。

「少数者」が「既得権多数権力」から権利を取り返す運動。

のはずが、何で今の世の中のような「狂気」に至ったのか。

いやもう、今日本でもネットを中心に起きている事象がピッタリハマる。つか、向こうはもっと過激。

改めて思うのは、日本にはなかったようなクソみたいな「差別」が向こうには実際にあって、それを人の努力で克服しようとしてきた事実。で、そいつらが日本にない「問題」を見つけてわざわざ掘り起こして自分と同じレベルに下げようとしてる現状。

乗ってる日本人。
というか、日本を壊したい人たち。

そもそもが、ウーマンリブ運動がうまく行った成功体験があるようだ。本当に問題が解決に近づいてくると、なぜか問題はさらに大きくなったとほえる。最初は平等が目的だったのが、平等に近づくとなぜか特権をよこせと言い出す。敵対するものとの対立を設置して、破壊しようとする。

ゴールに近づいた列車が、なぜかブレーキを踏まずアクセルを振り切って事故を起こすような。

本当に困っている当事者もいようが、それに乗って伝統と社会を破壊しようとする奴もいる。自我の拡大と承認欲求と無敵の正義を手に入れて、異教徒は存在すべきではないという、まあ、宗教への依存と変わりない。境界知性が新鮮な視点を与えられてめんでも。それが怖い。

問題は、ネット社会では許しも忘却もなく、いつまでも誰かが煽り炎上させる。
お題目は綺麗なだけに、ポピュリスト的な正当な問題提起が間違った結論を導く結果にもなっている。

それについて、過去についても土下座して謝るべきという、どこかの国の人たちが泣いて喜びそうな世界。

その底にあるのは、ポストマルクス主義にもあるという。
分断を煽り、「階級」間の闘争を煽り、既存の社会を破壊する。

ま、ただ、それぞれのマイノリティの主張の根拠、価値観が異なりすぎていて、そこに「人権」がないのは明らかで、お互いに潰しあうのではないかと思うが、それまで公の秩序善良なる風俗が維持できているかが心配。

読みやすい。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

昨今のLGBTや性志向の多様性といった権利主張者に批判者への攻撃性を感じる人は、読むと日本以上にひどい米英の状況がわかるだろう。読みながら現代社会に焦燥感を感じた。
ゲイ、女性、人種、トランスジェンダーの4章と結論。
人種からはがぜん面白い。社会からの圧迫感(敵認定した対象への大衆の狂気)が怖いほど
権利を主張する人々が異論を許さず批判者を吊るし上げるさまは暴力的で、紹介される事例は数多い。
読み終えて、この社会の混乱・分断を解決する方法を著者も見いだせていないのがもどかしい。このような狂気じみた他者攻撃をする人々は社会の少数派であるはずであるが、社会・世間がその声に圧倒されるのはなぜか。その辺に解決の糸口があればいいのだが。

273。ソーシャルメディアのメカニズムでは、楽天的な人よりも憤慨している人に報酬を与える。誰よりも憤慨していると公言する人が、誰よりも注目を浴びる。大して気にしていない人の意見は無視される。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

SNSの登場で誰もが評論家や政治運動家になれる時代になったが、ゲイ・女性・人種・トランスジェンダーという議論するには細心の注意を払うテーマが過剰な主張と共に科学的根拠もないままに新たな道徳規範であるかの様に賛同することを強いている社会を冷静に省みる書である。やや冗長な感はあるが一読に値する。因みに筆者はゲイである。

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2024年04月25日

Posted by ブクログ

紹介されている事例がやや日本人に馴染みが薄いことや、これでもかという膨大な事例でお腹いっぱいになりますが、主張は至極まっとうであり、シンプルでわかりやすいです。「結論」の章だけ読んでも大意は掴めそうです。
この流れはごく一部の国だけではないでしょう。世界中に広まるかと問われれば疑問ですが、日本国内で引きこもってしまうのでなければ、一読しておくのが良いのではないでしょうか。

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2023年01月29日

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多様性の尊重とは何か。自分の思考は偏っていないか、古くないか、正しいのか。様々な立場や問題が強調され表面化し、自分の意志を表現しづらくなっている気がする。

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2022年08月22日

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ゲイ、女性、人種、トランスジェンダーの4つのアイデンティティについて、欧米(特にアメリカとイギリス)における現代の混乱を批判的に紹介している。著者はジャーナリストなので学術的な議論やデータを活用した説明は少なく、主に有名人や大学、マスメディアなどでの象徴的なエピソードをまとめた形となっている。そのためか、肌感覚の希薄な日本の読者としては読んでいてさすがにそれは突出した出来事ではないか?との疑念もよぎる。もう少し世の中の趨勢として、例えば制度や法律などの仕組みがどのように変化しているのか等の情報があればありがたかった。
興味深かったのはLGBTをめぐるハードウェア・ソフトウェア問題(性の特性は生まれつきかその後の変化か)で、トランスジェンダーとゲイの間でもそのスタンスは異なるらしい。この問題、そう簡単に決着がつくようには思えない。

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2022年08月10日

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トランスジェンダー、フェミニストによる社会公正運動に対し、同じ属性であってさえ、時々やり過ぎ、言い過ぎに感じる事があり、そこには彼、彼女らを代表しているフリをした当事者不在の社会活動家や政治家の利害が混在するために、物事は余計にややこしくなる。トイレやお風呂に関しては、当のトランスジェンダーの方が、肉体の性と異なる居場所を別に求めてはいない事を説明し、LGBT法案に意見したものがニュースになっていた。当事者不在という意味での社会公正化を巡る議論はAV新法にも通ずる。

ある文化圏において理想を求める事は悪くないが、理想がそれぞれに異なるため、多様な価値観を包含する制度設計は難しい。本著でも、ゴールを示すのは容易ではない事を述べ、至近の動きは過剰にも見えるが停止も後退もせず、単に今まっしぐらに突き進みつつある世界の始まりを解説したものだとする。著者は、過剰な動きに冷や水を浴びせたい思いもあったようだ。そして、著者は自らゲイである事をカミングアウトしている。

ー偶然に割り当てられた特徴のために個人の可能性が抑制されることのない社会を目指すと言う点に異論は無い。何かをする能力何かをしたいと言う欲求があるのに、人種や性、性的志向によりそれが抑制されるような事はあってはならない。だが違いを可能な限り少なくするというのは違いはないふりをするのとは違う。性や性的志向、肌の色の意味は無いと考えるのは馬鹿げている。しかし逆に性や性的志向、肌の色が全てだと考えれば、致命的な結果を招くことになるだろう。

上記は引用だが、本著の主張を凝縮している。性的志向については、異性間のそれであっても、希望が叶わず経験できぬ人がいる中で、トランスジェンダーだけが理想追求に下駄を履く必要はない、気がする。まして、更衣室やトイレ等の問題はあっても、職場に性志向は関係ないハズでは。問題は、その無関係なハズの項目に対する不利益の方だ。性に関係ない場所で、性により不利益を被らない社会は必要。発情すべきではない場所で、発情しない社会。

アンコンシャスバイアス、マンスプレイニング、パブリックシェイミング、インターセクショナリティ、ミスジェンダリング、キャンセルカルチャー、ノンバイナリー…。この界隈の専門用語、というよりも、日本語として浸透していない、誕生していない言葉だという事について、それを文化的な遅れと見るのか、そこに舶来の作為を見るのか、今の所は、多面的かつ冷静でいたい。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

なんていうか長年苦しんだポリコレ的な発想が、ここらへんの一連の書籍で一蹴されてるのを見るのは逆につらい感じもある。

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2022年12月21日

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