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ユーザーレビュー アスペルガー医師とナチス~発達障害の一つの起源~ エディス・シェファー / 山田美明 ・カナーもアスペルガーもオーストリア出身。 ・自閉症の発見の先駆として、医師ゲオルグ・フランクルと心理学者アンニ・ヴァイスが、カナーとアスペルガーの両者に関わりを持っていた。 ・アスペルガーは敬虔なカトリック。 精神分析をあまりに合理的なものとしてさげすむ反面、問題のある子供たちを冷徹に観察した。 ...続きを読む・ローナ・ウィングはアスペルガーを”発見”したが後年後悔している。 ・アスペルガーは本格的な自閉の女性は見たことがないと述べている。 ・ナチ親衛隊の14パーセントがオーストリア人。 ・シュピーゲングルントの生還者への補償は1990年代以降。 Posted by ブクログ アスペルガー医師とナチス~発達障害の一つの起源~ エディス・シェファー / 山田美明 アスペルガー症候群の元となる症例を発見したアスペルガー医師によって自閉症が「見出されていく」過程を、丁寧に説明していてとても面白かった!発達障害とかの本を読むほど(結局自閉症の定義ってなんやねん…)となってしまう理由の一端が、見えた気がした。 日本でも最近大人の発達障害がよく取沙汰されるけど、ある種...続きを読むの特質を、差別とは言わないまでも区別する“自閉”という概念が、「個人は共同体に参加しなければならい」というナチスのイデオロギーから発生しているというのは、なんだか怖い。 「自閉症と診断された子どもは、そのような診断のために、その行動が常に自閉症特有の行動なのだと見なされ、その子の個人としての独自性が考慮されなくなってしまう」ということを危惧する筆者のエピローグがよい。 Posted by ブクログ アスペルガー医師とナチス~発達障害の一つの起源~ エディス・シェファー / 山田美明 アスペルガー氏の半生の話。 医者・医学の功罪がいろいろあること。 ナチスの狂気。排除の理論。 発達障害の子供を持つ親としては、いろいろ考えさせられる内容です。 Posted by ブクログ アスペルガー医師とナチス~発達障害の一つの起源~ エディス・シェファー / 山田美明 アスペルガーはあの「アスペルガー症候群」の報告者。名付け親は違いますが。シルバースタインの「自閉症の世界」を読むと、自閉症の最初の報告者レオ・カナーが権威主義的で、自閉の本質を必ずしもわかっていたとは言えず、一方でアスペルガーは、第二次大戦当時オーストリアでナチスの障害者迫害にも抵抗した善意の人みた...続きを読むいな印象を抱く。本書はそういった見方に真っ向対立、アスペルガーはナチス党員ではなかったけれども、ナチスの方策に逆らったようなことはなく、むしろ加担側であったこと、自閉系の人たち全てに愛を注いだのではなく、「社会にとって有用」な形質のみに興味を抱いたことなどを数々の証拠から論じている。正直ショックな内容であり、あぁアスペルガーもそうだったのか...と思ってしまうが、とはいえ、やや厳しい目が過ぎる印象も。ただね、あの時代ドイツの障害者にとっての悲惨さは読むだに辛い。アスペルガーは積極加担とまで言わずとも体制側で出世していったわけで、収容所に送られた方々から見れば本書の言うように、今の広まっている見方は虚像なのだろうなと。 Posted by ブクログ エディス・シェファーのレビューをもっと見る