山田美明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スティグリッツ氏が新自由主義の誤りを説明し、あるべき未来の方向性を示そうとする本。
氏がこの本をトランプ二次政権前に刊行したのは余程の危機感があったと考えられる。結果は残念ながら氏の懸念を払拭できず、より一部の富裕層の富が政治的法的に守られていく方向になっている。本を読み、アメリカはよほど自由の国から離れてしまったのかと改めて思った。
中身としては、新自由主義の誤りを説明することはわかりやすい。特に印象的なのは、
ある自由が別の自由を制限する際、トレードオフをよく考えるべき 例銃を持つ自由 銃にさらされる危険からの自由
選好は環境によって左右される
新自由主義が育てる人間性はそもそ -
Posted by ブクログ
主に自由と言う観点から現在の新自由主義的資本主義を批判する。
ある人の自由は他の誰かの自由とトレードオフであり、一方の自由の拡大はもう一方の自由の縮小になるとして問題点を指摘する。
資本主義を自由と言う概念から解説するのは個人的に面白かった。
誰かがお金を集める自由を行使すれば誰かのお金を使う自由を制約する。
いわゆる搾取。
自由な市場は効率的であり、効率的な社会は自浄作用のように行き過ぎた問題を解決するため、政府による働きかけを否定する。
いわゆる見えざる手。
ケインズ主義の否定と氷河期世代の誕生。
こういった自由と権利を主張する旧経済学の間違い、修正点を事例を挙げながら批判している。 -
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Posted by ブクログ
資本主義は常に拡大していくことが求められているが、多くの先進国で高齢化が進み、人口減少が現実味を帯びてきたため、この「より多く」が成り立たなくなってきた。
特に、工業化も後から工業化を開始した国ほどかかった期間が短かったように、高齢化も中国などは日本よりも猛烈な勢いで高齢化している。
戦後から2020年ごろに至るまでの期間は、アメリカが戦後の世界秩序を自ら守っていた極めて稀有な平和な時代であった。こうした世界の警察たる役目を終え、世界のサプライチェーンは危険に晒される可能性が高まった。結果的に各国はより小さな経済圏で安全を確保しながら生活していくことを余儀なくされる。
そうした中、アメリ -
Posted by ブクログ
米関税政策の反グローバリズムが意識される中、ある意味タイムリーな本。
各国がグローバル経済のメリットを享受する一方、米国はそのための世界の海洋秩序を維持する軍事費負担が割に合わなくなっている。世界の先進国の経済が高齢化のために今後は大きな成長が見込めなくなる(日本はその先頭)こともその背景。
特に第二部 輸送 では、グローバルな海洋の安全が国際輸送の前提であり、低コストで安全な輸送がグローバル経済の前提であることが示されます。アメリカの海洋覇権と各国の貿易秩序への大きな意味での利害の一致がこれまでの幸せな状況を生んできたが、こうした状況はもう長くは続かない。それはグローバルな分業を前提に複雑か -
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ワクチンを打ったか打たないか。いまだにその効果を信じているかいないか、という意見は分かれる。効果はあったのかもしれないが、結果的に感染の波もあり、打つ必要が無かったという判断もあるだろう。私なんかは、年齢的にも、一緒に暮らす家族構成的にも(そもそもアクティブな動きをしていないという事も含め)、効果があろうとなかろうと、何回も打つことになってその度に副反応に苦しむならば、打つ必要がないと考えていた口だ。
本書は、mRNA誕生秘話であり、開発の苦労話である。エズレム・テュレジとウール・シャヒン夫妻の科学者らの迅速な対応と決断力が、わずか11カ月で新型コロナウイルスのワクチンを開発する成功の鍵とな -
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Posted by ブクログ
アメリカで各所の年間最優秀書籍に選ばれたと知り、読み始めました。
フィクション小説と思っていましたが、実際にメトロポリタン美術館に10年勤務していた方の本で、兄の死の悲しみからこの勤務を始め、同美術館の展示品の数々に触れ、著者の率直な感動や思いとその変化を綴っています。
この美術館を観覧した経験があれば、一層印象深く、引き込まれて読むことが出来たと思いますが、正直、期待した感動はありませんでした。
先ずは美術品をありのままに見て、自分の心にどう響くのかを楽しむべきとの指摘にはその通りだと思いました。
作品の解説ではなく、作品の声、訴えを理解する力、感受性は良品を沢山見ることから始まるのかな?
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