山田美明のレビュー一覧

  • 大衆の狂気 ジェンダー・人種・アイデンティティ

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    昨今のLGBTや性志向の多様性といった権利主張者に批判者への攻撃性を感じる人は、読むと日本以上にひどい米英の状況がわかるだろう。読みながら現代社会に焦燥感を感じた。
    ゲイ、女性、人種、トランスジェンダーの4章と結論。
    人種からはがぜん面白い。社会からの圧迫感(敵認定した対象への大衆の狂気)が怖いほど。
    権利を主張する人々が異論を許さず批判者を吊るし上げるさまは暴力的で、紹介される事例は数多い。
    読み終えて、この社会の混乱・分断を解決する方法を著者も見いだせていないのがもどかしい。このような狂気じみた他者攻撃をする人々は社会の少数派であるはずであるが、社会・世間がその声に圧倒されるのはなぜか。そ

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    2024年12月14日
  • 「世界の終わり」の地政学 野蛮化する経済の悲劇を読む 上(集英社シリーズ・コモン)

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    非常に読み応えがある。人口構成の老化を主因としてこれまでの経済は維持できなくなる事が示唆されている、ほぼ事実として。先行きは非常に暗いと言わざるを得ないが、かと言って解決策があるわけでもない。なんとかならないのかと思うだけか。政治や経済に興味のある人は必読だと思う。

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    2024年11月24日
  • メトロポリタン美術館と警備員の私

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    最愛の兄の死をきっかけに、ニューヨークのメトロポリタン美術館で警備の仕事を始めた著者の10年に及ぶ思索の変遷。
    様々な美術品と愛すべき同僚たち。そんな人生もいいな、と思う。

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    2024年11月06日
  • イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)

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    ネタバレ

    「全史」銘打つだけあって、第二次大戦の終わりからのイスラエルxパレスチナの攻防の流れを逐次追って書かれている。上巻はインティファーダを経てオスロ合意、パレスチナ自治政府樹立までを扱う。

    正直、イスラエル内部の予想外のカオスっぷりに頭が痛くなり、酔いそうになった。イスラエル人とはもっと合理的な人々ではなかったのか? ヨーロッパ出身の教育があり、お金もある層がイスラエルという国の運営を行っており、先進的で洗練された圧政を敷いているイメージがあったが、これでは法治国家とは言えないようだ。
    暗殺の手際がお粗末で失敗続きでも継続したり、私的なこだわりから効果の薄いターゲットに力を費やしたり、他国の法も

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    2024年10月19日
  • ゴッホの耳─天才画家 最大の謎─

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    精神病の発作で耳たぶを切り落として娼婦に渡したゴッホを町中の人が怖がって精神病院へ入れるように訴え市長は冷酷にもそのまま従った。
    謎でしかない経緯だが、なんとなくそう認識されている事件を、当時のアルルとその住人一人ひとりを調査し、何が起こったのかを暴き出す。さらっと書いていることの背景の調査量の多さが伺える読ませる良質なノンフィクション。
    全く違う光景が見えてくる。

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    2024年08月20日
  • メトロポリタン美術館と警備員の私

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    美術館の警備員という仕事の裏側を知ることができる本。世界3大美術館の1つとも言われるメトロポリタン美術館の裏側を垣間見れる。
    美術品に対する眼差しを豊かな言葉で表現されている。

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    2024年08月14日
  • スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM(プログレッシブ キャピタリズム)

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    ネタバレ

     経済学の大御所であるJ.スティグリッツ氏の著書。本書の主要なテーマは、大きな政府の必要性だろう。20世紀後半に勢力をつけた自由主義経済は現在でもその勢力を維持している訳だが、こうした社会にスティグリッツ氏は警鐘を鳴らしている。例えば、企業がタックスヘイブンと呼ばれる地域に生産拠点を移すといった、いわば法の抜け穴を利用して生産活動を行うインセンティブを持つといった現状は、自由主義経済が力を持ち過ぎたがゆえに法整備が追いていことに起因すると指摘している。
     それに関連した本書のもう1つの主要テーマは、トランプ政権批判である。前述のように、法を掻い潜った企業の生産活動を是正するために政府介入の重要

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    2024年07月31日
  • ファンタジーランド(上)―狂気と幻想のアメリカ500年史

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    アメリカ建国から1970年代までのアメリカを総ナメする本。どの国民もファンタジーが好きだが、この国は建国された時からファンタジーなのだ
    下巻の方がより面白い

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    2024年06月07日
  • つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~

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    格差の原因は、税制にあり。
    この切り口ほぼ一本で、深く深く掘り下げる。お陰で物凄く良くわかった。

    議論のスタートは、トランプ大統領の演説。自身が税金を支払っていないことを認め、それを追求する声に対し、自らが賢いからだと返した。アメリカ社会は、富裕層が税金を支払わないのは当然となっている。結果、大統領候補がそれを堂々と認め、対立候補も明確な解決策を打ち出せない。

    金持ちはあの手この手で、税金から逃れている。
    その印象は、ボンヤリあるが、具体的にはよくわからなかった。
    少しずつ明らかになる。勘違いをしていた。

    元々、アメリカは民主主義国ではおそらく世界一累進性の高い税制を導入していたのだとい

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    2024年05月16日
  • AMERICAN MARXISM アメリカを蝕む共産主義の正体

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    とても難しい本です。
    1回で全てを理解できる本ではないけど、日本の置かれる政治的な状況も同じように感じます。

    キャンセルカルチャーは極左派の行為は最近行き過ぎのように感じます。それを痛感させられる本です。

    本当の自由とは何か?
    相手を尊重し自分の意見を押し付けることではないです。自分だけが意見を言うことは果たして本当に自由な社会なのでしょうか。
    議論にならないことが多いように思います。
    押し付け合いです。これで本当に国は良くなるのでしょうか。

    トランプ氏の発言は如何なものかと思うこともあります。ただ、何故支持しているのか、その裏を見ないと判断を誤り大衆意見についていくだけではいつか国に綻

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    2024年02月16日
  • mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来

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    ネタバレ

    コロナもあまり騒がれなくなったので復習の一冊。

    ファイザーワクチンの製造経緯を語った本書なのだけど、実はある科学者夫婦が立ち上げたビオンテック社がメインで作り上げていた…など全然知らんことだらけだった。

    mRNAってのはタンパク質を作るように指示する設計図みたいなモノなんだけど、それをコロナに対応するようにする…というのが大筋の発想かな。mRNAワクチンの最大の特徴は、通常のワクチンと違って人の身体自身に抗体を作らせる点。生物学的薬剤とかに近い考えかもね。

    しかしワクチン供給のタイミングが妙に早いと思っていたら、こんなスゲー背景があったとはね…。どちらかというとビジネス書としての色が強い

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    2023年12月25日
  • AMERICAN MARXISM アメリカを蝕む共産主義の正体

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    抑圧者対被抑圧者という構造を持ち出す人間を見抜く事。

    日本でも起きている出来事。
    第4章:人種差別・ジェンダー差別とマルクス共産主義
    第5章:狂信的な「気候変動」論
    第6章:プロパガンダ、検閲、破壊活動

    メモ
    引用:P65・第3章 アメリカを憎悪する社会
    『個人は公共の利益のために、個人の独立や自由意志、自己の追及を犠牲にしなければならず、そうすることで自己が満たされ、自己実現が可能になるとともに、コミュニティ全体も利益を得られる、という考え方である。』

    引用:P106・第3章 アメリカを憎悪する社会
    『自称マルクス主義者は、アメリカの一般大衆のほんの一部を占めるにすぎないと言っていい。

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    2023年12月21日
  • プランタ・サピエンス 知的生命体としての植物

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    植物に神経系のような器官や、認知能力があるのかどうかに関する実験結果や議論は興味深かく、自然に対して新たな視点となった。けれど、植物に対する倫理は考えにくい問題だと感じた。
    ソフトロボティクス分野で、より植物の能力を活かし、ブレイクスルーとなるような未来を期待。

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    2023年11月26日
  • つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~

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    この本は、タックスヘイブンの説明や、大企業、超富裕層がどうやって貯蓄をどんどん増加させていくのかを分かりやすく説明してくれている。
    そして、このタックスヘイブンも富裕層に有利な税制も、政治家に働きかける能力・知恵(いわゆるレントシーキング)であるとか、税制の抜け穴を提供するノウハウを持つ税理士や大手会計事務所の存在であるとかが機能した結果であるので、超富裕層の力をまざまざと見せつける感じでもある。
    この本は、後半はかなりのページを格差を縮小させるための処方箋・改善案が書かれているようだ。
    本書にある多国籍企業・超富裕層に有利な現税制を改善する対案に関してはおそらく、賛否両論だと思われる。
    いず

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    2023年10月19日
  • 大衆の狂気 ジェンダー・人種・アイデンティティ

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    SNSの登場で誰もが評論家や政治運動家になれる時代になったが、ゲイ・女性・人種・トランスジェンダーという議論するには細心の注意を払うテーマが過剰な主張と共に科学的根拠もないままに新たな道徳規範であるかの様に賛同することを強いている社会を冷静に省みる書である。やや冗長な感はあるが一読に値する。因みに筆者はゲイである。

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    2024年04月25日
  • 大衆の狂気 ジェンダー・人種・アイデンティティ

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    紹介されている事例がやや日本人に馴染みが薄いことや、これでもかという膨大な事例でお腹いっぱいになりますが、主張は至極まっとうであり、シンプルでわかりやすいです。「結論」の章だけ読んでも大意は掴めそうです。
    この流れはごく一部の国だけではないでしょう。世界中に広まるかと問われれば疑問ですが、日本国内で引きこもってしまうのでなければ、一読しておくのが良いのではないでしょうか。

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    2023年01月29日
  • mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来

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    コロナのワクチン接種が続いている時期に読めてよかった。
    mRNAの技術が将来、ガンやタンパク質など治療法の確立していない病気に転用できることに期待。
    ※付録が秀逸。

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    2022年12月17日
  • mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来

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    covid-19のワクチンを開発したドイツのバイオベンチャー企業の開発物語

    ある程度の専門知識があった方が良いが、NHK番組のプロジェクトXのような内容
    mRNAを用いて人間の免疫システムを制御してウィルスを抑制する、史上初のワクチン

    ビオンテック社は技術はあったが治験という複雑なプロセスかつ全世界を対象にした製品化の経験はなく、そこについてはファイザーと提携した

    RSウィルスのワクチンは治験段階で、抗体依存性感染増強(ADE)のため死者が出た。ワクチン開発には常に副反応や流行にワクチン開発が間に合わないというリスクがある

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    2022年11月24日
  • ありえない138億年史~宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー~

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     過去全体を理解しようとパノラマ的視点から見た歴史、それが「ビッグヒストリー」。著者は宇宙、地球、生命、人間の4つの領域に分けて考察する。

     まずはビッグバンによる宇宙の誕生。最新の推計では138億年前のこと。
     それから何が起きたのか。
    1 恒星を生み出した。
    2 その恒星の中で元素を合成した。
    3 一部の恒星を爆発させ、新たな元素を宇宙空間に解き放った。

     〈地球の誕生〉
     太陽系は、大量の水素、ヘリウム、そのほか微量の元素で構成されている。しかし、地球の主成分は、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄の四つの元素。
     特にケイ素は、ほかの元素と結び付く手が4本あり、鉱物粒子を作ることができる

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    2022年10月11日
  • mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来

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    今でもワクチン懐疑論者が居る中、mRNAワクチンの製造に成功したビオンテック社のそこに至る開発の実態を素人ではあるが、読み進み、この開発が上首尾に成し遂げられ、世界を救うことが出来たことに僥倖を感じました。
    まだ、コロナの感染が収まらす、前の様な日常生活に戻れませんが、次は、軽症者に処方出来る飲み薬の誕生を切に期待します。
    日本発の塩野義のゾコーバが世界を救う、本書でも語られていた国籍云々に囚われる愚を承知しながらもそんな夢?を期待します。

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    2022年09月08日