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ユーザーレビュー つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~ エマニュエル・サエズ / ガブリエル・ズックマン / 山田美明 30代男性 アメリカ大統領選挙を再来月に控える現在、コロナ渦の株価高騰で格差が生じているとされていて、その実情を知るために読みました。 アメリカの税制の歴史や著書が調査した各年収に対する現在の実際の税率、そして格差を是正するための提案が記載されている。 どの年収でもほぼ同等の税率...続きを読むであり、さらに富裕層は幾分低い結果に、読み間違えかと思うほど驚いた。ぜひ日本版があれば読んでみたい。 Posted by ブクログ つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~ エマニュエル・サエズ / ガブリエル・ズックマン / 山田美明 この本は、タックスヘイブンの説明や、大企業、超富裕層がどうやって貯蓄をどんどん増加させていくのかを分かりやすく説明してくれている。 そして、このタックスヘイブンも富裕層に有利な税制も、政治家に働きかける能力・知恵(いわゆるレントシーキング)であるとか、税制の抜け穴を提供するノウハウを持つ税理士や大手...続きを読む会計事務所の存在であるとかが機能した結果であるので、超富裕層の力をまざまざと見せつける感じでもある。 この本は、後半はかなりのページを格差を縮小させるための処方箋・改善案が書かれているようだ。 本書にある多国籍企業・超富裕層に有利な現税制を改善する対案に関してはおそらく、賛否両論だと思われる。 いずれにせよこの対案を元に日本でも議論してみる価値はあると思うし、この対象読者には政策立案に関わる人や政治家などもぜひ読んでみてほしい。 Posted by ブクログ つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~ エマニュエル・サエズ / ガブリエル・ズックマン / 山田美明 内容としては一貫して税金の話。今の税制が如何に富裕層に向けられて作られているのかを数値(グラフ)で見せつけてくれます。 資本主義が行き過ぎた現代において、資本家は特別強大な富を保有するに至り、その結果として政治においても発言力が強まり、彼らにとって有利な税制になっています。 「所得」に対する全税金比...続きを読む率は富裕層の方がすでに低くなっています。低所得者は所得に対して高い税率のためさらに困窮し、富裕層は低い税率で痛くもかゆくもなく資産は守られ、殖産が加速していく実態に驚愕。 タックスヘイブンが問題だと分かっていても抜本的な対策を取れないのも、富を集中させる資本家たちが強くなってしまったせい。 個人的には、昨今の資本家に対する超累進的な課税、または富裕税の議論には一歩引いた立場でいたのですが、これだけの不都合な事実を見せられ、資本家に富が集まることで労働階級に富が降り注ぐというトリクルダウンは、日本においてもすでにアベノミクスで妄想・煙に巻く虚言でしかないことが実証されているので、社会保障を充実させ、一度リセットする方向で進められるのであれば、現代における唯一の解決策なのだと思うようになりました。 ただ、そのためには、正しく税金が使われていることを監視すること、そういう政治を選択することが国民の義務として多くの人に理解してもらう必要がありますが。 Posted by ブクログ つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~ エマニュエル・サエズ / ガブリエル・ズックマン / 山田美明 【感想】 軽い気持ちで手に取ったら、税制について無知の自分には少し難しかった。しかし、視覚的にわかりやすいグラフが豊富にあり非常に読みごたえはあった。 読破して、富裕税の導入はアリだと思った。これがどこの国でも(導入している国もあるかもしれないが)導入されていないのは利権だけなのか?何か重大な課題...続きを読むがあるのでは?とも感じたが...。 育休も幼稚園もないなんて、日本に生まれてよかったとつくづく実感。 Posted by ブクログ つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~ エマニュエル・サエズ / ガブリエル・ズックマン / 山田美明 アメリカの税制と貧富格差が主題。 21世紀現在において、人口の上位0.1%が富の20%以上を占めており、格差が広がっている。その原因として著者は政府による富の再分配、つまりは徴税方式に問題があると提言している。労働者階級と資本家階級ではそもそも収入の得方に違いがある。労働者階級は給与所得や消費税など...続きを読むによって、所得のほとんどが控除なしに課税対象になるのに対して、富裕層は利益収受、配当、サービスの消費など非課税の対象となる要素からの比率が高い。したがって、いくら累進課税が導入されていたとはいえ、富裕層は逃れる道が多くある。実際、超富裕層の所得のうち課税対象は40%程にしかならない。 法人税の減少にも大きな問題がある。以前は40%近い税率であった法人税も現在は20%少々。これはアメリカに限らず、世界中で法人税の下限競争が起こっている。なぜだろうか?多国籍企業への忖度である。社会にお金を生み、雇用を創出する企業は国にとっての原動力であるため、どこの国もその基盤が強い方がもちろん好ましい。税率を限りなく下げて活動基盤にしてもらえば、企業も国もウィンウィンである。そして、その株主などはタックスヘイブンとしてさらに租税回避をすることができる。 富の集中は権力の集中になることが民主政治においては当然問題される。あらゆる手段によって低減税率を得た富裕層は政治権力との結びつきもおこり、さらにその悪循環がおこる。 では、どうすればよいのか。 それを、本書の後半でじっくり解説している。 疲れたのでこの辺で。 Posted by ブクログ ガブリエル・ズックマンのレビューをもっと見る