郷内心瞳のレビュー一覧
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神仏に関する怪談が集められた一冊。
著者によって集まる怪談に傾向がありとても興味深い。
その中でお寺や修験者に関する怪談を綴った橘百花氏の民話のような因果話や海を越えた海外の神について語られる卯ちり氏の怪談、そして一話のみながら思わずヒヤリとさせられる人間も怖い話の「檻の中」の斉砂波人氏と「裏の靖国」の鷲羽大介氏…。
もちろん他の著者の方々の話も大変興味深く、また読みやすいものが多くとても満足な一冊。
しかし後半に行くとかなりアクの強い著者が続くため(悪い意味ではなく作者の個性が強烈に出ている話が多いので)「実話怪談」というより立派なひとつの「作品」として捉えたほうが良いかもしれない。
特 -
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最強のヴィランにしてこの世のてっぺんに君臨する霜石湖姫といよいよ相見える事になった。郷内心瞳率いるアベンジャーズは日ノ本一のお化け屋敷と言われる霜石邸に降り立つ。
毎度同じみ湖姫さんの名言が今回も次々と登場、前作の「開眼ッッ!」からの今回の「始めッッ」は最早…脳内でバジリスクタイムが始まり、いよいよ次回は「まだですッッ!」が出そうな雰囲気が拭えない。笑
話がだいぶズレてしまいましたが、
今回は湖姫さんを軸とした過去の話がメインになっており、人類を超越した身体能力を持つ湖姫とは何なのか、稀代の最強霊能力を有する霜石家とは何ぞや?といった事が明かされていく物語になっている。つまり、本筋である湖姫と -
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「ふぉん、ふぉん、ふぉーーーん!」笑笑
まさかの長編!!やばいって!!
前作で、ある世界のてっぺんにして最強の霊能者、霜石湖姫と対峙した郷内先生、そして満を持して、いよいよ、その後を描いた物語が遂に始まった。
今回は壮大な事案ゆえに、いつもとは打って変わって、集められた怪談話が一切ない!!!これは郷内先生の作品を読まれてきた方なら分かると思うが非常〜〜〜〜〜〜〜に珍しい!! ん?初めてかもしれん。まあ、長編の方が好みだから、ありがたい!
しかし、この言葉が表す様に今回はかなりの込み入った厄介極まりないヤバイ案件と言わざるを得ない。メインとなる話は本筋とは少し離れた話だが、しかしそこにも -
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長年このシリーズを追ってきた一読者として、今回は少し趣の異なる一冊だったと感じています。
これまでのシリーズでは、郷内心瞳さんの語りを通じて、「見てはいけないもの」「関わってはいけない世界」に触れてしまったときのぞっとするような恐怖が描かれてきました。日常の隙間にひそむ非日常。
しかし今回の『赫怒の刻印』では、その主軸がやや変化します。主人公は、小橋美琴さん。彼女の視点で展開する物語は、これまでの“拝み屋ワールド”に比べてぐっとライトで、恐怖そのものも抑えめです。シリーズの特徴でもあったオムニバス形式のエピソードも収録されていますが、全体を通して「怖い」というよりは「読みやすくまとめられた -
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家や土地にまつわるホラーアンソロジー。
事故物件だけでなく住民そのものが怖いヒトコワものまで豪華11話収録。
糸柳寿昭氏『やなぎっ記』軽い雰囲気の日記だと思っていたら最後のメールで鳥肌立っちゃうやつ。
澤村伊智氏『笛を吹く家』この方の描く歪んだ家族っていつも気味が悪いし悲惨…本当にいそうなのがまた怖い。
芦花公園氏『終の棲家』宗教が関わるホラーではやっぱりこの方。得体が知れない信仰の気持ち悪さと逃げられない絶望感。
平山夢明氏『ろろるいの家』ホラー描写が本書で一番怖かったかもしれない。不気味な現象に徐々に侵食されていく感じがゾクゾクした。 -
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物件ホラーが好きなのと芦花公園先生の短編が入っているので手に取った。他の参加メンツも豪華すぎる、、、バラエティに富んだ様々な物件の嫌な話が入っていて満足度が高い。
福澤先生の話読んだことある、、、?って思ったけど「怪を訊く日々」のエピソードと若干重複してた。「忌み地」のシリーズも好きなので糸柳さんの日記っぽいやつも好き。晩御飯の献立書いてあるのかわいい。
郷内心瞳は拝み屋怪談しか読んだことなかったのでカニバリズム百合姉妹ホラーみたいなのお出しされて新鮮だった。よかった。
芦花公園先生のやつもかなり邪悪だったけどそれに続く最後の平山夢明先生のやつがあまりにも凶悪すぎて最高だった。何この流れ。助か -
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ネタバレ読んでる途中でこんなにも「もう嫌だ」の気持ちになることって珍しい。実話系怪談というジャンルが大好きなのですが、怪談を蒐集する人間、つまり作者がやけに露悪的なのは苦手で、でも大概の実話系怪談本はそうなので諦めて飲み込んでいるんですが、この作品は全体的に人間のそういう部分を煮詰めて凝縮したものが詰まっていてなかなかに読むのが辛かったです。
怖いっちゃあ怖いんだけど、期待していたものとはちがうかな。怖いんですけどね。本当に。ほとほと疲れ果ててしばらくは顔も見たくありませんって気持ちになる。体力気力が十分に満ちている時に読みましょう。