【感想・ネタバレ】拝み屋備忘録 赫怒の刻印のレビュー

あらすじ

台湾の最凶呪術と対峙

拝み屋が綴る人気シリーズ第9弾!
呪術が女性霊能者を襲う!

鮮血に塗れた異形の男が、白い眼球をぎょろりと剝き…
(収録話「赫怒の刻印 破」より)


加持祈祷、悪霊払いなどを請け負う「拝み屋」郷内心瞳。怪異に触れることで感覚に異変をきたす、そういった体に焼き付く不穏な「印」に纏わる話の数々を収録した人気シリーズ第9弾。
・引っ越した先の家に住み着いていたのは…「夫婦のいる家」
・悪魔召喚の儀式を遊びでやってしまった男「巣にされる」他。
そして今作には様々な既刊シリーズにも登場している霊能者・小橋美琴が登場。彼女の身に起きた凄まじい怪異とその顛末を描く「赫怒の刻印」をはじめとする圧巻の連作も。
一度焼き付いた「印」はもう元には戻らない。怪奇と恐怖に満ちた非日常はいまや貴方の世界そのものに……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

長年このシリーズを追ってきた一読者として、今回は少し趣の異なる一冊だったと感じています。

これまでのシリーズでは、郷内心瞳さんの語りを通じて、「見てはいけないもの」「関わってはいけない世界」に触れてしまったときのぞっとするような恐怖が描かれてきました。日常の隙間にひそむ非日常。

しかし今回の『赫怒の刻印』では、その主軸がやや変化します。主人公は、小橋美琴さん。彼女の視点で展開する物語は、これまでの“拝み屋ワールド”に比べてぐっとライトで、恐怖そのものも抑えめです。シリーズの特徴でもあったオムニバス形式のエピソードも収録されていますが、全体を通して「怖い」というよりは「読みやすくまとめられた小説」という印象が強く残りました。

ストーリーには意外な展開もありますが、シリーズを通して感じてきた“背筋の寒くなる感覚”や、“絶対に触れてはならない何かに近づいてしまったときの緊張感”が、今回はやや希薄だったように思います。

小橋さんがメインとなったことで、シリーズとしての幅を広げる試みなのかもしれませんし、新しい側面を見せてくれたとも言えます。
ただ、個人的には「もう少し怖くてもよかったな」と感じた一冊でした。またあの“得体の知れない何か”に触れてしまったような読後感に出会えることを期待しています。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

5よりの★五つです
三神の出だしは気持ち悪かった、今回はタルパだらけでしたが、美琴さんや瑠衣さん、小夜歌さんと、郷内さんと繋がりのある人達が登場し懐かしかったです。
郷内さんのゴーストバスターズと比べれば怖くないですが、人が勝手に思う欲って怖いなと、、、
その欲が怨みとして自分に向けられる世界も怖いです。。

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2024年12月23日

Posted by ブクログ

ギリギリあまり怖くなかったです。
主人公がタルパを取り戻すためにがんばります。
最後は切ないけど、希望をもって温かい気持ちで読み終えました。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

拝み屋備忘録・九作目の「赫怒の刻印」。
九作目の今作は、なんとなんと郷内さんでなく小橋美琴さんが主役です。

読み終えて思うのは、夫婦と麗麗と3人仲良く暮らしているようで何より、ということですかね。美琴さんと麗麗が登場した郷内さんとの事件に今回の怪異と、身勝手な欲望に憑き纏われての災禍ばかりなので、安住の場所が見つけられて何よりです。
他にもカカ様の怪異にも関わっていたと思うので、読み手としては勝手に相棒の感じでいましたね。

ひとまずは、拝み屋というか「あちら側」に関わる仕事からは手を引くらしいので、今頃は平穏な暮らしを送っているんだなぁ、と思っています。麗麗が二人のところにいるであろうと信じて。


本編「赫怒の刻印」の合間に挟まれる怪談は、こちらに気づいているか、干渉してくる形のものが多かったように思いました。そういうのは怖いのでいや。
思いがけず見てはいけないものを見てしまった、ただただ奇妙でした、恐怖でした、で思ってくれればいいものを。
思いがけず見てはいけないものを見てしまった、その後奇妙な出来事に遭いました、危険な目に遭いました、という因果が生まれるようなものがとにかく怖いです。
「秘声」が印象深く怖かったですね。
あのテープ自体が、恨みの象徴。義母さんはどう処分するつもりだったんでしょうか。PCのHDD処分しないと死んでも死に切れない、という男性ゆえの笑い話がありますが、黒い感情の吐口となったものは、どう処分したらよいものか。
終活、ってそこの部分、誰にも明かしていない黒い部分が一番大変なんでしょうね。
「こおゆうひとよ」は怪異が現れなければ、隠し通せていたのかもしれない。
これは恐怖ではあるけども、不幸を防ぐことができたということでは、吉兆と言えるのかもしれないですね。怖いけど経験したくないけど。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『花嫁の家』のようなゾッとくる怖さはない。タルパとの描写はファンタジック、ライトノベルのようなカジュアルさである。
近年の作品は比較的そのような傾向なので、ホラー好には好みが分かれると思う。本作も例もれず、作品としては面白いが、個人的に期待する内容とは少し違った。

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2024年09月03日

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