郷内心瞳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ夏の暑さが終わり秋の涼しさを感じる季節に読みました。なんとも良いタイミングで、風の涼しさや、季節の変わり目に敏感になる感度が、物語に没頭させてくれました。
本書は、一つ一つのエピソードは短編になっているのですが、著者の幼い頃から拝み屋になろうと決心するまで年を追って書かれているため、続けて読むと1人の青年の物語になっている。
ホラー小説としても、私の求めていた世界観だった。
子供の頃のあやふやだけどずっと覚えている不可思議な体験、ただ怖くて泣いた思い出、山などの自然が身近で、読んでいると土から立ち昇る湿気が感じられるような、身近なようで遠い世界。ホラー小説というより、怪異譚、でも良いけどもしれない。
印象に残った情景
初めて恐ろしいものを見た幼い頃の著者が曽祖母に大泣きする。曽祖母は吐き捨てるように「なんとも勘の鋭い子だ」とつぶやいた。 初めから始まりまで
コンビニのアルバイトに転職し、そこで出会った女性に心を開いたころ、2人で異形のものを見る。
自分が見るものは幻覚だと自身を追い詰めていた著者だったが、彼女も同じものを見たことを知り、彼女はお化けだと言った。怖いものは素直に怖いと思えば良いと、著者の心が軽くなった話。 おばけなんかないさ
今までの話に出てくる曽祖母というのは、どの人なんだ? ぞっとするシーン。ここで、著者の幼少期に曽祖母がお前は何を拝んでいるのかわかっているのかと曽祖母が言っていたことを思い出す。 暴かれた影
姓も変わり、名も変わり、進む道も大きく変わった。まるで生きながらの転生だな。 この後、著者はもう今までのようには戻れない、もう普通には暮らせない。と書いているが、著者がはっきりと意思を決めた印象的なシーンで、心が澄み渡っていくような静謐な雰囲気を感じた。 虚しき流れ
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Posted by ブクログ
「終わった家」「梵字」「いざないの海」が恐怖に怯えたベスト3。
「終わった家」の怪異はまだ始まったばかりというのが、恐ろしい。なにがあったかわからない。知らなくてもいいことはある。ただ、これまで読んできた郷内さんの実話怪談からすると、切っても切れない縁というものはあるものなので、いずれなんらかの形で関わるかもしれない、とエンタメ的な考えは迷惑ですね。すみません。
郷内さんの口の悪さには度々違和感を覚えてきた自分ですが、「ゆきこの化け物」の中では大いに共感しました。というか、職業倫理よりも感情を優先してしまうのも仕方ないのかな、あれでは。
読後感が悪い一冊。
それは恐怖でないんだよね。やるせなさなのかなぁ。 -
ネタバレ 購入済み
良質な怪談話が多い
因果関係が不明な怪異の話が多いため、信憑性が高く感じられる。
一個一個の話が独立していると思いきや、実は関連性があったりと中々、凝った構成になっていて楽しめた
実話形式の怪談本の中では結構面白いと思う -
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高鳥千草が持ち込んだ怪異。「花嫁の家」で結末を迎えたかと思っていた神殺しの一連の事件。
その最終決着をつけてくれるであろう「壊れた母様の家」です。
タイトルの母様という言葉が、いろんな意味合いを持っているような気がしてならない。陰陽の上下巻だろうと思うので、上巻である〈陰〉は、怪異の発端から解決直前まで、なのかな。
不謹慎ではありますが、芹沢真也が死亡していたということに安堵を覚えたのは事実。彼の存在は、触れてはいけないものに触れてしまったゆえの狂気を感じていたので。
何分、物語の途中なわけで気になるキーワードがどのように収束し、結末を迎えるのか検討もつかない。
ただただ、在りし日の謙二と千草の平穏な日々の輝きがまぶしくてまぶしくて。 -
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2014年の郷内さんの身に起きた怪異を綴った「禁忌を書く」。
最後の一話で書いてもいますが、四人の女性にまつわる怪異を中心として構成されています。
ほのかさんと朝子の結末が、心に残るかなぁ、やはり。どちらも、新しい出発という意味では。そこまでの経緯が全く違うけれども。
ほのかさんの強さは、憧れ。
朝子の弱さは、反面教師として。
朝子のように逃げ出してしまう自分がいること知っているので、どこかで掛け違えていた自分かもしれない、と思って読んでいました。恐ろしい。
女性を中心につづった「禁忌を書く」。その最後に現れる怪異は、桐島加奈江。
郷内心瞳にとって彼女の存在は、切り離せないものなのでしょう。 -
Posted by ブクログ
郷内さんが拝み屋になるきっかけの事件を書いた「逆さ稲荷」。
合間合間に拝み屋として、経験・収集した怪談が挟まれています。箸休め。
その中では、狸に化かされる話が好きですね。やりこめるオチが民話のようで。
曾祖母の霊が起こした怪異の数々。幻視で経験した惨劇。
郷内さんの先祖の行状と思われていたことが、そうではなかったというのであれば、なぜその怪異が起こることになってしまったのか、なんだよなぁ。
先祖の悪行の報いを受けている、という祟りではないらしい。
因果は解明できないまま、怪異が起きなくなり日常が戻ってきた。そして、自分と向き合うために、拝み屋を始めることにした。
雑にまとめると、そういうことか。 -
Posted by ブクログ
先に、同著者の名作と名高い『花嫁の家』を読んでしまっていたので、どこか小品ぽい印象のあるこの作品は、もともとたいした期待はせずに読み始めた。悪い意味ではないが、まぁよくある『百物語』系の、日常的な感じが怖面白い短編集だろうな、と考えていたのだ。そして、まぁ、基本的にはその通りに物語は進んだ。ハナからそうだと思っていたのでガッカリはしないし、そういうレベルの怖さを想定していたので安心して読み進められる。…が、ところどころで、妙だな、と思う点はあった。そういう書き方をするだろうか、こういう設定のなかで、というような、変に不穏な感覚というか、そこまで思いっきり変な印象は受けないものの、なんだかしっくりこない、そんな妙な読後感だった。
結論から言うと、その妙な感じ、は、やはり、ある種の伏線だった。どこかほんわかした百物語に混ざって、したたかに凶悪に、その正体を現す時を狙っていたのだ。(そして、それはたぶん、実際の著者の経験の中においてもそうだったのだろう。)後半、ある瞬間を境に、すべての点が線になって、そしてそれはとてつもなく恐ろしい線で、「えぇー!?」と思わず叫んでしまった。鳥肌が一気に立つ。ページをめくって読み返す。
『花嫁の家』よりは穏やかな、のんきな話だろうと思って先入観で読み始めてしまった私が馬鹿だった。あんな作品を書ける人が、そんな平和な作品を出していたわけがないのだ。(でも、内容やレビューを読んでから手に取ったのではなくて本当に良かった。ネタバレしちゃってから読んでいたら、おそらくこんなに感動していないはず。)良い意味で私の最初の期待を裏切ってくれた。きちんとエンターテイメントだし、構成も工夫されているし、内容がどこまで創作なのかは別として、上質の怪談に仕上がっている。 -
Posted by ブクログ
2026.08.25
シリーズ3作目。
ドッペルゲンガーの話が多い。
郷内さんの幼少期からブラック企業を退職するまでに体験した怪異の数々と、拝み屋として聞いた話がミックスされている。
うまい、やっぱり話が上手いなあ。
よくある実話怪談集とは一線を画すストーリー性。
伏線の回収と話の収束の仕方がうまい。
まさか曽祖母が異形だったとは…。たしかに序盤から違和感はあった。
いろいろ繋がっているので怪談始末も再読したくなる。
シリーズ全作(たぶん)購入したのでこれからの展開がさらに楽しみ。
しかし、たくさん恐ろしい逸話がある中で、どうしてタイトルはわりとホッコリした内容の「逆さ稲荷」にしたんだろう?