あらすじ
最期まで優しい母として逝った依頼主、忌まわしき白無垢姿の花嫁、昵懇の間柄だったひと、心に怪物を抱えた女――。四人の女性の存在と彼女たちとの顛末を中心に、現役の拝み屋が体験・見聞した最新怪異譚を収録。決して触れてはいけない闇と、ときとして人の温情がもたらすあたたかな光。双方が生み出す不可思議な事象は、そのどちらも怪異が持ち得る姿である。生者と死者が灯した火が怪しく揺らめく、厳選の53編!
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Posted by ブクログ
甘さ無く締めくくられ、始まる怪異。
「ほのかさん」の回は泣きっぱなしです。
みんな優しい。あったかい涙。
「美雪さん」の回もせつなかった。
美雪さんがまもってくれていたから、「花嫁」も奥さんにはあまり手出ししなかったのかな。
素敵な女性たち。
怠けていたニートの女性も少しずつ歩みはじめました。
そして
「加奈江」─。
Posted by ブクログ
★満点です!
特に、かなえさんの回は全て電車の中で。。やられました。泣いてしまいました。
改めて『花嫁の家』を再読したくなりました!
これで角川ホラー文庫の郷内さんを全て読みきってしまいました。
郷内さんの体調が早く良くなり、新しい本を出版してくれることを願うばかりです。
Posted by ブクログ
なんでこんなにこのシリーズおもしろいんだ!
郷内さんの書き方うますぎだよ…߹ㅁ߹)♡
よしよし…だんだん分かってきたぞ〜。
シリーズの傾向が。
前半、自身の体験を交えながら、依頼主や知り合いから聞いた怪異現象が沢山書かれている。
後半になってくると、まるで小説の伏線回収のように一部が収束してくる。
実話怪談なのによ?(°д° )
小説の中のような出来事が郷内さんの周りで実際に起きているんです…(-_-;)怖い…。
『花嫁の家』を読んだ時もそうだったのですが、初めて訪れた依頼人も、実は郷内さんに寄せられて来ている事が後から判明したり…。
(本人も気付かない所で、郷内さんの関わる事象に引っ張られてきている。)
『拝み屋』という職業柄、関わってしまうと厄介な事が多いようなので仕方ないのかも…とは思いますが、なんせ幼少期から不思議な体験ばかりしている方なので、もうこれは運命…宿命…?のようなものなのかも……(^▽^;)
文字に起こして始末してしまえば成仏に繋がると言う。
芸術はずっと残るので、広く知られ忘れられない事が本人達(様々な事象)の希望なのかな。(-ω-;)
私は未確認生物(宇宙人とも言う)以外は基本的に否定派です。(๑¯∇¯๑)
なのに怪談は好きだし、怖い…。
信じていない筈なのに、風呂でシャンプーしている時や、夜中にふと目覚めてしまった時がめちゃめちゃ怖い……(-_-;)
「しまった!」って、いつも後悔するくらい。笑
そんな怖さを、本シリーズは毎回体験させてくれます……したいんかい(༎ຶ⌑༎ຶ)
特に印象深かった話を何個かチョイスします。
【禁忌を書く 前・後】
基本的にこのシリーズは『花嫁の家』の執筆中に纏わる怪異現象が本筋です。
禁忌を書いている期間、家に現れた白無垢の女。
急に聞こえる笑い声。
紛失する原稿——。
郷内さん、よくご無事で……(T-T)
【嗤う女 起・承・転・発】
こちらも同じ期間中の出来事。
郷内さんのファンだという女から深夜に電話がかかってくる。
『朝子』と名乗るその女との電話の直後、どこからか女の笑い声が聞こえる。
郷内さん、深夜に電話取って話聞いてあげるなんて、優しすぎん?笑
それにしてもこの嗤う女シリーズは、後半とても耳が痛いところがあり、私生活を見直せねばと感じました。(^▽^;)
【ほのかさん 続・完】
このシリーズは泣けます。
「泣きなさい」から始まるシリーズです。
ほのかさんのお母さんが長い入院生活の上、他界。
その後、郷内さんの元に訪れ、家族と関わっていく。
ほのかさんは結婚し、2人の子供達と幸せに暮らしていたのだが、ほのかさんが癌と診断される。
強くて優しくて、素晴らしい母親。
郷内さんの気持ちも辛い……泣きました(´;︵;`)
【来るべき災禍】
次作に続くお話。
『怪談始末』に出てくる、郷内さんにとても関わりが深い「少女」が出てきます。
すぐに続編を入手したくなるお話です(^▽^;)
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人生は物語ではない。常に現在進行形で事象と結果が糸のごとく紡ぎあげられ、 死ぬまで編み続けられていく、果ての見えない一本のか細き線に過ぎないのである。
延々と紡がれていく糸の動きを途中で止めることなどできないし、仕上がりの麗しい部分だけを切り取って、不要な部分を捨て去ることも不可能である。(本文より)
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次は『拝み屋怪談 来るべき災禍』
もうすでに手元にございます——( ≖ᴗ≖)ニヤッ
Posted by ブクログ
怖い短編から不思議な話やちょっと泣ける話までいろいろ読めました。
それぞれの短編がそんな風にまとまるのはちょっとうまくできすぎてるようにも思いましたが。
うーん、前に読んだのを読み返したい、でも怖い(笑)
Posted by ブクログ
私は本職の拝み屋さんという人がいる事を知りませんでした!
いるのか~。
まあ、舞台が東北ということで、ちょっと納得してしまいました。恐山のある東北、そして沖縄ならばそういう伝統が残っているでしょうから。
さて、拝み屋さんである作者が実際に見聞きした事をもとに書かれている本作、半ばノンフィクションといっていいのではないかと思います。
それだけに、これは怖い。単なる実話怪談よりもっと真に迫る恐ろしさが感じられます。
やはり実体験を、体験した人がそのままつづるというのは迫力が違いますね。
また、実際に職業にされている人なだけに、安易な浄霊、除霊がないことも、興味深いです。
これも、実際に職業としている人が実体験として描かれているからこその説得力だと思います。
Posted by ブクログ
今作を読むと「花嫁の家」が相当に難産だったことが伺える。その最中、白無垢の花嫁、コンビニバイト仲間の美雪に、無職の朝子、家族愛に満ちていた母ほのか。どのエピソードも怖いものもあればどこか前を向けるような、まさに冒頭で語られていた光があたる印象の本。怖い話も優しい話も、こういうのが欲しいんだろ?って心をくすぐってくるのは相変わらず。さて、次回は因縁のあの災禍が来るらしいのだ。期待。
Posted by ブクログ
5作目。
相も変わらず面白い
今回は口の悪い話が少なかったのは少し残念だけど、泣ける話が多かった。
多くを占める「ほのかさん」では先日亡くなった母を思い出し何度も泣いた。
怖いのはほどほどに、泣ける話が多かったのはある意味良かった。
こういう怪異もあるんだなって
ラストはまさかのサプライズ。
早く次巻を読みたい
Posted by ブクログ
お盆の時期には怖い話をひたすら読もう!と決めて選んだ一冊。
拝み屋怪談シリーズは、以前「逆さ稲荷」を読んでかなり心に残る後味を残した怪談だったので、その次にあたる本書を選んだ。
角川ホラー文庫としては2冊目。シリーズを通しては4冊目のよう。
これを読みながら先の2冊も発注した。
実話怪談なのだけど、単発の話と思われていたものが最後の方でつながっているものもあって、一気に読んで良かった。
家で1人で読むとかなり世界観にひたれます。
花嫁の家への期待も膨らますことができた。
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語ったり書いたりすると怪異が起きる「花嫁の家」の話。それを何故書いたのか? どうして書くことができたのか 「拝み屋郷内花嫁の家」を読んで疑問があった。
なるほど……簡単じゃなかったのか。そして花嫁はまだ居る……という恐ろしさ。
霊だけじゃない怖さ。ぶらまんじぇさんは本当に怖い……。
それから、今までの作品もそうだけど、本の主筋となる話と合間に挟まれる実話怪談のバランスがすごい。軽い怪談を読ませて油断させてから落としてくるの、怖い。
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2014年の郷内さんの身に起きた怪異を綴った「禁忌を書く」。
最後の一話で書いてもいますが、四人の女性にまつわる怪異を中心として構成されています。
ほのかさんと朝子の結末が、心に残るかなぁ、やはり。どちらも、新しい出発という意味では。そこまでの経緯が全く違うけれども。
ほのかさんの強さは、憧れ。
朝子の弱さは、反面教師として。
朝子のように逃げ出してしまう自分がいること知っているので、どこかで掛け違えていた自分かもしれない、と思って読んでいました。恐ろしい。
女性を中心につづった「禁忌を書く」。その最後に現れる怪異は、桐島加奈江。
郷内心瞳にとって彼女の存在は、切り離せないものなのでしょう。
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怪談集でありながら、計算されつくした構成で、個々の怪談話が繋がってくるのはミステリ的な快感があります。今回は四人の女性たちにまつわる話を軸にしており、切ない優しい話も散りばめられています。全体的に怖さは少し抑えめな印象でした。
内容と直接は関係ないですが、これ奥さんは大変だなあ。
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『花嫁の家』と比べると些かスケールダウンした感は否めないが、構成力が凄い小説だと思う。
軽めの怪談だと見せかけて、ラストで色々と繋がっていくのは気持ちがいい。
作者は本当に拝み屋という職業をやっているのだろうか。
常日頃からこんな怖い目に遭遇してしまうなんて
私は耐えられないな。
Posted by ブクログ
どうやらシリーズの途中を読んでしまったらしい。
拝み屋が具体的にどんな仕事なのかはわからないが、聞いた話ならともかく著者が関わった案件ですっきり解決したものが少ないのが気になった。商売大丈夫なんだろうか。
ある案件を小説化しようとしていろいろな妨害を受けているのが怖い。
その作品は刊行されているようなので読んでみたいけど、変なことがあったら嫌だな…。
Posted by ブクログ
実話もいれたお話なのかな?
昔池袋の雑踏で電話してたら、
知らない女の声でうふふふふ…
って二回聞こえたの思い出した。
そして、神が見えた人が幸せにならない
の話、激しく同意。うちの母や…
Posted by ブクログ
この人の本は二作目なのだが、本当に拝み屋をやってるのでしょうか?はたまた、この作品はフィクションなのかノンフィクションなのか判然としません。
作者にまつわる四人の女性のエピソードを中心に、箸休め的な小ネタを交えてこの構成。最後は次作への含みを待たせてのエンディング。良く出ているのですが、やはり、作り物っぽいお話だと思いました。
よくよく読むと大した中身の話ではないのだが、怪談という衣装を纏ってるので読み通せたのかとも思う。
また、これだけ本作の中で重要な役割を果たしている「花嫁の家」が手に入らないのはなんとかならないのでしょうか。
Posted by ブクログ
買ってから一年近く積んでたけど、夏なので手に取る。花嫁の家が怖かったので、その関連の話は怖かった。白無垢の花嫁が現れそうで暗いところが怖くなります。
Posted by ブクログ
これだけ興味を誘っておいて絶版なの花嫁の家
よい実話系怪談なんだけどモヤモヤすると数日悩んでたのだけど、多分元カノの解釈が男に都合良すぎるのと、妻が一つ屋根の下にいるのに一心不乱に元カノの似顔絵描いてたの気に食わなかったのか。おとなしく女流作家読んでろよ。
Posted by ブクログ
「拝み屋」を生業とする筆者の怪談という切り口が新しく、説得力もあるので怖くて面白いものは大変面白いです。ただ、ちょっとおセンチな話もあったりでそれが個人的にちょっといらなかったかなあという印象です。しかしそういう職業の方のドキュメンタリーとしてはちょっとエンタメ性もあり良作かと思います。
Posted by ブクログ
著者は拝み屋を営んでいる。それゆえに厄介な依頼をされたり不思議なことを見聞きしたりすることもある。
公にすることを許されず、様々な妨害を受けつつも意地になって書き続けた「花嫁」の話。そしてその渦中に起きた、ある女性たちとの邂逅――。
怪異と関われば怪異を招く。その大半は不幸だが、中には幸もある。関係者から頂いた話を交え、著者だからこそ書くことができる拝み屋怪談集。
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木原浩勝氏の怪談がライト級なら、郷内心瞳氏の怪談はヘビー級だ。収録されている話のひとつひとつが読者の心に与える衝撃は大きい。かといって怖いだけではなく、序盤の不穏な空気、中盤で煽られる不安、終盤の荒れに荒れる展開で煽られる恐怖、そして台風一過後の青空と、その先にある再び来る嵐を思わせる最後。その構成は物語的で、それゆえに空言っぽく感じる読者もいるかもしれないが、読ませるものになっている。
前回と比べる流石に多少スケールダウンした感もあるが、まだ終わっていない物語もあるので、著者が何事も無く生きながらえて、次の怪談集を騙ってくれることを祈るばかりである。