郷内心瞳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一応、「家」にまつわる怪談、ということになるのかな。(読んでいる最中それが強く意識されるという感じでもないのだけど。)
全体的にはきちんとそれぞれ「作品」になっているので、素人っぽいノリで集めた聞き書き怪談、みたいな雰囲気ではなく、しっかり読み応えがあるものが多かった。
ただ、なんというか、「物件」と冠されたタイトルと内容とはちょっとズレがあるように思う。「怖い家」くらいの方が適当なんじゃないだろうか。あんまり、不動産としての物件にまつわる怪という方向性ではないので、いわゆる事故物件怪談みたいなのを期待していると「およ?」となるかも。
個人的に印象に残ったのは、福澤徹三『旧居の記憶』、黒 -
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購入済み
編集担当者は何してる?
タイトルにもなっている「火だるま乙女」は戦慄の内容で、期待を裏切らない話だった。
が、今回はいつにも増して誤字や脱字や言葉の誤用が半端なく多い。いつもならあっても数ヵ所だが、今回は数十ヵ所。
郷内さんは今夏に3冊同時に上梓されるそうだが、一足先に出た角川ホラー文庫の「緋色の女」は誤字脱字はほぼなし。
郷内さんのせいというよりは、竹書房の担当者の手がまわっていないんじゃないかという気がする。
長年のファンで郷内さんのシリーズは全て読んできているが、この火だるま乙女はあまりにも校正不十分(というかしてないんじゃないか?)で、読むのに集中できないほどでした。
その点だけが残念です。 -
Posted by ブクログ
少年期より、忘れた頃に現れては私を苛み続けた異形の少女、桐島加奈江。ついに彼女と決別することになった私に訪れる、衝撃の結末とは。
話の展開が良くできている分、小説としての良さは出ているが逆に実話らしさが弱くなっていて、実話怪談が好きな人には受け付けられない内容かも。だが意識してその構成にしているなら、前書きにある「虚実の境が曖昧になることへの恐怖」の表現には成功していると思う。
途中で明晰夢の話が出てくる。明晰夢は前頭葉が半覚醒した状態で起きる「今自分は夢の中で夢の中にいることを自覚できている状態」だそうだが、前頭前野を含む「前頭連合野」と、その前頭連合野と特に強固なネットワークを形成