郷内心瞳のレビュー一覧

  • 拝み屋備忘録 怪談腹切り仏

    Posted by ブクログ

    「夜遊び」「アンノウン」「夕立のあと」「おかえり、野村くん」「間違え」が恐怖に怯えた5作。他にもありますが、心に残っているという点で。

    タイトルの「腹切り仏」の怪談。心底どうでもいい理由でまきこまれてしまった郷内さん。こういうのも職業柄仕方ないことなのかもしれないけども、そう割り切れるものではないだろうし、なんというかため息しか出ないです。いい年こいて、何を思っているのやら。この怪異の根源の君枝にしろ、他の怪談に登場する大山、坂下にしろ、もうちょっと自分の言動に責任持ちましょう。

    深町さんが登場するので、時系列的には「壊れた母様の家」の最中の出来事ですかね、一連の君枝怪異。それは体壊します

    0
    2021年09月02日
  • 拝み屋念珠怪談 緋色の女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かつて相談に乗った女性にしたアドバイス。というには、その場の思いつきに過ぎなかった一言から始まった、始まってしまった何かの因縁。
    その因果が紐解かれ、現れた怪異とは。

    という趣なんですが、それが明かされるのはこの巻ではないのですよ。
    おいおい、それはずるいなぁ、と思いつつも、一呼吸おける音が平穏無事でホッとしている自分もいます。
    わがままだなぁ。

    タイトルの「緋色の女」に「お化けのいる家」「葡萄の娘」が、縦糸、横糸となって織り綴っていくのでしょうね。常ならぬ存在の「自然学校」や憑かれた「湖姫さん」のような話も、関わって来るのでしょうか。
    答えが出る続刊を待つことにします。

    この物語のきっ

    0
    2021年08月18日
  • 拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女

    Posted by ブクログ

    表題のお話はしんどい。
    収録されている中では食事処が山岳怪談で知られる「鯉こく」の話と似ていてほっこりするが、やはりそれは黄泉戸喫なのではなかろうかとも思いゾッとする。

    最後は、しかし、そういうことなのだろうか。

    0
    2021年08月08日
  • 拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉

    Posted by ブクログ

    陰のレビューで登場人物が増えてややこしい、という意見をみたのと、
    2013年ごろと2016年ごろをいったりきたりする書き方だったので、

    初めから時系列ごとの出来事と人物相関図を書きながら読み進めました。
    おかげで迷子にならず、すっきり整理しながら読めたのでこの方法おすすめです。

    伏線がしっかり回収されて読み物として凄く楽しめました。
    個人的に深町さんが好きでした。


    郷内さん夫妻はどうにかまた幸せに暮らして欲しいし、
    他の関わっていた方達もどうか今後は穏やかに過ごせますように、と願わずにはいられなかったです。

    0
    2021年07月25日
  • 拝み屋備忘録 ゆきこの化け物

    Posted by ブクログ

    「終わった家」「梵字」「いざないの海」が恐怖に怯えたベスト3。
    「終わった家」の怪異はまだ始まったばかりというのが、恐ろしい。なにがあったかわからない。知らなくてもいいことはある。ただ、これまで読んできた郷内さんの実話怪談からすると、切っても切れない縁というものはあるものなので、いずれなんらかの形で関わるかもしれない、とエンタメ的な考えは迷惑ですね。すみません。

    郷内さんの口の悪さには度々違和感を覚えてきた自分ですが、「ゆきこの化け物」の中では大いに共感しました。というか、職業倫理よりも感情を優先してしまうのも仕方ないのかな、あれでは。

    読後感が悪い一冊。
    それは恐怖でないんだよね。やるせ

    0
    2020年08月03日
  • 拝み屋備忘録 怪談首なし御殿

    Posted by ブクログ

    「パンでよろしくて?」三部作の「診察」「忘れ去りたい」が特に怖かった話。

    「誰が終わりと言いました?」で始まるこの一冊。それを踏まえて読み進めてゆくと、先にあげた話もより恐怖を増してきます。
    いや、因果ってそういうものだとは思うけど、気休めでもその場で終わったことだと思いたい。

    「常連」はバイト時代に読まなくてよかったなぁ、と心から思う。
    これに限らず、コンビニバイトの人が経験した実話怪談は、当時の自分は読めなかっただろうなぁ。

    0
    2020年08月03日
  • 拝み屋怪談 禁忌を書く

    Posted by ブクログ

     語ったり書いたりすると怪異が起きる「花嫁の家」の話。それを何故書いたのか? どうして書くことができたのか 「拝み屋郷内花嫁の家」を読んで疑問があった。
     なるほど……簡単じゃなかったのか。そして花嫁はまだ居る……という恐ろしさ。
     霊だけじゃない怖さ。ぶらまんじぇさんは本当に怖い……。

     それから、今までの作品もそうだけど、本の主筋となる話と合間に挟まれる実話怪談のバランスがすごい。軽い怪談を読ませて油断させてから落としてくるの、怖い。

    0
    2020年06月14日
  • 拝み屋備忘録 怪談双子宿

    Posted by ブクログ

     え? 拝み屋? フィクションなの? それとも実話?
     読み始めたときは、収集した実話怪談なのか何なのか迷う。収集した実話怪談と拝み屋として体験したことのミックスのような作品。
     収集した怪談はコンパクトでありつつもぎゅっと濃縮されたこわさで、拝み屋としての体験談はまるで小説のような臨場感。どんどん読むうちに、これがどういう経緯で書かれたのかとかそういうことは気にならなくなる。面白い。

    0
    2020年06月09日
  • 拝み屋備忘録 ゆきこの化け物

    Posted by ブクログ

    拝み屋による実話怪談本。
    話者が全面に出てくる話は得意ではないが、本書は適度に第三者視点の語りが入るので読みやすい。
    ゆきこさんの話も、適所に挟み込む形で「次いつ話が出てくるのだろう」という期待感が持てた。

    0
    2020年06月07日
  • 拝み屋怪談 怪談始末

    ネタバレ 購入済み

    良質な怪談話が多い

    因果関係が不明な怪異の話が多いため、信憑性が高く感じられる。
    一個一個の話が独立していると思いきや、実は関連性があったりと中々、凝った構成になっていて楽しめた
    実話形式の怪談本の中では結構面白いと思う

    0
    2020年01月04日
  • 拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉

    Posted by ブクログ

    高鳥千草が持ち込んだ怪異。「花嫁の家」で結末を迎えたかと思っていた神殺しの一連の事件。
    その最終決着をつけてくれるであろう「壊れた母様の家」です。
    タイトルの母様という言葉が、いろんな意味合いを持っているような気がしてならない。陰陽の上下巻だろうと思うので、上巻である〈陰〉は、怪異の発端から解決直前まで、なのかな。

    不謹慎ではありますが、芹沢真也が死亡していたということに安堵を覚えたのは事実。彼の存在は、触れてはいけないものに触れてしまったゆえの狂気を感じていたので。

    何分、物語の途中なわけで気になるキーワードがどのように収束し、結末を迎えるのか検討もつかない。
    ただただ、在りし日の謙二と

    0
    2019年07月28日
  • 拝み屋怪談 来たるべき災禍

    Posted by ブクログ

    桐島加奈江との結末を語った「来たるべき災禍」。
    こじらせてしまった自分が生み出した救いの存在、そして何を間違えたか恐怖の存在になってしまった桐島加奈江。

    何に対しても、向き合い方なんだと思う。単純だけど、とても難しい。

    捨てられた仏壇群に収められていた蛙の呪具には、怖気しかない。
    実在する、あるいはした狂気。想像の埒外にあるものって、きっといろんな場所に存在しているんだろうなぁ、と思ってしまう。
    それと出会わないことを願います。


    読み物で十分。それなら、実話怪談というエンタメとして消化できるので。

    0
    2018年10月29日
  • 拝み屋怪談 禁忌を書く

    Posted by ブクログ

    2014年の郷内さんの身に起きた怪異を綴った「禁忌を書く」。
    最後の一話で書いてもいますが、四人の女性にまつわる怪異を中心として構成されています。
    ほのかさんと朝子の結末が、心に残るかなぁ、やはり。どちらも、新しい出発という意味では。そこまでの経緯が全く違うけれども。
    ほのかさんの強さは、憧れ。
    朝子の弱さは、反面教師として。
    朝子のように逃げ出してしまう自分がいること知っているので、どこかで掛け違えていた自分かもしれない、と思って読んでいました。恐ろしい。

    女性を中心につづった「禁忌を書く」。その最後に現れる怪異は、桐島加奈江。
    郷内心瞳にとって彼女の存在は、切り離せないものなのでしょう。

    0
    2018年10月21日
  • 拝み屋怪談 禁忌を書く

    Posted by ブクログ

    怪談集でありながら、計算されつくした構成で、個々の怪談話が繋がってくるのはミステリ的な快感があります。今回は四人の女性たちにまつわる話を軸にしており、切ない優しい話も散りばめられています。全体的に怖さは少し抑えめな印象でした。
    内容と直接は関係ないですが、これ奥さんは大変だなあ。

    0
    2016年08月05日
  • 荒魂怪談

    Posted by ブクログ

    神様に関わる怪談は、それ相応の罰的な展開になるのがやっぱり怖い。
    神様に頼るときや何かいけないことをするときは、それ相応の覚悟を持って。
    死ぬ気で向き合えること以外は、安易に関わってはいけない。それは、良くも悪くも。
    そう思わされた。神社散歩とか、本当にいいのか?とか、薄っすら思った。
    もっと下調べしてから色んなところに行くべきだと思った。
    あとは神様や近しい存在に対して失礼な態度を取る奴が、人間には良いことをしているなんてあり得ないので。
    宗教観とかそういう観点ではなくても、その人たちが心から大切にしているものを粗末に扱うようなことは、何だろうとダメってことで。
    私も気をつけます。

    0
    2025年11月20日
  • 拝み屋怪談 幽魂の蔵

    Posted by ブクログ

    怪談始末から読み進めて来てちょっと食傷気味になってきた拝み屋怪談シリーズ。蔵の怪異を突き止めるため、小さな怪談を思い返すスタイル。相変わらずその短編は読んでて楽しいけど、蔵の怪異の正体もなんだかあまり…

    しかし、忘れた頃にまた浸りたい郷内ワールド。

    0
    2025年09月12日
  • 拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉

    Posted by ブクログ

    まるでアニメの最終決戦のように拝み屋たちが集結して、作り出された神と対峙する。壮大すぎてじっとり怖がれる怪談どころでは無くなっている。陰からの点と点が繋がるのも面白いし、これはこれでアリだったんだけど、椚木一族の災禍は正直お腹いっぱい。作り出された紛い物の神をなんとか封じ込める話で良かったのでは。個人的には郷内氏の話はそこそこに、有象無象の怪談が収録されている形式が好きだな。

    0
    2025年08月27日
  • 拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉

    Posted by ブクログ

    椚木一族の因縁はまだ終わらないのか。千草は大人しく成仏するやつではなかった。それはそれとして、同業どうしあえて関わるものでもないし、仲良くはしないとの事らしいけど、拝み屋どうしとなると初対面で喧嘩腰にならざるおえないのか?当人の性格なのか…後編の陽も読まなくては。

    0
    2025年08月26日
  • 拝み屋怪談 鬼神の岩戸

    Posted by ブクログ

    脳内で作り上げた友達が実体化し周りの人間にも見えるようになっていく。霊能者も手を焼く岩戸の先の中身はなんなのか。そんなメインストーリーとは別に、酒に溺れて人が悪くなる郷内氏が怖い本作。厄介な相談者とはいえそこまでやるかと、ちょっと引いた。

    0
    2025年08月24日
  • 拝み屋怪談 来たるべき災禍

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    居心地のいい夢なら、ずっと見ていたい。それが続けてみられるなら尚更。そして、現実が嫌であればあるほど夢に逃避したくなる。そういう心の弱さを刺激する序盤から、拝み屋を辞めかけるほどのカナエのしつこさ。怪談始末から読んでいると同じ話を繰り返す所もあるので焼き回し感があるけど、この本からでも読める親切設計なんだろうと考えると腑に落ちる。

    0
    2025年08月23日