あらすじ
拝み屋、絶対絶命。
「どす黒く染まった、巫女装束の女が…」
怨みを募らせた史上最凶の生霊が襲い掛かる!
先祖供養に家内安全などの加持祈祷、はては憑き物落としや悪霊祓いを請け負う「拝み屋」郷内心瞳の人気実話怪談シリーズ第6弾!
・他者に呪術を向けた女の惨すぎる報い…「身のほど知らず」
・万引き容疑で呼び止められ…思いもかけない恐ろしい事実…「仏花」
・いじめで自殺した女子生徒の怨霊が…「エヴァーグリーン」
・著者の元にかつての相談客から送りつけられた写真、そこに写る悍ましい女の正体は…はからずも巻き込まれた拝み屋・郷内に怪異が襲う表題作…「鬼面の黒巫女」など収録。
禁忌を犯した者たちの凄まじい末路がここにある――。
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たとえ能力がなくなっても
普通の人には霊能力はない。しごく当たり前のことで、それを疑う人はいないだろう。だが、拝み屋を生業としている著者にとっては死活問題となる。視えない・聞こえないのが著者にとっては異常で、なんとか取り戻そうとして墓地に行くが、何も変わらない。それでも最後は希望を感じさせるものになっている。
Posted by ブクログ
怖さより、身につまされるような内容でした。
ご本人ターンだと読みやすくて。
怖さは少ないので4ですが、5に近い4です。
5にしちゃうと怖さも申し分ない、ということに私はなります。
いま刊行されたばかりの「蠱毒の手弱女」と時系列が重なります。
Posted by ブクログ
5よりの★4です!
タイトルの『鬼念の黒巫女』。。郷内さんが書いてある、見切り発車で容易く人を傷つける輩が、打たれ弱いのが多い。
研究に値するテーマ。
その通りだと思う。
思慮深くない人が多い。
一方で子供の悪ふざけに関係する怪異が、男の子は馬鹿だなと。。自分も馬鹿な子供だったのかな?
と思い出を手繰り。。少し反省です。
そして「玉ぺたっ、フォー」からの愛されキャラ芋沢くんの登場!
からの。。万代くんの流れは切なすぎます。
人間らしく優しい郷内さん。お身体ご自愛ください。と思います。
Posted by ブクログ
「屋根踊り」「状況から見て」「墓女房」「踏みつけ」「驚くべきこと」「エヴァーグリーン」「呼びに来た」「変わらぬ化身」「森のカメラ」が記憶に残る話でしたが、『鬼念の黒巫女』の中で最大の恐怖を感じたのは「見たゆえか」。
ドッペルゲンガーに出会ってしまったゆえの結末につながるのだけど、向こうがこちらを確実に認識しているのがなによりも怖い。意識しているということは、怪異の結末も恣意的だと感じてしまうからです。
「暗闇ばくり!」から続いた郷内さんの珍しい下ネタ怪談もたまにはいいですが、やはり怪談に期待するのは「マチコじゃない!」に感じた淫靡な怖さです。あれ、彼氏もマチコと行為に及んでいますよ。家に憑いている何者かと。
タイトルになっている怪異を起こしてしまった男性は、自業自得で弁護する余地はないのだけど、少なからず性根を入れ替えてくれたら何より、だと思います。読む限り、無理そうだとは思いますが。作中で描写されているあの性格では、性懲りも無く同じことを繰り返しそうで気分が重い。
関わらないのが一番なんでしょうね。そういう観点でも「お化けや幽霊よりも、実は一番怖いのは人間なんだよ」という文言が刺さります。
そして、やっぱり郷内さんは口が悪い。