矢樹純のレビュー一覧

  • 彼女たちの牙と舌

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    面白そうだったので、読んでみた。

    中学受験の塾で知り合ったママ友同士が、それぞれの思惑を抱えて犯罪に巻き込まれていく話。

    スカイキャッスルのような、我が子を一流校に入れるために、ライバルになる親子を欺いたり蹴落としたりするようなドロドロした話かと思ったら、そこはあまり関係なく、知り合ったのが中学受験の塾というだっただけだった。
    目まぐるしく語り手が変わるので、切り替えが難しく、どんでん返しも挟んでくるので、何だかわかりにくいストーリーだった。

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    2025年07月29日
  • 夫の骨

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    どれもじんわり怖い。『夫の骨』はあぁ〜って感じだし、『かけがえのないあなた』はそこまでするかという感じだしなぁ。

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    2025年07月26日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    この本で「イヤミス」という言葉を初めて知りました。笑
    どの話もジメジメとした湿気のような嫌な雰囲気を感じました。
    特に『影祓え』の登場人物が怖いし悪いしで胸くそ悪くなりました。
    『声失せ』は最後腑に落ちました。
    『爪穢し』の結末が後味悪くておすすめです。

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    2025年07月24日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    あっという間に読めた短編集。
    家族の話。
    家族って、生々しいし互いへの思い込みも多いし、重たいわりに逃げられない。

    いろんな短編があって、思い込みだけのミステリーかなと思ったら、わりとちゃんと事件が起こる話もあり。
    個人的に、好きなのが「戻り梅雨」、面白いのが「無垢なる手」、ぞわっと顔が歪んだのが「裂けた繭」

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    2025年07月18日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    どんでん返し系短編五篇。夫が元妻とよりを戻して自分を殺そうとしていると思う『妻は忘れない』、急に接近してきたママ友と夫の仲を疑う『無垢なる手)、死体処理をする引きこもり男が母親の死体を見つける『裂けた繭』、長年帰っていなかった田舎で姉の本性を知る『百舌鳥の家』、息子がストーカー殺人を犯してしまった『戻り梅雨』。

    『戻り梅雨』は、結果、息子は殺人を犯していないのだけれど、母親が夫のDVで離婚をしていて、それが影響して息子に暴力的な面があるのではと思わせるところなど、うまいなーと思った。保育園の給食室での仕事の様子とか、地味だけどリアリティがあって読ませるし、そこにもちゃんと伏線を仕込んでいる。

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    2025年07月16日
  • 新しい法律ができた

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    25人の作家による、
    『新しい法律ができた』
    から始まるショートショート集。
    多崎礼さん、東川篤哉さん、霜月流さん、五十嵐律人さんの作品が良いと思った。
    くどうれいんさん、赤川次郎さんも短いなかでしっかりまとまっていて、流石プロ作家さん。
    残りのうちの半分くらいは、まあ、言いたいことは分かるんだが、消化不良のまま本になっちゃったかな、という感想です。玉石混淆ですね。

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    2025年07月06日
  • 彼女たちの牙と舌

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    「離れたい女」
    「救いたい女」
    「愛したい女」
    「守りたい女」
    「逃げたい男」
    「信じたい女」
    5話と幕間で構成された長編小説。

    進学塾・和光ゼミナールに子供を通わせる四人のママ友が詐欺事件に巻き込まれていくミステリー。

    雪下まゆさんの装画とタイトルが好み。

    日本推理作家協会賞受賞作『夫の骨』以来、欠かさず読んでいる矢樹作品だけに嫌でも期待が高まる。

    冒頭の会話からマウンティング争いをするイヤミス系の話かと思いきや、物語は詐欺、殺人、監禁と物騒な方向へと進んでいく。

    今回は矢樹作品の持ち味であるキレの良さが感じられず少し残念。

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    2025年07月04日
  • 新しい法律ができた

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    「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
    25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。

     「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
    例えば、
    ・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
    ・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
    (わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
    ・くどうれいんさん「ショ

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    2025年06月28日
  • 妻は忘れない(新潮文庫)

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    夫婦や親子、姉妹など家族関係からなるミステリ短編集、どれも面白かった!
    どの話も心理描写とか、(主人公の視点での)人に対する見方とか、すごく分かる感じ。

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    2025年06月24日
  • 新しい法律ができた

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    新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。

    新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
    その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
    叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。

    なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
    有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。


    「ルパちゃ

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    2025年06月19日
  • 彼女たちの牙と舌

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    同じ進学塾に子供が通う、母親4人。
    最初は、環境も年齢も立場も違うただ、子供が中学受験をするということだけが共通点という感じで物語が進んでいたのに…
    えっ…えーっ‼︎
    まずくないですか、すごい団結力で後戻りできないことになりすぎてて怖かった。

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    2025年06月15日
  • 新しい法律ができた

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    「新しい法律ができた。」で始まるショートショート集。全部で25作。一行目は全員一緒というシリーズの五作目です。作家によって同じ言葉から広がるイメージが様々で、おもしろかったです。

    金子玲介「ルパちゃん」、矢野帰子「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」、くどうれいん「ショートケーキの夜」、五十嵐律人「革命夜話」が私のお気に入りです。特に「革命夜話」の最後の一文には、重みを感じました。

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    2025年06月14日
  • 夫の骨

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    直近でこの作者のホラーを読んで興味を持ったのだが、この短編はヒトコワ集でホラー要素は少なめの為、若干見当が外れてしまった。

    それでも冒頭の表題作品からして、なかなかの破壊力。

    いつもいつでも最恐最悪なのは人さまを慮れない人間なのだ。

    私ら爺さん達が夢に見た21世紀も四半世紀が過ぎた今日でも世界の至る所でジェノサイドが厚顔にも横行している。

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    2025年06月08日
  • 彼女たちの牙と舌

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    ネタバレ

    読み始めは、受験戦争のお話か…
    母親同士のマウントバトル………?と思い、
    読み始めましたが進めば進むほど不穏な事件へと発展していく。
    母親たちはそれぞれ異なる悩みをもっており、それにつけ込まれるかのように詐欺事件に巻き込まれて…!
    どんどん血生臭くもなっていき、最初の予想とは全く異なる展開で驚きの連続でした。
    驚きっぱなしなのに最後にはスズキとヤマギシは兄弟ではないか、ということだ。
    え〜?!?!と仰天してしまった。
    それを踏まえてもう一度読み直したいです。

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    2025年06月02日
  • 撮ってはいけない家

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    映像制作会社で働く主人公がとある家でホラーモキュメンタリ―を撮影中事件に巻き込まれる。


    話は概ねホラーとして進んでいくが、阿南というキャラクターが不快で集中できなかった。好奇心旺盛でオカルトに詳しいというキャラクターなのだろうが、探偵でも警察でもないのに、人んちのアレコレを触ったり失礼な言動をしたり。社会人として無能に感じてしまい残念に思った。

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    2025年05月11日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    [こんな人におすすめ]
    *じわじわ怖くなるタイプの話が好きな人
     水が浸透するようにスロースピードで怖さがやってきます。夜道を歩けなくなったり眠れなくなったりする怖さというより、読み始めはなんとなく気味が悪く、いつのまにか恐怖が加速していて、気づいてしまった瞬間に急激に体温が下がるタイプの本です。
    ※ホラー小説があまり得意でない人間の感想です。

    [こんな人は次の機会に]
    *人に話すことで怖かった経験を消化するタイプの人
     あらすじを説明しても相手にはいまいち伝わらないタイプの本です。小説ゆえの面白さというか、一対一で向かい合って読むことで言語化できない怖さが遠くからやってくるので、ホラーミス

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    2025年05月10日
  • 夫の骨

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    9つの短編ミステリーを収録。9つの家族の話。帯に『全作どんでんがえし』とあるが、短編でもあり、あっと驚くということはなかった。ドロドロした話が多く、読後感は良くないが、イヤミス的には成功なのか。読みやすかった。

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    2025年04月23日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    【収録作品】魂疫(タマヤミ)/血腐れ/骨煤(ホネズス)/爪穢し/声失せ/影祓え

    超常現象や霊的な存在はあるが、構成としてはミステリで、腑に落ちる結末になっている。

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    2025年04月04日
  • 血腐れ(新潮文庫)

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    ネタバレ

     石に相手の血を捧げると縁切りが叶うという神社。姉は弟の行動にある疑惑を抱くーという表題作他、家族や家庭に潜む不穏さと闇(時に疎ましさ)を描き出したホラー・ミステリ全6編。

    ・一周忌を終えた夫が「枕元に立って何か訴えて唇に触れてくる」と語る義妹。だがこの義妹は色々難ありの人物の上、軽い認知障害に罹っていた(魂疫【たまえやみ】)。ラスト、本当に《鬼》から逃れられていたのか―。
    ・弟家族とキャンプに来た幸菜。弟はその朝早くに近くの縁切り神社へ行ったようだった。仕事で来れないという義妹に連絡が付かないことから、彼女の中に恐ろしい疑念が膨らむ(血腐れ)。弟夫婦の未来は何れにしても……。
    ・老いた父親

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    2025年03月25日
  • マザー・マーダー

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    母性の毒が次々と引き起こす戦慄の事件とは?すべての作品に幾重にも仕掛けられたどんでん返しに驚き、歪んだ母性の毒に慄然とする連作短編集。
    不気味な母子家庭に巡り合わざるえなかった人々の恐怖。現実にも起こりそうな出来事だから余計に気味が悪い。

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    2025年03月21日