矢樹純のレビュー一覧
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ごく短めの短編集。全七編。
個人的に好きだったのは『嘘つきと犬』とタイトルにもなっている『罪の棲家』。
『嘘つきと犬』
中学受験に失敗した私は住んでいる地域とは別の学区の公立中学に入学した。一から新しい友達を作らなければならないという緊張感の中、本当は友達になりたくはなかった前の席の逢坂さんと話すようになる。
彼女は昔から嘘つきで有名だったらしい。特徴的なのはその嘘がいつも中途半端なことだった──。
逢坂さんの刹那的な行動や嘘のつき方が なんとも気持ち悪くまた少し不憫でもあった。
『罪の棲家』
三人姉妹が亡くなった父の遺品整理で実家に集まった。そこに三女がいきなり不動産屋を連れてき -
Posted by ブクログ
「新しい法律ができた」
の一文から始まる25個のショート・ショート。
25人の作家たちが各々の世界を作り出していく。ほっこりするものやかなり作り込まれたトリックを忍ばせているもの、思わず肝が冷えるものなど、"新しい法律"というテーマをどう使うかが如実に表される。新しい読書体験だった。
「Touch law if you can」 名倉編
途中まですごく楽しい話だと思っていた。
「ある死刑囚の回顧録」 真梨幸子
最後の最後にタイトルを読むと本当に肝が冷える。あまり他人事とは言えないのだ。
「もう、ディストピア」大沼紀子
何故人を殺してはいけないか。その問いに、殺人が許容されて -
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Posted by ブクログ
本書を読んで改めて思ったのは、昔ならではの風習というものは、やはり理解しがたく、不気味なものだということだ。
ただし本書は不気味ではあるものの、なぜか惹きつけられる魅力があり、一気に読み終えてしまった。
ホラー要素は強くなく、幽霊やジェイソンのような殺人鬼が登場するわけではないので、いわゆる「怖いもの見たさ」とは異なる不思議な引力があった。
また、物語の舞台はタイトルの通り“ある集落”だが、短編集としてそれぞれの話が独立しながらも、ほどよく繋がりを持っている。そのため、一篇読み終えるたびに前の物語を思い返してしまう構成が非常に巧みだった。
タイトルや表紙の写真から漂う不気味さほど、内容は不 -