香山リカのレビュー一覧
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精神科医として長年臨床の現場で働いてきた著者が現代の世の中で「当然」として考えられていることにそれってホントにそうなの?と疑問を呈するようなエッセイのようなもの。
系統立てられているわけでも、原因-結果系が書かれているモノではないので、何かを深く学び取るのは難しいかもしれないが、そういう考え方っていいかもと思えるところはある。
章立てもなかなか面白い
0.ほしいのは「ふつうの幸せ」
1. 恋愛にすべてを捧げない
2. 自慢・自己PRをしない
3. すぐに白黒つけない
4. 老病死で落ち込まない
5. すぐに水に流さない
6. 仕事に夢を求めない
7. 子どもにしがみつかない
8. お金に -
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Posted by ブクログ
ネタバレなぜ育児は女性が中心なのか疑問だったが、歴史的な流れだったと知ることができ整理ができた。
(武士の時代では教育は父が中心。戦争の時代に男性は戦力、女性は家庭内でという役割分担を政府が強制)
イエ制度から、個人の努力で仕事を得られる時代となり終わらない子育てが始まる。
シングル女性も子育て中の主婦も私ってこれでいいのだろうかと不安を抱えたまま、自己肯定しているふりをしなくてはならない。
三歳児神話は動物行動学の理論を育児に適用したイギリスの学者が提唱した。しかしこの理論はいろいろ問題があると判明。また、神経神話もエビデンスはない。なのでいろいろなセオリーに振り回されて育児ノイローゼになる方が周り -
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この本はとても説明が丁寧でかつ配慮があって、納得できるものであった。ただ、ここで挙げられているオジサンは、この本を読んでも「自分は違う」と受け取って、改善はされないのだろうと思う。
反対に、もともと十分気をつけている人は、本書を読んであらためて気をつけるだろう。
そういう意味では、オジサンになる前の多くの男性が読んで、やり直せるうちにやり直し、女性に迷惑をかける人や頻度が少しでも減らすのがよい。
私もいろいろやってしまっているかもしれないが、基本的に「相手は私に好意を抱くはずがない」と思って対応しているので、大きく害を与えてはいないと願っている。 -
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タイトルからすると、精神科医の香山リカさんが、この診断名を求める人を批判的に書いている物かと思うが、そうではなかった。
'大人の発達障害'が注目されるようになったのは、ここ数年の事だが、それに伴って増えている受診者とそれらを取り巻く世間の風潮などについて、医師の目で興味深く語られている。
アスペルガー症候群という言葉は割とよく耳にし、'アスペ'などと略語で呼ばれるほどだが、そのアスペルガー症候群という言葉は、最新の精神科医のガイドラインからは消えて、自閉症スペクトラムという言い方に変わったそうだ。この事からも分かるように、まだカテゴライズが流動的なので -
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香山リカ先生の文章が結構好きなのでオジサン街道まっしぐら(笑)の40代の僕が読んでみました。本書では、一応オジサンの定義を『50代以降の男性』としているので僕はまだぎりぎりセーフです(笑)。
結論的にいうと、オジサンが何事においても優先していた価値観は今の時代にはまったくマッチしていないということですね。
昭和、平成、令和と3つの時代を経て、世のオジサン達は『仕事』に全てをかけて生きてきました。
テレビをつければ若々しい時任三郎が颯爽としたスーツ姿で
『24時間タタカエマスカ!
ビジネスマ~ン、ビジネスマ~ン
ジャパニーズ・ビジネスマ~~~ン』
と清涼飲料水を片手に歌 -
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ネタバレ近年自分自身を発達障害ではないかと疑い始めていることもあり読んでみた。
・発達障害を取り巻く環境、これまでの経緯などが易しく書かれていて読みやすい。
・発達障害の概念が精神科医でさえ難解だと感じるほど複雑なものであり、定量的に「あなたは発達障害だ/ではない」と決定できるようなものではないらしい。当事者にとっては不安かもしれないが、今後この概念の研究がどのように進むのかに着目しようと思う
以下の記述は少し納得できない点があった。
・4章p.110~p.114のあたりに「人との直接的なコミュニケーションを重視しない人(本文中でASD型人間などと記述、要はグレーゾーンの人を指していると思われる -
購入済み
男性でも色々と気づかされる本
この本は、女性の視点で書かれているので、男の私には、初め違和感がありました。
しかし、女性をそのまま男性に置き換えて読めるところが多いと気づきました。
また、女性から見た人生観や結婚観などは、男として大変参考になりました。
私には、毎日電話で職場の愚痴や親への不満を言ってくる友達がいて困っています。
大抵、愚痴を聞いて欲しいだけで、人の意見など求めていないのですが、たまに選択肢を丸投げして来ます。
そんな時、相手に自分で判断させるよう誘導するための指南書になると思いました。
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フェミニズム的な価値観を多少なりとも持ちながら、オタク(二次元やサブカルチャーを好む人という意味でのオタク)でもある女性には、ジレンマがあるんじゃないだろうか。
AKBや美少女アニメのような「ロリコン文化」を(異性愛者でマジョリティに属する)男性に近い目線で好み、そこにいる女の子たちを値踏みしたり、応援したりすることを楽しんでいる。一方で、それが少女たちを支配し消費する暴力的な行為だという認識もあって、同じ女性である自分が荷担してしまっていることに罪悪感を覚えてもいる。少なくとも私はそうだ。
常に頭の隅にそういう思いがありながら、二次元やサブカルチャーを娯楽にしている。そこでこの本を見かけて手