香山リカのレビュー一覧
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1番印象に残ったことは、
「なりたい職業」より「やりたいこと」を重視した方がいい。「なりたい職業」だけを考えると、なること自体が最終目標になってしまう。
何かの「立場」を目指すんじゃなくて「やりたいこと」を優先する。そうすると、仕事の幅が出てくる。やりたいことを実現するための仕事は、何種類もある。
です。とても素晴らしい考え方だと思いました。、
偉くなりたい、昇進したい、と思っている人にも是非考えてほしいです、何故偉くなりたいのか??
外見的な地位や役職手当以外のことであれば、偉くならなくても本当にやりたいことは、できるのでなないか、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世の中のことにとても疎いので読んでよかった。
印象に残ったワード「全体主義」「差別」「ファシズム」「水道法改正」「種苗法改定」「カジノ」「歴史修正主義」
コロナ禍だからこそ伝えたい「自由」と「権利」と「多様性」
p19「自由や多様性を守る」ということは、(コロナ禍で)マスクをしない人も、バーベキューをする人も、同じ社会で暮らす仲間として尊重するということ…せめて糾弾したり排除したりしないということ…自分たちの安全のためにどうしても行動を変えてもらう必要があるならば、その人の人権や生活が損なわれないよう、民主的な手続きを守りながら、理性的にお願いするということ
p17〜18 社会を民主的に保ちたいのであれば、…個人の自由や権利に制約を課すことには、極めて抑制的でなければならない。同時に、私たちは制約を課したり課されたりすることに、常に抵抗感と違和感を保たなければならないのであって、絶対に慣れてしまってはいけない。…多くの権利者にとって、市民の人権を容易に制限できる状況は、とても都合がよいものだから
p21 民主社会の強みの一つは、多様な背景を持つ多様な人々が存在するがゆえに、大きな社会問題が生じた際にも多方面から無数の解決法が自由に試みられることにある。そうした解決法には、優れたものも、ダメなものもあるだろうが、ダメなものは次第に淘汰され、優れたものが採用されていく。それがイノベーションの基本的な力学だ。
映画作家 想田和弘
集団行動が生み出す独特の高揚感は、集団を統率する権威と結びついたとき、ファシズムへと変貌する
p267 権威に従属することによって人は行動に伴う責任から解放され、社会的な制約から「自由」に行動できるようになる…こうした治外法権的な状況がいったん成立すると、これを維持・強化しようとする動きが服従者の側から自発的に出てくる。それは人びとが自分の行動の責任を指導者にゆだね、その命令を遂行することにのみ責任を感じはじめるという、状況的義務への拘束が生じるためである。
甲南大学教授 田野大輔
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Posted by ブクログ
精神科医として長年臨床の現場で働いてきた著者が現代の世の中で「当然」として考えられていることにそれってホントにそうなの?と疑問を呈するようなエッセイのようなもの。
系統立てられているわけでも、原因-結果系が書かれているモノではないので、何かを深く学び取るのは難しいかもしれないが、そういう考え方っていいかもと思えるところはある。
章立てもなかなか面白い
0.ほしいのは「ふつうの幸せ」
1. 恋愛にすべてを捧げない
2. 自慢・自己PRをしない
3. すぐに白黒つけない
4. 老病死で落ち込まない
5. すぐに水に流さない
6. 仕事に夢を求めない
7. 子どもにしがみつかない
8. お金にしがみつかない
9. 生まれた意味を問わない
10. 勝間和代を目指さない
しがみつかない生き方というのは仏教的だな~と思っていたけど、確かに言わんとしていることは仏教に通慈じるところは多かった。
いいなとおもった考え方
・恋愛は「この人に出会うために私は生まれた」と強く、そして簡単に生まれた意味を実感させてくれる「便利な手段」ではあるが、それは生まれた意味や生きる価値を確認する「唯一の手段」ではないのだ
・遊びや仕事に忙しい生活を送る人が生産や消費することが善、と考える社会が老いは悪という価値観を形成し、高齢者を追い詰める仕組みや制度を作っているのはないか
・これだ!と確信していたはずでも、人間の気持ちなど体調が悪かったり、ふと他人をみたりするだけで、簡単に変わってしまう。
・仕事でちょっとした失敗をしても「これはしょせん本当に好きな仕事じゃないんだから」という逃げ道ができる。パンのための仕事だからこそ、続けてこられた
・「このために生まれた」と生きる目的がはっきりひとつに決まっている人生などというのは、本人には大変なプレッシャーである。休むことも手抜きも許されない。
・「何のために生まれたのか?」に本当に答えが出ることはない。逆にこれだ、と答えが出た時は危険なのだ。
・私だって一歩間違えれば、大変な失敗者だったかもしれないと考える感覚
・人生には最高もなければ、どうしようもない最悪もなく、ただ、そこそこで、色々な生き方があるだけではないか -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜ育児は女性が中心なのか疑問だったが、歴史的な流れだったと知ることができ整理ができた。
(武士の時代では教育は父が中心。戦争の時代に男性は戦力、女性は家庭内でという役割分担を政府が強制)
イエ制度から、個人の努力で仕事を得られる時代となり終わらない子育てが始まる。
シングル女性も子育て中の主婦も私ってこれでいいのだろうかと不安を抱えたまま、自己肯定しているふりをしなくてはならない。
三歳児神話は動物行動学の理論を育児に適用したイギリスの学者が提唱した。しかしこの理論はいろいろ問題があると判明。また、神経神話もエビデンスはない。なのでいろいろなセオリーに振り回されて育児ノイローゼになる方が周りにとって悪影響が大きい。 -
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この本はとても説明が丁寧でかつ配慮があって、納得できるものであった。ただ、ここで挙げられているオジサンは、この本を読んでも「自分は違う」と受け取って、改善はされないのだろうと思う。
反対に、もともと十分気をつけている人は、本書を読んであらためて気をつけるだろう。
そういう意味では、オジサンになる前の多くの男性が読んで、やり直せるうちにやり直し、女性に迷惑をかける人や頻度が少しでも減らすのがよい。
私もいろいろやってしまっているかもしれないが、基本的に「相手は私に好意を抱くはずがない」と思って対応しているので、大きく害を与えてはいないと願っている。 -
Posted by ブクログ
タイトルからすると、精神科医の香山リカさんが、この診断名を求める人を批判的に書いている物かと思うが、そうではなかった。
'大人の発達障害'が注目されるようになったのは、ここ数年の事だが、それに伴って増えている受診者とそれらを取り巻く世間の風潮などについて、医師の目で興味深く語られている。
アスペルガー症候群という言葉は割とよく耳にし、'アスペ'などと略語で呼ばれるほどだが、そのアスペルガー症候群という言葉は、最新の精神科医のガイドラインからは消えて、自閉症スペクトラムという言い方に変わったそうだ。この事からも分かるように、まだカテゴライズが流動的なのである。
また、外科や内科の病気と違い、かなり研究が進んではいるものの、まだ診断基準も'この染色体異常による'だとか、'この伝達系統が原因'などという風には確立されていない。特に、いわゆるグレーゾーンにあたる症状について、問診で診断名をつけるのは非常に難しいそうだ。
ただ、普通はどのような場合も、治療するほど大した怪我や病気ではなかったと分かるとホッとするものだが、発達障害に関しては'違う'と診断されると落胆する人も少なくないそうだ。診断名が付き、自分の生きづらさの原因をそこに当てはめることで、ある種の解放を得られるのかもしれない。
SNSなどの媒体の進化により、一般人でも突然注目を集めてしまうことのある昨今、「何者かでいたい」願望は特に若い世代に多いのだろうか。
その時代の空気感が巡り巡って、生きづらいと感じる人が自分は発達障害なのではと考える方向付けをしてしまっているのではないか?という問いかけも試みられている。
また、製薬業界の資本主義的思惑が患者を増やす一因になっているのでは…という投げ掛けにはハッとさせられた。飛躍するかもしれないが、グレタ・トゥーンベリさんの'資本主義が環境悪化を加速させている'という、あのスピーチを思い出した。
自然環境も社会環境も、一部の誰かが経済的恩恵を受ける影に多くの犠牲が払われているという、この恐ろしい構図を我々は常に意識しなければならない時期にきたのだろう。2019.11.4 -
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香山リカ先生の文章が結構好きなのでオジサン街道まっしぐら(笑)の40代の僕が読んでみました。本書では、一応オジサンの定義を『50代以降の男性』としているので僕はまだぎりぎりセーフです(笑)。
結論的にいうと、オジサンが何事においても優先していた価値観は今の時代にはまったくマッチしていないということですね。
昭和、平成、令和と3つの時代を経て、世のオジサン達は『仕事』に全てをかけて生きてきました。
テレビをつければ若々しい時任三郎が颯爽としたスーツ姿で
『24時間タタカエマスカ!
ビジネスマ~ン、ビジネスマ~ン
ジャパニーズ・ビジネスマ~~~ン』
と清涼飲料水を片手に歌っているCMが流行りまくっていた時代。
僕はまだその頃は学生でしたが、
「就職したら、ああなるんだなぁ、格好いいなぁ」
と思ったのが、当時の正直な気持ちです。
そう、当時は格好良かったんですよ。全てを捨てて仕事に生きる男の姿って。
あれから数十年、そりゃ時代は変わりますよね。当時は「パワハラ」も「セクハラ」も「働き方改革」もありませんでした。
僕が社会人になった時の先輩や上司からの指導方法なんか、もうパワハラしかなかった(笑)。今にして思えばパワハラ以外何ものでもなかった行為が、それが当たり前だと思ってましたし、上司からの理不尽な言葉に対して職場のトイレの個室に一人でこもって悔し涙を流したこともありましたねぇ。
実際、オジサン達は今の時代について行けてないのだと思います。
香山リカ先生は「新入社員にも女性の部下にも普通に『フラット』に対応すればいいんですよ」と書いていますが、たぶんその『フラット』の概念自体が理解できないのです。
新入社員に対する指導も周りから見れば間違いなく「パワハラ」なのですが、自分では普通のことだと思っている。
同じく、女性社員への会話も「それ普通にセクハラだろ」って思う言葉を普通に話してしまう。
オジサン予備軍である僕たちはぎりぎりそういう教育を職場や社会から受けたので、何とか対応できている(自分がそう思っているだけかもしれないけど・・・)、香山先生のいう脳科学的にも。
でもオジサンはどうだろう。分からない・・・。
何十年も信じてきた価値観を「はい、明日からこうなりますよ」と言われて変えられるものなのか。
一抹の不安を残しながらこの本を閉じました。
香山リカ先生は精神科医だけど、本書は医学的な話はあまり出てこない(笑)。自分の体験談や患者さんのお話など、まるでエッセイのよう。
本書は読みやすく1日で読み切れる量ですし、40代の僕にも思いあたる話もあり、それぞれの話が実例付きで説得力もあります。
『自分も変わらなきゃいけないのかな』と考えているオジサンがいたら、ちょっと手にとってもらいたい一冊ではありますね。