香山リカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目7箇所。2011年時感じたベストセラーの傾向・・・すぐに感動したり、すぐに元気になってもらうもの。深い味わいを求められていない?より簡単に、より速く、よりお得なというブーム。「いま求められているのは、1時間で読めてあとに残らない本」。ムダなジカンとかコミュニケーションからしか、心のゆとりは生まれない。高度成長時代、バブル時代と現代の20代、30代が得られる収入はまったく違う。現在生きている70代以上の高齢者はネットを使いこなしたり起業する人はほとんどいないが、自分の能力を最大限に生かすことができる、問題は生きる力のないいまの若い世代が高齢者になったときどうなってしまうのか?
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Posted by ブクログ
2006年に精神科医の香山リカが書いた最近の日本のスピリチュアル・ブームの現況を解説した一冊。江原啓介をスピリチュアル界の代表的存在として取り上げ、精神的・霊的に飢えた日本人、特に日本人女性の「自己主義」「自己肯定」への渇望に対するヒーラーとしての位置づけを分析的に紹介している。基本的に信仰をもたない日本人は、現代のように極めて不確実、不安な時代を迎えると、「何のために生まれ、何のために生きるのか」といった根源的な問題への解をヒーラーたちの語る「前世」「霊」「波動」に求めるようになる。マーケッターである小生は、この本をマーケティングの見地から読んだが、マーケティングのテキストとしても使用に耐え
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Posted by ブクログ
タイトルの時点で非常に挑戦的な本だが、内容も十分に挑戦的だった。
香山リカの本は初めて手に取ったのだが、前半は感覚ベースで書かれていて殆ど所感レベルだったが、後半は様々な人の引用や科学的な用語を含む文章で、差が激しかった。それも戦略なのだろうか。
感想としては、経済社会について新自由主義批判をしていたが、やはり竹中平蔵先生が言っている内容とのズレがある。
どちらが正しいとかは恐らく判断できないのだろうけれども、「小泉・竹中政権によって格差が拡大した」と言っているあたり、やはり感覚ベースなのかなとも思ったり。
2007年時点の本だから仕方ないのかしら。
結局、香山リカがどんな論者なのか十分 -
Posted by ブクログ
ここ二十年くらいに精神科の診断と治療においてまだるっこい精神分析から主力の座を奪ったDSM(精神障害の診断と統計の手引き)によるマニュアル的な診断とそれに対応した投薬治療が、新自由主義経済による「勝ち負け」「儲かる・儲からない」の二分法に近似性が高く、それによってうつ病が「作り出されている」という分析に説得力あり。二分法的価値観からこぼれた部分はみんなうつ病に分類されてしまうような構造があるというわけ。
製薬会社のロビイ活動によって治療の主力が変わっていくのはマイケル・ムーアの「シッコ」の世界そのまんまで、それがアメリカだけの問題ではない(DSMによる診断は日本でも主力になっている)のもわかる